『すれ違い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の住んでいるところは田舎で知り合いと出会うことも多い。買い物に行くと出会うことはざらにある。よく行くスーパーがある。母親とカートを転がして晩御飯のメニューを考えながら品物をカゴに入れる。レジでお金を支払って、品物をマイバッグに詰めて、さぁ、帰ろう。歩き出すととある人とすれ違った。あれ?あの人、小学校の時の先生?よく見るとやっぱり2年間お世話になった先生だ。堅物であまり笑わなかった先生が、穏やかな笑みを浮かべて奥さんと買い物をしていた。あぁ、お元気そうで良かった。何も言わずに知らないふりをしてそのまま立ち去った。えっ、すれ違いってこういう事じゃない?
4年前の今頃は、きっと大好きだったあの子とすれ違いを起こしていた。
まあ、わたしが勝手にあの子には釣り合わないと思って離れていっただけなんだけど。
傷ついたかな?わたしは、あのときたくさん色んなことを考えてた。
そのおかげで、今もたくさんたくさん考えられてるよ。
我が儘に付き合わせてしまったのだから、幸せになっていてほしいなあ。
こんなところで見かけるとは思わなかった。
どうも思わないようになったと思っていたのに、少なからず、動揺した。
あちらは気づいているだろうか。
気づいていたとしても、口を利くつもりはないけれど。
神経を張り巡らせて、目線をさりげなくそらして、素知らぬ顔ですれ違った。
呼び止められなかったので、上手く行ったはずだ。
当たり前だ。
すれ違った私たちの人生は交わることはないのだから。
初めからねじれの位置だった。
私がAを選んだ時は、あちらはBを選ぶ。
どんな時もそんな調子で、意見が一致することはなかなか無かった。
それでも私とあなたが友人だったのは、互いに友人であろうとしたからだ。
共通の友人を持っていた私たちは、無意識のうちに、友人でいたがった。
それが終わったのは、長い学生期間を終えて、私たちが自由になったからだ。
大人になって、もっと仲良くなれるはず。
そう期待したことも確かにあった。
でも私たちは違いすぎた。
意見が合わなすぎた。
どちらから喧嘩になったかはもう覚えていない。
しかし、たった一度の言い合いで、私たちの友人期間は終わった。
後悔はしていない。
むしろ清々した。
しかし、そんな自分の所感に罪悪感を感じる程度には、私にとって、あなたは大切な友人だった。
だから、すれ違いに動揺したのだ。
この、酷い心根を見抜かれはしないかと。
もうどうでも良いはずなのに。
私たちは最初からずっとすれ違っていて、あるべき関係に戻っただけなのだ、と。
断じてしまえる私の薄情さに気づいてほしくなくて。
…あなたの方が薄情だったので、なおさら。
振り向かずに、スピードを落とさずに。
私は前だけを向いて、毅然と歩く。
あなたになんて、最初から気づいていなかったのだ…と。
駅のホームを出る。
秋の日差しが、燦々と降っている。
私は大股で、目的地へ向かった。
季節と季節がすれ違うように、気づけば愛は静かに薄れていく。
君が春の花を見つめるとき、すでに秋が訪れ足音も遠ざかる。
君が夜明けに窓に立つとき、夕暮れの鐘が悲しく耳に響いていた。
それでも愛した軌跡の影は美しく残されている。
「すれ違い」
「すれ違い」
ここは魔法使いが全てを支配する世界。
彼らは神に近づこうとあるものを作りました。
それは───。
「ようやく完成したね!これで我々は飛躍的に天へと近づける!さすがは我ら魔法使い!」
「持つ者も持たざる者も、これでひとつになれる!」
「この魔法システム『Babel』を使えば、きっと皆幸せになれるだろう!」
魔法システム『Babel』は、魔法使いの善意によって創り上げられたものです。すべての人を繋ぎ、共有し、近づける。
そうすることによって、世界平和が実現できると彼らは信じ、『Babel』を世界に解き放ちました。
はじめはよかった。
興味を持った魔法使いと人々が、日常の些細なことを微笑ましく分かち合っていました。
それはそれは、幸せそうでした。
このまま皆で神になれる日もそう遠くないと思わせるほどに。
しかし現実は違いました。
人々はひとつになろうとすればするほど、ばらばらになっていく。美しい虹を架けるのではなく、混ざって醜い色の欠片を作る。
歪み合い、罵り合い、必要のない分断と苦しみを生み出す。
無限にある正しさをひとつにまとめようとして、歪んだ争いが生まれ続ける。落とし所のない、争いが。
魔法使い達はとても悲しみました。
平和だった世界が、平和のために作ったBabelのせいで壊れていく様子を、ただただ見つめることしかできませんでした。
こうなるのが分かっていたら、最初からこんなものを作らなかった、きっと彼らはそう思っていることでしょう。
ですが、これは神からの罰ではありません。
なぜなら、神たる私は何もしていないからです。
見なくてもいいものが見られるようになることは、果たして本当に幸せを運ぶのでしょうか?
