『たくさんの想い出』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
数え切れないほどあるけれど
1人で抱えてても意味ないから
今日ここで全部捨てるよ
#たくさんの想い出
たくさんの思い出
濃く深い思い出は
ないけど…淡くて浅い思い出
…時々、ちょこっと感じる
ささやかな優しいきもち
数少ない優しい思い出を
思い出して…ほっこり
できたら…
それが…
一滴の優しさに
救われる…
【ラストディナー】
横長の食卓はがらんとしていた。
何も置かれていない、真っ白なクロスがあるのみ。
白いタキシードを着た者が椅子に腰掛けると、
そこには、続々と料理という名の記憶が運ばれた。
これは、ある人の晩餐。
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【アミューズ】
あるサーカス団員がいた。
その人はいつもピエロの格好をしていた。
決して素の姿を見せない、正体不明のピエロ。
しかし、そのピエロに惚れた人がいた。
ピエロという「偶像」に惚れたのではない、
ピエロと言う「人」に惚れたのだ。
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【オードブル】
リルという女性がいた。
リルこそが、唯一ピエロに惚れた女性だ。
天涯孤独のピエロにとって、リルは太陽だったのだろう。
宝石を照らす太陽だった。
ピエロは孤独では無くなった。
しかし、ピエロはその事に何一つ気付いていなかった。
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【ポタージュ】
出会いはもう遠い昔のように感じる。
あの時、ピエロは演者、リルはたった10歳の観客だった。
見かけだけ良さげなテントの中、空元気な音楽に合わせてピエロは無言劇を行っていた。
白塗りの肌、大きな赤鼻、黄色い派手髪、大きなハット、緩くかしこまった服装、そして
目の下には青い雫。
彼はステージで一人動き回った。
ピエロは喋らない、動きで語る。
愉快で滑稽、いつもニコニコ。
リルはそんなところに惚れたのだろう。
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【ポワソン】
大人になったリルは仕事を求めていた。
とりあえず何でもいいから仕事が欲しいと思っていた。
そんな時に彼女に舞い込んだのは、サーカスのチケットを売る仕事だった。
幼い頃に観た、夢と希望がつまった場所。
リルは「これだ!」と思い、早速申し込んだ。
が、実際に行ってみるとそこは夢も希望も無い古びた小屋だった。
「何これ?本当にサーカスなの?」
リルは疑いながらも扉を叩き、無事に仕事を得たのだ。
リルはきっと気づいていないが、このサーカスはリルが幼い頃に観たサーカスだった。
記憶力の良いピエロはそれに気づいていた。
しかし、感慨深さを押し殺して黙々と練習に励むことしかできなかったのだ。
ピエロは人との接し方を知らなかったから。
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【ソルベ】
しばらくすれば、リルはサーカス団員と打ち解け始め、次第にピエロとも話すようになった。
「明日は晴れるといいね」
「好きな料理は何?」
他愛もない会話だったが、きっとお互い楽しんていた。
この絶妙な距離感が心地よかった。
リルはチケットを売る仕事だから公演中は暇で、舞台袖から公演を眺めていた。
ピエロの無言劇も、じっと眺めていた。
笑って楽しんでいた。
しかし、ピエロは無言劇が終わると笑顔を消して、愉快の「ゆ」の字も感じられない程のオーラを纏っていた。
毎公演そうだった。
リルはその光景を間近で観ていたから、本当に心配になってしまった。
「お疲れ様。はい、ドリンクよ」
リルはピエロを労ってドリンクを手渡した。
ピエロはそれを受け取り、美味しそうに飲むのだ。
リルが近づけばピエロはまた笑顔を取り戻すので、それがまた不気味だった。
