もう一つの物語』の作文集

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もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/29/2024, 1:24:27 PM

私は、付き合っている人がいる。

男前でかっこよくて、でも愛情表現もしっかりしてる優しい人。愛しい人。大切にしたいと思っていた。けれど、その人は急にいなくなった。

どこに行ってしまったのか、見当もつかない。

あの人のいないこの部屋が、こんなに静かで寂しいだなんて。私の呼吸の音だけが響いて、反芻する。怖い。あの人を失うのがとても怖い。警察に頼るべきだろうけれど、もしかしたらふとした拍子に帰ってくるかも、という希望が捨てられない。ご家族にはまだ挨拶をしていないから、行方を知らないか聞くこともできない。


どうしたらいい?


物音ひとつない部屋に、夕陽が入り込む。部屋は朱く照らされて、その光を私も無抵抗に羽織る。赤い。顔を伏せて微かに見える外にカラスが飛んでいくのが見えた。




あの人もどこかに飛んでいってしまったのかな。











知らぬ人よ、聞いてくれ。

私には付き合っている人がいる。出会ってすぐに結婚を決めてしまえるほど良い女性で、結婚には踏み切れなかったものの同棲の話が出た。嬉しさのあまり、会社の同僚にその話をしたら、逆上された。同僚とは飲みにいったり、食事に行くことはあったが、二人きりの空間になることはなかったし、彼女が言っていることはちぐはぐだ。

私は、彼女から逃げる為に必死に逃げて、逃げた。逃げたはずだった。

それなのに、彼女は私の家に今いて、足元には愛する人が横たわっているのが見える。かろうじて肩が動いているのが見えて、生きていることに安心したが、彼女は勝手にカーテンを開けており、煌々と入る夕陽のせいで愛する人が本当に無事なのかが分からない。


彼女は私を見るとニタ、と笑って机から立ちあがった。



「やっぱり、帰ってきたね。」


【もう一つの物語】

10/29/2024, 1:23:52 PM

真っ暗がりの中は、不安だった。
だから、思わず口について出た歌をずっと歌うことにした。
声を出し続けていなくては、暗がりの中の真っ暗闇な沈黙に押しつぶされてしまいそうだった。

隣に気配を感じた。
人よりかなり大きい、獣みたいな剣呑な気配を。
隣は静まり返っていた。
まだ目覚めていないみたいだった。

昔、戦争があった。
酷い戦争で、私たちのご先祖は、全てをかけて戦い、辛勝を収めた。
手段を選んでいられない戦争で、私たちのご先祖は生き残った。

ところが、この勝利の代償はこの地を蝕んだ。
戦争の時に作り上げた生物兵器と、生物兵器が暮らし始めてからこの地に漂い始めた、移動する真っ暗がり。
それらが戦争に勝利した平和なこの世界に、黒点のようにぽつり、ぽつり、と悲劇を生み出し始めた。

有事は一緒に戦う頼れる相棒であった生物兵器も、平和な地では無用の長物。
次第にお互いがお互いを疑い始め、嫌厭し、軽んじていった。
生物兵器と住民の溝は深まるばかりだった。

そんな対立を嘲笑うように、真っ暗がりが群れをなして、どこの地域にも降りて来た。
この暗がりは人を攫い、人を生物兵器へと変えた。
音も実態もないこの侵略者を、私たちは災害とするしかなかった。

そして、私は今、その災害に巻き込まれてしまった。
もう生物兵器と化してしまった、顔も見えぬ誰かと一緒に。

こうした戦争の後遺症、二次的なこの悲劇たちを、歴史やニュースを物語る語り部や歴史家は、“もう一つの物語”と名付けた。
甚大な被害を出した苦難の戦争の歴史を、“悲劇の大元の物語”として、その後遺症を“もう一つの物語”としたのだ。

私はこのネーミングをクソッタレだと思っている。
今起こっている悲劇がオマケみたいな扱いで、酷いと思ったからだ。
自分や自分の知り合いが、“もう一つの物語”として語られるのなんて、真っ平ごめんだ、そう思っていた。

