ないものねだり』の作文集

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ないものねだり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

3/27/2026, 5:40:28 PM

青空に飛行機雲の白の線が引かれていく。
手を伸ばしても届かない高さ。翼を広げてどこまでも自由に飛ぶ飛行機を操縦する彼の姿を思い浮かべ、思わず目を伏せた。
羨ましいと思ってしまう。自分とは違い、彼はどんな世界にいても堂々としている。彼のような優秀さが少しでも自分にあれば、隣に立つことも怖くないというのに。
溜息を吐いて草原に寝転がる。目の前に広がる空は、やはり自分には遠い。
春の陽気が風に乗って辺りを駆け回り、穏やかな眠りを誘っている。それに身を委ねようとして、ふと彼女のことを思い出した。

「約束、してたんだっけ……」

正確には、彼女が勝手に約束をして去っていくだけなのだが。

「毎日来るけど、一体誰なんだろう?」

彼女について、自分は何も知らない。彼女という呼称すら正しいのかも分からない。
女性のような恰好をして、女性のような言葉遣いをしているからそうなのだろうと思っているが、背が高く自身に満ち溢れて煌めく目は男の人のようにも見える。
そもそも人なのかも怪しい。夕暮れに伸びる影が、時折獣の形を取るのを何度か見たことがあった。
いつの間にか隣にいて、他愛もない話をして去っていく彼女。またね、という約束を残して、次の日になると隣にいる。
彼女との関係はいつから始まったのかも覚えていない。分からないことばかりなのは、化かされているからなのだろうか。
この辺りではよくあることだ。都会とここでは、時間の流れ方が違う。神秘を否定し解体しようとする人は誰一人おらず、今でもあちらこちらに不思議なモノが漂っているのだ。
そんなことを考えながら、何気なく空に向けて手を伸ばした。
届かない空。届かない彼。自分にはないものを求めてしまう。

「随分と情けない顔をしているわね」

伸ばした手を取り、彼女が呆れたように呟いた。
顔を覗き込むその目が楽しげに弧を描く。まるで月のように煌めいていて、とても綺麗だった。

「きれい……いいなぁ……」
「あら、今日は欲しがりさんなのね。アタシを欲しがるのはいいけれど、空を羨むのはおやめなさい」

どうしてだろうか。首を傾げて彼女を見つめた。

「翼のないあなたにとって、空は自由ではないからよ。誰かに愛でられるだけの日々なんて、まったくもってつまらないでしょう?」

そういうものだろうか。目を瞬き、想像してみる。
飛べない自分は、翼を持つ彼の側にいるしかない。彼が望む時に望む場所へ一緒に行き、そこに自分の意思は伴わない。
確かにそれはつまらないだろう。思わず眉を寄せれば、彼女はふふ、と微笑んだ。
手を離され、けれど代わりに頭を彼女の膝に乗せられる。それに何かを言おうとして、何も思いつかず彼女の好きにさせる。何を言っても無駄なのは、いつものことだった。

「あなたは地に足をつけて生きなさい。ないものねだりをするものではないわ」

ないものねだり。確かにそうだ。
彼の翼も、彼女の目も、自分にはないからこそ欲しくなる。手に入れた瞬間に色褪せて、自分はきっとすぐに興味をなくしてしまうのだろう。
不意に風が花の香りを運んできた。温かな日差しと相まって、段々と瞼が重くなっていく。
春だからなのか、最近はすぐに眠くなってしまう。特にこうして彼女の側で頭を撫でられていると途端に意識が微睡んでいく。

「少し眠って、余計なものは忘れてしまいなさい。起きるまではこうしていてあげるから」

優しい声音。起きなくてはという意志すら絡めとって、意識が深く沈み込んでいく。
諦めて、体の力を抜いて、静かに目を閉じる。
視界から彼女と青空が消える直前。飛行機雲の筋を空に描きながら、白い翼を広げてこちらに降りてきている彼を見た気がした。





