『ひなまつり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
母が車椅子生活になってから
雛人形を飾るのをやめた
車椅子の移動スペースを確保するためだ
来年のことを言えば鬼が笑うけれど
来年はせめて
お雛さまとお内裏さまは飾ろうか
来年も元気で迎えられますように
#ひなまつり
#90
ひなまつり
私には、上に四人の兄がいます。
母は姉が一人いて、父には兄が六人もおりました。
ええ、ビックリでしょう?何でも、父の家系は昔から多産らしいです。家系図を見てみると、中には十五人兄弟なんて記録もあるのです。一妻一夫で、ですよ。
父は、他の兄弟達とはやや歳が離れておりまして、兄達からそれはもう可愛がられたらしいのですが、何しろやんちゃな人達ですから。何度も何度も喧嘩をして、その度に泣かされたそうです。妹か弟が欲しい。というのが当時の口癖だったそうです。
一方母はと言いますと。母の姉はとても気が強い人で、母は守られる事もありましたが、窮屈な思いをする事も多々あったようです。母も弱い人では無かったので。妹が欲しい。と、誕生日の度、祖母にそうせがんだそうです。
だからでしょう。私が生まれた時はとてもとても喜んだそうです。今でも毎年この時期になると、親戚中から先程の話を聞かされます。お陰でもうすっかり憶えてしまいました。
ところでこの雛人形達。凄く立派でしょう?父方の祖父と両親が張り切って用意したものだそうです。生まれたばかりの私を見てすぐに、工房に電話しろ!と叫んで祖母に叩かれた。とよく聞きました。
まあ、ですから。この雛人形達は私が愛されている証拠。とでも言いましょうか。私にとって殊更に大切で、思い出深いものなのです。
この小さなお座敷一杯に広がる極彩色が、私は好きでした。いえ、過去形ではありませんね。今でも好きです。準備も片付けも大変だとは思いますが。
前述の通り、我が家は兄弟が多いので、一人部屋なんて貰えなかったんですよ。一人っ子の友人が、一人で寝るのが寂しいと零すその側で、良いなぁと羨んでおりました。
しかし、ひなまつりで雛人形達が出される一ヶ月間だけは違いました。
雛人形達を飾る、普段は物置になっている小さなお座敷が、私の部屋になったのです。
兄達は、昔に一度吊るし飾りを引きちぎってしまったらしく、それからお座敷には出入り禁止になっていたのです。私がまだ物心つく前の話だそうですが。
ですから、雛人形達が出されてから仕舞われるまでの一ヶ月間だけ、私は自分だけの小さな小さなお城を手にすることができたのです。
そこでやる事と言ったらお人形遊び一択でしたね。何しろほら、こんなに綺麗な雛人形でしたから。
その日も、そうしておりました。
私の一等のお気に入りは、一番上のあの二人です。ええ。お内裏様とお雛様、と呼ばれている彼等です。
実は、お内裏様というのはあの二人を指していて、お雛様というのは、雛人形達全体を指しているそうですよ?作詞者が間違えて、そのまま世に広まったらしいです。
ああ、すみません。人形の話ですね。
いつもの様に遊んでいると、人形のすぽんと頭が取れてしまいましてね。壊したかもしれない!一瞬怖くなりましたが、それ以上に人形の頭を間近で見れる事に興味が湧いたのです。
雛人形って、結構糸目でしょう?中の瞳の色が良く分からないくらい、細い目をしてるんです。
見えないそれが何となしに気になって、そっと首を傾けて覗いてみたんです。
そしたらまあ、ビックリ!目が合うんですよ!
ふふふ。怖いですか?安心してくださいな。光の反射でそう見えていただけのことですから。タネも仕掛けもちゃんと存在していることです。
私の真上に明かりがあって、それがお人形の細い目にハイライトを入れていただけのことなんです。この後も何回か、お人形と目を合わせてみたくって、おんなじことをやったんです。それで気づきました。
でも、当時の私もあまり怖いとは思いませんでした。怖がるにはあまりにも、私にとって雛人形というものは、身近で好意的過ぎたんです。
あら、続きもオチもありませんよ?ただの私の思い出話です。
《キャスト》
・語り手
ミニチュア大好き。
星を見ると君を思う。君を見ると空を見たくなる。明日君に会えるかな。ちょっとだけ期待して君を探してる。
年に一度の女子の成長を祝うめでたい日。積み上がったひな壇には三人官女、五人囃子、右大臣、左大臣が綺麗に並んでいる。そして一番上には柔らかい表情を浮かべるお雛様とお内裏様が座っている。
今宵は年に一度顔を合わせることができる日。
少しだけその会話覗いて見ませんか?
