愛し合う二人を、好きなだけ

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悪ノ娘
※悪ノP様の楽曲です。世界一大好きな曲です。



むかしむかしある所に、齢14の幼い王女様がおりました。

王女様は傲慢で我儘で、いつも国の人々を困らせていました。

そのため王女様は、国の人々から『悪ノ娘』と呼ばれていました。

王女様には海の向こうの国に婚約者がおりました。

しかし婚約者は隣国の歌姫に恋をし、王女様との婚約を破棄してしまいました。

怒った王女様は、隣国の歌姫を殺してしまいました。

そんな王女様の行動に我慢ができなくなった国の人々は、遂に革命を起こしました。

赤き鎧の女剣士をリーダーに、人々は王女様を捕え、処刑することにしました。

王女様を処刑する時、彼女は最期にこう言いました。

『あら、おやつの時間だわ』

そうして王女様は処刑され、国には平和が訪れました。



………………しかしこれは表の物語。
実はこれには裏の物語、もう一つの物語があったのです。



王女様には顔のよく似た弟がおりました。

しかし王子様ではなく、召使いとして姉である王女様に仕えておりました。

召使いは王女様の願いをなんでも叶えました。

王女様のために召使いは、義父を殺し、愛した歌姫を殺しました。

王女様が喜ぶことが、召使いにとっての喜びでした。

歌姫を殺してしばらく経つと、王女様を殺すため、国の中で革命が起きました。

召使いは王女様を逃がすため、自らが王女となり死ぬことを決意しました。

『ほら僕の服を貸してあげる。これを着てすぐお逃げなさい。大丈夫、僕らは双子だよ。きっと誰にも分からないさ』

王女様は泣きながら召使いの服を着て、お城から逃げていきました。

王女様として捕まった召使いは、処刑される最期の瞬間、姉である王女様の口癖を言いました。

『あら、おやつの時間だわ』

こうして、姉と顔のよく似た召使いは、王女として処刑されたのでした。


逃げた王女様はどうしたのかって?

……

それはまた、次のお話で。

10/29/2024, 1:06:41 PM