『たくさんの想い出』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
中高合わせて5年目、色んなことがあった。
コロナ、友達を失って、一人ぼっちで、留年して、今また一人ぼっち。今までどうやって生きていたのかさえ、分からなくなってしまって。ただ、呼吸して歩いて、存在の意味も分からなくて。
お粗末で、寂しくて、馬鹿で、阿呆で、でも楽しかった気がします。でも頑張っていた気がします。誰よりも、と涙を流した記憶もあります。
こんなでも、多分一生懸命生きていました。
もういいのかな。
もう終わりにしても。
色んな人に迷惑も心配もかけて、かけるけれど、終わりにしていいかな。死にたいって精神異常者しか持たない気持ち?わたし、まともじゃない、それはそうなんだけれど、でもまともに生きたかったのよ。みんなと同じようにみんなと並んで、歩きたかったのよ。
誰も、並んでくれなくなって。
私は、生きる意味も見失いました。
ごめんなさい。ごめんなさい。
たくさんの思い出
いまのわたしは思い出の集合体
からだのあらゆる所を切り取れば
そこから思い出があふれだす
ひとはいつも自分の存在を点で認識しがちだが
本当は生まれてから死ぬまで
1本の線で繋がっている
母が抱える赤ん坊のわたし
仏頂面で父と並ぶ思春期のわたし
過去のわたしはすべてここにいる
そして未来のわたしもここにいる
→短編・想い出箱
僕はパソコンを自作している。自分で組み立てたものが動く達成感と、パーツの組み換えが効くのが何とも楽しい。
ケースだけは買い換えていなかったのだが、先日とうとう新調した。
「まるでテセウスの船ね」
妻が横に寄ってきた。
なるほど、僕の愛機問題は同一性の問題に近しい。僕の愛機に、初期のパーツはもう残っていない。それでも僕の愛機と呼べるのか、感覚派と実体派のバトル。
「ケースまで変わってるんだから、テセウスの船よりも同一性はないけれど、コイツは昔から変わらない僕の愛機さ。
何せ想い出が詰まってるからね。例えば、君にパーツ選びを付き合ってもらった時のこととかね」
僕の言葉を受けて、妻がニヤッと笑った。
「例えば、動かないって大騒ぎして電源のコード?を挿し忘れてたときのこととか?」
寄りかかってきた彼女に対抗するように、僕も寄りかかる。
「あれ一回きりだし、割とあるあるなんだよ」
「そういうことにしといてあげる」
僕の愛機には、こんな想い出がたくさん詰まっている。
テーマ; たくさんの想い出
・たくさんの思い出
目の前で起こっている事が信じられず、夢かと思った。
だが、そいつは確かな存在感でそこに居る。
「お前のこと知ってるぞ」
「そりゃそうだろ、お前なんだから」
ドッペルゲンガー。もう一人の自分。二人が出会ってしまうと死ぬ運命にあると言う。
過去の思い出が走馬灯の様に駆け巡る。やはり俺は死ぬのだ。
「お前、子供の頃、宿題忘れて、教卓の前で正座させられてたよな?」
「そうそう、でも、却って皆んなの注目集めて、悪ふざけしちゃうって言うね」
「高校の頃は、女の子からの誘いを断っちゃったよな?」
「しょうがないだろ?知らない子だったし、女の子が苦手だったんだから」
「勿体無かったよなぁ」
俺は俺との話で盛り上がった。たくさんの思い出と共に。
たくさんの思い出
このごろ昔のことを思い出す。
昔といってもたかが40年くらいまえのこと。
たかが?