私ですら、分かりません。
─── すれ違い ───
昔はすれ違うものだった
現代では絶妙にすれ違わず同時にいたり
風邪ひくよ
いろんな人と出会った
すれ違うだけの人もいっぱいいた
すれ違って振り返って
しばらく一緒にいる人もいた
いろんな人と出会って
今の自分がいる
まだまだ発展途上で
のびしろしかないけど
前を向いてようと思う
だって
戻ることはできないから
それなら前を向いて
一歩でも進んでいきたい
次にすれ違う誰かに会いにいくために
もっと自分の好きな自分になる
「すれ違い」
物理的なすれ違い、心のすれ違い
どちらも経験がある。ずっとこの場所にいればよかった。いや、今言った言葉はそう言う意味じゃなかったのに。物理的なすれ違いはスマホで連絡を取ればなんとかなる。しかし心のすれ違いは難しい。対面の会話なら相手の様子を見てその場で訂正できるがメール上では相手がどういう意味で受け取ったか見えない。これが原因で不仲になる、、なんてこともある。
まあすれ違いにいいことはそんなにないってことだ。
どこかに向かう人の波
行きたい場所、会いたい人、過ごしたい時間がそれぞれあって
うねりながら出口や抜け道をめざす
触れ合う袖も短くなった現代で
多少の縁にも
気づくことのない すれ違い
会いたいと思わなければ
だれにも逢えない すれ違い
…ふいに、ぶつかる肩。かち合う視線。
もう少しだけ、まなこの奥をのぞかせて。
あなたと私に どんな因縁があったとしても
ようやく触れあった 人生だから。
…『すれ違い』
好きな人とすれ違うとき
嬉しくて笑顔が隠せない
でも同時に。想いを伝えられなくて、
切ない気持ちになる。
嬉しいハズなのに
どうしてこんなにも悲しいのだろうか
題 すれ違い
あ・・・
私は図書館で一人の青年とすれ違った
カッコイイ・・・去っていった青年を振り返る
爽やかな青いシャツに白いインナー、ジーンズを履いて、髪の毛も綺麗な黒髪・・・って
あれって河下くんじゃない?!
学校では地味な感じで前髪下ろしてたのに、今すれ違った河下くんは、髪の毛もきちんと整えてて、服装もピシッとしてて、とてもカッコよくて学校の河下くんのイメージと大分違った。
私は本を抱えながらしばらく河下くんが小さくなっていくのを見つめていた。
声をかければよかったかなって思ったけど、あまりに印象が違ってて、ぽかんと見送ることしかできなかったんだ。
次の日、いつものように地味な格好で登校してくる河下くんを見て、私は遠くの机からどうしてあんなに印象違うんだろうなと思った。
髪の毛だけなのかな?あ、メガネもかけてるし、それも違うかも。
わざわざメガネかけないほうがいいし、髪も整えてくればいいのに、と思いながらぼーっと机に肘をついて見ていた。
でも、なんでかな、声をかけられなかった。
それに、教室で見る河下くんの姿も、いつもよりカッコよく見えてしまったんだ。
「河下くん」
次の休日、図書館で河下くんを見かけた私は思い切って声をかけた。
もしかして会えるかも、と午前中から勉強していたことは河下くんには秘密だ。
「あれ?仁科さん」
河下くんはビックリした顔で私を振り返る。
「偶然だね」
ニコッと笑いかけると、視線をそらされた。
・・・あれ?
