『たとえ間違いだったとしても』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『たとえ間違いだったとしても』
「ま、待て! 金ならやる! いくら欲しい?!」
その言葉に耳を貸さず、俺は剣を振るう。
ブシャッ、と鮮血が飛び散り、俺の服などにもつく。
俺には、やるべき事がある。
それは、たとえ自分を犠牲にしようと、確実に成し遂げなければならない事だ。
だから、今日も人を殺す。犯罪だって必要ならやる。それが俺だ。
「だから、待っていてくれ、小夜」
俺は、歩き出す。次のターゲットへと。
この選択が、たとえ間違いだったとしても……俺はやる。
小夜は、俺が唯一『俺』でいられる、大切な人だから。
たとえ間違いだったとしても
あなたが試したことは
決して意味のないものではない
やってみたこと
その勇気を出したこと
全てが努力と言える
行動したこと
それは前に進んだということ
あなたの生き方は素晴らしい
身を結ばない結果であったとしても
何も問題はない
結果を知るまで動いたことに価値があるから。
〝たとえ間違いだったとしても〟
サイズが一回り小さかった傘。
実は二枚入りだったハンカチ。
買ったことはたとえ間違いだったとしても、
子供たちに差し出せたのなら、価値は無限大。
やっちまった。
私は手に持ったコーヒーを眺めながら、心中で呟く。
私はコーヒーが嫌いだ。
とくにブラックのやつが……
本当は別の物、たとえば紅茶とかがよかった。
コップを取る際、よそ見しながら取ったからである。
なぜコーヒー以外にも飲み物があるのに、よりにもよってなぜコーヒーなのか?
畜生め。
じゃあ交換してもらえればとなるのだが、それは出来ない。
今この屋敷にいる人間で集まって、重要な会議をしているから。
非常にシリアスな場面であり、とてもじゃないが『飲み物を間違えたから変えて(はーと)』なんて言えるわけない。
私は憂鬱な気分で会議を聞いていた。
「電話は駄目だ。スマホの電波も入らない」
「ここに来るまでの道が土砂崩れで通れなかった」
「車のタイヤがパンクしてる。 しかも全部だ」
お分かりいただけただろうか?
私たちは、いわゆる陸の孤島で孤立しているのだ。
しかも――
「そんな! じゃあ、助けに来るまで人殺しと一緒にいなきゃいけないの?」
「……残念ながら、そういう事になる」
この会話でお察しだろう。
私は、いや私たちはこの屋敷に閉じ込められた。
よりにもよって、人殺しと一緒に……
面々はこの窮地から脱出しようと、討論を繰り広げるが有効な打開策は出ない。
不毛な会議を聞きながら、やっぱり来るんじゃなかったと後悔する。
どうしてもと乞われ渋々来たのだが、こんな事になるとは……
どうしてこうなった……
「貴女は何か案がありますか?」
顔を上げると、イケメンが私を見つめていた。
よく見れば他の面々も私の事を見ている。
会議の面々は美男美女ばかり。
こういう場でなければ、眼福だと言って喜んだのだろうけど、今の私にそんな余裕はない。
「別に何も」
私は感情を込めず答える。
興味は無いから仕方がない。
殺人鬼などどうでもいい。
私の興味はただ一つ、目の前にある嫌いなコーヒーだけ。
「そうですか……」
私のぶっきらぼうな返事に、声をかけたイケメンは悲しそうな顔をする。
ああ、イケメンの悲しむ顔は綺麗なのに、なぜこんなにも気持ちが高ぶらないのか……
やっぱり、来なければよかった。
憂鬱な気持ちの中、もう一度私は持っているコーヒーを見つめる。
私は、今からこれを飲む。
