『ずっとこのまま』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ずっとこのまま
そっとふれた世界の片鱗はきらきらと光を放っている。
隣にあなたがいる。それだけで世界が綺麗だった。
色彩が鮮やかで、この目に刻む一分一秒が美しくって。
「■■」
あなたがわたしを呼ぶ。抱き寄せられて、疾うに滅びたはずの心拍がその胸の下で拍動しているのを微かに感じる。
とくん、とくん。刻む鼓動はわたしと同じリズム。こうやってあなたの拍動にふれて生きていきたかった。
「……」
あなたは何も言わない。
きっとあなたも分かっていたのだろう。これがただの夢のなかに過ぎなくて、ふれれば壊れる儚いものだと。
それでも、わたしはあなたの温度に溺れて動けなくなる。
「ねぇ、ずっとこのまま夢を見させて」
あなたとふたり、もう二度と叶わない美しい夢の中で息をさせて。
ずっとこのまま(オリジナル)
老化を止める新薬が開発された。
若返りはならず、成長も止まらず、あくまで「老化」の「進行」を止めるものである。
量産が難しく、極秘裏に生産が進められてきた。
一部の富裕層と発見者界隈でのみ流通していたが、情報流出し、またたく間に全世界に広まった。
富裕層を強盗団が襲ったり、研究所にデモ隊が突入したり、様々な事件が勃発した結果、独占されていた製薬に他企業も参入するようになり、高額とはいえ、少しずつ一般に流通するようになってきた。
そして、そんな時、自分は60歳。
シワも白髪もあり、身体の節々も痛い。
若返りはしないので、薬が買えたとて、60歳で止まるわけである。
これ以上悪くならないのは良いが、とはいえ、考えてしまう。
20歳の人は良いな、と。
彼、彼女らは、20歳の見た目のまま、100歳まで生きられるわけだ。
新薬がもう少し早く開発されていたらと思わずにはいられない。
そして、それは誰しもが考えてしまう事で。
高額な薬を買うために悪い事に手を染める人間が増加。年齢間の溝が深まり、強盗や窃盗が日常化し、殺人も増えた。
そして、生き延びて70歳。
年金では薬を買う余裕はなく、買ったら寿命までの生活が立ち行かなくなる。生活保護はすでに同様の事案が増えて破綻しており、もらえるものではなくなっていた。
30年ほどのち、ついに若返りの薬が発明された。
永遠の命を得られるわけである。
飲む? or 飲まない?
題:ずっとこのまま
ずっとこのまま
時間が過ぎなければいいのに
このまま
このまま
『ずっとこのまま』
ふたりで手を取りあって走った日。
あなたはこのまま死んでもいいかもって言って笑った。
私もいいよって言って笑った。
ずっとこのまま走っていたいと思った。
そしたらあなたとふたりで笑い合いながら、
幸せだね、いつ死んでもいいねって言い合おうね。
ずっとこのままでいようね。
「ずっと…このまま」
ずっと…
続くと思っていた
朝食を一緒に摂って
休みは一緒に出掛けて
映画を一緒に見て
同じところで一緒に感動して
また見ようて
そんな日常
いつの間にか
忙しさにかまけて
今はもう目も合わせず
ただ挨拶を交わすだけ
ただ一緒にいるだけ
ただ一緒の部屋に帰るだけ
同じことができなくなって
使ったコップもシンクに置いたまま
そう、このまま…
終わりを告げる足音が聞こえる
#3
「ずっとこのまま」
雨が上がった空から暖かな太陽の光が差し込んで地上を照らす。遠くには七色のアーチがかかっている。そんな雨上がりの光景を、2人で肩を並べて見ている。お互いに何も言わない。けれど、繋いだ手の温もりから優しさが伝わってくる。
ずっとこのままで、時間が止まってしまえばいいと思った。だけど時はいたずら者で、2人の穏やかな時間を奪う。
「じゃあ、行ってきます」
不安も恐怖も身体いっぱいに感じているだろうに、そんな表情など一切出さず、あなたはいつものように笑った。その彼の姿を見ていると、いてもたってもいられなくなって背を向けたあなたの手を取って強引に抱き寄せた。
ずっとこのままでいたい。
そんなシンプルで簡単な願いさえ、叶えられることはない。
ずっとこのまま
ずっとこのままがいい
そんなこと何回も願った
忘れたくない思い出、取り返したいあの頃の自分
絶対に願わないのに、その檻に閉ざされる
けれど人間は飽き性なものでね
ずっとこのままだと変化を求めたくなるものだ
どちらにせよ檻に閉ざされるのならば
ずっとこのままよりも、少し賭けに出てみようと思う
「ずっとこのまま」
十月三日 四時三十分
「今まで、ありがとな」
