また会いましょう』の作文集

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また会いましょう』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/13/2024, 3:00:08 PM

【また会いましょう】
 後ろ髪引かれながら、冷たいドアノブに手をかけた。全部自分で決めたのだし、貴方も望んでいないだろうから、きっともう2人きりのあの部屋には戻れない。
 夜の新橋の空はしんと冷えている。チラチラと光る飲み屋の明かりをぼうやり視界に入れて、明日を思っては泣いた。下を向くと重力に従った髪がカーテンの役割をもって、喧騒がなりを潜め世界から切り離されたような。なんだか迷子になった小さな子供みたいで、不安と逃げ出したくなる気持ちから鼻の奥がツンと染みる。人差し指で目尻を拭いた時、スマートフォンが震えて、ふわり、明るくなった画面に1件のメッセージを認めた。

『いつ帰ってくるの?』

いいのだろうか、何度も何度も間違いを繰り返した私が、貴方の元に。

『初めからやり直しましょう。あの時みたいに待ち合わせて、また会いましょう。』

ブー、もう一度スマートフォンが震えて、

『何度間違えても、君じゃなくても良かった世界でも、君を選ぶよ。それが答えじゃあないかな。』

11/13/2024, 2:58:27 PM

【また会いましょう】(創作物語)
華のJKになったなおは理想の高校生活を胸にしながら学校へ向かう。しかし夢を見ていたのは最初の頃だけ、なおはいじめの対象となってしまった。

生徒 「今日も学校来てる笑」
生徒 「いいかげん来なければ良いのに菌が移る」
生徒 「それな?笑」
なお 「……」(教科書は酷く落書きされ、破かれている)
クラスメイト 「笑笑…」

なお 「どうして私がいじめられないといけないの…」
(誰にも相談出来ず、家に帰ると夜遅くまでSNSをするようになった)
なお 「なにこれ…?」ーーー好きな世界へ行く方法ーーー
なお 「馬鹿らしい、どうせ何も変わらないのに…」
(なおは説明通り紙に、行きたい世界の詳細を書きそれを枕の下に入れて願いながら眠りについた)

なお 「ん…夢の中なのに夢ってわかる…あー、これ私が行きたかった世界だ」
なお 「綺麗な野原…」
すず 「なお!待ってたよ!」
なお 「……すず!」
すず 「なお こっちに来て!綺麗なお花があるの!」
なお (すずは私が作った架空の子、優しくて可愛い子)
なお 「このお花凄く綺麗…すずありがとう!」
すず 「どういたしまして!…なお、このお花あげる!」
なお 「え、いいの?こんなに綺麗なお花…」
すず 「なおに持ってて欲しくて!このお花見て少しでも励ましになればなって…」
なお 「え?」
すず 「そろそろ帰る時間、なお、またね…」
なお 「……夢…!このお花…」(目覚めたなおの手には夢の中ですずがくれた綺麗なお花があった)

生徒 「また来た〜笑」
生徒 「あいつが来ると淀むわ〜、はぁ気分下がる」
生徒 「ねね…笑あいつ、机に置いた花見て泣きそうになってるよ笑」
生徒 「感動してくれて良かった〜笑」
(なおの机に置かれていた花の花言葉は死を意味していた)

なお 「どうして!!!…私が何をしたっていうの…」
なお 「……すず…たすけて…」(帰宅しすぐに会いに行く)

なお 「…ん、、すず…すず!」
すず 「なお!…どうして泣いているの?」
なお 「ん…少し悲しい事があっただけ…」
すず 「……なおのためにお花を摘んだよ!」
なお 「花……ごめん、今はいらない」
すず 「そっか…じゃあこのペンダントをあげる」
なお 「綺麗…すずの大切なものなんじゃ…?」
すず 「だからなおに持っててほしいの!…そろそろ帰らないと…なお」
なお 「嫌だ!帰りたくないよ…」
すず 「…でも、帰らないと、もう戻れなくなっちゃう」
なお 「いいよ、 ずっと一緒にここにいようよ…」
すず 「ダメだよ、なおは戻らないと!」
なお 「なんで!? どうしてそんなこと言うの…」
すず 「ごめんね、なお、またね…」

