『どうして』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「どうして」
どうして、君が。そんな言葉が溢れた。
目の前で血飛沫を上げて倒れたのは、他ならない己の恋人だったもの。
暗闇だと言うのに、ほんの一瞬の銃口の光が写した。
その瞬間、引き金の先にいたのが誰だか分かってしまった。
ワンピースが似合う素朴な……弾丸が飛び交うような戦場には到底、似つかわしくない柔な人だった。
だと言うのに、何故自分が追っている敵と同じ服を着ているのだ。
いや、分かっているだろう?
そんな声が聞こえる。
突きつけられる様に、はっきりと理解する。
ああ、そうか。
君も同じ、裏切り者だったんだ。
僕がスパイだった様に。
だからこそ、言い聞かせよう。
「どうして、か。どうしても、だから」
君を守れると思っていた、任務には、どうして、だけが木霊した。
どうしても?はぁ、甥の願いは断れない。
パチンと指を鳴らした。夜空の月が、ほんの一瞬、赤く光った。
甥は目を輝かしている。
「すっげえ!やっぱりおじさんまほうつかいなんだ!」
「誰にもいうなよ。」(とくに…学会とか)
甥は満足そうにベットにもぐった。
縁側に1人残って、月に一礼した、
(またあなたの肌にクレーターを増やしてしまいました。)
布団を被った。魔法使いというより爆弾魔だな、はは。
____
あぁ!こんな難しいお題で頭を悩ましてるうちに、お題そのものを忘れちゃったじゃないの!
どうしてこんなお題を出すのかしら!
どうしてわたしはこんなにわすれっぽいの!
どうしてこんなに才能がないのかしら!
どうして、どうして…
奇跡的にあっていたけど、ここから先はどうしていこう。
どうしようも無いのかもしれない。
ポポウの躯体の様子を診ていたチチュンの頭の上に疑問符が浮かぶ。
ポポウの膝関節球の摩耗率がここ数日で明らかに大きいのだが、理由がわからない。
あくまで自分との比較でしかないけども、とおもう。
同期しても普段通りに過ごしているし、踏破距離も大差ない、という情報しかなく、荒野を流離っている-砂塵が入りやすい-ということはチチュンも同じなので、ポポウの損耗の方が早いことは、今後の旅に対して憂慮かつ早急に解決すべき問題といえた。
考えたくはないが、何か隠していることがあるのではないか?と考えざるを得ない。
「ねえ?ポポウ」チチュンは目の前に腰掛けるチチュンに問いかける。
「僕に…」隠していることはない?という言葉を飲み込み、メモリからすぐに削除した。
「君がメモリを閉じてしまうと、わからないんだ」
当然だが返事はない。
ポポウの膝に視線を落とし、優しく撫でる。
「君のことだから、何か理由があるんだろうね」
チチュンは白んできた地平線を見遣る。
「ああ、もう夜明けだ。もう戻るよ。良ければ理由を思い浮かべて欲しい。おやすみ。また明日。愛してる」
言うや否や、チチュンは後ろに背負っていた金属製の直方体の筐に、カチャカチャいいながら納まった。
チチュンが、一つの筺になった直後、ポポウと呼ばれていた躯体の瞼がゆっくりと開き、奥に隠れていた深緑色の瞳が朝日を反射して煌いた。
「愛しいチチュン。君の声は聞こえていたけど…君の関節ままだともう歩けないんだ」
ポポウは哀しそうな声で、無表情に呟いた。
「ほんとは全て共有しなければいけない事は解ってる。でも、君はそれを認知出来ていないんだ」
「本当は放棄街や、器械族に会えると良いんだけど、そう上手くはいかないみたい」疲れた口調で「ともかく、行けるところまで行ってみよう」
ポポウは立ち上がって、チチュン筐に背を向ける。
そうしていつものように自分の背中の筺若干緩め、そのまましゃがんだ。膝がキシキシと音を立てる。
チチュン筐に自身の筐が覆い被さることを認識すると、背中の筐を締めて再び立ち上がった。
メモリを削除することも忘れない。
「さ、行こうか」
器械族の〝蟻塚〟に二人が拾われたのは、それから3回目のポポウの日だった。
「どうして」
「ただいまー」
帰宅しても彼の返事が聞こえない
いつもは「お帰り」て返事が来るのに
「リビングが暗い…?」
リビングへの戸を開けるとリビングには電気が付いてなかった
何処かへ出掛けたのだろうか?
