・たくさんの思い出
目の前で起こっている事が信じられず、夢かと思った。
だが、そいつは確かな存在感でそこに居る。
「お前のこと知ってるぞ」
「そりゃそうだろ、お前なんだから」
ドッペルゲンガー。もう一人の自分。二人が出会ってしまうと死ぬ運命にあると言う。
過去の思い出が走馬灯の様に駆け巡る。やはり俺は死ぬのだ。
「お前、子供の頃、宿題忘れて、教卓の前で正座させられてたよな?」
「そうそう、でも、却って皆んなの注目集めて、悪ふざけしちゃうって言うね」
「高校の頃は、女の子からの誘いを断っちゃったよな?」
「しょうがないだろ?知らない子だったし、女の子が苦手だったんだから」
「勿体無かったよなぁ」
俺は俺との話で盛り上がった。たくさんの思い出と共に。
11/19/2024, 3:11:50 AM