寝入ってしまった少女の頭を撫でながら、狐はふっと息を吐いた。
吐息は青白い焔となり、落ちてくる鳥に向かっていった。
触れた瞬間に、鳥の体は一瞬で焔に包まれる。巨大な青の焔と化した鳥は為す術なく地面に叩きつけられるかに見えた。だが地面に降り立つ瞬間焔は跡形もなく消え、後には真白い翼を持った鳥が静かにその場に佇んでいた。

「酷いことをする」

低い声が恨めし気に狐を批判する。それを鼻で笑い、狐は鳥から隠すように少女の体を抱き寄せた。

「この子を連れて行こうとするからよ。気を引くために、変な記憶を植え付けないでちょうだい」
「独り占めしようとする貴様も変わらないだろう」

鳥の言葉に、狐は心底不快そうに鼻を鳴らした。狐の感情と呼応するかのように、周囲をいくつもの焔が漂い出す。

「この子をもの扱いするのは止めてくれるかしら?そういうないものねだりをする妖に限って、手に入れた途端に飽きて捨てるのよね」

今度は鳥が不機嫌そうに翼を広げた。威嚇するように低い声を出し、怒りを露にする。

「私をあんな軟弱な人間と一緒にするな。違和感なく側にいられるように姿と記憶を利用しているが、それだけだ。叶うのならば今すぐにでも八つ裂きにしてやりたいほどだというのに」

忌々しいとばかりに鳥は羽を震わせる。言葉にこそ出さなかったが、狐も同じように思っていた。
少女に傷をつけた人間。故郷を離れ、不安な日々を過ごしていた彼女に気まぐれに優しさを振りまき、懐いた瞬間に手を離した憎い男。この地に古くから住み、そして彼女を知るモノらは、皆同じように思っていることだろう。

「三月経つが、悲しみは癒える気配はない。少しずつ記憶をすり替え認識を変えてはいるものの、未だに一人で泣いているのだ。何故貴様は我らの領域に引き込もうとしないのか」

口惜しいと鳴く鳥に同意するかのように、風が吹き抜けた。ざわざわと周囲の気配が揺れ、狐と鳥の会話を気にかけている。

「何故って……そんなの当然じゃない」

しかし狐は鳥の威嚇も、周囲の視線にも気にした様子はなく肩を竦めた。
少女の頭を撫で、周囲を見回す。呆れたように息を吐き、ゆっくりと口を開いた。

「この子はね、人間なのよ。刹那を必死で生きているの。可哀そうだと手を出したら、それこそあの人間と同じになってしまうわ」

ざわり、と気配が揺れた。
鳥の目が僅かに見開かれ、やがて静かに翼を折りたたむ。項垂れるその表情は、行き場のない悲しみに暮れているように見えた。

「アタシたちにないものを持つこの子に惹かれて、手を伸ばしたい衝動に駆られるのは理解できるわ。でも留まらなきゃ。アタシたちはそういう存在《モノ》なんだから」

遥か昔から人の望むまま、時に助け、時に化かしてきた狐は言外に告げる。
守ろうと鳥かごに閉じ込める行為は、ただの傲慢だ。
少女が手を伸ばし助けを求めた時に、その手を取ればいい。

誰もが何も言えず、辺りに沈黙が落ちる。
ただ一人、少女だけは何も知らずに、花の香りを孕んだ春の温もりに抱かれて眠っていた。



20260326 『ないものねだり』

3/27/2026, 10:01:00 AM

ないものねだり


あなたは私と違うから
だからあなたに惹かれるの
わたしだけじゃない、みんなそう
みんな違うから惹かれ合うの

3/27/2026, 10:00:01 AM

私には妻というものが御座いません────

死んだ両親が残した財産で職に付かずともあと五年は暮らしていけるのにも関わらず、世間の目を気にして、ある程度の地位は欲しいと考えた後、職を得るのに難渋していた誠二郎は数ヶ月前に訪れた古びれた布屋で、ある男に出逢った。其の男は老人並の落ち着きと慈悲深さを持ち合わせており、将来について思い悩んでいた誠二郎は尊敬の念を抱くようになった。布屋に通ううちに其の男は誠二郎に丁稚として働かないかと提案した。誠二郎はより一層彼への尊敬の念を深めながら、二つ返事で返答し働く事になった。すぐに誠二郎は彼を師と仰ぐようになった。

