『もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
Vice versa
もう一つの物語を話そう。
ある日、私が見た夢の話を…
夢の私は社交性が高く、すぐに人と話せ、距離感の近い人物である。「私」には過去に男子の恋人がいた。その人物とは現在も関係が良好で、「私」はその人物に微笑んでいた。そして、「私」には現在女子の恋人がいる。「私」はその人物にも満面の笑みを浮かべ、大切な人であると自覚している。恋人と会った後は、可愛い女子の後輩と話し、楽しそうな時間を送った。その後輩と会った後には、女友達と買い物に出かけ、ゲームやガチャガチャを見ていて、我ながら子供っぽいと感じながら、安らぐ時間を送った。
「私」は私とは正反対の人物である。現実の私は、社交的ではなく交友関係を狭め、恋愛感情がないに等しくどちらの性別にも恋愛としては惹かれず、自分自身の性別を両性か無性と捉えている人物である。
もう一つの物語を考えてみよう。その「私」は、異性を好きになり、自分を女性だと捉えている一般的な人物であり、仕事と家庭を両立することを将来の理想と考えている人物である。
どの物語が好きかというと、現在の私の物語が私は好きである。私は自分のことが好きな訳では無いが、一般的な自分よりもマイノリティな自分の方がしっくりくる。
どれだけ大変でも、私はこの物語を歩んでいきたい。
あなたにとって最良なのは、自分の物語か逆の自分の物語か、どちらだろうか?
どちらを選ぶにせよ、物語の選択権はあなたにある。
あなたにとって最良な物語を読み進めて欲しい。
⟬もう1つの物語 ⟭
僕は、頭が良くて、みんなに信頼されてて、暖かい家と布団があって、食べるものがあって、親に殺されかけるなんてことがないなんて今とは真逆な夢。
現実とは程遠い幸せな夢の中のもう1つの物語。
「これが本当の人生だったら良かったのに…」
彼女に別れを告げようって
最近その事ばかり考えていた。
自分の不調に気づいたのは本当に最近で
「病院に行って来た方がいいんじゃない?心配だよ。私。」
そんな言葉を彼女はかけてくれた。
俺の事を第一に考えてくれる彼女は
「一緒に着いていこうか?」など優しい声をかけてくれた。
「そんなに心配しないで大丈夫。ありがとう。」
なんて言って
雲ひとつもない晴天のあの日俺は病院に行った。
医師から告げられた言葉は信じられなかった。
「...膵臓癌?」信じられない余命宣告までされた。
彼女に言うべきだろうか...。
その夜電話で
「どうだった?結果大丈夫だった?」優しい声が耳元で聞こえる。あぁ言わないと...。
「あぁ...うん。......ただの風邪だった。」
「風邪か良かった。大きい病気じゃなくて。でもこれからも気をつけてね。」
「もう遅くなっちゃったね。風邪早く治りますように。おやすみ。」
「うん...。おやすみ。またね」
電話を終えて時計を見たら24時を指していた。
いえなかった...余命宣告されたこと。
宣告されてからずっと考えていた。
俺は彼女に別れを告げることにした。
優しい彼女はずっと俺を思って恋愛に億劫になってしまうから。
俺に縛られて欲しくなかったから。
いや...優しい彼女がそばに居ると俺が辛くなってしまうから。
でも最後に直接伝えたかった。
最後のLINE「今夜あの公園で会おう」
...もう決めたんだ。
「別れよう。」
冷たい声突き放すように言った。
「他に好きな人ができたんだ。」
嘘をついた。最初で最後の嘘を
今は彼女の前から消えたくて,涙を見せたくなくて,
知らない街に行こうかなんて気を紛らわせて
「...大好きでした。」
一言暗がりの中で消えていった。
これはもうひとつの物語
─────『もうひとつの物語』
「あの時あなたと付き合ってたら、今こうして会ってないかもね」
君はイタズラな笑顔で、僕に問いかける。
これだよ。
この笑顔が好きなんだ。
そして、それが僕の思考を狂わせて、語彙力を低下させる。
「わかんないよ。そのまま結婚して、仲の良い夫婦やってるかもよ」
ブラックのアイスコーヒーをかき混ぜながら、やっと見つけた答えを返した。
「そうかー。…。そうかもね」
少し間がある、君の答えが気になった。
「きっとそうだよ。だって、あれからかなりの時が流れたのに、こうしてまた会えたんだから」
あぁ、またやられてしまった。
いつもこうやって、君の手のひらの上で転がされる。
君と僕の関係は、いつでも主導権は君だ。
それはきっと、あの時付き合ってたらって言う、
もう一つの物語でも同じだろう。
〜もう一つの物語〜
もう一つの物語。
もう一つの物語?
