エドミヤ

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『たくさんの思い出』

部屋の掃除をしていたらアルバムを見つけた。中には自分が赤ちゃんの頃の写真や小学校入学時の写真などさまざまな写真が載っていた。
懐かしい。自分にもこんな頃があったのだ。
ページを捲るにつれて、写真の中の自分が大きくなっていく。当時のエピソードを思い出すこともあり改めて自分の成長を確かめるのは少し照れくさかった。

一通りの写真に目を通し、アルバムから自分が載った写真を取り出していく。全ての写真を取り出すと予想より少し多かった。油性ペンを手に取り、写真に向かい合う。それからはひたすら自分だけを塗り潰し、これまでの思い出を一つ残らず消していく。

その後、塗り潰した写真たちは燃やした。これで自分の写真は見つからないだろう。立つ鳥跡を濁さず、全て綺麗に掃除しておかなければ。遺影にあんな楽しそうな写真を使われてたまるか。
ひどく質素になった部屋の机には遺書とロープが置かれていた。

11/19/2024, 1:28:35 AM