とても高いというわけではないが、それでも職を得て地位を確立した誠二郎は、次は女について悩み始めた。誠二郎はお見合いの話は何件か来たことはあるが、その縁談が決まるまでいくには若すぎる年齢だったのでまだ恋などという感情をはっきりと知らない平凡を極めた男だった。然し友人には二、三ほどもう妻を娶った者もいるのでどうしようかと頭を悩ませていた。

そんな誠二郎は師である布屋の男に相談をしてみた。
然し彼の返答は誠二郎を幻滅させた。

────────────
私には妻というものが御座いません。私が貴方くらいの年齢の時には私も縁談やら何やらで人並の恋愛をするつもりでありました。然し、ある日から私は女というものが怖くなってしまったのです。女は男よりも計算高く怖い生きものです。…いや其れは最も私見ですがね。そんな事を思わせる恐ろしい出来事があったのです。
なので私は縁談も全てお断りして独りで生きていくことに決めたのです。そんな私は先ず仕事を一生懸命やりました。海外に行ったり東京で働いたり、女とは無縁の人生を歩んで参りました。
今となっては落ち着いて布を売っていますが、そんな私も恋、というものを最近羨ましく思えてしまうのです。二人の男女がお互いの気持ちを通わして心までもひとつにするというのはどんなに壮大な事か。女の怖さは歳を重ねるにつれて消化したのでしょう。今ではそんな経験をしておけば良かったと後悔しています。自分でその様な事を退けたのに、私は愚かですね。
然しもう出来ないと考えてしまうと、より一層欲しいと思うのです。ないものねだり、なのかもしれません。
なので私は女については貴方に何も言うことは済まないが、出来ないのです。尤も、この歳になって幸運にも良い相手が見つかっても、夫婦になろうと思う程恋に魅入っているかは分からないのですが…。
────────────

誠二郎は内心驚いた。何につけても一歩後ろから、最善を提案してやってのけるような其の男が、女につけては全然駄目だったことに驚いた。彼は全くもって完璧ではなかった。誠二郎が作り上げた彼の人物像とは全く違っていた事を知り、少し、彼への憧れがすり減った気がしてがっかりした。
そしてその日から誠二郎は彼を師と仰ぐようなことはなくなった。
まだ二十歳になったばかりの誠二郎は若さという残酷さを持ち合わせていた様であった。

3/27/2026, 9:51:16 AM

深海まで沈んで
浮かび上がった

暖かな太陽と
鳥の声と
波の音がした

大音量の無音

無音の大音量

もうしばらく

ここにいさせて



ないものねだり

3/27/2026, 9:47:21 AM

『○○のそれよくない?』
『△△の羨ましい〜』

そんな言葉を日常でよく聞く
いわゆる【ないものねだり】だ

__だって羨ましいと思うことはある
〈君〉に羨ましい、
なんて何回も言われたし、自分も言った

砂時計が落ちきるその時までが人よりも自分は短い

だからこそ他人が羨ましいと思う
__よりも長く生きられるのだから。

自分が持っていないもの
それを羨ましいと思っても
相手が持っていても嬉しいと思っているかはわからない

例えるなら
パーマが羨ましい人とストレートが羨ましい人だ

お互い羨ましいと思っていてもメリット・デメリットがあるし
羨ましいと思っていても自分が得られないかもしれない

そんなことがあっても願うのは人の性だろうか

3/27/2026, 9:42:47 AM

【ないものねだり】

ねだっている自分が、みじめになる。

3/27/2026, 9:42:26 AM

キミに好かれたいと思ったときから
 『ないものねだり』

 出来る事と出来ない事の分別をして
 自分磨きに忙しい

 告白するまで残り一ヶ月だよ
 がんばれ私!!


