『これは失恋の物語。はじまりは、星が輝くレストランにて。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『再会』
待ち合わせは
懐かしい街の 懐かしい場所
一年半ぶりの再会
僕は 待ち合わせ場所に向かった
※ ※ ※
大学を卒業したら語学留学に行こうと決めた
オーストラリアへ1年間
語学と サーフィンをしに
実は
ずっと 海外へ行ってみたいと思っていた
夢は 待っていても叶わない
叶えるためには 行動すべし!
そんな僕の隣には いつも彼女がいた
気づいたら いつも隣にいた
付き合ったつもりはないけど
たぶん きっと そんな関係
嫌いじゃない でも 実はそんなに好きでもない
このまま結婚……とかは
正直 考えられない
こんなこと
本人には 言ったこと無いけど
彼女は いつもニコニコしていた
僕のとなりが好きだといっていた
海に連れていくと
砂浜に乗り入れた 車の中で
何時間でも 待っていてくれた
つまらなくないの?と聞くと
「見ているのが好きだからいいの」
可もなく 不可もなく
正直に言えば 都合が良かった
大学も卒業が近づいて
僕もアパートを引き払う日が近づいてきた
毎日 少しだけ 彼女は寂しそうに見えた
だけど僕は
これからの生活の方が
楽しみで 仕方がなかった
アパートで過ごす最後の日
彼女は僕にプレゼントを持ってきた
「これ 使って」
それは僕がずっと欲しがっていた
カメラだった
「うわ!マジで?ありがとう!」
防水機能もついている デジカメ
前に電気屋で見て 欲しいなぁとつぶやいた
でも 高かったから手がでなかった
それを彼女は覚えていてくれた
僕らはその日 いつも行く定食屋で
最後の夕食をとった
僕はいつものハンバーグ定食
彼女はいつものチキンドリア
小さな定食屋だけど 学生が多いからか
安くてボリュームがある
「なんだい 最後なの?まだございん!」
おばちゃんがニコニコしながら肩を叩く
僕たちは満足して店を出た
店から出ると
目の前には 街の夜景が広がる
僕の大学は街中から少しはなれた
小高い山の上にある
だから 夜景がとてもキレイに見える
「キレイだね」
「こっから見える夜景は最高だよ」
「また 見たいな……」
「見に来たらいいさ」
僕は 彼女の少し悲しそうな顔を
見て見ぬふりをした
「じゃあね!元気で頑張ってね!」
彼女が言う
「おう!向こうに行ったら メールする」
「気をつけてね!」
「元気でな」
「私 ……ちゃんと待ってるね!」
「……いや ……待たなくてもいい…… いいからね……じゃあね~!」
「………」
僕は 逃げた
逃げるように その場を去ったんだ
何もなかったかのように
二人で過ごした時間なんか
嘘だったかのように
僕は その街を後にした
※ ※ ※
オーストラリアでの時間は
あっという間だった
うまく 言えないが 激動
最初は言葉もわからず
ただ ただ 勢いで動いていた
ホームシックにはかからかったが
少しだけ 日本が 懐かしく感じた
そして……彼女を 懐かしく感じた
メールするとは言ったけど
月に1回程度のやりとりと
僕から絵ハガキを1枚送っただけ
それでも 彼女からは
いつも長い文章と
僕を待つというメールが届いた
なんとなく 嫌な気持ちはしなかった
そして 1年半が過ぎて
帰国が決まり
僕は母校の お世話になった先生に
挨拶をしにいくため あの街に行く事にした
そして 僕は彼女にも その連絡をした
『良かったら 学校の近くの
あの定食屋で飯でも食べない?』
そう メールに書いた
『喜んで!楽しみにしてるね!』
彼女からの返事を
当たり前のように読んで
僕はパソコンを閉じた
※ ※ ※
懐かしい街は 変わっていないようで
変わっていた
知っていた お店が無くなっていたり
新しいビルが建っていたり
1年半って 結構長いんだなと
改めて思った
彼女との待ち合わせは 懐かしい場所
僕は 少しだけ 緊張して
待ち合わせ場所に向かった
あの 定食屋はまたやっていた
1年半でつぶれるような店じゃない
「いらっしゃい~ あら? あれぇ!元気だった~?」
おばちゃんが覚えていてくれた。
席に案内されて 座ると
すぐに店の扉が開いた
「こんばんは~」
あれ?