「お雛殿、久しいですね。
やっとその美しいお顔を拝見できますよ」
隣に並ぶお雛殿に声を掛けるとクスッと笑って私を見た。とても綺麗な顔立ちで真っ黒な澄んだ瞳が私を捉える。
「まあ、相変わらず調子の良い事を。毎日お話しているでしょう?」
少し呆れたような、でも優しい口調でそう言った。
「そうはおっしゃいましても普段は箱の中にいるものですから。それにしても年に一度しか会えないのは寂しいと思いませんか?」
私たちはいつもは木箱に入れられ暗い場所で過ごしている。それでも会話はできるため退屈はしていない。だからといって寂しくない訳では無い。
_彼女ならそれくらいが丁度いいとでもお思いでしょうけど
長年連れ添ってきた妻だ。夫婦という関係でありながらもどこか掴みどころのない彼女の気持ちはよく分からない。私の片想いでは無いかと疑いたくなるほどだ。しかし彼女の口から出たのは以外な言葉だった。
「年に一度しかないからこの日が大好きなんですよ」
手元の扇子で顔を隠しそっぽ向いた。よく見ると耳は赤く染まっている。
「お雛殿はやはり私のことを大切に思われているのですね。とても愛らしいです」
珍しく照れているお雛殿にそっと笑いかけた。
今宵は年に一度のひなまつり。
そこにはどんな物語があるのでしょうか。
君の感性には
感服します
君の優しさには
涙が出ます
君のユーモアには
笑いが出ます
君の手の温かさに
安心します
君の存在に
愛を感じます
ひな祭りと言うと、昔実家に段数の多いひな壇があった。
ただ今は虹の橋にいる猫を迎えて以降は、猫が荒らすといけないからと飾らなくなった…(*ΦωΦ)アハァ…♥
今はこのひな祭りの日と言えば、アイドリッシュセブンの和泉三月お兄ちゃんの誕生日という感じだ。
とっくに成人してるのに童顔で、身長も低いから、弟の一織くんがお兄ちゃんと思われがちだけど、三月お兄ちゃんは中身はバキバキの男の子だ。
三月お兄ちゃんは結構喧嘩っ早く、出生の秘密でやさぐれていた大和さんがうだうだしている時には殴りかかってるし、
ナギくんがメンバーに黙って故郷に帰った時、護衛たちが銃を持って警戒している中、ナギくんが乗った車に駆け寄ったりしている。
ひな祭りはいつの間にかフゥン…だったのに、推しの声優さん繋がりでアイドリッシュセブンを知り、気がつけばひな祭りイエッフーになってた✨
(※二次創作)(ひなまつり)
「今日から3月か……」
地主さんから貰ったカレンダーは、この村での年間行事が書かれた優れモノで、これのお蔭で僕はつつじが咲く正確なタイミングや、正しい年末年始の過ごし方、それぞれの時期を楽しむ食べ物について知ることが出来ていた。ある程度家の手入れも終わり、困っている村のあれこれも解決した今、正直、僕は時間を持て余していた。よって、そのカレンダーを毎日朝起きて見るのが一つの楽しみになっていたわけだ。
「桃の節句……あ」
僕はあることを思い出して、ごそごそと押し入れの隅を探った。
「あったあった、ひな壇!」
以前、村の優しい女性から、いつものお礼にと譲り受けたものだ。子供さんたちも外に出て、渡しても家が狭いから困ると言われるしと僕に白羽の矢が立った。僕は、貰えるものなら何でもありがたく受け取るタイプなのだ。
女の子のお祭りをするのは、男の僕には似合わない気もするけど、ま、今更だろう。大体気楽な一人暮らし、誰に気兼ねすることもない。
ひな壇は組み立て式のようだ。しばらく考えて、床の間に飾ることにした。というか、ここしか置き場はないし。ひな壇を組むのは初めてだが、思ったより簡単に組み上がった。
「あとはお内裏様とお雛様か」
僕は箱の中に入っていた二人を取り出すと、服の裾でぱっぱっと払ってやった。なんだかわくわくしてくるし、人形も嬉しそう。
「って、なんでキミが」