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【ヴィヤンドゥ】
リルはピエロに恋をしていた。
それは端から見ても一目瞭然の恋。
いつもいつもピエロのことを眺めているのだから、バレバレだ。
しかし、ピエロはその好意に気づいていないのか、あるいは気づいているが無視しているのだろう。
何らいつもと変わらない笑顔、動作だった。
それでもリルは健気に愛情を注いだ。
しかし、ある冬の日。
ピエロの様子がおかしかった。
何か思い詰めたような顔をしていた。
そして、どこか覚悟を決めたような顔もしていた。
これにはリルだけでなく他の団員も心配し、皆が彼に声を掛けた。
「顔色が悪いぞ、今日は休みなさい」
しかし、ピエロはその優しさも振り切って、
舞台に立つことを選んだ。
皆が見守る舞台、リルも舞台袖から固唾をのんで見守っていた。
まさかピエロが倒れるのでは無いだろうかとハラハラしていたのだ。
結局、その日の公演も大成功で幕を閉じ、皆の心配は杞憂に終わった。
「お疲れ様、今日も素敵な劇だったわ」
リルはピエロにジュースを手渡した。
しかし、ピエロはそれを受け取らずに独りで外に出ていってしまった。
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【フロマージュ】
その日の公演が終わって暫くした後のこと。
「ピエロがいない」と大騒ぎになった。
どうやらどこにもいないらしいのだ。
リルはとてつもなく不安になってしまった。
そういえば、今日はずっと様子がおかしかった。
さっきだって、元気が無かったじゃない。
そしてそのまま外に……
そこでリルは気づいてしまった。
彼は外に出た。
なぜ?
この言葉の続きは、言いたくない。
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【デザート】
その後。
ピエロは崖の下で見つかった。
時既に遅し、頭から血を流して死んでいた。
あんなに運動神経の良いピエロが、崖の下から落ちて死ぬわけが無い。
しかも、あまり高くない崖なのに。
リルはショックを受け、暫く引きこもっていた。
涙が止まらない毎日だった。
なぜ死んでしまったのか。
それほど辛かったのだろう。
なぜ私はそれに気づけなかった?
飽きるほど自分を責め、哀しみに暮れた。
それからというものの、彼女はピエロの死を悼むために黒服を着るようになった。
赤や青、白などの色をした服は着なくなってしまった。
それは、リルがピエロに向けた哀情だった。
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白いタキシードを着た人は最後の一口を食べ終えると、途端に立ち上がって鏡を見た。
鏡に写るのは、白塗りの肌、大きな赤鼻、黄色い派手髪、大きなハット、緩くかしこまった服装、そして目の下には青い雫。
死んだピエロだった。
ピエロは涙を流していた。
大粒の涙を流す度に化粧が落ち、やがて本当の姿が見えてきた。
そこにはピエロでは無く一人の人間がいた。
愛を求めた一人の人間。
そして人間は今しがた気づいた。
リルは確かに愛情を注いでいた。
そして、自分がそれを上手く受け取ることができなかったことも。
孤独では無くなったと気づかず、死を選んだ。
人間は酷く後悔した。
ああ、もし今生きていれば、リルの愛情を素直に受け取ることが出来ていたのだろうか。
見終わった走馬灯達は、たくさんの想い出に変わっていたのだろうか。
人間は大きな後悔を背負い、食卓を去った。
ヒマな奴だと思われたくないという気持ちと今すぐ返信したら会話が繋がるかもという期待がせめぎあって結局ギリギリで後者が勝つ
会話は繋がらず後悔だけが残る
「たくさんの思い出」
あともう一歩、もう一歩だけ踏み出せば
これまでのたくさんの思い出はもう一度かたちになるだろう
しかし、それが怖くて怖くて不安でたまらない
私は、弱い人間なので、その気持ちに逆らうことはできない
たくさんの?思い出?は色褪せていく
目の前の君が何なのかもワカラナイ
私の心は砕け散ってゆく
なんで君は泣いているの?
なんで君はそんなにも苦しそうな顔をみせるの?
