『たそがれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
たそがれ。それは赭。
まるで血の海に飛び込んだみたいな空の色。
たそがれ。それはきみ。
真暗な常闇がこころを摘まみ潰そうとするたびに掬い上げてくれる人の身にまとう布の色。
たそがれ。それは荷物。
あなたの背負うおおきなリュックであり、あなたを地に付かすためにある、うつくしい重し。
わたしとあなたをつなぐ唯一の色。
▶たそがれ #22
たそがれ。
それなりの人生に、それなりに満足していた。
最近、たそがれか綺麗だな、と思う自分を知った。
最近、たそがれが綺麗だね、という女性と知り合った。
たそがれ。よく聞くし時々使う言葉だけどよく考えたら詳しい意味を知らない言葉だ。調べたら夕方や終わりに近づくって感じの意味らしいな。
しかし今日は涼しいを通り越して寒いな。つい冬用の毛布を出しちゃったよ。しつこかった夏もさすがに終わりか。たそがれたそがれ。
じゃあジャンプの感想を書こうかな。先週の呪術がどうなるか楽しみにしてたわ。
まず呪術だな。前のほうにのってたし楽しみにしてたから最初に読む。あの引きからこうくるかという感じだった。悪い意味で。
というかすくなのセリフでよくわからないのがあったけどあれは俺の理解力が不足してるだけか?それにしてもかしもの切り札はなんというか期待外れだった。
ここまできたら最後まで読むけど正直最近はいまいちだな。もう結果以外興味なくなってきてる。
で次は魔々勇々。これは好きだし期待してるけどいくらなんでも展開がスロースペースすぎないか?今の時点で内部では打ち切りが決まってると言われても不思議に思わないぞ。
この展開の遅さで生き残ることができるのだろうか。色々な意味で目が離せない漫画だ。ヒロインがようやく出てきたけどそれはすごくよかったから期待。
長くなったし鵺で終わりにしよう。鵺はもう完全にアニメ化決定コース入ったろってくらい絵も話も安定してる。すごくいい。
今回の話はこっちの方向でこのピンチを切り抜けるかって感じだった。めっちゃよかったし来週以降の引きも完璧や。これもう看板漫画だろ。
たそがれ
「ねぇみてあの夕暮れ。綺麗なグラデーション。」
そう言って君は、明日の方向を指差して目を細めて笑った。
君の瞳の色は、いつもより薄茶色に透き通っていた。
6時、高架橋に1人。
オレンジの情景に染まった君が目に焼き付いて離れない。
ぼーっとすることが多い
今までのことやこれからのこと
色々な想いが交差する
かっこよくいうとたそがれている
そして今に戻されて慌てる
ぼーっとしてる場合じゃなかった
時間がない
就活生だから就職決めないと行けないってわかってるけど年が近い先生とは話せるのに年が離れてる先生とは話せないから会うのが嫌になってくる
『たそがれ』(誰そ彼)
そいつが声を掛けてきたのは、巨大な岩を転がせずにへたり込む情けない亡者を足蹴にしている時だった。陽気に声を掛けてきたそいつに、オレは亡者を蹴るのを中断して「よぅ」と返す。
「相変わらず仕事熱心だな」
「好きでやってんじゃねぇよ。こいつらの足腰がもっとしっかりしてたらオレももっと楽できるんだ」
「違いない」
オレの冗談にそいつは大口を開けてガハハと笑う。マスクから伸びる二本の角がそれに合わせて揺れた。
朗らかに接するオレだったが、頭の中は一つの疑問で埋め尽くされていた。
こいつ、誰だっけ?
こいつとは昔からの知己であり、第三獄を管理する同僚でもあった。当然、初めて顔を合わせた時にお互い自己紹介もしているはずなのだが、何故か名前を思い出せない。天敗星という宿星は覚えているのだが、そこから先が出てこない。今更本人に「失礼ですがお名前は何でしたっけ?」と聞ける訳がないし、かといって上司のラダマンティス様に確認するのも憚られる。
そのため、顔を合わせるたびに愛想笑いをしているものの、実際頭の中はハテナマークだらけだ。
あぁ、マジで思い出せない。
たそがれとあこがれには何かのつながりを感じざるを
『たそがれ』
「なーに、見てんのっ」
ドアの方へ目をやると、ぴょこぴょこと効果音がつきそうな足取りであいつが入ってきた。
その手には大きめのトートバッグと小ぶりな紙袋が提げられている。
「別に、なんも。」
視線を窓へ戻して素っ気なく答えると、またまたぁと笑いながらトートバッグの中身をチェストへとしまっていく。
それが終わると紙袋を持ってベッド脇の椅子に腰を降ろした。
さして座り心地の良くないその椅子に、どうしてこんなにも座りにくるのか。
撮影に練習に、お前は俺と違って暇じゃないだろうに。俺なんかに時間を使ってる場合じゃないだろう。
でもそれを言うと怒るから、俺はただ空を見つめていた。
「カーテン、開けてもらったの?」
「うん。」
「なんで?眩しいって言っていつも開けないじゃん。」
「……気分。」
爽やかな朝の日差しも、さんさんと照らす昼の日差しも、ポツポツと灯る夜の暖かな光も、どれも俺には眩しすぎる。だから、カーテンは開けない。俺の世界はこの真っ白な部屋だけでいい。