振り返ったひな壇には、いつの間にか猫がいて、当然のように居座っている。どいてくれるよう頼んだが、どこ吹く風で、僕はお内裏様の場所に二人分並べた。ちょっとぎゅうぎゅうだが、完成だ。立派な出来にいよいよ気分は上がり、小学校の頃に流行っていた替え歌が蘇る。
「灯りをつけましょ爆弾に〜……あ、続き忘れた」
なんだかしまらないなぁ。
『ひなまつり』
今、俺の目の前にはひなまつりの人形が飾られている。
8、9段ほどある多い雛壇だ。俺には姉が居るため多分姉の為の雛壇だ。
ひなまつりは幼い女子の健やかな成長を祈る節句の年中行事と言われている。
そして将来良い男性に出会えるようにと言う意味もあるとか無いとか。
1年に1回、雛壇を出すが3月3日の内に雛壇を片付けなければ婚期が遅れる、と言われているらしい。
全国の女性の皆様に幸あれ。
……これ、セクハラとかにならないよな? なったら、、、いや、考えないようにしよう。
私は友人の沙都子の家に遊びに来ていた。
「招待してくれてありがとう、沙都子」
私は沙都子に挨拶をする。
「招待して無いわよ、百合子」
沙都子は呆れなたような顔をして言い返す。
「あなた、いつもアポなしで来るわよね。連絡してっていつも言ってるでしょ」
「ごめんね」
私は舌を出しながら謝る。
「反省してないでしょ、もう」
沙都子は文句を言っているが、なんだかんだで追い返すような真似はしない。
「で、今日は何?」
「今日はひなまつり。
立派なお雛様を飾っているんでしょ。見に来たよ」
沙都子がこれ見よがしにため息をつく。
「嘘でしょ、新作のFF7が目当てのくせに」
「そんなことないよ。
いや、それも目当てなんだけどさ、今日はお雛様がメインなの。
お雛様、毎年楽しみにしてるんだからね」
「本当かしら?」
「でも見せる相手がいないと、つまんないでしょ?」
「まあ、それはそうなんだけど。
仕方ないわね、セバスチャン」
「畏まりました。沙都子お嬢様」
どこからともなく老齢の執事が現れる。
「ではこちらへ」
そう言ってセバスチャンは私たちを案内してくれる。
そう、沙都子の家は世界有数のお金持ちだ。
本来なら私のような普通の家庭の子供とは関わり合いを持つことは無いだろう。
でもそんなことを気にせずに遊んでくれる器の大きい友人だ。
そんな期待に応えて、今日も遊びに来たのである。
お雛さまの所に行くまでの間、沙都子とたわいもない話をしながら歩く。
そしてしばらくしてある部屋の前で立ち止まった。
「この部屋よ」
その言葉を合図にセバスチャンが、部屋の扉を開ける。
沙都子に目で促されながら部屋に入ると、そこには大きなひな壇にきらびやかなひな人形がたくさん並べられていた。
「ほー。相変わらず見事なお雛様ですな。鑑定額はおいくら万円?」
「億は行くと言っておくわ」
「億……」
ごくりと唾をのむ。
億もあれば遊んで暮らせるなあ。
そんなことを思いながらも、どこか違和感を感じる。
去年見たひな人形と違うような……
「気のせいかもしれないけどさ、これ去年までのやつと違くない?」
「あら、気づいたの?そうよ新しく作ったの」
「じゃあさ、前のやつ頂戴」
ダメもとでおねだりしてみる。
ここに飾ってないということは、もしかしたら倉庫に仕舞っているのかもしれない
たとえ気まぐれでもお雛様をもらうことが出来れば、メルカリで売って大もうけだ。
メルカリで億を出せるやついるかは知らんけど。
だが沙都子の答えは、私の予想に反したものだった。
「……やっぱり去年のこと覚えていないのね」
私は予想外の答えに面食らう。
「えっ、去年何かあった?全く記憶にないんだけど」
「ひな祭りだからと言って、甘酒飲みまくって、酔っぱらって、暴れた」
「マジ?」
「マジ」
沙都子が感情の無い能面のような顔で言い放つ。
その顔怖いからやめて。
「ちなみに甘酒って、普通酔わないのよ」
「へ?じゃあ、なんで私は酔って――」
「その場の勢いで酔ってたわ」
自分は刹那に生きる女だと自負していたが、そのせいで他人に迷惑をかけるとは……