私はこんなにも不自由で動かしにくく、痛いからだは大嫌いだ
常に足も痺れ、片目も見えない、耳も聞こえにくく、トイレにも間に合わない、思ったことを口にすら出せない
けれど何より、君にそんな顔をさせる自分が大大大大嫌いだ。
たくさんの想い出。
そんな1日1日たくさんの思いを抱え込んできた学校ともあと半年もしないでお別れです。
早く卒業したい。なんか思っていた日々とは最後の日が近づいていくにつれ真逆になっていきます。
最後の日、最後の時間には、みんなの想いが詰まった学校で1枚、カメラに収めておきましょう。
たくさんの想い出、、、
父とたくさん過ごしたあの日々はもう帰ってこない。懐かしさやたくさんの優しさと想い出をくれた父は、高2で天国へ旅立ってしまったけど、いつかあの父のように家族をつくり、子を産み、優しさや想い出をいっぱい作ることが、私にとっての一つ一つの想い出。
うそをつくことにたくさんのおもいでがある
どーでもいいうそをつけばまわりがだまされる。
うそをつけばおもしろい
おもしろさだけがたくさんのおもいで
放った言葉
本当の気持ちと
正反対だから
「赦して」なんて言わないよ
あの瞬間は
本気でそう思ったんだ
今になって後悔するなんて
思いもしなかった瞬間も
本当の私だから
それでも好きでいてくれる?
『たくさんの想い出』
もう、うんざりだ。
やっと社会人になり、就職を始めて、やっと会社に入社したのに、その会社がブラックだった。
睡眠時間も全然ない。辞めたいけど上司が怖くて辞める勇気がない。
もう死んだ方が楽になれるかな…
今日は久しぶりに家に帰れた。
でも明日も仕事だ。
「痛っ!」
床に置いてあるダンボールに足をぶつけた。
その拍子にダンボールのふたが開いた。
中にはアルバムが入っている。
中学校の頃と高校の頃のアルバムだ。
アルバムをめくると、忘れていた"たくさんの想い出"が溢れ出できた。
体育祭、修学旅行など友達と過ごした日々が懐かしい。
そしてめくっていくうちに涙が出てきた。
楽しかったあの頃に戻りたい………
楽しく生活したい……
それからアルバムを見ながら泣いて、そのまま眠ってしまった。
目が覚めるともう会社に行く時間が過ぎていた。
遅刻だ。しかし頭の中には遅刻のことより想い出のことでいっぱいだ。
そしてスマホを手に取り、会社に連絡した。
「本日をもって会社を退職させていただきます。」
氷雅
たくさんの想い出
想い出を馬鹿にする人は心の寂しい人間だ、その人は仰った、人間にだけ許された感情と感慨それが想い出。
無限の時間を持たないからこそ想い出は残り、今だけに生きる他の生きもの達よりもより鮮明な想い出を持つことを許された人間だからこそ時間を宇宙を自分以外の生をより深く想えるのに、なんと勿体無いことか、与えたものを取り上げようと、その人は仰りたくさんの想い出なんて死に近い年寄りの戯言だ!孤独な自称毒親育ちはそう言って、オドロオドロしい言葉を吐きました、その瞬間たくさんの想い出をもつことを人間に許した人は、オドロオドロしい言葉を吐く人間の想い出を仕舞う袋を破りました、中に詰まっていた、その人間の想い出がサラサラサラと流れて落ちて消えて行きました、あたりに白い煙が立ち込め、その人間の顔を覆いその人間の世界が灰色になりました。
世界が灰色に見える、、誰のせいなんだ!
