白米おこめ

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人が天へと登る時は、その魂が軽くなるように、
その人の想い出を一つずつ空から落とすのだ。

大事な想い出ほど、人は離しがたくて、離れがたくて。
最後まで抱えて、持っていることが多いのだ。

そうして、最後の方に手放した想い出達は、
地上へと返すには遅すぎるから
空の途中で、ぽっかりと残ってしまうのだ。

その、何処にも行けなかったたくさんの想い出達が、
夜になった時にいっとう輝く星となるのだ。

だから、星降る夜には、どうか。

誰かが生きていたその想い出を、
あなたに思い出してほしいのだ。


「たくさんの想い出」 白米おこめ

11/18/2024, 12:40:07 PM