#ないものねだり

3/27/2026, 9:42:22 AM

【ないものねだり】

luka lili mi li lon insa selo pi uta sina.
ona li jo e telo lili la ona li pilin kiwen lili.
taso, ni li kiwen ala sama lawa mi pi ilo tenpo.

loje insa pi uta sina li seli, li kiwen ala la ona li len e luka lili mi.
kon sina li seli, li weka tan poka luka lili mi.

tenpo awen la mi pilin ala e ni: mi wile jo e lawa sama jan.
taso, mi lukin e sina lon tenpo ni la mi wile e ona.
mi jo e uta la mi ken e ni: uta mi li luka e uta sina li pilin e seli sina.

“…sina o?”

mi tawa ala tan ni: mi pilin e ona la sina toki tawa mi.
mi lukin sin e sina la sina lukin e mi tan anpa sina.

kalama pi toki sina li sama telo awen ala tan luka lili mi lon insa uta sina.
sinpin sina li loje lili.
tan ni la pilin mi li kama seli li tawa sama seli.
wile mi li kama suli.
mi toki e ni: “n, ijo ala.”

3/27/2026, 9:42:04 AM

『ないものねだり』
自分はいろいろと持っている方の人間なんだと思う。たぶん。

五体満足で、雨風をしのげる屋根があり、毎月決まった日に口座へ振り込まれる給料がある。冷蔵庫を開ければ数日分の食料が冷えていて、気兼ねなく話が出来る程度の友人もいる。世間の物差しで測れば、間違いなく「満たされている」側の枠組みに収まるはずだ。

それなのに、街ですれ違う人々の横顔がやけに眩しく見える瞬間がある。

駅前のロータリーで、アコースティックギターを抱えて声を張り上げる青年のひりつくような焦燥。ベビーカーを押しながら、スーパーの特売品について真剣に言い合う若い夫婦の生活の匂い。あるいは、深夜のコンビニで缶コーヒーを握りしめ、どこか遠くを見つめている作業着の男の丸めた背中。

彼らが抱えているであろう不確実な未来や、手触りのある切実さが、ひどく魅力的なものに思えてしまうのだ。安定という名の平熱の日常に浸かりきった私の皮膚は、いつの間にかひどく感覚を鈍らせてしまったらしい。

手の中にある確かなものを数えるより、指の隙間からこぼれ落ちていった無数の「もしも」や、最初から選ぶことすらできなかった「別の人生」ばかりを目で追っている。自分の生きる安全なショーケースの外側に広がる、泥臭くて生々しい欠落に、どうしようもなく惹かれている自分がいる。

何ひとつ不自由のない静かなこの部屋で、私は今日も、喉の渇きによく似た空虚を持て余している。出ようと思えば、いつだって出られるのに。

3/27/2026, 9:41:48 AM

ないものねだり



いいな 彼氏がいて

いいな 旦那がいて

いいな 子どもがいて

いいな ひとりで気楽で

3/27/2026, 9:41:06 AM

ないものねだり

クランベリー畑のある丘の上で、金切り声を上げる人が一人。
フランシス・ベーコンの絵画を抱えながら、床に落ちた抜け毛を一本一本、愛おしそうに拾い集める人が一人。
通勤電車を待っている時に、ふと線路に飛び出てみた人が一人。
哲人は仙人に銃を向け、神は我が子に牙を向け。湾曲したルービックキューブを、夜更かししながら、解きながら。
本を読む。
ルービックキューブの解き方は知らない。

3/27/2026, 9:30:25 AM

「あるんだけど…ないんだよねぇ」
ソファでくつろぐ俺は、ちらりと隣りに立つ男を覗き見た。
「なによ?」
上からジロリと見下ろされる。
「何でもない」
どうせ「お前が欲しい」って言っても鼻で笑って馬鹿にされて終わりだし口に出すのも馬鹿らしい。
「俺って可哀想…」
どさくさに紛れて横に立つ男の腰に抱き付いた。
「おま…何やってんだよ気持ち悪い」
力いっぱい俺を剥ぎ取ろうとする。
気持ち悪いって何よ失礼しちゃうわね。
悔しいから目一杯力を込めて抱き締めてやった。
「ふざけんな!皿洗ってる途中で呼ぶから何事かと思ったら何やってんだよ!そんな事する暇あるなら手伝えよ」
「俺ソファの妖精だから動けなーい」
「地縛霊の間違いだろ図々しい」
「ひど…そんなあなたも愛してる♪」
「はいはい、きもいきもい」
「泣いちゃうぞ」
しつこく腰にまとわりつきながら見上げるとにんまりと笑い返されて
「泣け泣け。存分に泣いていいぞ」
とか言いながら優しくあたまを撫でるのやめてくれないかな?
また好きになっちゃうじゃん。