電気を付けてテーブルの方に目をやると
リビングのテーブルには、
結婚指輪と時計と一枚の便箋が置かれていた
「御免。これ以上、お前との生活は無理だ」
私は彼の部屋を覗いた。勢い良く引き戸を開ける。
部屋はもぬけの殻っぽ。
彼自身が購入した私物は全部なくなっていて、
私が買ってあげた物はそのまま置かれていた
何故?
どうして?
私が何をしたって云うの?
「どうして?」
私の前から居なくなっちゃったの?
「どうしてそんなにかわいいの?」と聞くと、多分君は「知りませんよそんなこと」って呆れ気味に答えるのだろう。
実際に君に尋ねることはできない。どうしても越えられない壁があるから。住む世界がたった一つ違うだけなのに、どうしてこんなにも遠いのだろうか。
君は虚構に過ぎなくて、この世界に君の実体はなくて、でもいつだって私の心の一番弱いところを掴んでくる。君は私を掴んで離さないのに、どうして私は君に触れることさえできないのかな。
「どうして君はそんなにかわいいの?」
聞いても君からの返事はない。届くはずもない質問を繰り返すうち、私の中で答えができてしまった。そして頭の中に君の声が響く。
「どうしても触れられないから、なおさら愛おしく感じるんですよ。」
う〜ん、君はこんなこと言わない!
だが私の浅薄な語彙と表現力では君の言いそうなセリフを捻り出すことさえできない。
どうして君はこんなにも遠いのだろうか…
遠い君へ
僕は呆然と立ち尽くしていた。
僕の宝物。
誰にも、特にあなたに見つからないように大事に隠しておいたのに、今や見る影もない。
「やあ。遅かったね」
帰ってきた僕に気づいたあなたが顔を上げ、気のない様子で弄んでいた僕の宝物を放る。
嬉しそうに笑っていたあなたは、僕の異常を見てとると困惑したように少し目を丸くした。
「どうして君は泣いているのかな」
あなたの榛色の瞳が心底不思議そうに僕を観察している。
ああ、ほんとにわからないんだな。
僕は怒りや呆れを通り越して、いっそ哀れに思った。
それと同時に、自分と異なる生き物に対する身がすくむ恐怖を感じた。
「…わからないなら、いいです」
洟を啜って、僕はそう言う他なかった。
一刻も早く、この相容れない存在から離れたかった。
「教えて。どうして泣いているんだい」
「いいです、もう。早く出て行ってください」
「君を知りたいんだ」
知らぬ間に近づいてきたあなたは、僕の頬に手を当てて至近距離から目を合わせた。
僕の一挙手一投足も見逃すまいとしている。
「あなたはかわいそうな人だ」
ほとんど吐息のように漏らした言葉はあなたに届かない。
僕は震える瞼を下ろし、世界を向こうへ押しやった。
やがて、興味を削がれたあなたが離れてゆく。
上等な人の皮を被ったあなたは、遠ざかる足音さえも質が良い。
ドアが閉まって、たっぷり3分経ってから僕は目を開けた。
また涙が頬に幾つも筋をつける。
僕の宝物。
かわいそうに。僕も、あなたも。
どうして
どうして空はあおいの?
どうして日は昇り、沈むの?
どうして僕は、ここにいるの?
こたえてくれるひとはいない
どうしてひとは争うの?
どうしてひとは生きなきゃならないの?
どうして君は、ここにいないの?