「あ、その本、魔法学校の本、私も読んだよ」
「本当?この本好きな人周りにいないんだ」
私の言葉を聞くと、河下くんは笑顔で魔法学校の3巻の表紙を見せる。
「そっかぁ、ファンタジーブーム、ちょっと前に終わったからね。私は全巻読んで、今度は上級魔法学校の本読んでるよ。続編なんだけど面白いよ」
「そうなんだ、これ読み終わったら次は読みたいと思ってる。マリーンが好きなんだよね」
「わかる、私が好きなキャラはね・・・」
いつの間にか近くのベンチに座って2人で話し込んでいた。
魔法学校シリーズは最近私のマイブームだから、話の話題は尽きない。
さっきはぎこちなかった河下くんも、打ち解けてくれたみたいで嬉しかった。
「河下くんとこんな話が出来るなんて!学校では大人しいでしょ?話したことなかったよね?」
「うん、人と関わるの苦手で、あまり目立たないようにしてたんだ」
「あ、だからメガネと髪の毛違うの?」
それと、さっき目を逸らしたのもそのせいかな?
「そう、家にいると姉ちゃんに出かけるなら髪整えてコンタクトにしろって言われる」
「なるほどね」
私はそんなふうに言われてしぶしぶ髪を整えてる河下くんを想像してフフッと笑った。
「似合ってるよ」
そして、河下くんにそう言った。
本心だ。実際にかっこよくて見かけた初日振り返ってしまったんだから。
「ありがとう」
河下くんは照れながら、でも素直にお礼を言った。
「仁科さんと本の話出来てよかったよ」
「また話そうよ!図書館来るでしょ?私もまだ続編借りたいし、魔法系の本が好きならまだオススメの本紹介したいし!」
「本当!?それは心強いよ。魔法系読みたいんだけど、どれがいいのか分からなくて、次に読む本とか迷ってたから」
「まかせて」
と、私は胸をたたく。
「お任せします」
おどけたように言う河下くんの言葉に2人で笑う。
「もっと早く話しかければよかったな」
そう言うと、河下くんも頷いた。
「そうだね、でも、これから沢山話そうよ」
と言ってくれる。
その優しいまなざしに、私はドキッとした。
カッコイイ河下くんにいまさらながら気づいてしまった。
「う、うん」
今度は私がぎこちなくなってしまう。
そわな私を不思議そうに見る河下くん。
これからの日常に期待とときめきの予感を感じながら、私は言葉を続ける。
「これからよろしくね、河下くん」
【ロンリーズ・ストリート】
ここは少し洋風なストリート街。
その名も
【ロンリーズ・ストリート(Lonely+s Street)】
その名前から連想されるように、
ここは孤独な人々が集まる場所。
これは、そんな明るくて暗い街の出来事。
―――――――――――――――――――――
鉛色の曇り空の下。
僕はロンリーズ・ストリートを歩いている。
余裕が無い中でも周りを見回してみると、
皆どこか元気が無い。
目には光が宿っていない、どこか無気力。
忘れられない「欠けた何か」を抱いている。
まあ、それは僕もなんだけど。
僕はずっと孤独に生きている。
僕には家族も友人も愛人も、誰も居ない。
ずっと独り。
だからここにいるのだろうか。
よそ見しながら歩いていたから、すれ違いざまにある女性とぶつかってしまった。
ぶつかった衝撃で、女性が持っていた紙袋が落ちてしまった。
「ごめんなさい、大丈夫?」
紙袋から飛び出たリンゴを拾いながら声をかけた。
女性はしばらく固まっていたが、突然目から大粒の涙を零した。
「…ごめんなさい、ごめんなさい」
唖然としている僕から紙袋を奪い、女性は去っていった。
翌日。今日も曇天。
僕は昨日の事を考えていた。
あの女性は、あの後どうしたのだろう。
なぜ泣いてしまったのだろう。
僕が悪いのだろうか。
ぶつかってしまったのが悲しかった?