俺の欲しいもの。
隣りには居てくれるけど、心までは中々俺にくれないんだよねぇ。
早く俺に落ちてくれないかなぁ。
待ちくたびれたよ。



               (ないものねだり)

3/27/2026, 9:23:43 AM

ないものねだり

ひっそりスペース確保…
書けるか分からないんで、いいねしなくても大丈夫ですよ^^;

3/27/2026, 9:19:33 AM

『ないものねだり』

いつもありがとうございます。
スペースのみです💦

翌日分のお題『My Heart』
仕事が終わらずスペースの確保をし損ねました😭

3/27/2026, 9:06:42 AM

こんな夢を見た。味気ない部屋にモノクロの私が立っている。渇きと焦燥に似た衝動に駆られ、部屋を飛び出す。部屋を出ると、眩しいほどの色彩に溢れた建物が乱立していた。文字は読めなかったが、看板がついているので多分全て何かのお店だろう。どこを見ても、何もかも色鮮やかで胸がときめく。あの中で買えるものを身に着けたら、私はきっと満たされる!私はそう確信し、近くにあったお店に入り真っ赤なリンゴを一つ手に取った。磨き上げられたかのようにツヤツヤで、真っ赤な宝石のようだ。美味しそうだと見惚れていると、リンゴに変化が起きた。リンゴの色が急激に褪せ、萎んでいくのだ。驚いて、他のものを手に取ると、同じく色が褪せてしまう。あんなに色鮮やかで輝いていたのに。肩を落として、店を出る。多分、他の店のものもそうなるのだろう。そう言い訳をしてみても満たされず、私の中の衝動は大きくなっていく。ふらふらと歩いていると、一際輝く場所を見つけた。そこは誰かの庭だった。鮮やかな緑の芝生で覆われ、レンガの花壇には色とりどりの季節の花が咲き乱れている。それに水をまいたばかりなのか、水滴がキラキラと日光に反射している。私は一瞬で目を奪われ、衝動的に柵を乗り越え庭に入った。近くで見ると、やはりため息が出そうなほど美しい。どうにかして、この庭を私のものにできないか。
「あ、そうだ」
確認のために屈んで花に触れると、リンゴと同様に色褪せて萎んでいく。
「この庭、美しいでしょう?」
声をかけられ、振り向く。優しそうな老婦人が私に微笑みかけている。
「…ええ、とても。あ、勝手に入ってしまってごめんなさい」
慌てて取り繕い謝罪すると、彼女は上品に笑った。
「良いのよ。それくらい、近くで見たかったのでしょう」
勝手に庭に入ってきたのに、なんて余裕のある人だろう。この庭を手に入れたいという気持ちは、すっかり萎えてしまった。先ほどまでの自分の必死さが滑稽で、私は羞恥で顔を伏せた。足音が近づいてきて、彼女は私の隣に屈んだ。
「あなた、自分と生活に不満があるのね。だから、そんな風に白と黒だけになってる」
「…そうなのかもしれません」
「やっぱりね」
彼女は立ち上がる。
「あなたの不満を解消するのは、あなた自身よ。ないものねだりしても、あなたの姿は自分の中の不満を解消しなきゃ治らないの」
「どうすれば…」
「取り敢えず、お茶を飲んで花を愛でましょう。小さなことに幸せを見出す練習をするの。あなたの不満を解消させる糸口が見つかるかもしれないわ」
彼女は名案だと言わんばかりに、「そうよ、それが良いわ」と手を叩く。
「それで見つかるんですか?あまり解決に…」
「美味しいケーキも出すわよ」
美味しいケーキが出ると言われて、嫌と言えるわけがない。行きましょう、と促され私は彼女の後をついていくことにした。