おしえてくれる君はいない
どうして僕は
ひとりぼっちになってしまったんだろう
あぁ。どうすればよかっただろうか。
それが今もわからない。
それは数年前のこと。友人に相談を受けた。なぜ人間は生きているのかという相談だった。そんなこと私にもわからない。だが相談を受けたからには何か答えようと思った。だからなぜ自分は生きているのかを答えることにした。私は毎日ご飯を食べるために生きている。どんなに辛いことがあってもご飯を食べることに幸せを感じる。ほんとに辛い時や何かを頑張った時にはご褒美に少しいい物を食べる。それを生きがいにしていると彼に伝えた。
彼は少し辛そうな顔を見せたあとニコッと笑い、
「○○らしいな」と言い、感謝を伝えたあと私のもとを離れた。それから彼から相談も連絡も来ることがなかった。2年ほど経っただろうか、彼から連絡が来た。なにかあったのかと思ったら、彼から話したいことがあるとのことだった。週末に会う約束をした。
週末、私の家の近くのカフェで話すことになった。前に会った時あまりにも違う彼の格好に私は目を丸くさせた。前はふくよかな身体で顔もまるまるとしていた。なのに今はと言うと身体はやせ細り今にも折れてしまいそうなほど痩せ、やつれていた。
「随分痩せたようだけど大丈夫か?」
と私は声をかけたが聞こえていなかったのか反応はなかった。突然連絡を寄越してどうしたのかと言おうとした途端彼が口を開いた。
「この健康食品を買わないか?毎日2食これを食べるだけで理想の体重まで一直線だぞ!」
どういうことだ?彼はなんでこの栄養バランスが取れていなそうな固形の食べ物を勧めてくるのだろうか。
だが私の返事はもう決まっている。
「悪いけど私は普通の食事を楽しみたいんだ。健康になるために食事をしているわけじゃない。というかこの食品を毎日食べているのか?」
どこにでもありそうな固形の食べ物。こんなものを毎日食べるなんて私にはできない。彼は
「あぁ。当たり前じゃないか。これのお陰で俺のコンプレックスだった身体も痩せ周りからデブなんて言われなくなったよ。○○もそろそろ健康を気にする歳なんじゃないか?」
どうして。前の彼ならこんなこと言わなかった。いつからこうなってしまったのだろう。私と話したあとの2年間で何があったのだろうか。そう考えていると彼が
「別に食わなくていい。買ってくれないか?ノルマがあるんだ。まとめて買ってくれたら友人割引もする。なぁ○○、俺ら友達だろ?買ってくれよ。」
私はここで理解した。彼はもう前の彼じゃないと。あの優しい彼がなぜこうなってしまったのだろう。私に相談したときなにか辛いことがあったのだろうか。いや考えるのはあとにしよう。まずは先に彼のもとから離れることにした。
「すまん。君のその食品は買うことはできない。それと職場の方から呼び出しが来たからここで失礼する。お金は置いておくから支払いは君の方でしてくれないか?おつりはそのまま貰っても構わない。じゃあ、これで」
そう言い3000円を置いて私はカフェから逃げるように去った。コーヒーしか頼んでないためそんなにするわけがない。でも彼の痩せた姿が見てられなかったのだ。縁を切るつもりだが少しでもちゃんとしたものを食べてほしい。そういうつもりも込めて3000円を置いた。
家に帰り、頭を整理することにした。相談されたときにもうちょっと彼のことを気にしていたら変わっていたのだろうか。こっちから彼に連絡をしていればもっと早く気づいたのだろうか。たらればなんて意味が無いことはわかっている。でもなにか出来たのではないか。そういう思いがずっと頭の中をかけまわっている。あぁ、どうして。そう思いながら彼の連絡先をそっと消した。
「どうして」
どうして
君を前にすると
素直になれなくて
どうして
他の男と話す
横顔に胸がざわついて
どうして
ひとりの夜に
考えるのは
君のことばかり。
今 何をしてるの…
誰を想ってるのかな…
どうして…
こんなにも
不安定で
呼吸(いき)するだけで
苦しいはずの
乱れた鼓動が
今は 少しだけ
心地いいんだ…。
思うままに
夜空を見上げて
君じゃなきゃ って
そんな理由
星に重ねて 数えてみたりしてさ
はやく眠れない
夜なんて明ければいい…
あぁ…
どうして
こんなに好きなんだろ…。
- 恋 -
どうして言語化が苦手なのか?普段から空気を読むことに特化しすぎて黙りこみ、言葉を発することに不慣れであるから。
みなさぁん、家庭円盤ですかぁ?えっ、それは、家庭円満じゃあってかあΣ(・ω・ノ)ノ
どうして辛いことばかりなんだろう。
どうやったら楽しめるかな
辛いと思うから余計辛くなるのかも
楽しく過ごせる日が来るかな。
気持ちって、伝わるのかな?
伝わらないのは、伝え方だけが悪いわけじゃないよね?
どうして伝わらないのかな?
こればかりは、誰かに教えてもらえる事じゃないよね?
でも、やっぱり『どうして?』って言いたくなるのは、これまた、どうして?なんだろう。。。
愛とは、見返りを期待しない事。
なんて言うけれど、やはり見返りというより、気持ちが伝わった時の喜びだけは欲しかったりしない?
どうしてそれすら、求めちゃいけないんだろ?
世の中、どうして?だらけ。
私だけかな?