あぁ、彼女だ……けど……
なんだか雰囲気が違う
「あ!いたー!ごめんなさい。遅れちゃった」
「いや。いいんだけど……」
「久しぶりだね!元気だった?向こうは楽しかった?」
話し出すと 変わらずに彼女だとわかる
僕はなんだか急に嬉しくなった
彼女は可愛かった
違う『可愛くなっていた』
たぶん 痩せて 髪型も変わり 雰囲気が
全く変わっていた
そのくせ 話す内容は昔と変わらない
僕は どんどん 彼女に惹かれていくのがわかった
彼女はニコニコしながら
僕の話を聞いてくれる
どんな話でも 頷いて 笑って聞いてくれた
時々 笑うと 耳のピアスが揺れた
ピンクのさくら貝が 揺れている
やわらかく ウェーブがかった髪と
よく似合う
「なんか……雰囲気 変わったね」
「そうかな?たぶん 楽しみにしてたからかな?」
また コロコロと笑う
「ねぇねぇ そう言えば 私があげたカメラ 役にたった?」
「え?あぁ 実は壊れちゃってさ 」
「え?そうなの?」
「うん 向こうで 壊れちゃって 捨てちゃったんだよね」
「捨てたの??やだー」
「壊れたやつ 持ってても仕方ないじゃん」
「それはそうだけど……」
一瞬 ほんの 一瞬
彼女の顔が曇ったように見えたけど
また すぐに笑顔になった
「でも 一応……使えてたなら いいかっ!」
僕らは
変わらないハンバーグ定食と
チキンドリアを食べ
店を出た
店を出ると 相変わらずの夜景
街の光を堪能できる
彼女の隣を歩く
自然と 彼女の手を握った
その瞬間
びっくりしたように 彼女は僕を見た
僕は彼女に言った
「ね?この後 もう少し話さない?
僕が撮ってきた向こうの写真見せたいんだ」
彼女はしばらく黙って考えてから
僕が繋いだ手を ゆっくりと離した
「……ごめんね」
「え?」
意外な答えに 僕は耳を疑った
「ごめんね。行けないや……」
「なんで?え?どうして?
あぁ そっか もしかして彼氏が出来たの?」
「……違うよ」
「じゃあ……どうして……」
「………好きじゃない……かも」
「え?」
僕は 固まった
「なっ えっ?……」
「わたしね 知ってた
別に 私たち付き合ってたわけじゃないんでしょ?私は彼女じゃない 一方的に私が好きだっただけ……」
「……」
「ずっと ずっと 待ってた 1年以上
次 あなたに会えた時のために いっぱいいっぱい頑張った……」
彼女は 泣いていた
「ずっと ちゃんと 私を見て欲しくて 頑張って 努力して あなたに ちゃんと見て欲しくて……」
「……見てる ……見てるよ!」
「違うの! ごめんね
今日 会うまで あなたに会うまで あなたのことが 誰よりも好きだった!