たとえ間違いだとしても、手に持っている以上はこれを飲み干さなければいけない……
そういう運命だ。
私は、運命を呪いながら、意を決し、コップの中のコーヒーをあおる。
案の定、口の中にコーヒーの苦みが広がる。
やっぱり紅茶がよかったなあ。
周りの人間は何事かと私に注目する。
突然、何もしゃべらないヤツがコーヒーを一気飲みし始めたら、そりゃ見る。
私は視線の中、ゆっくりと、後ろのソファーに体を沈める。
ああ、やっぱりコーヒーは嫌いだ。
「あの、大丈夫ですか?」
さすがに心配したのか、イケメンが再び声をかけてくる。
でも。
「……」
私は問いかけに応えない。
そんな気分じゃない。
それに――
「あの」
反応のない事を不思議に思ったのか、私の肩を叩く。
私は返事をする代わりに、座ったまま、ゆっくりと、横に、体を倒す。
イケメンには悪いが仕方がないんだ。
だって、私は――
「うわあああ、死んでる」
――死んだのだから……
「カーーート」
🎬
「瑞樹ちゃん、今日も良かったよ」
「はあ、どうも」
監督にお褒めの言葉に、素っ気ない返事を返す。
「えっと、ゴメンね」
失礼な返答をしたにもかかわらず、申し訳なさそうに謝る監督。
私が不機嫌な理由の一つに監督に原因があるからだ。
「急にキャンセルされちゃってさあ。」
「分かってます」
私は本来、この撮影に参加する予定は無かった。
けれど、予定していた役者がドタキャンしたので、代役の話が私に回ってきたのだ。
本当なら……本当なら久しぶりの休暇を楽しむはずだったのに……
「あの、怒ってる?」
「いいえ」
もちろん嘘だ。
監督から『一生のお願い』とか、『ギャラ倍出す』とか、『あなたにぴったりの役』とか、『おしいい役だから』などのセールストークを受け、嫌々ながらもここに来た。
にもかかわらず、私の役柄は序盤ですぐ死ぬ『いつも不機嫌そうな女性』……
これが私にぴったりってどういう意味だ、コラ。
でも言わない。
なぜなら私は出来る女……
仕事に私情はもちこまないのがモットー。
「分かってます。仕事ですから」
「そんな冷たい事言わないでよ。 瑞樹ちゃんと私の仲でしょ?」
「はい、ただの監督と役者の、ビジネスライクな仲ですよね」
「だめ、怒ってるわ。準備してたお菓子持ってきて。なるはやで!」
監督がスタッフに呼びかけ、すぐに私の目の前にたくさんのお菓子が並べられる。
先ほどまで不機嫌だった私も、さすがに笑顔になってしまう。
目の前にあるのは、テレビでしか見ないような、お高いお菓子たち。
それがたくさんあれば、誰だって喜ぶことだろう。
「仕方ない。コレで許しましょう」
私は早速、そのうちの一つを口に放り込む。
うむ、うまい。
思わず、笑いがこみあげてくるほどのおいしさ!
「あの、瑞樹ちゃん、余計なお世話だけど、一つ言っていいかしら」
その様子を呆れるように見ていた監督が、口を開く
「ふぁに(何)?」
私はお菓子を頬張りながら返事をする。
「そんなにお菓子食べたら太るわよ。 役者は体形管理も仕事よ」
そんなこと言われなくても分かってる。
目の前のお菓子を全部食べれば、きっと太るだろう。
でも、それが何だと言うのか……
お菓子を口に入れるたびに、体中に広がる多幸感。
そして溢れる生きてる幸せ。
たとえ間違いだったとしても、この手が止まることは無い。
「たとえ間違いだったとしても」
あいつが動かなくなってから何日経っただろうか。
好きだった桜餅を近づけたり、勝手に端末を触ってみたりした。
でも、何の反応もない。
……何か自分にできることはないのか?
本当に、このまま黙って見ていることしか出来ないのか?
