『こんな夢を見た』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
こんな夢を見た。酷く懐かしいのに、見覚えがない。そんな風景の中に一人佇む夢だ。
空が高い。風は我が物顔で吹き遊びながら、木々をゆらゆらと踊らせる。遠くに見える家々は、自然を拒みながら、その実、飲み込まれないように必死で抵抗しているかのように、人工光を纏っていた。
ここにいたい。いたらいけない。
早く、家へ帰らなければ。
宇宙を歩く
薄靄を押し除けて
夢の奥で
沈む 遠く 深く
無重力を泳いで行く
天使の羽が突き刺さる
夢が今、永遠になる魔法で
やがて意識が溶けてゆく
・・・目が覚める。
夢を見ていた気がして、ぼーっとしていたが、カーテンの隙間から射す光の強さが気になった。
・・・・・・・・・
時計!
9時5分!
遅刻だ!
慌てて飛び起きるが、あたふたして体が言うことを聞かない。
どうしたっ、焦るなっ、どんな夢見たっけ、
そんなことはあとだ!
焦れば焦るほど、その場でジタバタするだけで一向に準備が進まない。
あーーーーーーーーーーっ!!!
・・・目が覚める。
慌てて時計を見る。
6時5分だった。
僕はほっとして二度寝した。
#9 『こんな夢を見た』
片思いと決めた彼と一夜だけ
こんな夢を見たとは言えない
目を覚ましてからも顔の火照りが取れなかった。何て夢を見たものか。素肌同士の感触がまだ全身に残っているようだった。出会った頃から片思いと決めた彼と、どんな顔をして会えば良いだろう。そうこうしているうちに、スマホからアラームが鳴った。覚悟して私は彼の待つゲームアプリを開いた。
お題:こんな夢を見た
「久しぶり」
昔と変わらない涼しげな笑みを唇に浮かべる彼が覗き込んできて、私は思わず目を見張った。次いで、慌てて耳に嵌めていたワイヤレスイヤホンを外す。
「葵くん……だよね?」
「そうだよ。忘れちゃってた?」
「そんなわけないよ!だって私は……」
ずっと、あなたに会いたかったんだから。
感極まって言葉の出ない私を尻目に、彼は軽やかな動作で私の隣に腰掛けた。
車両はガラガラで、車窓から差し込む夕日で温かな橙色に染まる電車の中には、私と彼の二人しかいない。
「いろいろさ、話したいことあるんじゃないの?会うの、すごく久々だし」
「うん……うん」
「あは、泣いてんじゃん」
「うん……ごめん」
「いいよ。……あ。手、繋ごうか」
膝の上で固く結んでいた私の拳に、彼がふわっと手のひらを重ねる。
その手は信じられないほどに優しくて、温かくて、愛おしさに溢れていて、私の涙はますます勢いを増した。
「……っあり、がとう。会いに来てくれて……」
嗚咽混じりに精一杯言葉を絞り出すと、彼は猫のような目を細めて微笑んだ。
「約束したじゃん。夢の中でも会いに行くって」
「うん……」
電車はずっと緩やかに走り続けていて、私の涙はやっぱり止まらなくて、彼の手のひらはいつまでも慈しみに満ちていて────。
ああ。
お願いだから、夢、覚めないで。
こんな夢を見た。
物を大切にして 丁寧に 長く 長く 使う夢。
目を覚ますと 散らかった服
片付けるのが面倒になった通販の ダンボール
こんな夢を見た。
自然の恵みを 自分の手で手に入れて
ジャムを作る夢。
目を覚ますと 昨日の 残りもの
片付けるのが面倒で 洗ってない食器
こんな夢を見た。
自分らしく生きるために 賢くお金を 貯める夢。
目を覚ますと 本当に欲しいものか 分からないまま
買ってしまった物たちが そこにあった
どうやら 夢ばかり見ていても 夢の通りには
ならないらしい
とりあえず 洗い物でもしようかなぁ
こんな夢を見た
誰かに追いかけられる夢は、よく見る。
大体、逃げているのは、校舎の中で。
一度捕まると、昇降口に戻されて、また追いかけられる。
追いかけてくる人の顔は見えなくて。
でも、決して怖いわけでもなくて。
あれ?私は何回捕まったんだっけ?