でも 今 気づいたの 本当は……もう 好きじゃないのかもしれないって」
「………」
呆然とする
「ごめんなさい」
「………」
「あなたがくれたの このさくら貝 覚えてなんかないでしょ?私 嬉しかった
だからピアスにしたの 忘れたくなかったから……可愛いでしょ?でも そんなの気づきもしない」
「……あ、あぁ」
「あなたは わたしの 全部だった だから あなた好みの女の子になりたかった」
「そんなの……」
「でも あなた好みの女の子になったところで あなたはあなたのままだもの……」
わかるよ……わかるよ……
言いたいことは よくわかる
今までの 全てのツケが回ってきたんだ
「……つまりは 僕はフラれるってことだね」
「……」
「なるほど そりゃそうか ひどい男だったからな わかる」
「そんなことは………ない……」
「……ごめんな」
「ごめんなさい……」
彼女は 深く深く 頭を下げた
「……失恋したわー」
僕は 空を見上げながら言った
思った以上に 星が綺麗だった
「フラれたー やらかした 自分のこと好きな子にフラれるとかって最低な奴だな バカだ ……ごめん 本当にごめん」
僕は もう一度 彼女に向き合った
「ごめん 一回 ちゃんとフラれるわ」
「え?」
「そして もう一回 チャンスをください」
「どういう意味?」
「ちゃんと告白する その時に答えください」
「でも……」
「わかってる その時にもう一回振ってくれてもいい」
目が覚めた
悪い夢を見てたんだな
こんなにも こんなにも想ってくれて
必死になってくれていた子を
僕は ちゃんと見ていなかったなんて
「これは 幸せな失恋だよ バカな男だ」
ふふっと笑う
彼女もつられて 少し笑う
「……また 連絡していいかな?」
「……いいよ 返事するかは わからないけど……」
「もちろん いいよ それでも 僕は……
……また君と 出会いたい」
次は 同じことは繰り返さないよ
夜景しか見ていなかったけど
空を見上げると 星が沢山 瞬いていた
そうさ 見上げなかったら
気づかなかったんだ
そのまま気づかないなんて
ひどいじゃないか
あんなに 瞬いているのにさ
スタートラインはここ
夜景と満天の星降る場所からだ
星が輝くレストランの1番景色が見える席、目の前には緊張した面持ちのあなた。
「僕と、付き合ってください」
真っ赤な顔で一生懸命思いを伝えてくれるあなたが愛しくて。告白の場というには大それた所、まるでプロポーズのような雰囲気に胸が高鳴ったのがはじまり。
それからは怖いくらいに幸せで。手を繋いだり、触れ合って生まれた温度から幸せが滲み出す。その幸せに触れる度に「この人とずっと一緒にいたい。」と思った。
でも、人は変わっていくもので。
星が輝くレストラン、1番景色が見える席。
この関係を始めた場所で残酷にも終わりを告げるあなた。勝手すぎやしないかと思う反面、謎の律儀さに感心する。
落ち着いたクラシックが頭に響いて。必死に「こんなやつと別れられて良かった」と自分に言い聞かせる。
窓の外には無数の星。
目の前にはもう誰もいない。この涙を拭ってくれるあなたはもう居ない。
『これは失恋の物語。はじまりは、星が輝くレストランにて。』
ここで始まり
ここで終わった
恋だった
あなたが好きだった
星が輝くレストランで
私は
あなたが好きだった
星が映えるようなワインを
一人で飲むのよ。
あなたはそうね。。
どの星になっているのかしら。
私は星を眺めながら
ひとつの星を流した。
「好きだよ。」
その一言すら言えずに、
星が輝く空の下、
君と最後のサヨナラを交わした。
零した涙と共にこの想いも、
消えてくれたらいいのに、。
そんな欲張りなことを願いながら、
今日も僕は叶わぬ恋をした─
________________________
“これは失恋の物語。はじまりは、星が輝く
レストランにて。”
________________________
2022/06/04 No.1
星が輝く場所なら
このままこの時間が終わりませんように
この願いを叶えて欲しい
舞華
これは失恋の物語。はじまりは、星が輝く
レストランにて。
