『どこまでも続く青い空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
高い空 鍵あみ棒で ひと掻きす
どこまでも青 素知らぬ顔で
あの日の涙 あの日の笑顔
滲んだ糸で シーツを編むの
全てを包んで 認めたら
新しい朝 起きられるから
お疲れ様、貴方の方が疲れているのに
私にも労うくらいさせてほしいの
どこまでも続く長い道
人生なんてそんなもん
分かれ道もあれば坂道もある
それをたくさん超えて行けばたどり着く
あなたの未来に
だから、安心して毎日進め!
お題…どこまでも続く青い空
辺りを燦々と照らす太陽だ。
彼と日々を過ごしていくうちに、そう思った。燃えるような闘志で戦い、まっすぐな精神を持ち、どこまでも実直。そんな彼のことを私は、率直に言うと好いている。私だけを特別だと想ってほしいし私のことをずっと見ていてほしい。でも、彼は私のような人間が好きではない、とも思う。うじうじしていて思ったことも言えず考え込む性格の私と、竹を割ったような性格の彼との相性が良いとは到底思えないし、それに、彼にはいつも前を向いていてほしいのだ。私の事なんか考えてないで、まっすぐ歩みを進めてほしい。私が好きな彼は太陽のような彼だから、もし思いを伝えてしまって、彼が曇ってしまったら。私が大好きな彼が見られなくなってしまうことが震えるほど怖いのだ。だからこの思いは封じ込める。
そう決めたのに、
今彼は、私が恋した射抜くような瞳で私のことを見つめている。ただまっすぐに。
「何故俺を避ける」「勘違いなんじゃないかな?」
拙い笑顔でそう言うも上手く笑えている気がしない。そう思うやいなや彼に力強く肩を掴まれ視線がかち合う。
「分からないから知りたいだけなんだ、言葉にしてくれ!」
請うような、願うような顔でそう告げられては、私は、
「好きなの」
時が止まる。大包平は黙り込んでいる。
静寂に耐えられず私はまくし立てるように言葉を続ける。
「あなたのことがずっと前から。でもあなたは太陽だから、私にとっての。どこまでもまっすぐて、燦々と周囲を照らして、決してその光を絶やすことのない太陽なの。そんなあなたの陰りにだけはなりたくないの!」
言ってしまった。絶対に言わないと心に決めていたのに。絶望にも近い感情を覚える。
しかし予想に反して、顔から色を失った私の肩を掴んだままの彼は、何かを決したような顔で言う。
「俺はずっと思っていた。主は広く澄み渡る空のようだと。」
意外すぎる答えにポカンとした顔の私に彼は続ける。
「嬉しいことがあった時、お前は俺をにこやかに受け入れてくれる。戦で思うように立ち回れなかった時、お前は何も言わずただ傍にいてくれる。ひたすらそこにあって、全てを受け入れてくれる主は、どんな日でもそこにあり世界の動きを受容する、泰然と広がる空のようだと。」
こんな私が、空? 頭に疑問符が浮かんだままの私にあたたかい笑顔が降ってくる。
あぁ、その顔、そのあたたかさが好きなのだ。
「それに、俺が太陽だとして、そうやすやすと俺の光が曇ると思っているのか?俺はいつ何時も輝き続ける美の結晶だぞ!俺は、全てを覆い隠すような暗闇の中でもなお光り続けると、そう誓う。」
強くも優しい言葉で私の暗い思い込みを否定して私の感情を肯定してくれる。そんな彼の言葉に一時柔らかい気持ちになるも、今の状況を思い出し慌てて言う。
「でも、私こんなだし、すぐ考え込んでうじうじするし、まっすぐなあなたとは」
「考え込む性格は主が思慮深く人のことを思いやれるという証拠であって、美点にこそなれど欠点ではない。」
今度はこちらが黙り込む番だ。この性格故にあった嫌なことや悩みが嘘のように晴れていく。
やっぱり
「太陽みたい」
思わず顔がほころぶ。
「何を笑っているんだ!俺は真面目に…」