もっと僕が誠実で心優しい人物だったなら、
彼女を悲しませずに済んだだろうか?
そんな事を考えていると、近くで何やら声がした。
「さあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
商人ジーンは何でも持ってるよ!」
ロンリーズ・ストリートには珍しく、快活な声だった。
しかし、立ち止まる者は僕以外に誰も居ない。
きっと、皆は商人どころではないのだ。
自分のことで精一杯なのだ。
それでも僕だけは立ち止まり、彼に興味を示した。
「お、そこのお兄さん!何かお探しかい?
艷やかなリボンに目を奪われたかい?
それとも恋人へのアクセサリーかい?」
僕は商人が売っているものをじっと眺め、やがてあるものを手に取った。
「お、懐中時計に目をつけるなんていいセンスだねえ!どうだい?今なら半額にしようじゃないか!」
僕は金を渡し、懐中時計を買った。
「あ、待ってよお兄さん。今なら特別にラッピングしてあげるよ、無料でね!」
別に誰かへのプレゼントでは無いのに、綺麗にリボンでラッピングされてしまった。
はあ、変な商人だったな。
なんて考えていると、僕は見たことのある人を見つけた。
昨日の女性だ。
貼られたチラシをじっと眺めている。
「あ、あの…」
僕は思わず声をかけてしまった。
彼女はビクッと体を震わせ、
「あ、あなたは昨日の…」
と掠れた声で呟いた。
少しだけ気まずい沈黙が流れた後、
「あ、では…」と去っていこうとする彼女の腕を掴み、
「えっと…、今からお茶でもしない?」と、
気づけば僕の口が勝手に動いているのだった。
近くのカフェテリアでコーヒーを飲みながら話をした。
中は虚ろな目をしてコーヒーを嗜む人ばかりだ。
「ごめんなさい、昨日は何のお礼もせずに…」
「いや、僕が悪いんだ。ちゃんと前を観ていなかったから。」
再び沈黙が流れた後、僕は何を思ったのか
「あ、あの、良かったら、これ受け取ってくれない?」
と、さっき買ったばかりの懐中時計をプレゼントしようとしていた。
自分でも正直わけがわからない。
体が自分の意思に反して勝手に動いているのだから。
「え、なんで?」
「えっと…、昨日のお詫びとして。」
「…開けてもいい?」
「もちろん」
彼女はリボンをほどき、袋の中から懐中時計を取り出した。
しばらくはまじまじと眺めていたが、突然懐中時計を握りしめて泣き出した。
「え、どうしたの?」
「ごめんなさい、違うの、ただ、昔の事を思い出しただけ…」
そう言って彼女はある話を始めた。
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私の家は昔から貧乏だったの。
食べる物がなくて、いつもそこら中に捨てられているゴミの中から食べられそうなものを探していたくらい。
母は病気がちだったから、私が代わりに家事をしていたの。
父は夜警の仕事をしていたけれど、仕事をクビになってからは雑用係を任されるようになって、ますます生活が苦しくなった。
それで、父は次第に泥棒をするようになってしまったわ。
夜になったら近くのパン屋に忍び込んで、私たちの為にパンを盗んでくれた。
だけれど、ある時盗みをしているのがバレて、そのまま牢獄に入れられてしまったの。
私たちはとうとう食べるものもお金も尽きて、お母さんは死んでしまったの。
それから私はずっと独り。
必死に靴屋の仕事を頑張って、今はそれなりの生活を送っているけれど、それでも誰にも愛されなくて寂しいの。
この懐中時計、クリスマスの日にお父さんが買ってくれたものとそっくり。
お母さんが提案して、お父さんが頑張って貯金して、わざわざ私の為だけにプレゼントしてくれたの。
「ソフィア、僕たちからの贈り物だよ」って。
親方に取り上げられてしまったから、またそっくりなものを貰えて嬉しいわ。
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僕は彼女の話を聞いて、「孤独なのは僕だけでは無いんだな」と思った。