しかし、私は巻き込まれてしまった。
もう一つの物語の、登場人物として、この暗闇に放り込まれてしまった。

それがどうしようもなく悔しくて、どうにかして抗ってやりたかった。

だから私は歌い続けた。
それが何かをもたらしてくれるとは思わなかったけど、黙ってこの暗がりの沈黙に飲み込まれるのは嫌だった。

だから私は、生前いつも母が歌ってくれた、あの子守唄を口ずさみ続けた。
敵国の生き残りの子孫に殺された、母が私のために歌っていたあの歌を。

隣でふっと気配が動いた。
思わず、私は歌を止めた。

起きたのだろうか。
私と同じ物語に巻き込まれて、私より先に怪物になってしまった誰かが…。

気がついたら、手を伸ばしていた。
幾つあるか分からない、でも手と思しきものをゆっくりと、しかし強く握る。
冷たくて熱い手が、拳の中でやけに速い鼓動を打った。

私は、誰かのその手を握る。
優しく、強く。
勇気づけられるように。
願わくは一緒に抗ってほしいという望みも込めて。
一人じゃないと分かるように。

私たちは暗がりの中で固まって、じいっと向こうを見つめていた。
もう一つの物語の中で、二人っきりで。
二人っきりで励まし合って、二人っきりで途方に暮れていた。

暗がりが、ずうっと向こうまで広がっていた。

10/29/2024, 1:23:37 PM

もう一つの物語。
なんてものがあったら、知りたい。
もしこの選択をしたら何が待ってるとか。
もしこの選択をしていたら何が待っていたのか。
あるいは、変わらないのかもしれない。
これから生きていく中で、沢山の選択肢が出てくる。それが大きいものだろうと、小さいものだろうとね。沢山の選択肢があったら、何を選んだら良いか迷う。
もしそんな中で、選択肢の未来が見え、その未来によって選択肢を選ぶことが出来たら。
選択肢の未来が分からないより、断然良い。
だって、好きな未来によって選ぶことが出来る。
失敗をしないで理想の未来を切り開くことが出来る。
こんなにも夢のような法則があったら良いのに。
てゆうか、
こんな事を考える余裕があったら、勉強をしないと。未来なんてどうせ、思った通りにはならない。
だけど、思った通りにはならないとしても、後悔だけはないようにこれからも生きていく。なんて無理な気もするけど。頑張る!

10/29/2024, 1:23:21 PM

【もう一つの物語】

もし僕が幸せの中に生まれて

明るく輝く世界できみの歌を聴いたとして

他の誰かさんのように

人気だからと手を出してきみの本質にも気がつけずに

消費して捨てるような奴になっていたなら



それなら僕を纏う不幸な空気でさえ

美味しく感じられる



2024-10-29

10/29/2024, 1:22:44 PM

もう一つの物語

天野葵と孤爪研磨が出会い、結ばれて幸せになる物語と、孤爪研磨に出会う前の天野葵の人生が綴られたもう一つの物語。

…彼にはどうか私の人生を、物語を覗くことさえしないでほしいな。

10/29/2024, 1:22:33 PM

[もう一つの物語]

あの時、ああすれば…こうすれば…

もう一つの物語を想像してしまう時間ほど
無駄な時間はないとわかっているけれど
一人反省会が今日も開催されます

10/29/2024, 1:21:12 PM

別に自分の人生の主人公は自分!なんて思ったことない。
多分別の主人公がいて、自分はただもう1つの物語の、モブ目線として物語の上を歩いてるだけなのかもしれない

10/29/2024, 1:19:27 PM

指差す宙に
流星流れる

僕の街から
君の街へ


子供の頃に
約束した事

どんなことだか
もう覺えてない


君の左に
金星の煌めき

僕の右に
始祖鳥が啼く

10/29/2024, 1:15:41 PM

もうひとつ物語
誰もかずっともう
法力ほは別世界のはなしだと
思われいる

ちんちん
ぬいてくれ
エッチなんだから ハート💕
房厨術 ちゃんよ

きみここにてをとめてくれて
本田英哲

女よ愛してる💓♥️❤️

10/29/2024, 1:14:38 PM

ーもう一つの物語ー

私は

男に生まれたかった。


かと言って、

私は女だし中身も女だ。

あえて言うなら

男っぽい女だ。


なぜ男に生まれたかったか?

多分

みんなが納得する様な理由は言えない。


でも、

誰だって

好き嫌いはある様な感覚で

私は自分の性別が嫌いだ。

決して女性が嫌いなわけでは無い。

ただ

自分には自分の性別が合ってないと感じる。

かと言って、

今更「変えたい」訳じゃない。


あぁ、

なぜ神様は私を

女に生まれさせたのだろう。

住む場所も、恋人も、

進路も、職業も自分次第で自由に選べるのに

なぜ生まれた時の性別は選べない?



