「どうしてそんなにかわいいの?」と聞くと、多分君は「知りませんよそんなこと」って呆れ気味に答えるのだろう。
実際に君に尋ねることはできない。どうしても越えられない壁があるから。住む世界がたった一つ違うだけなのに、どうしてこんなにも遠いのだろうか。
君は虚構に過ぎなくて、この世界に君の実体はなくて、でもいつだって私の心の一番弱いところを掴んでくる。君は私を掴んで離さないのに、どうして私は君に触れることさえできないのかな。
「どうして君はそんなにかわいいの?」
聞いても君からの返事はない。届くはずもない質問を繰り返すうち、私の中で答えができてしまった。そして頭の中に君の声が響く。
「どうしても触れられないから、なおさら愛おしく感じるんですよ。」
う〜ん、君はこんなこと言わない!
だが私の浅薄な語彙と表現力では君の言いそうなセリフを捻り出すことさえできない。
どうして君はこんなにも遠いのだろうか…
遠い君へ
1/14/2024, 2:25:39 PM