「分かっているよ、ありがとう。」
向き直って改めて言う。
「私は、大包平のことが好きです。1番愛しています。」
「あぁ、俺も、主のことを一等好いている。」
今までの思い悩みが笑えるほどのハッピーエンドじゃないか。嬉しくて気が抜けて私はその場にへたり込む。
大包平はしゃがみこみ視線を私に合わせる。
そしてフッと微笑んで、彼は私に告げる。
「それに、太陽には空が必要だ。空あってこその太陽なのだからな。互いに欠けてはならない。」
そう言って以前と変わらない、灼けてしまう程の眩しい笑顔をこちらに向けるのだ。
昨日は、ふと空を見上げることを忘れてしまった。心には余裕がなく、けれども涙はあった。そのせいで、見上げることを忘れていたのだった。
今日、やっと、私は空を見上げた。青い青い空だった。空も雲もこの手につかむことはできないのに、必ずそこにあるものだと知っている。どこまでも続くこの空は、昨日にも明日にも続いていた。
どこまでも続く青い空。
涼しくて気持ちの良いそよ風が揺らす木の葉。
優しい木漏れ日を浴びる僕。
静かで広い公園の芝生で、
僕は木の根元に寄りかかるようにして腰を下ろし、
本を読んでいた。
街中とは違い、ここなら騒音にも人の気配にも
邪魔されることはない。
ここで過ごす穏やかな時間が、
僕にとって一番の癒しであり、居場所でもある。
そしてこの場所には、友達がいる。
この公園の存在を教えてくれた、
僕の居場所を見つけてくれた存在。
それは人ではない。
この公園に住み着いている野良猫。
僕が初めてこの猫と出会った頃は、
僕には居場所がなかった。
親との仲は最悪だったし、
学校でもあまりクラスに馴染めなかった。
そんな僕はある日、学校帰りの通学路で、
この猫と出会った。
猫は僕に甘えるように近寄ってきた。
そして、細い脇道に入っていった。
僕は気まぐれでその猫について行った。
その結果辿り着いたのがこの公園。
自然の中でゆったり過ごせるこの場所が気に入った僕は、
頻繁にこの場所を訪れるようになった。
今日も僕は、猫が教えてくれたこの場所で、
一人と一匹の青春を謳歌する。
1つ前の、衣替え と、どこまでも続く青い空 です。
衣替え
暑かった夏の日射しが身を潜め、木々の葉が赤や黄色に染まる秋へと季節が変わる頃、衣替えをしようと思い、クローゼットから秋冬物を仕舞った箱を取り出した。
「ああ、こんなのも持ってたなぁ」
箱を開け、服を取り出していると
「ん?何だろう、これ」
箱の一番奥に、膨らんでいる袋を見つけた。
「開けてみるか」
中身が気になり開けてみると
「小さいなぁ」
出てきたのは、子どもたちが赤ちゃんのときに着ていた服で。
「こんなときもあったんだよね」
服を眺めながら、大きくなったよなぁ。と感慨にふけっていると
「ただいま」
玄関から子どもの声が聞こえる。
「おかえり」
成長するにつれ、生意気なことを言うようになったけれど、元気に育ってくれただけで十分だな。
赤ちゃんの頃の服を見て、子どもの成長を嬉しく思ったのでした。
どこまでも続く青い空
学生から社会人になり、仲良くしていた友だちは、みんなそれぞれの道を歩き始めた。
「…疲れた」
地元の企業に就職し、指導を受けながら、何とか業務を終わらせる。新しい環境、慣れない仕事で、毎日ヘトヘトに疲れていた。
「この仕事、向いてないのかな」
同じことをしているはずなのに、仕事を早く終える同期に焦ったり、不安になったり、心は忙しなく揺れる。
でもそんなときは、
「きっと、みんなそれぞれに頑張ってるんだ。自分も負けてられないぞ」
どこまでも続く青い空を見上げ、それぞれの場所で頑張っている友だちを思い、自分を鼓舞している。
『どこまでも続く青い空』
放課後の、誰もいない教室で。
私たちは、他愛のない話をする。
季節は夏。