じゅうぶん昔じゃないか…。
私は中学生で、ほんの子供だった。
たくさんの人と出会って、たくさんの人を傷つけた、と思う。
正直すぎて
中高年にもなると、あらゆる物事が記憶に残りにくくなる。
芸能人の名前、読めるけど書けない漢字、昨日何を食べたのか、ついさっきまで触っていたスマホをどこに置いたのか。
…思い出せない。
危機感を募らせて脳トレ本を買ってみたけど、3日坊主でその後手付かずになって、脳トレ本はどこへ行ってしまったのか。
…ダメ人間だなってほとほと情けなくて哀しくなる。
偶然、駅構内で中学校の同級生を見かけた。
私も急いでいたし、彼も急いでいたようで、早々に電車に乗った彼を見送ることしかできなかった。
でも、思い出したの。
私と彼が1年A組だったこと。
男女で振り分けられた名簿番号が近くて、ゴールデンウィーク明けまで席が隣同士だったこと。
シャーペンや消しゴムを貸してあげたこと。
「犬が好きなんだね」って笑ってくれたこと。
2年生、3年生とクラスが別々になって彼との接点がなくなった。
だけど私は彼の目に留まりたくて、得意だった長距離走を頑張って、市民陸上大会や市民マラソン大会の選手に選ばれるようになった。
彼も選抜陸上部。会話することはなかったけど、放課後同じグラウンドで練習メニューをこなす。
幸せだなって思ってた。
卒業式当日、校舎の隅で彼は女の子とふたりで写真を撮っていた。
同じ選抜陸上部で走っていた同級生。
真昼間の校舎がセピア色に染まり、音が聴こえなくなった。
彼と私は別々の高校に通った。
だけど通学に利用する電車は一緒の路線で乗り込む駅も同じ。
同じ車両で彼を見かける日々。
彼は卒業式の日、写真を撮っていた彼女と通学していた。
ふたりはいつも楽しそうに寄り添っていて、私は吊り輪に捕まりながら電車に身体を持っていかれないようにいつも踏ん張っていた。
どうしてこんなにたくさん思い出したんだろう。
中学と高校、片想いしていただけの彼に。
——それは初恋だからに違いなくて。
目が合った、喋りかけられた、些細なことで喜ぶ自分がとても好きだった。
だからきっと、たくさん思い出したんだろう。
本棚を漁る。
棚の奥に入り込んでしまったのかもしれないし、薄い本だったから、別の本の間に挟まってしまったのかもしれない。
あった。
なくした脳トレ本を見つけて、シャーペンかフリクションペンかを一瞬迷って、フリクションペンを手に取った。
あの頃と同じシャーペンは勿論無いし、消しゴムだって無い。
でも、あったとしても、私はフリクションペンを手に取りたい。
初恋の彼の思い出はたくさんあるけれど、でももう思い出は増えない。増やさない。
簡単に物事を忘れない自分になりたい。
物事を忘れて、情けなくて哀しくなる、そんな自分とサヨナラしたい。
私は、今を生きて、たくさんの思い出を作りたい。
些細なことで喜ぶ自分を、もう一度、少しずつでも取り戻したいから。
たくさんの思い出
高校に入ったばっかりの頃は、中学に戻りたいって思うことばかりだったけど、たくさん思い出があったからかな。
今は今が一番楽しい!そう胸を張っていえるかも。
#たくさんの想い出
バーのカウンターで隣り合ったのは、異国風の奇妙な男だった。
その夜の私は鬱屈した想いを抱えていて、一人苦いグラスを重ねていた。
「一杯ご馳走してくれませんか?代わりに良いものを差し上げましょう」
男がそう話し掛けてきて、キャンディのたくさん入った小瓶を置いた。
「何です?これは」
「想い出玉ですよ、美しい想い出が味わえるんです」
「他人の想い出なんか、味わったってしょうがないでしょう」
私は鼻を鳴らした。
自分の人生に疑問を感じている今、誰かの美しい記憶など、知りたくもない。
「いやいや、人じゃありません。私は鳥の研究をしてましてね。鳥の想い出というのは中々面白くて、あなたの憂鬱に効くかもしれない」
バカバカしいと思いながら、私は男に酒を奢ってやった。
その後のことはあまり覚えておらず、気づいたのは服のまま、自分のベッドで目覚めた時だ。
ポケットからあの小瓶が出てきたが、どう見てもただのキャンディなので、私は口中の苦さを解消しようと、一粒つまんで舌にのせた。
ふいに潮風が体を吹き抜け、視界一杯に眩い空と海が広がった。
私の憂いがちっぽけに思えるほど、その感覚は広く高く雄大で、新天地へと向かう自負で、胸がはち切れそうになる。
ああこれは、海を渡るカモメの想いなのだ、と分かった。
テーマたくさんの想い出
君と積み重ねた時間
たくさんの想い出
君がくれた…
君をモフったあの日々を
永遠に忘れない
たくさんの思い出
いつかの放課後の夏。
友達と当日に約束をして近所のショッピングモールへ。
ただくだらない話を沢山して帰る。
高校生らしくないことをしなくても、楽しい。