そもそもこれは、夢なんだっけ?
そんなことを考えて足を止めていたら、また肩を叩かれた。
ああ、また最初からか。
眠ると夢はよく見るけど、大抵内容は忘れている。
でも夢をみたことだけは覚えていて思い出せないのがもどかしかったりする。
そんなのは私だけかな?
こんな夢を見た
全てが私の思い通りになってしまう夢
なんてつまらない現実
なんて面白みのない事実
なんて刺激のない生活
を
目の当たりにした
人間
面白いを実感する時は、知らないことを知った時
できるを実感する時は、それが普通になった時
が
一番人間らしく生きている気がする
未知が人間をさらに高める香辛料みたいだ
――たぶん、夢を見ていた。
とても温かい場所にいて、辺りには何もない。
がらんと、すべてが白くひらけた場所だった。
地表も白くて何かの跡のような、隆起なのか陥没なのかはっきりしないものがところどころ足もとに現れている不思議な場所だ。
でも美しいと思った。
何もない、白くぼやけた空間なのに、とても美しいと。
その、淡く柔らかな空気が全身を包みこんで温かい。見上げると、空から音もなく何かが降ってきている。
濡れることは無かったが、その雫のようなものが周りに落ちて地面に染み通っていく。時折、地表に薄く浮かぶあの跡のようなものと結びついて、いっそう濃くなる。あの雫は何処からきて、何処へ還るのだろう。そんなことを思いながら地表を眺めていると、視界の端に見慣れた靴が映る。
彼はすぐ近くにいた。顔がすぐそばに。けれど逆光なのか、表情がよく見えない。口元だけがかろうじて見て取れる。
その唇が、ゆっくりと弧を描いた。
意味もわからず胸がキュッと締まって、それから奥深い場所からじわじわと温かいものが染み出してくる。
ああ、笑ってる。笑っている。良かった。
#こんな夢をみた
『こんな夢を見た』
「ねぇねぇ、聞いて!今朝ね、久しぶりに夢見たの。」
二人で昼休憩に外へ出て、注文した青椒肉絲が来る前に、彼女が嬉しそうに話し掛けてくる。
「どんな夢?」
「あのねぇ、好きな俳優さんと街で偶然会ってね、ファンなんです~!とか話してたら、彼の出してるお店に連れてってくれて、Tシャツとかグッズ買っちゃった!」
「グッズ買わされたんだ。」
「いいじゃん!すっごい嬉しかったの~」
いつになく幸せそうに目がとろけている彼女の夢にちょっと嫉妬して、俺は茶々を入れる。
「俺は出てこなかったの?」
「うん。出てこなかった。起きてもすごい幸せ気分だった。」
「ふーん。」
「ねぇ、最近なんか夢とか見た?」
「俺?君の夢なら見たよ。」
「えっ、嘘。どんな?」
「内緒。」
「え~、なんでー。」
「エッチな夢。」
「なにそれ。ただの欲求不満じゃん!」
「そうかも。」
「もー、やらしい~!」
「でも、幸せだったよ。」
「なんか変なことしたんでしょー!」
ふふっと笑ってごまかした頃、青椒肉絲が到着する。彼女はすぐにご飯モードになった。
「いただきます!」
本当は、エッチというより、彼女が可愛くて可愛くて堪らないという幸せな夢だったけど、恥ずかしいので俺の心の中だけに留めておくことにする。
お題:こんな夢を見た
僕は薄暗い細い路地を走っている。
えも言えぬ焦燥感がこみあげて無我夢中で走る。
息が上がってる。なのにあの肺が焼けそうな感覚がない。
不思議と走り続けることができる。
何から逃げているのか。そんなの決まってる。
僕を殺そうと、殺人鬼が追ってくるのだ。
だから必死に逃げる。
逃げるのだが……
結局追いつかれたのか覚えていないまま目が覚める。
今日の夢の話を終えたところで彼女がテレビから僕に視線を向けた。
「その夢、よく見るの?」
「よく……ではないけどそこそこ見るかも。」
「よく精神的に追い詰められてる時は追いかけられる夢見るって言うよね。」
コーヒーを飲みながら呟くように言う。
「追い詰められてるかぁ……」