ただ、この窓からこいつの姿が見えるんじゃないかなんて思い立って開けてみたのだ。
結局見えなかったけど。
珍しく開いているから気になるのか、さっきからじっと窓の向こうを見つめている。
そして泣きそうな笑顔で「夕焼け、きれいだね。」と呟いた。
「なんで、泣きそうなん。」
言葉が少しつっかえる。
「いやぁ、綺麗だなと思いまして。」
おどけた口調で言ってるけど、やっぱり泣きそうな顔をしている。
この場面で泣くのはどっちかというと俺やろ。と心の中でツッコんだ。
「なぁ、」
何気なく呼んだ名前。こちらに向けられる双眸。
そこに反射する光がひどく綺麗で、手を伸ばす。
中途半端に伸ばされた手をしっかりと握ってくれた。
あぁ、俺はこの目を
「後、何回見れるんやろ。」
気づいたら声に出ていた。
違う。こんな事言うつもりなかったのに。
こいつの表情に引っ張られた。
今更何を思おうと、結末は変わらないのに。
「何回だって、見れるよ。見せてあげるから、」
オレンジ色の雫が、俺の手の甲に落ちた。
(2 たそがれ)
たそがれ
1人で過ごすときは気楽でいい。
誰にも邪魔されず、読書をすることが出来るからだ。
たそがれつつだけどね。
本を読みながら、ふと外を見るとあたりは暗くなっていた。
もう日が落ちるのが早くなってきたな。
夏も終わって秋だ。
秋の夕暮れを見ながら僕はまた続けて本を読むのだった。
終わり
茜に染まる時
日々の欠片に
想いを馳せ
心に鏤めて
夜に沈む
―「たそがれ」―
日が落ちるのを待っているそうだ。
結界の内に忍び込まんとする、数多の鬼どもが、鳥居の足元に。
主神には近付けないけれど。
でも、どうしても引き寄せられるんだな。
だから、神社へのお参りは午前中がいいよ、と、エセ占い師が真面目に言った。
【たそがれ】
たそがれた道を君と歩くその時間が好きだった
君と並んで歩くだけで僕は幸せだった。
今はもう一緒に帰れないけど
君が大好きでした。
─────『たそがれ』
夕焼けの中で音楽を聴く。
目が
耳が
この肌寒さが
脳を安らかに
私を幸せにする黄昏。
たそがれ(2023.10.1)
茜色を背にして、君は「じゃあね」って、軽く手を振った。まるで、また明日も当然会えるよと言うかのように。
校門を分岐点に、君の家と私の家は真反対。もう、偶然会うなんてこともない。
逆光の影に塗りつぶされて、君が笑っているのか、泣いているのか、わからなかった。黄昏時は、別れの思い出すらくれないんだね。
「誰そ彼」なんて言うなら、君じゃない、誰かを連れて行ってくれたらいいのに。
ある人にとって
それは始まり
それは終わり
寂しさであり 嬉しさでもある
あの空は教えてくれる
一人一人に 今が「何の時」なのか
黄昏は 静かに語る
/たそがれ
「ねぇ、パパ。たそがれってなーに?」
「そうだなぁ~、僕たちを照らしてくれていた昼のお日様が、夜を連れてくる時間帯のことかな」
「お日様がお仕事をお月様に交代するの?」
「・・・・・・ん、まぁ、そういうことかな」
「それじゃあ今度たそがれの時間のお日様に会ったら、お疲れ様って言ってあげなきゃね」
そう告げる我が子はどこか決意したように頷くと、こちらの疲れが吹っ飛びそうなほどの眩い明るさで、ニカッと笑った。
【たそがれ】
たそがれ
何を見るでもなく、ぼんやりと窓の外へ目を向けると枯れた樹木が眼に入り嫌気が差す。
世話はちゃんとしていた。
今年の夏は暑すぎたのだ。
影も用意して、水はたっぷりやったけどだめだった。
どんどん枯れて、葉が焼けて落ちた。
ごめんね。
そう思いながらも枯れ枝を抜くでもなくただ見る。
誰彼が、罪の色に変わるまで。
たそがれんの、厨二病っぽくて嫌だったけど
小学まではクラスで一番人気者だった
中学に入ってから一人でいることが増えた
高校へ進学すると、頭の出来の悪いところだったから、さんざんいじめられた
会社員になった今、誰からも期待されなかった
それが助かった時もあったけど
今ぐらいは、海に映る夕陽を浴びながら、たそがれてもいいよな、?
_2023.10.1「たそがれ」
【たそがれ】
シャランと響く鈴の音が、僕の耳を打つ。沈んだはずの太陽が、空の一番低いところを赤く染める時間帯。淡い影が地面に長く伸びている。
友達に声をかけられて、後ろを振り返った。その瞬間目の前に現れた黒々とした化け物は、僕の前に立つ狐面の人影の手で既に地へと倒れ伏していた。
「いけないよ、異形の声に応じたら」
涼やかな声だった。シャラン、シャラン。狐面の男の歩みに合わせて、鈴の音が凛と反響する。
「黄昏どきは境界が緩むんだ。声に応じれば容易に怪異の領域へと引き摺り込まれてしまう」
たそがれ。聞き馴染みのない言葉を、口の中で転がした。男の手が僕の肩へと触れる。促すようにトンっと、彼は軽く僕の肩を叩いた。
「さあ、わかったらもう帰りなさい。黄昏には気をつけて」
一つ瞬きをした刹那、僕は通学路に立ち尽くしていた。あの化け物の骸も、狐面の男の姿も、どこにもない。まるで幻でも見ていたみたいだ。
気がつけば空はすっかりと夜の闇に覆われ、たそがれは終わりを告げていた。