どうして
思う通りに行かないんだろう
情熱も 謙虚さも 持って
努力もしているのに
…努力家は楽しむ人に勝てないと
どこかで聞いたことがある
よし、明日からは楽しむことを心がけよう
どうして勉強も部活も、いろいろなことを頑張りたいって思ってるのにできないんだろう。決心はするのにいざ始めようとするとなかなかうまくいかなくて、そのうちやる気が薄れていく。
自分のことは自分でよくわかっている。問題ないはずだったんだ。以前だってそうだった。忘れた訳じゃない、ちょっと頭から抜けてただけ。ほんの少しの慢心だった。
お腹すいてるからって、美味しいおかずだからって、食べすぎたらあとで苦しくなるのは知ってるでしょ。どうしていつもわからなくなるの。
自戒。
こんな寒い日に限って どうして半袖で出勤しちゃったんだろう。アホだなぁ。
室温はぬくぬく26℃ いつもは半袖で調度いい。
今日は外回りだったのすっかり忘れてた。
雪も降ってきたし、今夜はお鍋にしようかな。
どうして
どうして私はこうなんだろうって毎日のように思っちゃう 周りはあんなに上手くいってるのに 私より辛い人だってたくさんいるのにって
1人になりたいのに孤独は嫌で
上手くいかなかったら自分が大嫌いになるのに
上手く行ったらこのくらいはまだまだって思っちゃう自分が大嫌い。
こんなん愚痴でしかないのもわかってるけど
ただ生きる
どうして生きる
ただ愛す
どうして愛す
愛されたいだけなのに
どうして伝わらないんだろう
そっか私は空から見守ることが出来る
星になったからだ
【どうして】#26
どうして……。
頭が真っ白になった。
どうして、この世はこんなに無情なのだろう。
この日の為にと新調したエイチビーの鉛筆が指から擦り抜け、からりと落ちた。手汗が酷くてそれを拾うこともできない。心臓の鼓動が周りに聞こえているんじゃないかというくらい大きくなっている気がした。だが、変に落ちついている自分もいた。動揺している僕を客観的に見ている、そんな感じ。第三者目線として宙から僕を観察している僕は、つい先程気づいた僕の過ちを冷静に思い返す。
共通テスト、初日。
ぜってぇ同じ大学に行こうな、と仲間に鼓舞して僕は会場入りを果たした。奇しくも試験会場が志望大学で、僕の中で一層この大学に行くのだという士気が高まった。緊張もあったが、自信はあった。これまで彼らとしてきた数多のことを思い出す。帰り道に問題を出し合ったり、画面通話で勉強時間耐久をしたり、理系の過去問の得点を競ったり……。この日の為に多くのことをしてきた。彼らは僕にとって、ライバルでもあり同志、それ以上に大きな存在、親友になった。そんな彼らと過ごした日々を無駄にはしない。そう心に決めて時を待った。
1時間目、地理。
歴史のページをはぐって早速見つける。大問は五つだから一つ十分で後は見直し、とこの前立てた戦略のもと、問題に挑む。
傾向が変わったか。一番最初に日本の地形が出るとは。しかし簡単だ。すらすら、さくさく解ける。自分でも恐ろしいほど。これまでの練習の成果が如実に現れたのだ、内心歓喜した。そのままペースを崩さず、問題に気づく。
おかしさに気づいたのは五問目に差し掛かった時だ。まだ続きがあるぞ……とページをパラパラめくって、そして気づいた。
自分が地理Aを解いていたということに。
まさか……慌てて自分の解いたページを見返す。
地理A。
頭が真っ白になった。
理系の入試で使うのは大抵が地理Bなのだ。
やってしまった。
僕は天を仰ぐ。
どうして……。
いや、確かに過失は自分にある。地理Aは大概模試では省略されるがしかし受験上の注意にAの記載はある。問題のせいではない。僕がよく確認せず解き始めてしまったばかりに起きたミスだ。
だけど……だけどさ……
それはないだろ。それは……。
この100点が合否を決めるってのに。
こんなミスで人生狂っちまうなんて……。
そんな馬鹿な話、と笑ってしまいそうになった。
冷や汗が止まらない。
僕は……僕はどうすれば……。
ふと思い出したのは、仲間のこと。
一緒に同じ大学に行くと誓った。
行きたい、絶対に。
急いで鉛筆を持ち直す。残り二十分。まだ、まだ間に合う。マークを思いっきり消す。
Bを始めよう。
どうして、なんて後からいくらでも言える。とりあえず今はこっちに集中だ。焦るな、自分。まだ試験自体、始まったばかりなのだから。挽回は効く。だから、焦るな。落ち着いて。落ち着け、自分。
手の震えを抑え、正しいページを開く。一度大きく深呼吸をして、問題に目を通す——。
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このお話は殆どノンフィクションです。全神経を研ぎ澄ませて挑んだ二十分間でした。