僕の口はまた勝手に動いた。
「次の日曜日、また会わない?」
それからというものの、僕たちは毎週日曜日にロンリーズ・ストリートで会うことになった。
ソフィアと話す時間が唯一の楽しみだった。
僕にとって、ロンリーズ・ストリートは素敵な場所になっていた。
そんな生活が2年ほど続き、僕はある決心を固めた。
彼女にプロポーズしよう。
しかし、照れ臭いしどうすればいいのか分からない。
どんな言葉が似合うのか、どんなシチュエーションなら良いか、全く分からなかった。
頭の中が混沌としたまま迎えた日曜日、僕は約束の場所に向かう道中に花屋を見つけた。
僕はふと目についたブルースターの花を買った。
「お待たせ!」
ソフィアと合流し、今日も灰色のロンリーズ・ストリートを二人で楽しそうに歩いた。
しかし、今日はずっとムズムズしていた。
いつプロポーズしよう。
ソフィアに振られたくない。
ずっと悩みに悩んで、それでも言葉は喉元でつっかえて出てこなかった。
15時ごろ。
ソフィアがお手洗いに行っいる間に2人分のコーヒーを買っておこうと思った。
「えっと、ホットコーヒー2杯で」
女性の店員さんはすぐにホットコーヒーを注いでくれた。
「あなた、彼女さんと一緒なのね?」
「ええ、まあ…」
「プロポーズは?しないの?」
「えっと…」
僕は上着に差しているブルースターを気にしながら言葉を濁した。
「…まさか、プロポーズする勇気が出ないの?」
店員さんの図星な発言に目を見開いた。
「あら、まさかそうなの?」
「…うん。」
「チャンスは待っていると逃すものよ。
幸せは歩いてこないんだから、自分から進まなきゃ。」
僕はその言葉に絶対的な心強さを感じた。
「あなたの幸運を祈るわ!」
ソフィアとコーヒーを飲みながら、僕は自らを鼓舞し続けていた。
愛されなかった自分が誰かを愛する覚悟を決めるということ。
その重みを心で感じ取っていた。
斜め後ろを振り向けば、さっきの店員さんがガッツポーズをしていた。
「あなたならできる」と口が動いているのを見た。
僕は頷き、ソフィアに向き合って言った。
「あのさ、」
「うん、」
「僕は愛された経験が無いし、誰かを愛したことも無い。」
「うん、」
「それでも、君を愛し続けて良いかな?」
「えっ、」
「君の人生に、ずっと隣にいても良いかな?」
僕はブルースターの花を差し出した。
ソフィアは震える手でブルースターを受け取った。
「…喜んで!」
ソフィアが僕に抱きついたその時、周りから拍手が聞こえてきた。
周りを見回すと、通行人が皆幸せそうな笑顔を浮かべていた。
僕たちは顔を見合わせて微笑んだ。
ロンリーズ・ストリートに、初めて笑顔が咲いた。
―――――――――――――――――――――
もう覚えている人は居ないだろうけど、
実は「ロンリーズ・ストリート」は正式名称では無い。
あだ名みたいなもので、いつの間にかそう呼ばれるようになっただけ。
本当の名前は
【ラビングズ・ストリート(Loving+s Street)】
すれ違い
すれ違うのはいつものことです。肝心なことを言えないから仕方ない、素直じゃないし。
私の場合、グチや悪態なら息を吐く様に出るんですけど、嫌な性格ですねホント笑。
寝れずにしんどくて、寝てもしんどくて熱はないのに頭が痛くてお腹まで痛い。何に対しても嫌気がさす。この歳で「イヤイヤ期」が来るなんて誰が想像したでしょう。怖いですねぇ。
鬱蒼とした毎日を吹き飛ばす様なことがあればいいのに。心を燃やす燃料が何一つないんです。ごめんなさい煉獄さん。
ファミレスのハンバーグもお花も美術館も今回ばかりは効果なかった。
昨晩の綺麗な霞月夜に提灯持ってうろうろと彷徨ってはみたけれど、目にしたのは私と思しき幽霊の影だけでした。
あ、最近ラーメン屋さん巡りしてます。入りにくくて敬遠してたんですけど、全然大丈夫だった笑。むしろ、優しくしてもらえる感じ。女のぼっちだから憐んでくれたのかな?