反省しよう。
「それで暴れて仕方が無いから、家の使用人を呼んで取り押さえようとしたわ。
でもそれでも抑えきれないほど暴れてね。
そのうち暴れ疲れたのかそのまま寝たから、使ってない部屋に放りこんだわ。
それで、そのうち起きてそのまま帰ったわ」
「あーそういえば気がついたら床で寝てたわ。でも、いくら何でも床に直って扱い雑過ぎない?」
「寛大なほうよ。お雛様壊したんだから」
「記憶にありませんが、謹んでお詫び申し上げます」
私は即座に土下座の姿勢に移行する。
「ウチの親、億のお金が払えるほど稼いでないんです。なにとぞ弁償はご勘弁を」
「あなたみたいな貧乏家庭に払えるわけないでしょ。諦めているわ」
「ありがとうございます。その代わりになんでもします」
「ん?今『なんでも』って言った?」
背筋に嫌なものを感じ、言い直す。
「出来る範囲でなんでもやります」
私の言葉に沙都子は満面の笑みを浮かべる。
「そう、ちょうど良かったわ。実は私、服のデザイナー目指しているの。
百合子、あなたモデルになってくれない?」
提案の形を取ってはいるが、有無を言わせない迫力に思わずたじろぐ。
いつの間か沙都子の横には、メイド立っていた。
メイドの手には、私がこれまでの人生で着たことが無いような、かわいらしい服だった。
そしてセバスチャンの手には、お高そうなカメラが……
「沙都子、そんなフリフリのついた服、私には似合わないからやめよう、ね?」
「大丈夫。恥ずかしいのは最初だけ。それとも弁償のほうにする?
さあ、立って。」
「ううう」
私に選択の余地はなく、おずおずと立ち上がる。
「私に任せなさい。
お雛様なんて霞むぐらい、綺麗にしてあげるんだから」
今年のひな祭りは少し特別
去年生まれた第一子の初節句だから
子供の記憶には残らないけど、
私の記憶には残り続けるひな祭りの思い出
ひなまつりの日にはよく雛人形を飾っていた。
私の場合はケース飾りの三人官女まであって、それでいてケース自体が大きかったから飾るのにかなり場所をとっていた。
片付ける収納場所があればよかったけれど、母も私も元々片付けが苦手で、そもそも住んでいた当時の二階建てアパートにもそんな場所もなかった。
いや、違うな。単に面倒くさいだけだった。
終えたらそのまま置いた場所に置きっぱなし。傷ついたらいけないからそれを入れていたダンボールの箱に入れるくらいだった。
やはり面倒くさがり屋だなとこれを書いてて思った。
今はその雛人形は地元の神社に奉納した。
その辺の事情は少し複雑なので省略させてもらうが、それでも飾った記憶は今も鮮明にある。
ほんの少しの寂しさもあるが、その寂しさもまた私の大切な思い出で、これからも残るんだろうな。
「ひなまつり」というテーマで綴るにあたって、まずその起源を辿ることにした。今から約1000年前、時代にして平安中期。三月の初め、無病息災を願って行われるお祓い、所謂「上巳の節句」と、当時上流の少女たちの間で流行していた「ひいな遊び」という、異なる二つの風習が融合し、現代まで続くひなまつりの源流であるらしい。
大衆の文化として世の中に浸透していったのは江戸時代初期以降。幕府の大奥で行われるひなまつりが、徐々に庶民にとっても身近な風物詩のひとつとして数えられるようになっていった。
明治時代に入ると、新政府のもと従来の節句行事を廃止し、新たに祝祭日を制定。それでも一度人々の生活に根付いた風習が容易に廃れることはなく、その後もひなまつりは庶民の間で親しまれていった。
…柄にもなく難解な文章なんて書こうとするものじゃないな。
大人しく桜餅でも食べてる方がいいや。
ひなまつり
おひなさん、かあいらしゅうてええねぇ
おひなさん、はなやかなおべべきせてもろて
おひなさん、きれーなかみでおすましさんして
でもほんまもんのおひなさんはそやない
おひめさんもたいへんなんやで
出先で見かけた赤い雛壇に足を止めた。
