また会いましょう
長い黒髪の人がいた。真っ黒なカーテンの様に、俯くと目がチラリと覗くだけになってしまう。恨めしい、あの人の髪を分けて梳いてやりたい。私にその臆病な瞳をもっとよく見せて。
昔その人は私のヒーローだった。当時、私よりも身体が大きいガキ大将に蹴られていたとき助けてくれたのは君だった。擦り傷だらけの腕を広げて、いじめっ子と私の間に立って守ってくれたね。昨日の事のように思い出せる。私を守り、気遣い、少しでも見てくれたのはあなただけ。優しく「頑張ったね」と撫でてくれたのもあなただけ。
好きです。昔も今もあなたは変わらない。あなたの内面の清らかさは誰にも汚す事ができないんですね。
今、あなたがいじめられていることを、私は知っています。芯の強い目で睨みつけるあなたを見ました。女の虐めというのがねちっこくて陰湿というのは知っていましたが、こうも男が介入できないことは知りませんでした。
もし私があなたの前に立って腕を広げても、昔のようにはいかず、さらなる火種になるだけですね。
私得意の小細工しましょう。そうしましょう。あなたのために、全て私が、終わらせますから。
あなたが笑顔になれたなら、また会いましょう。ね。
11/13/2024, 2:41:36 PM