いつもと違うこと、今までやってなかった事をやろうとしてたら、それが半端ない量で。もう今更無理なんじゃない?って絶望感が溢れて鬱になりそう。もうなってるか。
見たことあります?
ラーメン食べながら鬱になりそうってグチってる幽霊。
ご興味ある方はこちらまで、ってあれ?これ前にも言ったような?
心も体もバグってる。
どなたか直せる方いらっしゃいませんか?我こそは、という方はどうぞこちらまで。
ん?何回目?
end
ささいなすれ違いから終わった愛が
あった、、、
恋ではなく愛だった
もう遥か昔の事だけど
今も心のすみに愛を想いだす。
#すれ違い
″すれ違い″
「あ、猫」
都会の方ではあまり見ない、塀の上でくつろぐ猫を見つけた。ぶっちゃけよくそんな硬いところでくつろげるなと思わんこともないが、まぁ日向だし心地いいのかな〜とか何とか考えたり。
「ばいばーい」
さっさと学校に行かねばならぬ。学生の本分は勉強だとか言われるが学生のうちにその言葉に納得できる人はほぼいないと思うんだよなぁ〜。
「あれ?また猫がいる」
珍しい。野良猫を見るだけでも中々ないのに塀の上の猫をまた見つけた。
「今日は猫に好かれてるなぁ」
「おーい…なんでだよ…3回目はもうおかしいだろ…」
また塀の上の猫だ。つか3回とも同じ猫じゃね?
「あ?ちょっと待て」
こんだけ歩いてるのに景色が変わらないなんてことあるわけないじゃんね
���������������
「あ、猫」
〈すれ違い〉
「今から会えない?」
彼女からのメッセージに気づいたのは、彼女が送ってから1時間も経過した時だった。
残業に追われてて、気づかなかった。
ストレスを溜め込みやすい彼女は、今回もきっと泣きながらメッセージを打ったに違いない。
彼女と付き合って3年と半年が経つ。
大学院2年生の時の進級パーティーで出会い、社会人になっても付き合い続けた。
ただ、院生活の時もそうだったが、やはり一般的なカップルとは違い、時間が取れず電話すらできないことが多かった。
大学院は大学とは違い研究指導者の下で研究を主に行い、より高度で専門的な内容を扱うため、最初の頃はついていくのに必死だった。
互いに社会人になってからは、彼女は精神科病院で公認心理師として働き、俺は企業での人事部門に入社した。
二人とも大学で心理学を専攻していて、俺はエスカレーター式で大学院に入学したが、彼女は外部からの受験だった。大学院での専攻は違うが、同じ心理学の中に存在する分野を扱ってるため、何となく相手の話は分かる。大学では一通り学んでいたから。
彼女は大学院時代からいつも言っていた。「自分のように悩みを抱える子どもの支援に携わりたい」と。どちらかというと彼女は臨床、現場での仕事に携わりたいと考えていて、俺は研究者の方が自分では向いてると思った。そもそも同じ心理学を専攻していたが、学ぶきっかけが違ったのだ。
彼女は辛い学校生活を支えてくれたカウンセラーに憧れを抱き、心理学を目指した。
一方で俺は、自分の知的好奇心を満たすために心理学を目指した。具体的に言えば、例えばAさんが恋人のBさんを殺したとする。BさんはAさんに別れを切り出したが、Aさんが中々首を縦に振らず、Bさんは数年に渡りAさんによるストーキング行為に悩まされた後、殺された。一般的な考えでは、「Aはなんて酷いことをするんだ!」や「Bさんがあまりにも可哀想」などその事件の背景について知りたがると思う。
ただ、俺はAさんやBさんの心理的な背景を知りたがっていた。
AさんがBさんを殺すと決めて、計画を立てている時はどのような感情だったのか?