待ってくれ。また、また俺はお前を失うのか?ユウの姿が視界から消える。反射的に手を伸ばす。届かない。遅れてドサッと下で鈍い音がする。あぁ、まただ。また救えなかった。今回は飛び降りか。この世には命を失う要素が多すぎる。交通事故で、病気で、通り魔に刺されて、自殺で…。これらから一人の人間を守るのは、こんなにも難しい。次だ。次こそは生かしてみせる。
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今日は八月三日。…残り六十一日。
いつも通り玄関のインターホンが鳴る。
「おーい、学校行こーぜー」
耳にタコができるほど聞いた呼びかけに短い返事で応答する。玄関を開けると太陽と見間違えるほどの眩しい笑顔と、喉にメガホンが入っているのではないかと疑うほどの声量の持ち主。後藤ユウが立っている。
「おはよーさん!お?今日はご機嫌n…」
『斜めじゃねぇよ』
このやりとりは何回目だろうか。数えるのも、とっくの昔に止めてしまった。いつもの通学路、いつもの景色、いつもの会話。
『おい足元、気をつけろよ。』
言っても無駄なことはわかっている。
どうせ此奴は、
「え?…わわ!!」
いつもここで転ぶのだから。ほんと、変わんねぇな。…変わらないままで居てくれたらいいのに。
いつも通り日々が過ぎていく。此奴との変わらない日々が静かに消費されていく…。
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十月三日。今度こそ、終わらせる。
玄関のインターホンが鳴る。
「おーい。学校行こーz」
『うるせぇ』
それでも扉を開ける。ユウはいつも通りのその顔で立っていた。学校では特に何も起こらなかった。授業中の居眠りも、休み時間のバカ笑いも…。全部知っている光景だ。
放課後。
いつも通りなら、今日の放課後。ユウは部活を休む。今回はここで選ぶ選択を変えてみることにした。
『なぁ、今日一緒に帰らね?』
「え?珍しいな。お前、いつも部活休まないじゃん。あ!もしや、いつも俺が部活休んで遊んでるの、羨ましくなっちゃった?そっかそっかー!んもー。なかなか言い出せなかったんだね?!そんなに俺と居たいか!そうかそうか!」
相変わらずよく回る口だ。聞くだけで疲れる。それでも、今日はそれがありがたかった。
二人での帰り道。たくさんの寄り道をした。
『今日はお前の家まで送ってくよ』
どうしても、そのまま解散というわけにはいかなかった。絶対に此奴を家まで返さねば。一度帰宅してしまえばきっと…。
「え?!お前、ほんと今日はどうしたんだよ。やけに優しくね?はっ!もしやここで借りを作って今度何か要求してくるとか…?!その手には乗らんぞ!お前に借りを作っていい試しがない!」
此奴…。まぁ、その点については否定しないが…。だが、今回は別だ何が何でも一緒に帰る。そう言ってせがめば、なんだかんだ一緒に帰ってくれることになった。絶対に此奴を一人にさせるわけにはいかない。
夕方の空がいつもより一段と赤い。
ユウが急に立ち止まる。
「なぁ」
いつもより声が低い。
「今日さ…」
続きを聞きたくなかった。聞かなければまだ一緒にいられる気がして。
『帰るぞ』
強く言ったつもりだった。けれど、ユウは笑って
「ありがとな!楽しかった!」
少しホッとした。想像していた言葉よりも全然軽かった。
『あぁそうかよ』
二人でまた歩き出す。今回は、うまく行った。五時四十分。最高記録だ。今、ユウは過去で1番長く生きている。成功、でいいのか。ユウを家に送ってから自分も帰路に着く。そして初めて十月三日の就寝についた。
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翌日、ユウが死んだことを告げられた。詳しくは聞かなかった。聞く必要がなかった。盲点だった。別に家出だって死ぬことはできるのだ。あぁ、またダメだった。今回は俺の見ていないところで。守るなら、そばにいるだけでは足りないらしい。
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八月三日。
「おーい、学校行こーぜー!」
もう、このままでいいかもしれない。どんなに足掻いても此奴が死ぬのなら。運命という言葉でしか説明できないものがあるのなら。この二ヶ月間を永遠と彷徨ったって。ずっと、このまま。
山を歩いている間だけ、
ずっとこのままだったらなぁ。
と思う。
ずっとこのまま
…だなんて、思ったことがない。
いつか、いつかは
そう思える日が来るのか?