私に聞く?
もちろん
Gくんの
ヲタとして
人生を楽しむ。
でも今も
めちゃくちゃ
幸せだから。
Gくんが復活したら
焦るかも?
もう一つの物語
きっと君は知らない。
語りつながれてきたその物語が、その話の一部でしかないことを。その話の一つの面でしかないことを。
きっと君は知らないまま、いや知らされないままここまで来たんだろう。
物語にはどんなときにも正義があって、それに敵対するように悪があるんだ。
でも、その悪は本当に悪なんだろうか。
正義から見たら、それは確かに悪なんだろうけど、悪から見たら正義の方が悪に見えたりするんだ。
だから君が掲げる正義は、君にとっての正義で。
君にとっての悪は、みんなの悪ではないんだよ。
正義の反対は悪なんかじゃない。また別の正義なんだ。
これは君が知らない、悪役と呼ばれる人たちのためのもう一つの物語。
一番下のこぶたに
してやられたオオカミは、
おしりに大ヤケドをおった
何とか自分の家に
たどり着いたオオカミは
腹をすかせている家族に
何も言えなかった
オオカミの奥さんも
何も言わず、涙を流しながら
献身的に夫のヤケドの看病をした
オオカミの子どもは
猟に頼る不安定な生活から
抜け出すために大牧場を作り、
肉の安定供給に取り組む経営者となって、
親孝行したとさ
これがもう一つの物語
題「もう一つの物語」
『もう一つの物語』
──物足りない。
あれも足りない、これも足りない、それも足りない、足りない、足りない、足りない。
スクリーンに映る物語に不満ばかりが溜まっていく
足りないものばかりの駄作だ。
誰だこんな映画を作った馬鹿者は、今どき小学生ですらもっとマシなものを作れる。
何なら私が同じタイトルで、もう一つ別の映画を作ってやっても良いぐらいだ。
そう心の中で吐き捨て、その場を立ち去ろうとするが身体が動かない
それならばと、目を閉じてしまう
しかし瞼の裏にまでその映画が流される始末
つまらない人間のつまらない物語。
主人公は最後、死ぬ時にこう言うのだろう。
『満たされない人生だった』
……あぁ、なんて在り来りな設定だ。
本当は分かっていた、解っていたはずだ。
この映画は私の人生だ、この駄作だけが私の人生なのだ。
人生に、もう一つの物語なんてものは……無い。
今日もたくさん選択をして、たくさんのもう一つの物語を見捨てた。
いつかそれらを回収したい。
(人生何周するんだろう?)