(次の日の夜)
なお 「すずの性格を変えればいいんだ…あんな事言わないように、優しくて可愛くて一緒にいたいと思うすずに…」

なお 「すず…」
すず 「なお!あっちに綺麗な湖を見つけたんだ!」
なお 「本当!? 行こう!」
なお 「綺麗…綺麗に反射して違う世界があるみたい」
すず 「良かった!…もう帰らないと、なお…」
なお 「なんで…変えたはずなのに!!どうして言うの!?嫌、もう嫌だよ、帰りたくない……」
すず 「……なお、帰らないと、」
なお 「帰ってもまた辛いだけ!ならすずと一緒にいたい!戻れなくなってもいいから……」
すず 「ダメだよ、なおを1人にはさせられない……」
なお 「すずもいるでしょ、?1人じゃないよ…」
すず 「……私、もう消えちゃうから…なおを一人ぼっちにさせちゃう」
なお 「なに、?消えるってどういうこと?…」
すず 「私は本当はもう死んでるの、でも魂が繋ぎ止められてるからなおと話せてる、でもあと少しで魂も消える」
なお 「すずともう話せなくなる……?そんなの嫌だ」
すず 「だから…元の世界へ戻って、それでどうか幸せになって…なお…」
なお 「嫌だってば!すずやめて!その話はもう聞きたくない!嫌だよ…もう会えないないなら私も…」
すず 「会えるよ、なおにとっては少し長いけど来世できっとまた会える、必ずなおを迎えに行くよ」
なお 「いや…まって置いて行かないで……」
すず 「また会おうね、必ず迎えに行く約束!だから少しの間お別れ」
なお 「…約束だからね、絶対また会おうね!」

なお 「…すず……」
(それから何度もあの世界へ行く方法を試したけど1度も行けなかった)
なお 「…すず、もう会いに行っても良いかな…少し早く会いに行っちゃうかも…」(なおはすずに貰ったペンダントで首吊りをして死亡…)

11/13/2024, 2:58:09 PM

「また会いましょう」

そんな儚いような言葉が、彼の最後に聞いた声だった。
約束守ってよ、笑

11/13/2024, 2:55:04 PM

五年後にまたおいでなさい、と貴女は優しく言いました。
 
 約束ですよ、俺のことを待っていてくださいね。
 俺は必ず、五年後に戻ってきますから。
 それまでどうか、俺のことを忘れたりしないでください。 
 泣きながら、何度も何度もそう繰り返す俺の頭を優しく撫で、貴女は微笑みました。ええ、必ずまた会いましょうね。私は貴方を、待っています。

 結局貴女は、俺と再会することなく亡くなってしまいました。
 けれどそうだったからこそ、死後の俺は貴女の魂の守りに入ることを躊躇なく決意できました。

 それからは、生前に貴女と過ごせなかった分の時間を埋めるかのように、俺は貴女を陰ながら助け続けてきました。良縁を運び、悪運を遠ざけ、貴女に心底の愛を注いできました。
 俺は貴女の目に見えない、耳に聞こえない、手に触れることの一生ない存在になりましたが、それでも良いと思ってきました。

 貴女がこうして、俺の言葉を聞き取れるようになったことは、俺にとってあまりにも過ぎた幸福です。
 貴女と一緒に生きられなかった日々を、今代わりに過ごしているような気がします。
 
 けれどどうか、俺がいることを言い訳にして、新しい人間関係を始めることを諦めたりはしないでください。
 貴女はもっともっと、輝けるひとです。俺のような死者にかまけていないで、どうか貴女の人生を生きてほしいのです。