日は長く、もう夕方だというのに、真昼のように明るい。
茹だるような暑さで、ちらほら見かけた冬服の生徒も、最近はぱったりと見かけなくなった。
寒がりな私も今日は、半袖の白いシャツを着ている。
本当は目の前の彼女が着ているようなセーラー服が良かったのだが、うちの学校は性別できっぱり分かれていて、女子はセーラー服、男子はシャツと決まっている。
だから当然私は、セーラー服を着ることができない。
少し羨ましく思って、彼女の胸元で揺れるリボンをじーっと見つめていると、彼女がそれに気づき、「これ、気になる?」と指先でリボンを持ち上げて言った。
「まあね、私には着れないから」
私は苦笑を浮かべて答えた。
「じゃあ、交換する?」
え?と声が漏れた。
「いいの?」
彼女は私の顔を眺めながら言う。
「だって、あいちゃんの方が似合うでしょ。顔可愛いし、スタイルもいいもん」
私は少し照れて笑う。
「えーそうかしら」
「そうだよ」
そして私たちはお互いの制服を身につけた。
スカートを着るのは初めてじゃないけれど、足を通すとき、少しどきどきした。
彼女が着ていた服ってこともあるけど、なぜかずっと欲しかった新品の服に袖を通すときみたいな、そんな感覚がした。
二人とも着替え終わると、せーので後ろを振り返る。
そこには、王子様みたいにかっこいい彼女がいた。
スカートも似合うけど、スラックスだと足の長さが強調されていて、モデルさんみたいだった。
「やだ、すっごいかっこいい!」
私がそういうと、彼女は照れたように微笑む。
「あいちゃんも、想像してた何倍も可愛い。さすが私の彼女!」
私はどうしようもなく嬉しくなって、満面の笑みを浮かべた。
「やだー照れる〜」
ふと、彼女が私に近づいてきた。
なに?と問うと、顎を持ち上げられる。
彼女と目が合った。
綺麗な瞳に至近距離で見つめられて、心臓がばくばくと音を立てる。
そのまま、彼女に手で目を覆われた。
数秒後、柔らかいものが唇に当たる。
一瞬、時が止まった気がした。
茹だるような暑さ。
騒がしいセミの鳴き声。
目を瞑っていても見える、どこまでも続く青い空。
そして、温かい彼女の唇。
まるで、少女漫画のワンシーンのようだった。
どこまでも続く青い空
どこまでも続く
あの青空すべてをうらがえして
ぎゅーっとしぼってしたたる青を
口でうけとめ のみほしたい
No.157『どこまでも続く青い空』
どこまでも続く青い空みたいな心を持てたらいいのに。
でも実際の私の心は雨ばかり降ってる曇天だ。
なぜだか、どこか、おそろしい。
吸い込まれるような透き通る青が頭上を覆っていると、得体の知れない恐怖に似た、筆舌に尽くし難い寒さを感じることがある。突然自分ひとり見知らぬ空間に放り出されたような、そんな理解できない畏怖の念を抱く。
(混じり気がなさすぎて、嫌いだ)
意図せず視界に入ってしまった淡色のグラデーションの下で、誰にも気づかれないよう 独り言ちる。
それは、鏡をずっと眺めている時にも似た嫌悪感。纏い慣れた仮面の下を、笑顔の裏を覗かれて、澱んだ本性を暴かれ突き付けられているかのような、そんな嬉しくもない幻想が色鮮やかに脳裏で流れてゆく。
(嫌い、大嫌い)
─── 空も、星も、海も、鏡も、宝石も、真っ直ぐな視線も すべて。
必死に繕った人当たりのいい装飾を剥いでしまうから。いつの間に染められ慣れ親しんだ生存戦略が、お綺麗なものではない打算まみれのその場凌ぎだと指摘されているようで。
「綺麗だよね。なんか、落ち着く」
「……綺麗、だね。本当に」
嫌いだ。綺麗なものは、なにもかも。
傷も汚れも光を当ててしまう癖に、醜いものは視界にも入れてはくれないのだから。いつだって届きもしない場所で輝いて、こちら側にはけっして足を踏み入れてもくれやしないのだから。
「残酷なくらい」
いつも、そこにあるのに、すり抜けるばかり。