いや、自分ができることをしなければ。
そう思うのがたとえ間違いだったとしても。
自分はあいつを救いたいんだ。
でも、よくよく考えたら自分はあいつのこと、全然知らない。
ミントグリーンの色したふわふわの髪の毛とか、やかましくてよく通る声とか、表面のことしか知らない。
……それもそうか。
優しく接してくれているから勘違いしていたが、自分はあんたにとって……一サンプルみたいなもんなんだから、そんな簡単に重要なことを教えるような真似はしないよな。
思い上がっていた自分を嘲笑う。ため息が出た。
何も出来やしなかった、こんな自分だ。
今までもこれからも変わらない無力な自分を嘆くくせに変わろうともしない。そのツケが今になってから回ってきた。
呆然と座り込んでいると、あいつの端末が鳴る音が聞こえた。
一縷の希望を込めて、自分は応答した。
「……はい。」
『やっと出たー……っていうか、きみは何者なんだ?』
自分は今までのいきさつを相手に話した。
『なるほどなるほど。それが本当ならえらいことだ。今見にいくからちょっと待ってて。』
通話が切れてしまった。こんな短時間でどうにかなるのか?
などと思っている間もなく呼び鈴が鳴った。早すぎるだろ……。
「……はーい。」
「どうも、こんにちは。色々と厄介事に巻き込んでしまっているみたいで申し訳ない。」
玄関には気怠げな顔した黄色い髪の子どもがいた。
……あいつの色違いみたいだな。
「あんな「ややこしい」のと一緒にしないでよ。」
……当たり前のように心を読まれている。
迂闊に考え事ができないな。
「……で、例のあいつはどこにいるの?」
そこの部屋のベッドにとりあえず寝かせてるんだ。
「……一目見るだけでは原因まで特定できないが、物理的な攻撃を受けたわけではなさそうだね。しゅ……いや、治療にはそこまで時間がかからない、と見た。」
「きみの話を聞く限りだとおそらく、大量の何かを無理矢理押し込まれたんじゃないかな。例えば……感情とか?」
感情を押し込む……なんてことができるのだろうか?
「んまぁ、かなり古い時代に使われたクラッキング技術にそういうのがあったんだよ。今じゃそんな手法、誰も使わないけどね。」
「でも、今眠っているこいつは比較的「感情的」なやつだから、感情を押し込まれると、防衛機構……このバッジが働いてフリーズしてしまうんだ。」
「ニンゲンのきみで例えると、1日にいろんなジャンルの映画をたくさん観た後の状態、とでも言えるかな。」
「……なるほど。これは酷いな。」
そんなに酷い状態なのか……?
「いや、状態はそこまで悪くないよ。叩けば治るくらいには。」
「押し込まれたものの正体がわかったんだよ。これ……このグラフ、分かるかい?そう、これ。押し込まれたのはきみ達が『怨念』と呼んでいるもの、だね。」
「ホラー映画の怨霊もびっくりするくらいの怨念だ。あいつ、未知の存在とやらからそんなに嫌われてたの?全く、何したんだか。」
「とにかく、怨念を取り除くためにこいつを一旦回収するけど、いいよね。」
「安心して。すぐに元通りにするから。」
どのくらいで元に戻るんだ?
