もう一つの物語
きっと君は知らない。
語りつながれてきたその物語が、その話の一部でしかないことを。その話の一つの面でしかないことを。
きっと君は知らないまま、いや知らされないままここまで来たんだろう。
物語にはどんなときにも正義があって、それに敵対するように悪があるんだ。
でも、その悪は本当に悪なんだろうか。
正義から見たら、それは確かに悪なんだろうけど、悪から見たら正義の方が悪に見えたりするんだ。
だから君が掲げる正義は、君にとっての正義で。
君にとっての悪は、みんなの悪ではないんだよ。
正義の反対は悪なんかじゃない。また別の正義なんだ。
これは君が知らない、悪役と呼ばれる人たちのためのもう一つの物語。
10/29/2022, 12:53:09 PM