「まあ確かに私の誕生日近いし、プレッシャーに感じてるのかも?」
その一言で、僕がまさにくちづけたカップが見事に停止する。
この反応じゃ忘れてることはバレてそうだ。
観念するように恐る恐る視線を向けると、彼女はイタズラっぽい笑みを浮かべ
「期待してるから。」
と言った。
バイトは……もうシフト入れちゃったから増やせないよなぁ。
「逆に追われる夢見たことないの?」
話を逸らそうと夢の話を振ってみた。
すると彼女は少し苦々しい顔をしながらあるよと言った。
「昔、1人で帰ってた時にさ。刃物持った男に襲われたの。怖くってさ。動けなくてもう死んじゃうって時に、男の子に助けてもらったんだ。」
明後日の方を向きながら彼女は言う。
「でもね、その男の子死んじゃったの。」
彼女は舌をべっと出した。
関連:逆光
君が私のことを好きって言ってくれる夢を見た。
私の想像夢か、君の考えが現れた夢か、
君が私の事、考えてくれてたらいいな。
お題〈こんな夢を見た〉
今日は月曜日、なんだか気分が重い曜日だ。だけど…今日はそうでもない。ちょっといい夢を見れたからだ。あの食べたくても食べられなかったケーキを口いっぱいに頬張る夢だ。仕事帰りにふらっと寄った百貨店でみたケーキがだいぶ印象に残っていたんだなぁと我ながら苦笑してしまう。そろそろ給料日だし今度は奮発してあのケーキを買おうかな…
今自分が抱えている
身体も世界も関係も
全てが崩れ落ち濁り飛び散って
残った最後のひと欠片に吸い込まれた
僕の心が過去現在未来を通り過ぎて
その先の光とも闇とも言えない何かと
混ざり合って眩しく輝いた最後に
僕一人だけがぽつんと突っ立っている
こんな夢を見た
『こんな夢を見た』
こんな夢をみた。
蔓が延々と伸びている、暗い森の中を裸足でひたすらに歩いていた。
10分経ったか、1時間経ったか。
ひたすら、ひたすら歩いていた。
何かを探していたのか、それとも何かから逃げていたのか。
わからないまま歩き続けた先に白い小さな家があった。
現実ではとても見かけないような、真っ赤なドア。小さな窓。
窓の向こうでは何かが蠢いている。
(覗いてはいけない)
本能がそう囁いていた。
そういえば、いつか読んだ本にそういう話があったな。
きっと覗いた瞬間に夢が醒めるのだろう。
窓の中をそおっと覗く。
夢は醒めない。
あれ、なんだかデジャヴ…?
こんな夢をみた。
蔓が延々と伸びている、暗い森の中を裸足でひたすらに歩いていた。
10分経ったか、1時間経ったか。
ひたすら、ひたすら歩いていた。
―こんな夢を見た―
塾の帰り道、信号待ちをしていたら、
丁度道を曲がるところだったトラックの
死角だったらしく、前輪に撥ねられた
こんな夢を見た
起きたら威圧感のあるカーテンに
囲まれた白いベッドに横たわっていた
しばらく、夢の内容を思い返して、
ぼーっとしていた
何十分、いや、
もしかしたら1時間経ったかという頃、
シャッと開かれたカーテンの隙間から
看護師らしき人が来て、
健康状態やらなんやらを聞かれた
答えれる範囲の質問に答えていき、
看護師さんの質問が途絶えたところで
ポカンとしていると、何を思ったのか、
「ところで、
事故についてのことは覚えてますか?」
と聞いてきた
『…なんのことですか…?』
看護師がそんなことを聞いてくる
ということは、
その事件とやらのせいなんだろう
病室みたいなところに寝かされてるのは
特に身に覚えはない…
その時に、夢の内容がフラッシュバックした
「覚えていないみたいですね
…んー、話しておきましょうか
実はですね、」
それから、看護師さんに事件の話を聞いた
信号待ちをしていたところ、
丁度道を曲がるところだったトラックの
死角に入っていたせいで前輪に撥ねられ、
救急車で運ばれたそうだ
『え…』
こんな夢を見た。
見覚えのない住宅街。美しい星空。白い息を吐きながら立つ自分。辺りに人の気配はない。