そもそもAさんの認知の歪みはどこから来ているのか?
BさんはいつからAさんの歪みに気づいたのか。
そういう事ばかり考えていた。
そして、自分の疑問を晴らしてくれるのがたまたま心理学だったというわけだ。
方向性は違えど、共通点もあったし似ているところもあったのでこの3年半やってこれたと思う。
ただここ最近は少し、俺たちの関係性が変わってきているように感じる。もしかしたら、それは俺の思い違いだと良いが、彼女の仕事に対する姿勢が変わっているのは誰の目から見ても明らかだ。
「逆転移」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
心理学を専攻している人や齧ったことのある人なら知っていると思うが、カウンセラーがクライエントに対して、特別な感情を抱くことを指す。例えばクライエントがクラスメイトからイジメを受けていることについて相談したら、カウンセラー自身がイジメを受けたことがあり、過度に同情してしまい、依存関係のようなことになりかねない。もしくは、カウンセラー自身が過去の辛いイジメの記憶が呼び起こされ、カウンセラーがクライエントになるケースだってある。
心理学とは人間の心を扱う学問であり、講義や実習で、クライエントとの距離感については厳しく言われてきた。しかし、カウンセラーも人間だ。逆転移が起こるのは自然な現象だが、それがクライエントにとって良くない影響を及ぼしたり、カウンセリングの意味を失くしてしまうようであれば、即座に別のカウンセラーに担当を渡す。しかし、大抵カウンセリングは密室で二人きりのことが多い。同僚や後輩の違和感に気づけるのか不安だ。特に彼女のように自分のような人を助けたいと思う人ほど逆転移が起こりやすいのではないかと俺は考える。
真面目で人一倍傷つきやすく、人との距離感を上手く保つのが難しい彼女は、言い方は悪いが、公認心理師を辞めるべきだと思う。彼女にとっても、彼女が担当しているクライエントにとってもそれが最善だと最近、思う。
ただ、それを言い出せる勇気もない。
こっちにおいで!
なんて、声をかけて、
微笑みながら
こっちへ
でも気になるものがこの世の中には
たくさんある
だからそっちにいく
それはそれでいいものだと、思いたい
悲しいすれ違いだが幸せなすれ違い
今日はここまで、
ただ君が好き過ぎたから
どうしても離したくなかったの
ずっと
「ごめんねばっかで もう聞きたくないよね
自分の事しか考えられてなかった
愛のすれ違いってこんなに辛いのね
もう二度と君には会えない」
これしかないな
わたしはね
すれ違いって見てこれ出てきた
〜すれ違い〜
わたしのもやもや
あなたのもやもや
同じタイミングでも
思いや気持ちはすれ違う
気が合うのか合わないのか
周りから見れば
ただの仲良し
当事者からすれば
ただのいらいら
すれ違わないよう
気持ちは伝えましょうね
貴方と廊下ですれ違う度にあっ!となる僕の心
会えた!と思って心はとても喜んでるけれど
バレないようにそっと目を合わせるだけ
大丈夫だよね…舞い上がってるのばれてないよね…
前に居たら驚かせたくなるけど我慢我慢…