「うーん、2年くらいかな。」
「……そんなにかかるのか、って思ったね?わかったよ。3日で治そう。それ以上かかりそうだとこちらが判断したら、改めて連絡を入れるよ。」
「それじゃ、またね。」
自分は彼らを見送り、とにかく安堵した。
気づけばもう夕方も過ぎている。
あいつが無事に戻ってきますように。
自分は一番星に願った。
文芸サークルに籍を置いていたときのこと。
後輩の添削というのが、地味に骨の折れる仕事だった。
学生なんて、自分も相手もまさに『山月記』で言うところの“臆病な自尊心”と“尊大な羞恥心”がせめぎあってるお年頃。ともすれば、人の間違いを正すことより、自分の知識をひけらかすことに躍起になってしまう。
そんなこんなでその日もサイトにアップされた後輩の作品をプリントアウトしてにらめっこ。
担当の子はどうも比喩表現に凝っているらしい。あまり聞かないたとえを多用するきらいがあった。
彼はマジシャンみたいな騎士で、とか、畳まれた洗濯物たちが嬉しそうにダンスする、とか、世界観とちぐはぐなたとえがこれでもかと飛び出す。
それを上回るのが熟語やことわざの誤用だった。
・若い少女、夜更け遅く、全員ひとり残らず
・耳を落とす、背中を折って拾う、高々に叫ぶ、二足わらじエトセトラエトセトラ……
ここまでくるともう内容うんぬんより、国語のテストの採点だ。
書き込みだらけのプリントを手に後輩と向き合う。
修飾語が多いと語感が整う気がしちゃうけど二重表現になってるよ。耳は落とせないよね。背中を折ったら痛いでしょ。声高に? それとも高らかに? 二足のわらじ、ね。
ていうかこんなに間違いばっかで平気なことに危機感感じるよ。
それまで神妙な顔をして聞いていた後輩はパッと顔を上げて、
先輩違いますよ、危機感は感じるんじゃなくて覚えるんですよ。
とのたまった。そして手もとのプリントを一瞥すると、
でも、間違いだらけだったとしても、私の投稿のほうがたくさんいいねもらってます。
そう言って、私の頭を撃ち抜いた。
(たとえ間違いだったとしても)
やなやつ!(私が)
《たとえ間違いだったとしても》
「どうしてその女を庇う……!? わかっているだろう、これは命令だ、」
「はぁ〜?」
それがどうしたのさ、俺は。
「——“正義の味方”じゃないんだよ?」
力はあっても、お前らの為に使うと思うな。
大切な人は、あんたじゃない。
「この際だから教えてあげるけどね、俺はあんたら如きの命令に従ってあげてた訳じゃないの。ただ、彼女が一緒にやろうって言うからやってるだけ」
肩を竦めてみせると相手は、理解ができない、とでも言うかのように頭を振った。
「いい? よく聞け」
一息吸って、声を張る。
「この世界で一番大切なのは彼女なの。二番目が親友で、三番目が友達で……でも何よりも大切な彼女の為なら、俺は他の全てを捨てられる。邪魔をするなら斬って捨てる」
にこりと笑って、腕の中で気絶している彼女の髪を一房掬う。
口付けを落として、上着の上に寝かせる。
「つまりお前達も、邪魔で、俺が斬って捨てるべき雑魚なんだよ。わかった?」
「……っ、ふざけるな! そんな道理が通るとでも思っているのか!!」
「通るわけないじゃん、通すんだよ? もしかして馬鹿なのかな?」
「このっ、」
話しながら接近し、何事か口を開こうとしたその頭ごと剣で縦に裂く。
血飛沫が舞うが、既にそこからは離脱しているので問題ない。
「雑魚は雑魚らしくさっさと退場しな」
笑みをしまって、俺は剣を振るった。
当然、彼女に血が掛からない場所で、だ。
たかが五十六人で、俺に勝てるとでも思っていたのだろうか。
「……起きてよ、眠り姫」
当然返り血も浴びていないし、怪我もしていないから俺は彼女を抱き起こす。
ぴくりと瞼が動いて、その瞳が俺を映す。
「——……ん……あら? ごめんなさい、少し寝ていたみたいね」
「気にしないでいいよ、あーちゃん」