その人間は他に向けた人差し指を自分に向けることが出来ず、目もグレーの歪な紗がかかっているので、全てが歪んで見えて色もありません。こんな状態で人差し指を他に向けオドロオドロしい言葉を吐いていても、気遣っていて優しくありたくて繊細なんです、その人間は今夜も世界がグレーに見えるその薄暗くて狭い場所でブルーのライトを顔に充てて言うのです、「たくさんの想い出話しなんてする奴馬鹿」犬でも猫でも3日飼えば飼い主の顔を、その想い出と共に覚え、人間ならば3歳のころ見た夕焼けを遊んだ友を、親の匂いを、たくさんの想い出として留め仕舞い時々開いては生きる喜びや力にします。それが神が、複雑な命を与えたものに与えた力でした。それを無くしてなお気づけない気遣ってさんに憐憫を感じずにはいられません。
たくさんの想い出は、あなたの味方でしかありません、そして人生を愛し人を許し気遣える魔法の袋です、たくさんのキラキラ光る想い出を集めたいものですね。
どんなに辛い想い出も生きる力に変え、与えられた辛苦は見込まれているからだと思いなさい、いずれそれさえも呑み込んで、たくさんの想い出を仲間にしなさい、それがきっと優しくあれることですよ、優しさは包容力です(笑)
令和6年11月18日
心幸
晴れ渡った真っ青な空から、雨がぽとぽとと落ちていた。
「きつねのよめいり」私は口の中でつぶやいた。
窓の外は、雨だけがぽとぽとと音を立てていた。
こういう天気の時に、隣の家から顔を出して、うれしそうに話しかけてくれる幼馴染の声は、聞こえなかった。
雨がぽとぽと落ちていた。
私と幼馴染は、すごく仲が良かった。
幼稚園の時も、小学校の時も、中学の時も、高校に入ってからも。
私たちはいつも一緒だった。
小柄で、本や演劇を好いていた私の幼馴染は、とても優しくて、丁寧な性格だった。
何に対しても一生懸命で、諦めが悪くて、私は時々、「もういいじゃん」と不平を言った。
心配性で、楽観的で雑な私について、いつも気を張り巡らせて、危険を警戒していた。
火が苦手で、私が火の近くにいると、よく取り乱していた。
私たちは、生まれた時からずっと仲良しで、友達で、お互いが大切だった。
お家もお隣で、みんなに内緒でよくお話をした。
紙飛行機を飛ばしっこして遊んで、一緒に本を読んでごっこ遊びをして、一緒に駄菓子を食べた。
大きくなってからは、毎年一緒にお祭りにもいった。
テスト勉強を一緒にして、帰りには、待ち合わせて一緒に帰った。
私の、これまでの、たくさんの想い出は、幼馴染と共にあった。
幼馴染が、幼馴染とのたくさんの想い出が、私を作っているみたいだった。
私は幼馴染が大好きで、大切で、幸せになって欲しかった。
幼馴染が病院に運ばれたのは、一年前の天気雨の日だった。きつねのよめいり。
あの日、幼馴染は窓を開けて、「天気雨だ!きつねのよめいりだね」って笑って、
私は今日も話しかけてくれたのが嬉しくて、頷いて、
「じゃあ、また昼にさ、きつねのよめいり見よう」と幼馴染は笑って…
それから30分後、お隣に救急車がやってきた。
幼馴染は、お家で急に倒れたらしい。
幼馴染はそれから、帰って来なかった。
二度と帰れないところへ行ってしまった。私を置いて。
私と、たくさんの、本当に一人じゃ持ちきれないほどたくさんの想い出を置いて。
私は独りぼっちになってしまった。
私は雨が好きで、幼馴染は晴れの空を見上げるのが好きだった。
だから私たちは、一番天気雨が好きだった。
お互いに好きな天気が混じり合った空だったから。
この天気の時は、一緒に持ち合わせた、たくさんの想い出が、思い出せる天気だったから。
今日は、きつねのよめいり。天気雨だった。
たくさんの想い出が、天気雨に乗って、私のあたりを立ち込めていた。
幼馴染はもう帰ってこない。
幼馴染にはもう会えない。