あなたが夢みていた大学や、就職先では無かったかもしれない。
あなたが望んだ業界や、職種ではなかったかもしれない。
こんなはずではなかったと悩み抜いて、悔し涙を流す夜もあるかもしれない。
もう自分には何もない。
何も築けなかったし、夢も希望も若さも全て失ってしまったと考えてしまう日もあるかもしれない。
それでも悩んで、悩み抜いて、
もう一歩も動けないと思っている自分を。
明日は右に、明後日は左に運んでみよう。
行き止まりばかりかもしれない。
それでも細い道が見つかることがあれば
あなたのもう一つの物語が芽吹いてくるから。
千尋へ
この手紙を見て不快感を与えてしまったら捨てるなり燃やすなりしてください…そしてこれは俺の考え方から出た一個人の貴女への想いです。
はじめに俺は貴女が嫌いです。
10年以上は一緒にいるのに貴女は沢山笑顔を絶やさず、そして泣いたところを見た事がない。
そんな貴女を心から尊敬していると同時にとても心配していました。
だからあなたに言った「俺はいつでも相談に乗るから」
と、ですが貴女は俺の死ぬ最後まで気づかなかった。
俺はその言葉を貴女から聞きたかった。
貴女に相談したかった、貴女にもう一度抱きしめて欲しかった。貴女のもつ友達、家族、お金、何より嫌な事でもしようと思えるその心が欲しかった。
逆に俺からは静かな一人の時間、嫌な事は嫌と言う心をあげたかった…
そして最後に俺は君が誰からも縛られず心から幸せだと思える人生になることを願ってる。
書類を届けにオフィスビルでエレベーターを待っている。扉が開くと、女性が泣きながら飛び出してきた。そのあとを男がキムタクばりに「ちょ、待てよ」と声をあげて追いかける。
エレベーターに乗り、扉が閉まる直前、女性が男にビンタした。その音が耳に残ったままエレベーターは動き出す。
ランドセルを背負った女の子がいる。
「あれ? 降りなかったの?」とぼくは聞く。
「パパに忘れ物届けに来たんだけど、もう一回行って来る」と女の子は答える。
「会えなかった?」
「ううん、心を落ち着けたいから」
きみのほうの物語を、ぼくは知りたい。
086【もう一つの物語】1022.10.29
私は角膜です。私の持ち主は学校の先生でした。だから私は毎日毎日、たくさんの子どもたちの顔と、黒板を見ていました。楽しかったです。黒板の前の先生を見つめる子どもたちの瞳、あ、わかった!、といきいきしはじめる子どもたちの表情、そのとき血液や神経を伝ってくる先生のよろこび。毎日毎日同じものばかりを見ていましたが、一日たりとも同一であったことはありませんでした。
だけど、残念なことに、先生は事故で亡くなりました。にもかかわらず、私は死にませんでした。脳死でした。先生はもともと、誰かの役に立つことに生きがいを見出すようなタイプのひとでした。だから、万一のときは臓器提供するよう、意思表示していました。そうでした。先生が更新の度に免許証の裏にそう記していたのを、私も見ていました。
私は冷たくなった先生の体から切り取られ、もっと冷たいもののなかに納められ、旅をしたようです。眠っているわけでもないのに何も見えないなんて、私には初めてで、あんなにドキドキしたことはありません。そして、なにやら明るいところに取り出されて、移植されました。
新しい持ち主は、最初は瞼を閉じていました。新しい持ち主が初めて瞼を開いたとき、とても眩しかった。新しい持ち主の目のなかで、目の使い方は、ひとによりクセがあることを知りました。お互い呼吸をつかむまで、ややかかりましたが、私はちゃんとなじむことができました。
新しい持ち主は、旅することを仕事にしていました。ツアーコンダクターというやつです。学校しか知らなかった私が、今度は旅から旅へ、もう一つの物語を生きることになるだなんて。かくして、新しい持ち主といっしょに、私は、日本中を旅することになりました。そのことの、なにが素晴らしかったって。私は新しい持ち主に連れられて、かつて、先生が私の目の前でチョークで黒板に書いていた地名の数々のまさにその場所に、日々、おり立つことになったのです。そこで、私は、子どもたちといっしょに習った建物やら自然現象やらの本物を、目の当たりにすることになりました。百聞は一見にしかずとはこのことです。学びてときにこれを習う、というのはこういうことかと、旅立つたびに驚きを新たにしました。いや、その孔子の言葉は本来はそういう意味ではないのですが、私にはそう思われました。