「……リク、申し訳ないのだけど運んでくれるかしら? 足が動かなくて」
「お易い御用だよ、お姫様」
彼女がいる限り、俺は大丈夫。
「……たとえ間違いだったとしても、俺は、君の為に生きるから」
「何言ってるのよ、わたしが、あなたの選んだ道を間違いになんてしないわ」
「……俺よりかっこいいわ」
お互いに笑って、そのまま血溜まりから反対方向に足を進める。
彼女の目に、映らぬように。
たとえ知っていても、俺は、いや——誰だって好きな人にはかっこつけたいから。
「……愛してるよ、あーちゃん」
「私もよ、リク」
俺の最高の彼女が歩む道はきっと、正しいだろう。
その光の道を、歩いて生きたい。
『たとえ間違いだったとしても』
たとえ間違いだったとしても
誰かに言われて選んだような物ごとは
ずっと「痼」が残るんだ
どんなに楽しい事があっても
一生大事にしたい人や思い出に出逢っても
もしあぁしてたら。こうしてたら。
タラレバと一緒にココロ迄疲れてくる
ずっとずっと、
「あの時選んでいたならば」
って今でも後悔してる
でも、誰かに言われた路でも
選んだのは紛れもない自分なんだから
あのときの自分に向かって
「どうだ、ザマァ観ろ!!」っていう
最期にはしたいんだ
他の誰でもない自分自身に
たとえ間違いだったとしても
今からおよそ千年後の世界。
人生のあらゆる情報はデータバンクに記録される。人生における無数の選択に対して、その後の結果をもとにAIが点数をつけ、人生そのものを評価される。
人生においてこの情報が最重視されるようになった。データバンクから合法的に情報が引き出され、進学先は点数順に希望が通る。採用活動では点数をもとに採用される。裁判は点数が判決に大きく影響する。税金や社会保障に関しても点数が高い者が有利になった。
いいことをすれば返ってくると喜ぶ者がいる一方で、頭を悩ませる人も多かった。これまでの人生で何か大きな間違いを犯してやいないかと気を揉んで寝られなくなる人もいた。そんな中、ここに漬け込んでサービスを提供する業者も現れる。業者の誘い文句はこうだった。
「たとえ間違いだったとしても、大丈夫ですよ」
そう言って密かに、そして得意げに囁いた。
「ミソとなるのは、『その後の結果をもとに点数がつけられる』ということです。ならば、その後の結果を正解とすればいいのです」
業者は確実に客を取り、目を見張るほどの売上を上げた。中には過激な業者もいて、顧客の要望に答えて世界を曲げていった。
「他人を傷つけてしまったなら、その人を悪者にすればいい。ルールを破ってしまったなら、ルールを過ちにすればいい。大丈夫。たとえ間違いだったとしても、それは正解になります」
政府は過激な業者の取り締まりを行った。それが困難であると悟ると、政府は事の大小にかかわらずすべての業者の存在を違法とし、業者を利用した人の点数を大幅に下げると発表した。
それでも業者は笑うのだった。
「たとえ私たちを利用するのが間違いだったとしても、大丈夫。正解にすればいいのです」
実際当分の間は業者を利用することはデメリットにならなかった。業者によって「正しい人」にされた顧客を、AIは贔屓した。政府に歯向かってでも正しいことをしたと、むしろ高い点数がつけられてしまう例もあった。
こうして人生の点数化は困難を極め、結局開始から50年足らずで廃止となり、ようやくこの戦いに終止符が打たれたのだった。
たとえ間違いだったとしても
たとえこの想いが間違っていたとしてもあなたを想うことをやめられない
君とやりとりした言葉の1つひとつ
俺の一挙手一投足が
たとえ間違いだったとしても
君を想うと胸がきゅっとする
ジーンと温かくなる
これが恋なのかな
信じるしかない、進むしかない
例え間違いだったとしても
誰になんと言われようとも
どんな未来が待っていたとしていても。
たとえ間違いだったとしても
3話
『はっ!』
『首を頂戴致す!』
『させるか!』
オッケー、カット!