あの毎日はもう帰ってこないのだ。
雨だけが降っていた。
真っ青な空から、ぽとぽとと。
たくさんの想い出が、支えを持たない私には、すごく重たかった。
たくさんの思い出。
それは、とあるアーティストのLIVEを見に行ったこと
人生初めてのLIVEは感動したし、
何よりもあの空間に自分が居れたことが幸せだった。
終わったあとは、
爆音のせいか耳が聞こえにくかった笑
それもいい思い出
(今日は姉が書いたよ)
人が天へと登る時は、その魂が軽くなるように、
その人の想い出を一つずつ空から落とすのだ。
大事な想い出ほど、人は離しがたくて、離れがたくて。
最後まで抱えて、持っていることが多いのだ。
そうして、最後の方に手放した想い出達は、
地上へと返すには遅すぎるから
空の途中で、ぽっかりと残ってしまうのだ。
その、何処にも行けなかったたくさんの想い出達が、
夜になった時にいっとう輝く星となるのだ。
だから、星降る夜には、どうか。
誰かが生きていたその想い出を、
あなたに思い出してほしいのだ。
「たくさんの想い出」 白米おこめ
アルバムを出さなくても
日記帳を捲らなくても
ずっと年老いても
全部分からなくなっても
それでもそれでも覚えているよ
君と過ごした長い時間を
‹たくさんの想い出›
寒くなると僕は消えて
そうして私になる
喜ぶひともいるし嘆く人もいるから
ちょっとだけの日もあるし
たくさんの日もある
少しゆったりの日もあるし
ずっとばたばたの日もある
いろんな形があるけれど
ぎゅってされたらもうわからない
私の名前は
‹冬になったら›
『たくさんの想い出』
辛い。
苦しい。
悲しい。
休みたい。
疲れた。
生きる意味ってなんなの。
死にたい。
色んな想いで溢れた――僕の心。
私の「青春の想い出」って作品があったら、登場人物は私、ただ一人だけだろうな。
それほど、誰の特別になる訳でもなく、目立たずに、ひっそりと、過ごした。
上手に生きたかった。普通の青春を送りたかった。
そんな風に想うこともあるけど。
こんな私も、私は愛しい。
明日を上手く描こうとして、
消して、直して、重ねて、模倣して。
私の人生ってノートは、ボロボロだけど。
これから先、もっとボロボロになるだろうけど。
消しすぎて破けたり、色を重ねすぎてくすんだりなんてこともあるけど。
それでいい。
他人に羨まれる私になるより、自分に誇れる私でありたいから。
これからたくさんの想い出でページを埋めていくんだ。
たくさんの想い出
いろんなところに、あの時の服装と表情と肌の温かさが眠っている。
嗚呼楽しかった
この6年間
初めての学校
初めての勉強
何もかもが初めて
さぁ次は中学生だ
部活しんどかったなぁ
勉強も難しかった
よく友達に教えてもらってたなぁ
それに初めて彼氏が出来た!
案外良かったな
次は高校かぁ
勉強はめんどいしだるかったな
でも今までで一番青春出来た!
中学校よりは緩くて楽!
何よりも自由!
もう少しで成人か
はぁ疲れた
しんど
いっそ会社辞めれないかな
転職サイト漁ろっかな
あの時は楽しかったな
彼氏が出来て大はしゃぎ
部活で優勝して泣き笑い
今では婚約者、彼氏すらいない
でも周りはどんどん結婚してく
それに誇れる様な趣味なんかもない
あの頃に戻りたいな
たくさんの想い出
今日までのすべて
わたしが奪ってきたもの
消費してきた命
たくさんの想い出
殺してきた自分
許してきた過去
許しがたい全て
わたしの
たくさんの想い出
死ねば排泄物と何ら変わりなく
一本道、振り返れば残飯の山々
代謝し終えたわたしの命は水洗で流してもらえるんですか。抜けた髪、切った爪、剥がれ落ちた垢。
それはまるで死んだ私のすがたをしている。
想い出。私だけの体。たくさんの想い出。生きていた証。
抜け落ちてゆくわたし。消える。
たくさんの想い出