でも、そうなる日を、
夢みて生きるのも悪くない――…
ずっとこのまま
時が止まって欲しいところだが
たくさんの思い出が増え
色んな経験が増えるなら
歳を取るのも悪くない
ずっとこのまま
遠い席に座る君を見てるとき
一緒の電車で見つけたとき
思ったより声が低いなと思ったとき
君の笑顔が見れたとき
バレーに一生懸命な君を見たとき
昼ご飯食べてる時ふと見えた、口を大きく開けて笑う顔をみたとき
怒られたあとしゅんとしてる君を見たとき
雨の日ぎこちない笑顔を見せる君を見たとき
君の、とびっきりの笑顔を見たとき
『最高の幸せ』
トントントンと何かを切っている音と、鼻をくすぐるいい匂いで目が覚めた。体を起こして横を見てもそこにもう彼女の姿はない。ふわぁと大きく欠伸をして、ベッドから出た。
リビングに入りキッチンに向かう。彼女はやはりキッチンで料理をしていた。小さく、ふんふんふんと鼻歌も聞こえる。1つにまとめた髪が横に揺れていた。そんな彼女を後ろから抱きしめた。
「うわぁっ!」
「おはよう」
驚いた声を出した彼女は呆然となりながらもこちらに振り返り「おはよう…」と返してくれた。
「今日の朝ごはんは?」
「ご飯とお味噌汁と、あと鮭も焼いてるよ」
「やった」
今日の朝ごはんは和食らしい。グリルを見ると確かに鮭が2匹入っていた。
「もうすぐ出来るから先に席に座ってて」
そう言ってくれたのでお言葉に甘えてダイニングテーブルに座る。もう箸などは用意されていた。
程なくして彼女が料理を持ってきた。それを「ありがとう」と言って受け取り、2人で向かい合わせに座る。
「「いただきます」」
そう言ってご飯を食べ始める。味噌汁を飲むと、体が内からじんわりと暖かくなるのがわかる。
うん、美味しい……
彼女も味噌汁を飲んで、頬を緩めていた。
目の前には美味しいご飯と、最っ高に愛おしい人。そして2人の薬指には同じ銀色の指輪が嵌めてある。
これからもこんな生活が続くのかと思うと嬉しくなり、幸せを噛み締めるようにご飯を口に入れた。
【ずっとこのまま】
偶然に
触れた指先
願わくば
君のぬくもり
ずっとこのまま
このまま、天井とにらめっこ。ずっとずっと布団に沈み込む。
地球に包み込まれているみたいな感覚。光が見えない部屋。
アンタが太陽のように笑う世界にさようなら。
私は私らしく、ずっとずっと言葉も失って、死にたさを抱えたまま、眠る。
キスでもなく、痛みで目を覚まして。
大好きな彼と、手を繋ぐ。
見つめ合って、微笑む。
この時間が、ずっと続けばいいのに。
#ずっとこのまま
「ずっとこのまま」
ずっとこのままなんて
耐えられない。
「大好き」の裏がある小さな叫びを隠して、笑った。
この瞬間が、1秒でも長く続いてほしくて。
悟られた恐怖は、「大したことないよ」とごまかした。
優しいあなたの目が陰ってほしくなくて。
偽物のような私だったでしょう。
本音がわからない人形のように映った日もあったでしょう。
でも、ただひとつ、本物だった。
あなたを慕う、私の心。
戯言だと思っていた「愛してる」を、まっすぐ伝えた恋だった。
今もまだ香る、あなたとの恋。
目眩がするほど、私の心を捉える香りと生きている。
【ずっとこのままで】
ずっとこのまま
恋だと思っていたものが終わった