3/27/2026, 8:56:59 AM

オットが成田凌だったらいいなと思う

わたしのオットは4つ年上、背が高く細身で、性格も穏やかで優しい。優しすぎるほど優しい。
落ち着きのある声で、そっと包み込むように会話する。

でも顔がブサイクではないけど、普通の日本人顔。
雰囲気ある佇まいだけど、イケメンまであと少し、手が届かない。

成田凌、年齢重ねて更にかっこよくなったなぁ。
イケメンのまま、雰囲気あるまま落ち着きが宿ってる。

わたしたち自他共に認める仲良し夫婦。
嫌なことないし、不安になることも今までなかった。
こうゆう夫婦っていいよね、でもオットが成田凌だったらいいなと心から思う。

ないものねだり

3/27/2026, 8:55:59 AM

僕は、兄が羨ましくて仕方なかった。
なんでもないような顔をして、やることなすこと全て卒なくそれなりの結果を出して終わらせる。
人との付き合いだって程々で、深入りしすぎず、浅すぎない。
器用に生きられる兄が、羨ましかった。
僕は兄の出涸らしのような、そんな才しか持っていなかったから。
兄と違って、何時間もかけてコツコツ努力して、ようやく兄に並べる。
友人だって、親しい何人かを作るので精一杯だった。
ある日、兄が彼女を家に連れてきた。
可愛い人だった。明るそうで、兄によく似合う。
だが、すぐに振られたらしい。ある日の食卓で、兄がそう笑っていた。
兄のこういう所も、少しだけ羨ましかった。
嫌なことがあっても、すぐに切り替えて笑える。
僕ならもっと引きずって、そんなすぐには立ち直れない。
でも、ある日。兄とおつかいに出かけた夕方、ぽつりと兄に言われた。
「俺、お前のこと羨ましいんだよね。」
意味が分からなくて、少し語気を強くして聞き返した。
兄は困ったように笑って、それから続けた。
「いやさ、お前、どんだけ無理だって言われても、めちゃくちゃに努力して、頑張って、そこそこの結果出すじゃん。俺、そういうできないからさ。」
兄は、努力しなくてもできるだけだと思っていた。
けれど、違ったらしい。兄は、努力の才能が無かったのだと。兄はそう言った。
「あとさ〜、俺、親友ってできないから。なんつーか、広く浅く、って。彼女にもそれで振られたし。」
広く、浅く。確かに、僕はどちらかと言えば狭く深くの人間だった。
友人の数こそ片手で足りる程しかいないが、その全員が、親友と胸を張って言えるほど親しい。
「……ま、薄いんだよ、俺の人生。全部中途半端。……俺が全部どうでもいいと思ってるからなんだろうけど。アイツに振られてもさ、全然どうでもよくて。まぁいっかくらいしか思わなかったんだ。薄情だろ?」
夕日に照らされた兄の顔は、逆光になってよく見えなかった。
隣の芝生は青いのだ。
僕が羨んだ兄の人生は、兄にとって酷く無味乾燥なものらしい。
それなら、兄は僕の人生を羨んでいるのだろうか。
僕は、僕の人生を誇ってもいいのだろうか。憧れの人に羨まれるほどの人生を歩んでいる、と。

テーマ:ないものねだり

3/27/2026, 8:51:35 AM

「殺し愛」



恋愛。

一言で言うには簡単な言葉だけど、結局は相手に自分のなかにはないものを求めているもの。
愛の感情も、人に夢中になる経験も、貴方にしかない暖かみを、私にはない優しさを。
結局はないものねだり。
愛を、幸せを求めた結果行き着く先。

辞書で調べるとどのようなことが分かるのか。
それは
「特定の異性に特別の愛情を感じて恋い慕うこと。また、その状態」とのことだ。
異性という部分は近年変わってきているそうだ。
慕う。それも結局はないものねだり。
つまり「恋愛」とは自分にはないものを得るための手段でしかない。

なにかを得るための手段だ。
つまり私と貴方が仕事として殺し合い、敵であったことも成果を得るための手段だった。
つまり私たちは愛し合っていたのではないか?
私たちがしていたことは殺し愛。

今日私は貴方に勝った。貴方を殺した。
私は成果を得た。

なぁ。こんな私の穢れた愛を。
貴方は受け取ってくれるか?