今のご時世は

ジェンダーとか言われてるけど

なんかそんな堅い感じじゃなくて

人からもそう思われたくなくて


そう、ただ

私が男子に生まれた世界線、

もう一つの物語の中に入ってみたかったんだ


そしたら、男子友達しかいない自分も

もっと楽しめただろうか、

男女の仲にある薄い壁も壊せただろうか

今も友達でいられただろうか



こんなこと考えなくて良かったのかな。

10/29/2024, 1:14:28 PM

【もう一つの物語】

たまに、ぼんやり考える。

女じゃなくて、男として生まれて。
長女じゃなくて、末っ子として生まれて。
本だけじゃなくて、ゲームも与えられて。
田舎じゃなくて、都会に住んでいて。
塾に通うんじゃなくて、外で楽しく遊んで。
三次元じゃなくて、二次元を好きになって。
美術部じゃなくて、テニス部に入って。
国語じゃなくて、数学が得意で。
隅っこじゃなくて、中心にいて。
図書館じゃなくて、カフェに行って。
彼女じゃなくて、彼氏ができて。 
         ︙

たまに、ぼんやり考える。
別の生き方もあったのかもなって。
たった一つ、違うだけで。
無数の道が繋がってるんだ。
                       fin.

10/29/2024, 1:09:48 PM

長い人生で
沢山の人に出会い学び感じ環境を作り
皆の知ってる 「私」ができた

その過程で
沢山のことを感じ悩み苦しみ喜び
誰も知らない 「私」がいる

皆の知ってる私も私。
誰も知らない私も私。

─誰も知らない「もう一つの物語」

10/29/2024, 1:09:15 PM

本を読むとなぜか文章を書きたくなる

プロットも起承転結だってめちゃくちゃだけど

言の葉が彩る世界が生まれたあの瞬間に

泣きたくなるほど心が軽くなるから

10/29/2024, 1:06:41 PM

悪ノ娘
※悪ノP様の楽曲です。世界一大好きな曲です。



むかしむかしある所に、齢14の幼い王女様がおりました。

王女様は傲慢で我儘で、いつも国の人々を困らせていました。

そのため王女様は、国の人々から『悪ノ娘』と呼ばれていました。

王女様には海の向こうの国に婚約者がおりました。

しかし婚約者は隣国の歌姫に恋をし、王女様との婚約を破棄してしまいました。

怒った王女様は、隣国の歌姫を殺してしまいました。

そんな王女様の行動に我慢ができなくなった国の人々は、遂に革命を起こしました。

赤き鎧の女剣士をリーダーに、人々は王女様を捕え、処刑することにしました。

王女様を処刑する時、彼女は最期にこう言いました。

『あら、おやつの時間だわ』

そうして王女様は処刑され、国には平和が訪れました。



………………しかしこれは表の物語。
実はこれには裏の物語、もう一つの物語があったのです。



王女様には顔のよく似た弟がおりました。

しかし王子様ではなく、召使いとして姉である王女様に仕えておりました。

召使いは王女様の願いをなんでも叶えました。

王女様のために召使いは、義父を殺し、愛した歌姫を殺しました。

王女様が喜ぶことが、召使いにとっての喜びでした。

歌姫を殺してしばらく経つと、王女様を殺すため、国の中で革命が起きました。

召使いは王女様を逃がすため、自らが王女となり死ぬことを決意しました。

『ほら僕の服を貸してあげる。これを着てすぐお逃げなさい。大丈夫、僕らは双子だよ。きっと誰にも分からないさ』

王女様は泣きながら召使いの服を着て、お城から逃げていきました。

王女様として捕まった召使いは、処刑される最期の瞬間、姉である王女様の口癖を言いました。

『あら、おやつの時間だわ』

こうして、姉と顔のよく似た召使いは、王女として処刑されたのでした。


逃げた王女様はどうしたのかって?