そんな日を今思い返すと、幸せな時間だったと思う。
そんな放課後をまた過ごせたらと強く思う今日は
また、部活に全力を注ぐ。
たくさんの想い出
そーいやー いー奴だったなぁ
拓さん
・・・知らないけど。
たくさんの想い出を貴方からもらったから。
大丈夫、
私はひとりでも生きていけるよ。
たくさんの想い出
どうでもいいけど思い出って普通この思い出だよな。想い出はちょっと見たことない。どっちが正しいのかね。
まぁ鮭としゃけみたいな単なる表記ぶれで大した違いはないだろうなと思いつつ調べてみる。
どうも想い出は強い思い入れの時に使うのかな。ノスタルジックというか情緒的な意味を強調する時は想い出っぽい。
それとテレビや国は思い出で統一してるらしい。漢字が難しいからみたいな理由で想い出は使われないみたいだ。
つまり想い出は基本的に使わないほうがいいんじゃないかな。正直違和感しかない言葉だし。使うのは自由だろうけど。
しかし昨日の夜から急に冷え込んだな。今日の朝は久しぶりに電気毛布を使った。ぽかぽかで気持ちいいわ。
そして昨日の夜冷え込んだことで部屋の断熱に弱点があることがわかった。危惧していた通りベランダに通じる大きな窓が弱点だ。
ここの断熱は断熱カーテンだけでいいと判断したんだけどそのカーテンに隙間ができてそこから冷気が部屋に入り込んでいるのがわかった。
なのでその対策として断熱カーテンライナーとカーテンクリップを今日買いにいこう。
本当は窓そのものになにか対策をしたいけどここはちょっといろいろ対策が難しいから上記の対策のみとする。これでどうにかなればいいのだが。
ある数数えた言葉の中で
ものすごく残るものそれは怒り
お怒りをした自分はとても恥ずかしい
たくさんの思い出
貴方とは沢山の思い出を綴っていきたい。
でも、それは出来ない。
私の勝手な理由で、ごめんなさい。
つやつや桜色のポリッシュ。
薄塗りでも艶が出るし、血色が良い暖かそうな指先になれるお気に入りの色。
これとパール、それから白のフレンチラインを引いたネイルでお花見したんだよね。
偏光ラメ入りのシアーブルーのポリッシュ。
角度を変えれば、ちらちらと赤や青の光が見える。シアーカラーだからグラデーションも作りやすくて好きな色。
グラデーションを活かしたシェルのネイルで行ったのは夜の海。天の川が綺麗だったのを覚えてる。
とろっと重たいテラコッタカラーのポリッシュ。
色素をたくさん含んだ液は少し重たくて、たっぷり液が付くからひと塗りでしっかり色が乗る。
ちょっとシックにマットトップを塗ったワンカラーネイルをして、紅葉狩りに行ったんだ。お揃いの色が可愛かった。
キラキララメ入りアイシーホワイトのポリッシュ。
純白の中でキラキラとラメが輝いて、まるで雪空のよう。ちょんちょん、と筆でつつくようにしてラメを足すと更にキラキラになる。
キラキラのラメと小さなリボンパーツでフレンチガーリーなネイル。散りばめたラメがイルミネーションの光でより煌めいていた。
私のポリッシュコレクション。
一つ一つの色に、たくさんの思い出がある。
次はどんなネイルにしようかな、なんて考えながら私はまた可愛いが詰まった小瓶を取るのだった。
『たくさんの思い出』
お題『たくさんの想いで』
休日明けの月曜から1学期の期末テストの結果が教科ごとに順次返却され、本日金曜日の昼休み休憩後に夏季補習生の発表が職員室前の掲示板で張り出されることになった。萌香達は5時限終了後10分という短い休憩を使い職員室前の掲示板を見に来ていた。
萌香『どうか、補習生に入っていませんように』
萌香は心の中で祈りっている。掲示板から少し離れた距離で真珠星(すぴか)達は萌香を見守っていた。
返却されたテストの結果を見れば、掲示板へ行かなくても一目瞭然なのだが、安心感を得たいのだろう。萌香と同じように数人ほど自分の名前を探している。
5分後俯いた顔で萌香は戻って来た。心配になった委員長が萌香に声を掛けた。
委員長「輪通(わづつ)さん、どうだったの?」
萌香は顔を上げ委員長の問いに答えた。
萌香「……名前……あった」
真珠星「本当に?」
萌香「うん……。やだよ〜補習〜」
萌香は涙目になって真珠星に抱きついた。
真珠星はやれやれと言わんばかりに萌香の頭を撫でる。委員長が優しく萌香に声を掛けた。
委員長「輪通さん、補習が終われば夏休みが始まるじゃないの。予定が合えば一緒に遊びましょう。私(わたくし)輪通さん達とたくさんの想いでを作りたいわ」
萌香は委員長の言葉で元気を取り戻し、真珠星から離れ委員長の両手を握りぶんぶんと上下に振りながら感謝していた。
End
『たくさんの思い出』
部屋の掃除をしていたらアルバムを見つけた。中には自分が赤ちゃんの頃の写真や小学校入学時の写真などさまざまな写真が載っていた。
懐かしい。自分にもこんな頃があったのだ。