『どこまでも続く青い空』
雲の上を歩いてるみたいだ。
何をしていても現実感がなくて、自分の存在すら信じられなくなっていた。踏みしめる自分の重さを感じられなくて、土の硬さも分からない。ただ、スマートホンに向かって独り言を綴って、野球の練習を横耳に歩いている。
部活をサボった。
空は曇っている。今にも雨が降りそうな冷たい風が吹き抜ける。風が耳に触れて、ぼうぼうと呼んでいる。何も出来なかったでくのぼうの自分を呼んでいる。ただ駐輪場に歩くことしか出来ない自分は、知る限りでいちばん暗い歌を歌った。ゴールデンボンバーの『断末魔』を、なるべく小さい声で歌った。しかしそれは、心の中で嵐を巻き起こすくらいの、狂おしい叫びだった。
孤独な人生よ 闇がただ包むなら
あなたの存在を突き刺して 突き刺して
血が流れる暗い 今すぐに
――――――雨は降らなかった。家に着いても降らない。それどころか、雲の流れとは反対に進んだから、うちの庭から見る空は星空が綺麗に見えていた。星は羨ましい。死んだ後に光を届けられるらしいから。僕も星になりたい。けど、死ぬ勇気も、一人で死ぬ寂しさに耐えられる自信もない。結局、なにもないのが僕だ。
翌朝、学校に向かいに自転車に乗ると、空は晴れていた。雲すらないその空は、嫌味なほどに色が濃い。漕げば漕ぐほど、風が顔を撫で付ける。自分の後ろで雑草がさざめくと、自分が存在していることがじんわりとわかってくる。
そこに喜びも悲しみもない。ただ、一切皆苦の生きる苦しみと、感覚だけが虚ろを漕いでいる。
: どこまでも続く青空
どこまでも続く青空は、その広大さを見るだけで無限の可能性を私達に与えてくれる。
その無限の可能性って、私達一人一人の中にも存在しているんだって。目の前のことに精一杯になり、狭い家やオフィスで過ごしたり、いつも変わらない同じ風景の日々を生活していると、そんな宇宙のスケールの大きさなんて忘れてしまうだろう。
でも、もしそれが事実なら、私達もこの宇宙から生まれた個性ある人間として、一人一人が自分の中にあるどこまでも続く可能性を磨いて、もっと素晴らしい現実を創っていけるのではないか。
以前に同じ人が、愛がないと生命は誕生しないって教えてくれた。愛のギフトを生きる力に変えて、今日も一歩一歩前進する、どこまでも続く空のような旅路を。
『ごめん。きょうは行けそうにない。』
携帯に届く。
日が傾いて薄黄色に染まった寝室で、わたしはそのメッセージをじっと見つめ
その後、まだ袋に入れられたままの、先週末に買ったピアスを取り出す。
半球状のガラス玉がついている。
ガラス玉は下の方で水色と薄青とに分かれていて、あの場所のようだと思って買ったのだ。
先週末の、あの人と行った旅行。
空と海とに分かれた景色。
ガラス玉を見つめながらどこまでも続く青い空を思い出す。
「どこまでも続く青い空」
《どこまでも続く青い空》
保全させていただきます。
いつも読んでいいねを下さっている皆様にはいつも本当に感謝しております。
この場をお借りして、御礼を申し上げます。ありがとうございます。
最近は書けておらず、本当に申し訳ありません。
落ち着いたらまた書いていきたいと思います。
その時は、どうぞよろしくお願いします。
お題『どこまでも続く青い空』
今日は、校外授業という名の遠足。
同じ学年同士、クラスの枠を超えて生徒だけじゃなく教師とも仲良くしようというのが目的らしい。
学校からバスで約1時間移動した先は都会から少し離れた自然豊かな場所だ。
最近流行りのキャンプもできる他、場所(エリア)によって異なる様々なアウトドアが充実している。
萌香達のクラスはBBQと酪農体験が出来る場所にいた。
萌香は空を仰いで歩いていた。
萌香「どこまでも続く青い空と……」
歩みを止めその先へ指を指す。