……

それはまた、次のお話で。

10/29/2024, 1:06:35 PM

もう一つの物語。
この言葉を聞いた時君はこう思うだろう。

あの時、もし違う選択をしていたのなら違う世界が合ったかもしれない。
それはあたかも自分が生きる、今の世界が正しい選択だったかのように語られる。

でも違う。
もう一つの物語とは、今君が生きているこの世界線なんだよ。
あったかもしれない、可能性の世界こそが正しい
物語なんだ。

君らが生きるこの世界はいつだって物語の主軸としては描かれない。
影に埋もれて存在すら認識されない。

 だって我々こそがもう一つの物語なのだから。

10/29/2024, 1:06:19 PM

#29 もう一つの物語

「はい!ありがとうございます!勉強になります!」

木曜日。週の終わりが近づいてきた。
あと1日会社に行けば三連休だ。

「冴木さんはいつも笑顔だし、仕事も早いし素晴らしいね。人当たりも良いしお客様の評価も最高だよ。」

「いやいや、そんな!とんでもないです!
ありがとうございます」

"人前では''いい人でいられる。
愛嬌を振りまいて、めんどくさい仕事もただただこなして、どんなクレームにも笑顔で対応する。
タスクをこなす毎日。

「彼氏いるのー?」
上司からのセクハラじみたプライベートな質問にも
「いないんですー」
笑顔でかわす。

彼氏なんて欲しくてもそんな簡単に出来るもの
じゃない。学生時代に学んだんだ。
毎回クズな男にばかりに引っかかる。
でも、心のどこかで
「もしあの時別れていなかったら
別の人生歩めてたのかな」
そんなことを考えている自分がいる。
学生時代。漫画で呼んだ青春に憧れて
元カレのことも自分のステータスのように感じていた。今思えば自分もクズだったんだな。

ー誰も知らない。ホントの私ー

面倒くさがりで、他人になんて興味無い。
友達からの誘いだって平気で断るから
嫌な奴って思われてるだろうな。

「友達…友達かぁ…、しばらく会ってないなぁ」

SNSを開くと現れる充実した人生の人たち。
毎日会社と家を往復している私とは程遠い世界の物語を歩いている人たち。

「羨ましい…」
そうは思わない。
でも、こんな私でも毎日こなすタスクは他にある。

「創造ノート」
そう名付けられたこのノートは、学生時代から
私の思いや考えを書き綴ってきたノート。
創造するだけで充実出来るんだから。

今日もペンを手に取り、お気に入りのお茶を用意して
私の、私だけのもう一つの物語を書いていく。


しぐれ

10/29/2024, 1:05:39 PM

自分の人生なんだからあなたが主人公にならなきゃ!
という言葉を聞いたことのある人は多いだろう。
すなわちこの世に生きている人間の数だけ物語が存在するわけである。

できるだけ多くの人の物語にいいやつとして描かれたい。
そんなあなた!
明日からちょっと周りの人に優しくしちゃいましょ。
動機不純でも優しさは優しさ!

(もう一つの物語)

10/29/2024, 1:05:36 PM

人として生まれてからどちらを選ぶか
 で、全く違う人生を送ると思う。

 食べ物 友人 進む道  もっと細か
 い選択だってする。

 左右どっちに進むかで巡りあった人に
 よって180度違う人生だったかもしれ
 ない。

 この先だってそうだ。

 ひょっとして思いもよらない人生に出
 会えるかもしれない。

 怖くもあり楽しみでもある。

10/29/2024, 1:05:04 PM

もう一つの物語。
例えば、テスト前にちゃんと勉強した私の物語。
例えば、あの時に謝れた私の物語。
例えば、昨夜潰した蚊の物語。

今朝割った卵のひよこの物語。
電車に飛び出したあの人の物語。


あったはずの物語。私が書き損じた物語。



もう一つの物語。
例えば、補修の時間で仲良くなった友達との物語。
例えば、謝れなかった後悔を覚えている物語。
例えば、昨夜殺し損ねた蚊の物語。

朝食に目玉焼きを食べた私の物語。
ホームに花束を添えて生きる私の物語。


なかったはずの物語。私が書き連ねた物語。



どちらも、等しく。



「もう一つの物語」 白米おこめ

10/29/2024, 1:03:58 PM

カオス的軌道を描く羽搏きはあなたの涙
あるわけないじゃないそんな妄想なんて
時間だけがただ一つの正しいものだ
過ぎ行く全てを見送っているとまた過ぎ行く全てへ
涙で空を変えられるなら泣くと良い
美しいあなた、もう一つの物語などありはしないよ

落とした靴が硝子であったら違っただろうかなんて。


問いかけても何も語らない私を掘り返して、思想の雫を詩に溶かしてみると、存外考えもしなかった自分への答えを見つけます。色彩豊かなのか混濁なのか、捉え方はそれぞれです。蝶の羽搏きではあなたという名の私は救われない。

もう一つの物語

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