私の家に飾られていたのは最上段の二人だけだったから、二桁に届いていそうな大きく豪華なそれが珍しかったのだ。
「三人官女と五人囃子と……赤い方が右大臣だっけ」
人形達の細かな役職も飾られた道具の意味も、今となってはほとんど忘れてしまったが。案外3番くらいまで思い出せた歌をなぞって顔を覗き込む。
「……単純に、『綺麗な人』って意味だと思ってたんだけどね」
官女の真っ白な顔に、『お嫁に入らした姉様』の苦労を忍ぶなど。そんな大人の哀しみを、赤い夕日と共に背負い歩き出した。
<ひなまつり>
ひなまつり
今日がひなまつりだと気づいたのは当日の夜でした…
お題「ひなまつり」
7段飾りのお雛様を持っている
母が1段づつ買い揃えてくれたらしい
裕福ではないが娘が生まれて
持たせてあげたいと思ってくれたようだ
飾ってみると下の2段には何もない
実はお道具がないのだ
幼い頃はそこにお人形たちを並べたり
お菓子を並べたりしていた
大人になって一軒家に引っ越したとき
久しぶりに出してみた
そして思いきってお道具を探しに出かけてみた
子供の頃と違ってバラ売りはしていないようで
倉庫にあった「これなら一万円でどうぞ」
という商品を購入してきた
プラスチックだがりっぱなお道具とぼんぼり
並べてみると段からはみ出しそうなほど大きい
母はなんとか手が出せる
一番小さいサイズで買い揃えていたようだ
お道具とのサイズがまったく合わないけれど
とても素晴らしいものになった
お母さんどうもありがとう
来るはずだったひな祭り。
君の誕生日だったひな祭り。
君に誕生日プレゼントを渡すはずだったひな祭り。
それが叶うことの無かったひな祭り。
きっと僕は世界で一番ひな祭りが嫌いだ。
何故、君じゃなくて僕じゃ無かったんだろう。
きっと。きっと僕が死なないといけなかった
君が僕を庇うから。君が僕を庇って車に轢かれたから。
あのとき僕が死んでいたら、きっと今頃君は楽しそうに笑って人生を謳歌したんだろう。
君にもう一度会いたい。
一度でもいいから会って謝りたい。
叶う筈のないことを僕は毎年、この日に願っている。
五分で書いた駄作です。すみません🙇♂️
次からちゃんと書きます。
ひなまつり
今日の家には誰もいない。
日が沈み、真っ暗になったリビングで、桃をじゃくじゃくと丸かじりする。
今日は桃の節句だからだ。
私は女の子なのに、親はひな人形とかちらし寿司とか、そういうのを一切やってくれなかった。
だからこんな親不孝に育ったんだろうね、私って。
今年のひなまつりは家に私しかいないので、せっかくだから桃の節句を祝ってやろうという訳だ。
とは言っても、無論うちにひな人形などはない。料理も得意ではない。
ひなあられは友達と食べたことがあるが、あれはまずい。
というわけで、桃を食べることに決めた。
3月のはじめ。窓の外にはまだ雪がちらちらと降っていて、ときより雲間から出る陽の光に反射してきらめいている。その景色に見惚れていると、なんだか急に懐かしい気持ちに駆られた。確か、あの日もこんな景色だったような気がする。遠い昔へと思いを馳せていると、だんだんと眠気が襲いかかってきて、、、抗うことができず、冷たい畳の上に横になった。
甘い香りが鼻をくすぐり目を開けると、薄紅色の景色が広がっていた。何千何万もの桃の花が咲き乱れていたのだ。さっきの甘い香りはどうやらこれらしい。ときどき吹く風にのって、花びらが舞い落ちる。桃の花はほとんど匂いを感じないと聞くが、香りを強く感じるのはあまりにもたくさん咲いているからだろうか。
【未完】
ひなまつり
まだ風は冷たいけれど、
緋毛氈のうえで、
穏やかな春の日差しを浴びている
我が家のおひなさま。
父と母が用意してくれたものを受け継いだ。
小さな手で何度も撫ぜてしまったから、
おひなさまの滑らかな髪は、
少し乱れてしまったけれども、
澄ましたお顔は変わらないままで。
#185