なぁ。こんな私のそばにいてくれ。


そばに…いてくれよ。



とある愛に飢えた殺し屋の2人の恋物語はこうして幕を閉じた。

3/27/2026, 8:43:10 AM

ないものねだり

今日3/27日に見た夢を夢日記しました










ガチャ………


闇堕ち前エレンイェーガー(アニメ3期シリーズ姿顔)と水色頭の死柄木弔(アニメ4期シリーズ姿顔)





弔『えーと、!………』

3人の荷物を持つ彼は
ガサガサとカバンの中にあるホテル部屋のカードを
探している



エレン『あった』


エレンが弔の腰ポケットにホテル部屋カードを
取り出した



弔『ありがとう』


ピッ!
ガチャ………



エレンは、急に熱を出した〇〇を姫様抱っこしており
死柄木がピッと部屋カードを当てたのだ



エレン『水で冷やして…』


窓際のベットに水ペットボトルを首の横に当てて
〇〇を寝かしたエレンイェーガー


まるでリッツ・カールトン東京ホテルのような窓際
ベットで〇〇は寝ている



彼2人は、荷物を持って
〇〇のオデコを愛するように優しく撫ぜて外へ出る



弔『エレン、ドリンク何がいい?』

エレン『ダークモカ』

弔『〇〇はいつもの?』

エレン『〇〇は、クラシックティーラテで良いと思う』

弔『わかった』



死柄木弔は雑誌クリエーターであり
エレンイェーガーは、動画クリエーターだ


『行ってくるわ』


弔はホテル27階から1階へと下がるエレベーターへと乗り
1階にあるスタバの列に並んだのだ 


スタバ神戸北野異人館店のような内観のようだ



シャーー(ミキサーの音)




スタバ店長の坂田銀時に怒られているのはスタババイトの
呪術廻戦の真人だった



銀さん『だから触ると、ぐちゃぐちゃになるから!』

真人『面白いもん!このフラッペ芸術になるねぇ!』

銀さん『芸術じゃないから!お客が待ってるぉぉ〜』





列に並んでいる死柄木弔は藤原佐為みたいに瞳が光る


弔(このバイト、センスある!)


若い女性『次どうぞ!』


死柄木弔は受付口に行き
スタバボトルをぐちゃぐちゃにするバイトを呼んだ

弔『ボトルをぐちゃぐちゃにする人、来て!』

真人『え?俺?』

弔(今まで色んな人を見てきたけど、この人は今までに
                 ない人材だ!)


        







         ないものねだりだ










弔『私と共に働きませんか!』

銀さんが弔と真人との間に入る

銀さん『いや、その人、物ぐちゃぐちゃにするから!』

弔『私は、その凄さを求めていたの!』


銀さんは慌てる


銀さん『どうゆうことなの?』

弔『私、芸術を求めている雑誌クリエーターです』


死柄木弔が、ヒカルの碁[藤原佐為]のように
テンションが上がって真人に更に語る


弔『あっ、コーヒーフラッペ、ダークモカフラッペ
             クラシックティーラテで』


真人『えーと………何円になる?』


坂田銀時は呆れて計算機を取り出す


銀さん『できないなら、今から真パチと呼ぶぞ!』

真人『その呼び名やめてぇ!あっ、1万払って』

銀さん『計算違うよぉ!』

弔『1万!?分かりました払う』

銀さん『それ詐欺じゃん!詐欺が発生するスタバに
                  なっちゃう!』




坂田銀時の脳内では


〜次のニュースです。都内のスタバで大量に
詐欺を行ったとして店長の坂田銀時が逮捕されました〜




銀さん『真人、詐欺やめろって!』

弔『え?1万払っちゃた』


[銀さん白目になり深呼吸が止まり心肺停止に]


     死柄木弔の中身は藤原佐為だ



一方、ホテル部屋にいる〇〇はまだ寝ている
エレンイェーガーはパコソン作業をひたすら作業していた 



エレン(………まだ寝てるな…)

 

〇〇『………クシュん!』


エレン(くしゃみ?)