ページを捲るにつれて、写真の中の自分が大きくなっていく。当時のエピソードを思い出すこともあり改めて自分の成長を確かめるのは少し照れくさかった。
一通りの写真に目を通し、アルバムから自分が載った写真を取り出していく。全ての写真を取り出すと予想より少し多かった。油性ペンを手に取り、写真に向かい合う。それからはひたすら自分だけを塗り潰し、これまでの思い出を一つ残らず消していく。
その後、塗り潰した写真たちは燃やした。これで自分の写真は見つからないだろう。立つ鳥跡を濁さず、全て綺麗に掃除しておかなければ。遺影にあんな楽しそうな写真を使われてたまるか。
ひどく質素になった部屋の机には遺書とロープが置かれていた。
たくさんの思い出
私は思う。
「あの時は楽しかったなぁ、」と。
今にはない別の楽しさがあったあの時。
久しぶりに思い出の詰まったアルバムを開いた。
そこにはたくさんの写真が飾ってあった。
そこである写真が目に入った。
家族写真だ。今はもう決して会うことの出来ない
--私の大切な家族--
そんな写真を眺めながら、名残惜しそうにどこかへ
私は「消え去って行った。」
みんなの手の器には、たくさんのキラキラがある。
山盛りでこぼれ落ちている子もいれば、ちょうど満たされている子もいる。みんな手の中のキラキラを眺めては、笑っている。星を見せ合いっこして、笑い合っている。
僕のキラキラは三つ。とても小さくて、じっと見つめないとわからない。指でつまんで覗き込んでも、何も見えてこない。
みんなはこのキラキラの何に笑っているのだろう。
「ふーん。君、それしかないんだ。可哀想」
後ろを振り返ると、男の子がいた。いかにも頭の良さそうな出立ちだ。彼のキラキラは両手の器にいっぱい入っていた。
「なんで可哀想なの?」
「君、そんなことも知らないのかよ」
男の子は僕を鼻で笑って、こう言った。
「この手の中の星は、楽しかった想い出が一つ一つ入ってるんだ。たくさん持っている奴は、それだけ楽しかった想い出がいっぱいあったってことだし、一つ一つ大きい奴はよほど大切な想い出だったってことだろ?」
だから逆の君は。
男の子はそこで口を結んで去っていった。僕の目から大きな涙の粒が溢れ出ていたからだ。
あの男の子の言葉が頭の中で繰り返される。そうして改めて、手の器の中を見た。小さなキラキラ--星が三つ、余裕で片手に収まっている。
星が小さなことは可哀想なこと。星の数が少ないのも可哀想なこと。この星が何の想い出かすら思い出せない僕は、可哀想ってことなのか。
流れる涙が止まらない。必死に指で拭っているとハンカチが差し出された。薄いピンク色で角にピンクのリボンが刺繍されている。僕は恐る恐る顔を上げると、僕よりお姉さんの女の子が立っていた。
「使って」
女の子は僕の顔にハンカチを押し当てた。ありがたく受け取って涙を拭いていると、女の子は僕の隣に座った。
「何で泣いてたの?」
女の子は僕に聞いていた。あまりの真っ直ぐな問いかけに、僕は言葉を詰まらせた。
何も喋らない僕に、女の子は首を傾げた。そして、目線は僕の手に。
「あっ」
視線に気がついた僕は思わず声を上げた。さっきの男の子の言葉が頭に思い浮かぶ。今度は何言われるかわからない。
僕が目をぎゅっと閉じたのと、女の子が喋り出したのは同時だった。
「いいな。うんと小さい頃の想い出が残ってる」
僕はそっと目を開いた。女の子はこちらを見て微笑んでいた。
「でも、可哀想って」
「可哀想? どうして」
「星が小さいのも、少ないのも、可哀想って」
だんだんと声が小さくなる僕の言葉に、女の子はしっかり耳を傾けてくれていた。女の子はこう切り出した。
「この小さな星はね、私たちは覚えてないし思い出せないの」
「なんで?」
「本当にうんと小さい頃の想い出だから」
僕は女の子の言葉に肩を落とした。でも女の子の言葉は続いていた。
「私たちがね、この小さな星の想い出を知るには、パパとママに見せるといいんだよ」
「パパとママ?」
「私、もうその小さな星はどこか行っちゃったんだけど、まだ持ってた時にパパとママに見せたことあるよ。パパもママも、とっても懐かしそうにしてた」
だからこれは、君と、君のパパとママとの想い出なんだよ。
僕はスッと心が晴れた気がした。
「いいなぁ。普通は一人一個あるかないかなんだよ。君は三個もある。いいなぁ」
「でも君みたいに、大きい星はないよ」
羨ましそうにこちらを見る女の子へ咄嗟に返事した。女の子は目を丸くして、すぐに口を尖らせた。
「大きい星はね、これからいくらでも、たくさんできるんだから。君の嬉しかったこと、楽しかったこと。これから生まれるたくさんの想い出を君は全部手の器に入れることができるんだよ。入れホーダイじゃん、ズルい」
ぶすくれた女の子に、僕は思わず笑ってしまった。
『たくさんの想い出』