なつめぐ

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『最高の幸せ』



トントントンと何かを切っている音と、鼻をくすぐるいい匂いで目が覚めた。体を起こして横を見てもそこにもう彼女の姿はない。ふわぁと大きく欠伸をして、ベッドから出た。


リビングに入りキッチンに向かう。彼女はやはりキッチンで料理をしていた。小さく、ふんふんふんと鼻歌も聞こえる。1つにまとめた髪が横に揺れていた。そんな彼女を後ろから抱きしめた。

「うわぁっ!」

「おはよう」

驚いた声を出した彼女は呆然となりながらもこちらに振り返り「おはよう…」と返してくれた。

「今日の朝ごはんは?」

「ご飯とお味噌汁と、あと鮭も焼いてるよ」

「やった」

今日の朝ごはんは和食らしい。グリルを見ると確かに鮭が2匹入っていた。

「もうすぐ出来るから先に席に座ってて」

そう言ってくれたのでお言葉に甘えてダイニングテーブルに座る。もう箸などは用意されていた。
程なくして彼女が料理を持ってきた。それを「ありがとう」と言って受け取り、2人で向かい合わせに座る。

「「いただきます」」

そう言ってご飯を食べ始める。味噌汁を飲むと、体が内からじんわりと暖かくなるのがわかる。
うん、美味しい……
彼女も味噌汁を飲んで、頬を緩めていた。

目の前には美味しいご飯と、最っ高に愛おしい人。そして2人の薬指には同じ銀色の指輪が嵌めてある。
これからもこんな生活が続くのかと思うと嬉しくなり、幸せを噛み締めるようにご飯を口に入れた。




【ずっとこのまま】

1/12/2026, 1:45:09 PM