『あっ、………』


エレン(全く、可愛い寝方しやがる…]

エレン『毛布が必要だな』


バサっと〇〇の身体に毛布をかけたエレンも
死柄木のように優しく撫ぜた


ガチャ


死柄木弔が帰ってきた


エレン『おっ、帰ってきたのか』

弔『あぁダークモカ、クラシックティーラテ
         コーヒーフラッペ無料だった』

エレン『無料!?珍しくないか?』

弔『あぁ、スタバがコント芸場だったからな』

エレン『コント?俺しばらく笑ってないからな…』

弔『すごい面白かった』

〇〇『…ん………』

2人(起きちゃった!?)

〇〇『………!?』

弔『ん、クラシックティーラテ好きだろ?』




        3人でゴクリ🥤





          【後日】




真人と呼ばれるスタバで働く真人が来た



真人『どーも!』

〇〇『私、アートディレクターの〇〇と申します』

弔『早速なんだけど、この古民家カフェをインスタで
発信したくて』

真人『つまり俺をインフルエンサーとして
        人気者になれちゃうってこと?』

エレン『それ気が速いわ』

若い女性店主『3日前に古民家カフェ開始したんです』

弔『こんな感じだ』


弔が真人に教える


弔『[こちらは3日前にできた古民家カフェ
    バスクチーズケーキが美味しいんだとか
真人、真似してみろ』

真人『3日前にできたばかりのケーキ!』


バグり!🍰と豪快に食べる真人


エレン『おい、ショートケーキを食べるんじゃねーよ
                チーズだろうが!』



エレンイェーガーも間違えてチーズを食べてしまう


〇〇『違う!チーズケーキを食べてよ!』

店主『穏やかな方たちですね!』

〇〇『はは…いつもこんな感じなんですよ…』

店主『むしろ羨ましいです笑顔が多くて』





    〇〇、弔、エレンは瞳を丸くする




店主『わざわざ来てくれて有難うございます
      これ食べてください自慢のランチです』

真人『俺の分も?』

店主『えぇ、貴方の分も、ちゃんと用意していますよ』

弔『真人よかったな』




無事にカフェ紹介動画が終わり
インスタに流した

その古民家カフェは有名な神社に近く
サラダランチも有名になりスポットになった





エレン『成功だな』

弔『そうだな』

〇〇『これからも楽しく頑張ろう!』

真人『スタバでティータイムいいねぇ!』



場所はスターバックスコーヒー京都
二寧坂ヤサカ茶屋店のような雰囲気



真人の隣には坂田銀時がいる


銀さん『どうして俺を呼ばなかった〜〜〜〜〜!!』




           4人揃って

          『店長だから』




                      【終】







【今日の一言】

夢の中でスタバが出てきたので、実際に今日スタバ
行きました。隣に子供2人がいた。クレヨンしんちゃん
の声が音漏れしてたけど
他人の子供でも、幼少期から子供好きな私だから心から
許した(ほっこり)

3/27/2026, 8:33:57 AM

〝ないもの〟が欲しくなる。それを手に入れようとする。頑張って、努力して、そうしなければいけないかのように。そんな呪縛にとりつかれていた。

 ないものは、努力して身につけるものだ。そんな感じで、子供の頃からやってきたのかもしれない。頑張れば、いつかは身につくかもしれない。そんな幻想で、ずっとやってきたけれど、何かが違う。

 ないものは、ない。ないものばかり見て、〝ある〟ものには、目を向けようとしない。それは自分にとって当たり前になっているものだから。

 でも、その、あるものを伸ばしていくほうが、楽しい。もしかしたら目に見えるカタチで成長が見えるかもしれない。そんなことに、なかなか気づけなかった。
 

「ないものねだり」

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