 貴女にはもっと、真摯に生きてほしいのです。

11/13/2024, 2:53:24 PM

夕日に染まった
水面が揺れる様に

君の瞳が
涙で潤んで
こぼれそう

僕は君に
別れを告げた

君をこれ以上
傷つけたくない

君を失いたない
失いたくないけど
そう決めた

一緒に居る時間が
少なくてスレ違い
が多くなって

君に淋しい思いを
させてしまった

君の涙を見てると
気持ちが揺れる

僕は
サヨナラと
君に背を
向けた

そして僕は
バックミラーに映る
君を見つめ

車を
走らせた


君は泣きながら
車を見送ってた

11/13/2024, 2:53:20 PM

「また会いましょう」


不思議ともう会うことは
出来ないのだろう

と思ってしまった

会えたら良いねとか

ご縁があったらとか

あえて連絡はしないけど



「また会いましょう」の言葉で

1人だけ思い出した人がいる

10代の頃

私の片思いだった人

今何しているのかな?

きっと

もう

すっかりおじさん

11/13/2024, 2:51:48 PM

『また会いたいが言えなくて』

「ねぇ、この漫画借りてもいい?」

 幼い頃から幼馴染の君に何度も言っていた言葉。私の親は厳しい人で漫画やゲームを買い与えてくれることはなかった。だけど、君はそんな私に色んな世界を見せてくれた。剣を持って勇気を奮い冒険をする物語、甘酸っぱく切ない恋をする物語、連続殺人事件の犯人を追う手に汗握る物語。

 色々な世界に触れて、私は成長してきた。そしてその傍にはいつも君が居た。だから、私は君のことが好きになった。
 だけど、幼馴染という安定した関係を崩すのが嫌で、一線を越えることはしなかった。

 ある日、君には彼女が出来た。私から見ても凄くお似合いのカップルだった。
 君の隣にいるのはずっと私だけだと思っていた。幼馴染という関係性に満足して、それより先に進もうとしなかった私が悪いのだけれど、どうして私じゃないのと醜い気持ちを吐露しそうになった。

 君は彼女が出来てからも、流石に頻度は減ったとは言え私と遊ぶことはやめなかった。彼女も私たちの関係はよく知っているようで文句を言うことはなかった。
 それが彼女に嫉妬の感情を向ける私には辛かった。むしろ彼と会わないでと言われた方が幾分か良かったと思える程の自己嫌悪に陥ったこともあった。

 そんな思いも露知らず、君は今日も私を家に招く。心の中はどうあれ、君と一緒に居られる時間は楽しいもので今日も私は君の家に上がる。いつまで家に誘ってくれるのか、いつか誘ってくれなくなるのなら、私から次の約束を取り付けようか。

 でも、直接また会いたいなんて絶対に言えなくて。だから借りた本を返すと言う口実を作って会えるようにしているだけ。借りた本の内容なんてほとんど頭に入っていなかった。

 あぁ、どうか、この気持ちが君にバレませんように。

 ──お題:また会いましょう──

11/13/2024, 2:51:32 PM

聴覚は最後まで残っているらしい
祖父が亡くなる前
声は最後まで聞こえてるから声をかけてあげてねと言われてありがとうと声をかけた
ほんとに届いてたのかは分からないが伝えられて良かった
愛しの貴方が亡くなる時は、声をかけてあげてと言われて声をかけてあげることはできるのだろうか
でもずっと泣いてばかりいて、それをずっと君が聞いていたなら安心して成仏できないか
僕は頑張って君に伝えるよ
また会いましょう、絶対に君を探し出すよ

11/13/2024, 2:50:00 PM

また会いましょうよ。
私たち、離れた方がいいわ。
いつか会えるわ。会わなければいけないわ。
消費しすぎたのよ、あいを。
我慢ばっかじゃ疲れるわ。
また会いましょうよ。
結果じゃなく、過程も見ましょうよ。
あなたはどんどん私といるとだめになるわ。
やめましょう。やめましょう。
こんな歌、呪いだわ。
こんな文字、呪いだよ。
帰ってください。
そう言ったら消えて泡を見た。