さて、新しい持ち主もずいぶん長いことこの仕事をしています。そろそろ定年退職です。もう旅よりも家でゆっくりしたい、というのが最近の口ぐせです。きっと私も、日々、新しい持ち主の自宅まわりの景色のうつろいを眺めながら、おだやかに暮らすことになるのでしょう。
飛行機が飛んでるのを見ると、乗ってる人たちは「どこかにいっているのかぁ」と思う。
旅行かもしれないし、仕事かもしれないし、家に帰ってるのかもしれないし。
でも遠くに行けるのはいいなぁ
いつか世界を飛び回りたい
「もう一つの物語」
こっちの人生の道を選んでいなかったら
私はどんな人と出会って
どんな仕事をして
どんな生活をしていたのだろう。
テーマ“もう一つの物語”
愛する人と出会い
結婚し、もう50年が経過した。
子宝にも恵まれ
その子どもたちも親になり
みんな幸せそうにしている。
まあ、見せない苦労は
当然あると思うけれど
それでも、私たちに見せる姿は
幸せそうなので
幸せなのだと思う事にしている。
妻は、私の横で微笑み
私はその横で花を眺めている。
日差しが暖かく
うつらうつらと眠りについた。
ー妻サイドー
50年連れ添った主人が
隣で横になっている。
本人は知らないけれど
彼の寿命はそろそろ尽きる。
先日、医師に
もって後、数日だと告げられた。
もう、手の施しようが無いのだと。
最近、眠る時間が増えている。
離れた場所に住む
子どもたちに、頻繁に顔を出すように頼み
幸せそうな姿を見せて欲しいと頼んでいる。
「見てください。貴方が好きな花が今年も咲きましたよ」
そう声をかけているけれど
聴こえていないだろう。
辛くも、苦しくもあったが
私は、なるべく笑顔で話し掛けた。
主人が、花に目を向ける。
そうして、春の暖かな日
主人は、主人が好きな花を最期に見て
天へ昇っていった。
ありがとう、愛しき人へ。
【もう一つの物語って、こういう意味でも良いのだろうか…】
あの時、ああしていたら。
この時、こうしていたら。
ときどき夢想してみることがある。
今は、違っていただろうか。
それとも、やっぱり同じになるのだろうか。
どうあっても決して読むことは叶わない
私だけのもう一つの物語。
もう一つの物語
過去に戻ってもう一度やり直したくなる
あの時もうひとつの選択をしていたら…
あの時もうひとつ別の行動をしていたら…
もう一つの私の物語は
実は輝いていたかもしれない
その答えは永遠にでることはなく
考えて囚われて渦巻いていく
だから現在(いま)の私の物語を
それ以上に輝ける人生に作り上げていくのだ
あまりにも沢山
曝け出したから
思い出し
記すもの全てが
貴方に繋がる
今もまだ
小さな光見つける度に
伝えたくなる
つい
貴方に・・・と
愛しさを持ち寄り
分かち合った時間
二人の物語は
ページを閉じて
もう
開かれる事は無い
人は
選ばなかった道に
嫉妬する
ねぇ
もしあの時
・・・
「もう一つの物語」
|もう一つの物語|
人生たくさんの選択肢を与えられ、
その度に選択してきた
人生ってよく見かける心理テストとかのチャートのように思う
選択してその先違った人生だったのだろうかと
それとも選択があるようで、最初から1本の道だったのかもしれない
自分は最初からこの道を歩くように決まっていたのかもしれないと
考えても正解はわからないけれど、
どの道を選んでも正解はないし、どんなことがあってもそれも人生
あの時あの選択をしてたら、別のもう一つの物語があったかもしれないことなんて考えない
自分の好きなように生きていけばいい
そしてこれからも自分の選択を信じる