『たくさんの想い出』
もう、うんざりだ。
やっと社会人になり、就職を始めて、やっと会社に入社したのに、その会社がブラックだった。
睡眠時間も全然ない。辞めたいけど上司が怖くて辞める勇気がない。
もう死んだ方が楽になれるかな…
今日は久しぶりに家に帰れた。
でも明日も仕事だ。
「痛っ!」
床に置いてあるダンボールに足をぶつけた。
その拍子にダンボールのふたが開いた。
中にはアルバムが入っている。
中学校の頃と高校の頃のアルバムだ。
アルバムをめくると、忘れていた"たくさんの想い出"が溢れ出できた。
体育祭、修学旅行など友達と過ごした日々が懐かしい。
そしてめくっていくうちに涙が出てきた。
楽しかったあの頃に戻りたい………
楽しく生活したい……
それからアルバムを見ながら泣いて、そのまま眠ってしまった。
目が覚めるともう会社に行く時間が過ぎていた。
遅刻だ。しかし頭の中には遅刻のことより想い出のことでいっぱいだ。
そしてスマホを手に取り、会社に連絡した。
「本日をもって会社を退職させていただきます。」
氷雅
11/18/2024, 12:42:25 PM