11/13/2024, 2:49:17 PM

また会いましょう

今度あった時は

ちゃんと向き合えると思う

過去の私に。

今まではしがみついていたけど

今度振り返った時は

きっとありがとうと

笑えると思うから

また会いましょう

11/13/2024, 2:46:45 PM

『また、会いましょう』


落ちた枯葉を踏み締めると

冬の始まりを感じる。


冬が始まると、

すぐそこに、

次の年が待っているようで

わたしは、立ち止まる。


時間は、水が流れていくように

止まる事はないと分かっているけれど

ふと、考える。


今年も、あなたに会えなかったと。


あなたを探している訳じゃないけれど

何処かにあるはずの偶然を

わたしは待っている。

あなたが残していった名前を

あなたが取りに来てくれるまで。


最後は、あなたが何と言ったのか

今はもう朧げなのに

あなたの名前だけは、消えてくれない。

同級生の名前も

今まで出会った人の名前を

覚えるのも苦手で

心の中からすぐに消えて行ってしまうのに。


一度だけ聞いたあなたの名前は

わたしの心の中で、大きく陣取っているみたいだ。

忘れようと何度も試みたけれど

その度に、耳元で呟かれているみたいで

耳の奥にも刻まれている。


あなたは、いつか、

また、会いにやってくるのでしょう?


だったら、わたしはあなたを探さなくて良いよね。

探さなくたって、

あなたの存在は忘れそうにないもの。


だから、わたしは、わたしのままで

あなたとまた会える、その日まで待ってる。

11/13/2024, 2:45:35 PM

また会いましょう

その言葉を信じたことなんてない。嘘つきが使う言葉だから。
じいちゃんはその言葉守らなかった。
親戚のおばちゃんも、いとこの姉ちゃんも、父ちゃんも母ちゃんもそうだ。みんなみんな二度と会うことなんてなかった。
だからオレは嘘つきにならない。そんな言葉は使わない。そう決めた。

消防隊員になる為、俺は必死になった。
幼馴染の洋子もおばさんも心配してたけど、実際努力するのは嫌いじゃないし、弟だけは兄ちゃんかっけぇって応援してくれた。ますますやる気が出た。
おじさんは無口だったが、時おりタオルやスポーツドリンクが無言で置いてあった。時おり、オレをじっと見つめ、その後仏壇の前に行くのが日課のようになっていた。

俺はそれまで本の虫だったから、消防隊員になるのなんてそれこそ血反吐吐くぐらい大変だった。それでも決めたことを曲げることなんてしたくない。俺は嘘つきにだけはならないようにしないといけない。
弟のことは絶対に守ってやる、という約束だってずっと守った。そのせいで訳の分かっていない大人たちからの覚えは悪かったが、仕方の無いことだ。そういう時のおじさんは決まって「……祥太」と一言俺の名前を呼び、「立派な男になれ」とだけ注意した。無口でいつも厳しい顔をしているし、怒るためにこと更にその雰囲気を強くしているようではあったが、それでもその顔はなんだか寂しそうに見えた。たくさんの言葉も強い声も無いが、その顔と相まって俺には余計に効いた。次第に俺は元の穏便な性格を取り戻していく。

23歳の夏。
洋子と結婚した。ずっと隣で支えてくれた、大切な人。中学、高校でからかわれたからと俺が遠ざけたことを未だにからかってくるのだけ、悪いところだがそこも含めて愛おしい。こいつにだけは嘘をつかないように。そう俺は決意を改めて固めた。

数年がたった。
洋子との間に生まれた子供は、夫婦からも弟からも溺愛されるくらいかわいい。その日も愛する我が子の成長に心絆されて、その後仕事へ向かう。近所に住んでたおじさんに声をかけ、意気揚々と。
気が緩んでいたのかもしれない。それがいけなかったのかもしれない。
突如警報が鳴り響く。方角は……「嘘だろ」

爆発的な火災が見える方にあるのは、妻子がいる方向。
おじさんも、弟も。

急いで現場に急行すると、妻とおじさんがいる。
だが弟も子どもの姿もない。察することは出来た。

「必ず助けてくる。」

俺は消火活動をつつがなく続けられるよう後続に指示を出してから、火の海へと足を突っ込む。嘘はつかないと決めたのだから。

どこもかしこも酷い状態だった。逃げ遅れた人の焦げた匂いもした。
そんな中、子供の泣く声がした。聞き覚えのある声。
急いで向かうと、熱に耐えて我が子を守る弟の姿があった。酷い火傷だがギリギリ助かる。