萌香「どこまでも広がる青い海!海はいいね」
真珠星(すぴか)が透かさずツッコミを入れる。
真珠星「海じゃねぞ〜。湖畔だ、湖畔。間違えるなぁ〜」
萌香「分かってるわよ!言ってみただけですぅ〜」
少し膨らました頬を真珠星に見せる萌香だった。
そのやりとりを遠くから見ている男子生徒が居たのをまだ萌香は知らない。
End
「人は皆孤独ですよね?」
カウンセラーという肩書を持った男に少女は真剣な眼差しで問を投げかける。
男はあっけにとられたような顔をしていたが、すぐに気を取り直し笑顔でこう述べる。
「そんなことはないよ。人は孤独じゃないさ。」
少女は呆れた顔になり少し怒りのこもったような声で言葉を返す。
「ここにくれば、わかってくれる人がいると思ったのに。
そうやって皆が分かり合えると綺麗事を並べて私の孤独は否定されて…。」
「わかるよ」
「あなたにはわからないですよ!」
男の同意の言葉に被せるように少女は声を大きくした。
その怒りを包み込むように男は落ち着いて言葉を並べだす。
「人と関われば関わるほど自分との相違を感じて、真の共感は存在しないんだと思わされる。
本当に解ってくれる人間はこの世にいないんだと関わりが増えるたびに思い知らされる。」
「えっ…」
少女は孤独を否定した男からの予想外の言葉に驚く。
「孤独を否定する人は他と上辺だけの言葉で関わって嘘や建前を疑うことすらせず、その浅い関係性をお互いが受け入れるようなことが起こればまるで親友になったかのように勘違いする。
ただ他を深く見ようともしていないのに、そうやって他と関わり続けた人は人間をわかったような気になり、更に孤独を忘れ他を深く見るという行為自体が頭からごっそり抜け落ちる。」
「…」
「人間を深く見る人がいたらそれは孤独と感じざるを得ないだろうね。
でもね、僕は人間を深く見てる自信だけはある。だから孤独感はよくわかるよ。」
「だったら…!」
「僕は君の孤独感をわかってあげれるし、僕と同じように孤独を感じてる人が目の前にいることが嬉しい。
それはこの瞬間だけは僕らは孤独じゃないってことじゃない?」
少女は落ち着いた表情に戻り
「…そうですか。」
と一言だけ述べると不満げに部屋を去っていった。
少女のプライドとしてすぐさま受け入れる事はできなかったようだが、きっと言葉は届いただろう。
「今日はいい日だ。」
男は席を立ちそう言って窓から空を仰いだ。
雲一つ無い青空。
ま、今現在、青空一つ無い曇り空だけど。
もう空は秋のそれなのに
なんで夏日だろ。
どこまでも続く夏日とは
ならないでほしい。
(どこまでも続く青い空)
「どこまでも続く青い空」
首を絞められて、身体中切付けられて、
私もうすぐ死んでしまいそう。
長い人生、もうここで終わってしまうのかも。
まだ、生きたいわけでは無い。
はやく、死にたいわけでは無い。
なんでしょうこの感情は。
曇りと言っていいのか、
晴れと言っていいのか分からないこの空は、
私をどうして欲しいのでしょう。
【#103】
クルンの髪は空色をしている。
「お兄さんも同じ髪色?」
彼の双子の兄を探すため、特徴をメモしていたときのこと。
「僕とピリンはほんとそっくりだよ、なんせ双子だからね。クールな僕がいたらそれはピリンだって思ってくれればいいよ」
クルンはクールとは言えない仔犬のような顔で苦笑いする。
「クールなクルンか……想像できないな」
「でしょ??」
じゃなくて、もっとこの顔が大人びてくれれば格好もつくんだけどな……と自分の顔をもちもちするクルン。そういう所だと思う。
「あ、でも髪色は実はちょっと違うんだなこれが」
「そうなの?まあ大体同じならいいけど……」
ん゙ん゙ん゙、とわざわざ咳払いするクルン。
「僕の髪は空色で、ピリンの髪は海色!!」
「……でも同じ色なんでしょ?」
「まあ」