私は〇〇
クリステン王国の王族の血筋があると知るまで
アイドルと女優をしている私だ。
日本の戦国時代に存在されたとされる
瀬戸内海のジャンヌダルクとも呼ばれる
鶴姫を演じている。
『よーい………🎬🎬🎬🎬』
『はっ!』
『はっ!』
大河ドラマ撮影ではないが、違う局での時代劇に
出演するので、本当に瀬戸内海で撮影された。
瀬戸内海の大三島を守るために三島水軍の女武城
スタッフたちの手作り武将の服
大三島の[紺色袖裾素懸威胴丸]を身につけて
アクションを進み続けた
海の奥にピカッと、何かが光ったのだ。
(…ん?あっ、テントの中に私の手鏡が光っているだけか…)
私には、いつも持ってくる手鏡がある
それは、祖母の遺品。アンティーク調のモノが好き
(杏おばあちゃん、演技がんばったよ…)
わたしは、崖に近いマントの中で涼んでいた。
スタッフ①
『この書き込み酷い』
〇〇『こんなコメント酷い…』
私のアイドルメンバーで誹謗中傷された人がいる
何もしていないのに、
彼女のことを
[5648]
調べてみたら、この5648の意味が[殺し屋]だった
次々と
『貴方は1週間後に骨が溶けます』
酷い言葉だ
人の言葉1つで人生が変わる時もある。
彼女は、何もしてない無罪に対して、号泣し、誹謗中傷によって命を絶とうとしたのだが、わたしが止めた。
『家族はもちろん、(彼女の)友達、ファンもいるんだよ』と、
撮影中にアイドルメンバーの誹謗中傷をスタッフから聞き、祖母の手鏡を持って、崖近くで彼女にLINEを送った矢先に、足元が滑り、崖から落ちた私
『ッ!』
スタッフが沢山、私が落下した崖を見て
手を伸ばすスタッフもいたほど
叫ぶのが遅かった
『ここは………どこ?』
ベルサイユ宮殿みたいな会場内にいた
(あっ、鶴姫の衣装のまま来ちゃった…)
??
『貴様、何者だ』
〇〇『誰なの?』
暗闇で人が見えないが、男性の声だ。
ピカッ
『お前、何者だ』
〇〇
『貴方こそ…』
??
『ゼル、誰と話してるの?』
〇〇
『えっ…また誰か現れた?』
騎士団っぽいコスプレをした銀色頭をした男性と
オレンジ色マントを羽織った陽気な男性がいた。
来るところ間違えた?
たとえ間違いだったとしても
たとえ間違いだったとしても
たとえ間違いだったとしても
許されない愛だとしても
私は後悔しない
たとえその先が破滅だとしても
愛すれば愛するほど苦しくても
俺は想いを貫こう
【たとえ間違いだったとしても】
たとえ間違いだったとしても
俺がしたことに後悔なんてない
あいつが笑って過ごせるのなら
何でもする覚悟がある
たとえ間違いだったとしても、1度踏み出したら止まれない
たとえ、今までやってきたこと何から何までぜーんぶ全部間違いだったとしても。
悔やんで後ろを向いている時間は無いのだから仕方がない。
前向いて走るしか道はない。
たとえ間違いだったとしても
呻き声が無骨なコンクリートに反響して
息が詰まりそうなほど暑い空気が脳を這う
苦しそう。
でも、もう我慢出来ないんだ。
たとえこれが倫理的にアウトでも
周りから見て引かれるようなことでも
自分にとってはコレが最善なの。
もっとあなたの声が聞きたくて
口元を覆う布を外す。
憔悴しきった様子で
私に問いかけた。
「───、──────」
この選択がたとえ最適解じゃなかったとしても、
俺たちが選んだ道なら誰も後悔しないだろう。
上等だ、前のめりにコケてやる。
何度でも立ち上がって、足掻いて、
それも俺ららしいなって笑いに変えてやる。
それがあの人が強いと言ってくれた俺たちだから。
たとえが時間がかかっても、俺たちの正解を創り出してみせるから。
どうか見守っていてくれと、恩師の墓標に手を合わせた。
作者の自我コーナー
彼らなら正解にしてくれるという信頼があります。
間違いだったかどうかは自分で決められる。
いくらでも変えられる。
起きた事実は変えられないけど、それにどんな意味を見出すかはどこまでも自由だ。
そう分かっているのに怖気付いてしまうのは何故だろう。起きてもいない出来事を恐れる必要なんてないのにね。
-たとえ間違いだったとしても-