____電柱。上方には光に群がる羽虫。側面にはこども110番の家、と書かれた旗。今度は足元を見る。乾いたアスファルト。辺り一面ムラなく真っ黒できれい。マンホール。雨でも降っていたのだろうか、溝に水が残っている。
………目覚めてから気付いた。この夢はおかしな事ばかり起こっている。電柱は街灯じゃない。だから電柱を見上げても、その横に何らかの明かりがない限りは電柱の上方で光るものは無いし、当然そこに虫が群がることもない。そもそも、白い息が吐けるほど寒いなら虫は現れないと思うのだが…。そしてこども110番の家の旗は、対象の家を示すものであって、電柱に貼るものではない。張り紙じゃあないんだから…。マンホールが濡れていてアスファルトは乾いているなんて、自然現象の作用では有り得ない。一面真っ黒って…住宅街の広い道は路側帯などが白線で描かれているだろうからそんな場所があるとは思えない。その上、住宅街の道路なんて鳥のフンやポイ捨てされたタバコなどが落ちているものではないだろうか。
…とまあ、そんなことがあっても、目覚めるまで全く疑問を抱かないのが夢なのだ。
きっと誰かにこんなことを話せば、夢ってそんなもんだろう、と一蹴されるだろう。確かにその通りだ。以前どこかで聞いた話によると、人間の脳は、眠っている間に記憶の整理を行うらしい。その最中に引っ張り出された記憶と最近の記憶が混ざってこんなおかしな夢を見たのだろうか。
カーテン越しに朝日を浴びながら、布団にくるまったままぼんやりとそんなことを考えた。ふと手に取ったスマホの黒い画面に映った自分の髪は…爆発していた。最悪だ。
ニ○リで買った遮光カーテンを開け、少しだけ日向ぼっこ。このまま放置すれば布団はおひさまの匂いになるだろうか。なんて考えながら立ち上がって朝食の準備をすることにした。トースターから食パンを出し皿に乗せ、机に運ぶ。こんがり焼けている。隣にコップを置いて、いただきます。
ちなみに自分はマンションで一人暮らしをしている。だから先述のようなことがあってもすぐに話せる相手がいない。正直ちょっと寂しい。が、これはこれで快適だ。
洗面所で顔を洗い歯を磨き髪を軽く整える。習慣化すると手早く済ませられるようになって、ちょっと気分が良くなる。特に髪は、手櫛で十分きれいに整うので楽だ。今日もいつも通りこれらを一瞬で済ませ、服を着替える。そして、玄関のドアを開けて「いってきまーす」と言うと「いってらっしゃい」と奥の部屋から母の声がした。
そういえばもうすぐ母の誕生日だ。今年のプレゼントは何にしようか。もう社会人だし、ちょっと高級な……そうだ、メガネとかどうだろう。
……玄関で長考してしまった。これでは、いってきます詐欺だ。何だそれ。自分にツッコミを入れながらドアを開け、鍵をかけ、家を出る。ドアの向こうには、きれいと思えるほど真っ黒なアスファルトが、辺り一面に広がっていた。
…デジャブ。つい最近どこかで見たような。
「あ」
_____自分は、そこでやっと気付いた。
星がすぐ抱えられる距離にあって、
白いふわふわの雲の上に乗っている。
あたりはピンクや白の明るい雰囲気で、
あれは多分天の川だった。
今、思うとメルヘンチックな天の川だなあと
微笑ましい気持ちになる。
これは、小学生のときに見た夢。
小学生ならではの、発想力が夢に出ていたん
だろうなと思う。印象的で、心地よかったから
もう一度みてみたい。
「こんな夢を見た」
『こんな夢を見ました』
こんな夢を見ました 私は蜂の赤ちゃんで星形の部屋で眠ってた 他にも星形の部屋がたくさんあるけど誰が眠っているかはわからない そもそも私はそこにいけない 私は私はだけの星形の部屋でブラック労働蜂が持ってくる何らかの虫の脚だとか翅だとかをくちゅくちゅ食べる 黄色いげっぷをした時に漂うは蜜の匂い その匂いに包まれて気づけば朝の6時です ああ、
ハニートーストが食べたいな