意識を失った弟と、泣いている我が子を背負い来た道をもどる。あと少し。

そこで、焼け落ちた柱が倒れ込んでくる。咄嗟に息子と弟を外へ放り投げることが出来たのは、1生で1番の仕事だったろう。我が子が手を伸ばす中、俺は最後に飛びっきりの嘘を言う。

何年も経った後にようやく気づいた。この言葉の意味を理解して。

「また会いましょう」

11/13/2024, 2:45:13 PM

ずいぶんと昔から、私は貴方のことを、貴方より知
っていた気がしますね。
とにかく優しい貴方なら、これから辛く感じる事も
あるでしょう。でも自分に自信を持ってください。
なんど倒れても立ち直れる、芯も強いあなたなら、
たとえこの先大きな壁にぶつかっても、難なくそれ
を乗り越えられる。私はそう信じています。
お困りの時は、すぐにでも頼ってください。何時で
もお助けします。話を聞きます。貴方に出会えた事
うれしく思います。
まだ伝えたい事がありますが、もう最後にします。
また会いましょう。



不器用な私から、愛する貴方へ。

11/13/2024, 2:44:54 PM

また会いましょう


赤い糸で結ばれているのか
分からないけれど

幸せな約束

上弦の月が全て
満ちる頃までには

11/13/2024, 2:43:10 PM

また会いましょう

その言葉を最後に

あなたはとは会わない。

何も決めなくていい。

あなたとのお別れの言葉

あなたは『また』なんて言葉に

惑わされて、許された気になって、

虫唾が走る。

またなんてどこにもないのに。

あ。あなたのそばにはありましたね。

私を裏切ってでも欲しかった『また』が。

11/13/2024, 2:41:36 PM

また会いましょう
 長い黒髪の人がいた。真っ黒なカーテンの様に、俯くと目がチラリと覗くだけになってしまう。恨めしい、あの人の髪を分けて梳いてやりたい。私にその臆病な瞳をもっとよく見せて。
 昔その人は私のヒーローだった。当時、私よりも身体が大きいガキ大将に蹴られていたとき助けてくれたのは君だった。擦り傷だらけの腕を広げて、いじめっ子と私の間に立って守ってくれたね。昨日の事のように思い出せる。私を守り、気遣い、少しでも見てくれたのはあなただけ。優しく「頑張ったね」と撫でてくれたのもあなただけ。
 好きです。昔も今もあなたは変わらない。あなたの内面の清らかさは誰にも汚す事ができないんですね。
 今、あなたがいじめられていることを、私は知っています。芯の強い目で睨みつけるあなたを見ました。女の虐めというのがねちっこくて陰湿というのは知っていましたが、こうも男が介入できないことは知りませんでした。
 もし私があなたの前に立って腕を広げても、昔のようにはいかず、さらなる火種になるだけですね。
 私得意の小細工しましょう。そうしましょう。あなたのために、全て私が、終わらせますから。
あなたが笑顔になれたなら、また会いましょう。ね。