それは、私が想像していたものよりもずっと静かで、ずっと穏やかな終わり方だった
恐らく彼はまだ、そのことにはっきりとは気付いていないだろう
もちろん、私からの連絡頻度や言葉の温度が今までと違うところまではわかっていると思う
不器用だけれど、人並み以上に勘は鋭い人なのだ
しかし、その上で自分からは確かめにこない
権威、立場、役割
私にとってはどれもクソ喰らえと思うようなものばかり
そんなものたちに彼は雁字搦めにされている
しかし、それが彼が生きる世界の現実であると同時に、彼にとっての安心安全でもあるのだ
それはそれ、これはこれ、好きなものは好き
そんな風に縛られず自由に生きる私とは、そもそも根っこの部分からして違う
どちらが良い悪いの話ではない
ただただ構造として噛み合わない二人なのだ
恋だと思っていたもの、と敢えて私が書いたのは、あくまでも私にとっては恋だった、ということ
彼だって、よしんば少なめに見積もって二度三度私に心躍らせたことくらいあったろう
不用意に見つめ合い言葉を失ったときのあのちょっと間抜けな顔も、不意に私の手を包んだときのあの温もりも
私のこの目とこの手がしっかりと覚えている
しかし、彼自身がそれを恋だと認めなければ、この思いは永遠に未分類の感情のまま先には進めない
私たちの関係はどこまで行っても宙ぶらりんなのだ
今年はありがとう
来年もよろしくな!
なんて、業務に紛らせ安心安全なメッセージで年末を締めくくった彼
私がそれに返信しなかったのは、彼が思うその安心安全を、無邪気という名の境界線侵入で壊したくなかったからだ
ずっとこのまま
君とはこの距離と温度がいい
言葉にはせずともひしひしと伝わってくる彼のその思いを、私はまた一つ静かに呑み込んだ
こうやって、彼の未整理な感情を私はいつまで肩代わりすればいいのだろう
軽やかな女を演じ続けたのは、この深い想いがあなたを湖の底へと引きずり込んでしまわないため
向き合う術を持たない彼をこれ以上追い詰めないためだ
恋を壊さずにそっと元の二人に戻る方法
徐々に温度を下げ、感情を安定させ、彼が安心して受け取れる言い回しに変換の上、失礼のないように、かつ冷た過ぎない言葉を探し続けた四ヶ月
私はついに、このとんでもなく難解なプロジェクトをやり遂げたのだ
彼はこれからも、今まで通り涼しい顔をして私に接してくるだろう
何だか最近楽だなぁ…そんなことを思いながら
私は私で彼を見てそっと微笑む
もちろん何事もなかった顔で…
それでいいのだ
もうどのみち先へは進めない
その決定事項が時折私の胸をチクリと刺したとしても
私はそういう彼を好きになり、気付けば恋をしてしまっていたのだから
お題
ずっとこのまま
ずっとこのまま
今この生活を過ごしている間に沢山の人が苦しんでいる。
皆は、そんな人達に何かしてあげたいと思ったことは、ある。あったとしても実際にその人達の苦しみを味わったり実際に行動したりすることは、すごく少ないと思う。そんな苦しみは、嫌だからずっとこのままの生活でいたい。
けれどずっとこのままというものは、ないと思う。いつかは、皆も感じてほしい。
ずっとこのままの生活なんてないなく、苦しみは、おとずれること。
また、その苦しんでいるひとの苦しみを少しでも分けようと行動することを…
ずっとこのまま……