11/13/2024, 2:40:41 PM

作品No.227【2024/11/13 テーマ:また会いましょう】

※半角丸括弧内はルビです。


「まったく」
 私は、振り向く。そんな一動作でも、美しく優雅に、を心がけるのを忘れない。
「全然なっていませんわ」
 私の視界に映るのは、倒れ伏して動かない男達。ざっと十人はいるだろうか。動かないが、全員死んではいない。命まで奪(と)るつもりは私にないのだ、当然気絶までに留めている。
「私に指一本触れられないばかりか、私一人に全滅させられるなんて、本当にがっかりですわ。もう少し骨のある方々かと期待していたんですのよ」
 ここ最近、私を付け狙っている人達がいるのを知っていたから、どんな強者(つわもの)や猛者(もさ)かと思っていたのだ。それがまさか、女の私に軽々と倒される連中だなんて、期待外れもいいところだ。しかも、何人かは逃げ出してしまっている。叩きのめされる仲間を放置して、だ。
 この私が誘拐されるかもしれない——なんて、ほんの少しドキドキしていたというのに。心身共に弱い男達が徒党を組んでいるだけのつまらない集団に、私は何を期待していたのだろう。
「本当に、期待外れですわ。がっかりです」
 私は歩き出す。もう、この男達に興味など皆無だった。いや、完全に無くなった、というわけでもなかった。ほんの少し、まだ期待していた。
「もしまた私を狙うおつもりなら——そのときは、今よりも少しは、強さを身につけていらしてくださいね」
 誰も私の言葉など聞こえていないだろう——そう思いながら、さらに言葉を紡ぐ。
「また会いましょう」

11/13/2024, 2:37:11 PM

「名前は?」

「朝久だよ、よろしく。」

「奏斗、よろしく。」

彼らの年なら、まだ走り回ることが好きなはず。

しかし、彼らはその姿を見るだけ。

決して親に言われているのでは無く、唯々走り回ることが性に合わない。

それだけ、しかし、大きい共通点を持つ二人の少年は意気投合した。


「朝久、」

「申し訳ありません。朝顔の君、どうか、息子のご無礼をお許し下さい。」

話かける前に、父さんは僕の頭を押さえて、父さんも頭を下げた。

「誰しも、人間なら一度は間違うものです。どうか、お気になさらず。

 今後、お気を付け下さい。」

先ほどとは全く異なる、大人びた洗練された言葉で彼は応えてた。

「ご寛大な心遣い、感謝申し上げます。それでは、失礼します。」

父さんは、急いでこの場を後にした。


「良いか、あの方は皇族では無いが、皇族の血を引いている御方だ。

 我らの家格では尊称は呼ぶことは許されても、名は呼んではならない。」

「すみませんでした、以後気を付けます。」

僕は、素直で良い子を装う。その方が、説教はすぐ終わるからだ。

公の面前とは、色々面倒くさいものだ。

私の家は、所詮格のない羊皮紙の貴人だと言うのに。


朝久と目が合った。

朝久は、急いで僕に駆け寄ってきた。

「さっきのことは、気にしなくていい。普通に朝久って呼んでいいから。」

「僕も、気にせず呼ぼうと思ってた。」

両者ともに見せないが、安堵していた。

互いの聡さと、立ち回ることの出来る賢さに。


子どもの頃を思い出すと、身分とは如何に容易く乗り越えられる、

曖昧なものかと、思い知らされる。


「朝久、久しぶり。」

「久しぶり、奏斗。」


「朝久、またな。」

「またな、奏斗。」


何度、この会話を繰り返した事だろう。

「奏斗、また会おう。これからも。」

私は、勇気を出して始めに言ってみる。

「もちろん。また会おう、朝久。」

奏斗は、嬉しそうに微笑んだ。

11/13/2024, 2:36:24 PM

また会いましょう。
つまり、ひと握りのもう一度会えるという希望を残しての別れ。

それだけ残酷なものはないだろう。
砂粒のようにきめ細やかで小さな希望を強く握っていた指が、だんだん緩んでいく。
そして、その少なく小さな希望は指の隙間から流れ落ちてしまう。

残酷だと思わないか?
私はその別れを間近で、記憶にある限りは経験していない。

辛さを知らなくても、そう思う。
経験していないから、そう思うのだと思う。

11/13/2024, 2:35:55 PM

手紙の交換ってなんだかドキドキする。
なにが書いてあるんだろうとかいろいろ考えちゃって。
でも、そこには、『あの子のことが好きだからかな?』
って書いてあったなぁ。ドキドキの欠片もない。残酷なだけ。迷惑をかけちゃいけない気持ちと、それを邪魔して少しでも目を向けてほしいこの気持ち。なにもかもがわからなくなってくる日々。
何も考えなくなった夜に1つだけ考えた。
また会いたいな。あなたへの恋心に。って

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