突然こんなことを言われた。
『別れよう』
『どうして?私に悪い所があったなら直すから別れようなんて言わないで』
『違う。そうじゃなくて...』
『じゃあ、どうして?』
『他に...好きな人ができたんだ』
これは失恋の物語。
はじまりは、星が輝くレストランにて。
その場所は、どこよりも星が綺麗に輝く場所。
そこへ行けば誰もが星を眺めてしまう。
とても、ロマンチックで綺麗な場所
ある日、その場所にレストランができた。
最初、誰もが批判した。
『綺麗な場所なんだから台無しにするな』や
『はやく無くなればいいのに…』と。
しかし、その言葉は今では無くなった。
なぜなら、そのレストランは不思議な程に
『星』を一際輝かせていたからだ。
話は変わるが、あるところににそのレストランで
働くことを夢とするある少女がいた。
その少女は星をこよなく愛しており、
本当に『星』を輝かせることができているのか、を
自分自身が働くことで確認しようとしているようだ。
その少女は誰よりも星を愛していると思っていた。
だが、そんなことは無かった。
ただ一人だけいたのだ。
少女と同じくらい。いや、少女でも勝てない程に
星を愛し、星をより輝かせ、魅力を伝えることを夢とする
ある人が。
少女はその人と会うこととなる。
そして次第に少女は惹かれていく。
その人はあまり意識していないように見えるけど…
なぜなら、
良くも悪くも『二人』は繋がっているから。
そのことをその人は知っている。
少しだけ他の人とは違う、失恋の形。
これは、それをみれる少しだけ特別な物語。
「愛してる」と何度も伝えてくれたのに、
不器用な私は何も返せなくて、
私の気持ちが追いついたのは、
あの人が旅立った後でした。
だから今夜は、空の見えるレストランに
最初で最後のデートに行きます。
あの空の輝きのどれかが
あの人であると信じて。
君の目を見ると言葉が溶ける
好きだと認めたくなくて友達のフリをしたんだ
帰り道また明日って言いたくて、君に会える明日を望んでいる
叶わない恋ではないけど叶える自信もない
こんな女々しい僕はいやだろうな
こんな女々しい僕はいやだ
好きだって言って砕け散って
泣いて爆音で歌を聴く
好きだって言ったら君はどんな
顔するのか怖くて今日も
まるで淡い月のように
儚げに微笑む
君に魅了されていった。
そう
すべてのはじまりは、
星が美しく輝く
夢幻の世界のようなレストランでの事
他愛の無い話をしたね
“どんなアーティストが好きか”とか
“こんな美味しいものが食べたい”とか
“いつか2人でこんなところに行ってみたい”、とか。
だけどそれは
全部ぜんぶ
叶えられないのが
僕には悲しい
だって君は
もう僕の傍らには居ない
今、
星の降るようなレストランの窓際にひとり
別たれた君を想い
静かに月を見上げる
これは在り来たりな
小さな失恋の物語。
#これは失恋の物語。はじまりは星が輝くレストランにて
終わりが見えてる物語ほど変えたいと燃える
ティラティラと星が輝く店にて会ったとある2人の男女のお話。
キラキラではなくティラティラと輝く店を。
俺はとあるレストランに食べに来た。
ニュースで有名だと言ってそれに流されて食べに行く訳では無いが、友人が「食べに行こう」とうるさくて、嫌々来てしまった。
あまりにもティラティラしてて、目が潰れそうだ。
豪華な料理が並ぶ。思わず唾を飲んだ。
並んでても分かる距離の料理。部屋の奥から料理の匂いが届く。とてもいい匂い。
―――ただ、眩しい。目が潰れそうなほど。
ようやく順番が来た。人が多いと少し大変だな。
忙しく働くレストランの店員。
「どうだ?ここいいだろ」
「人が多くて大変だな」
「違いねぇ」
「おれはパスタを取りに行ってくる」
「りょ」
りょは、了解という意味。
ミートソースパスタが大好物だ。それを取りに行くと、隣に来た女性に一目惚れした。
いや、早いとは思うが……あまりにも美しかったもので……
「あの、」
「あ、先でしたか?」
「いえ、あの、……とてもお綺麗ですね」
「うふふっ、ありがとうございます」
笑った彼女の顔が、とても優しかった。
整った顔に、ティラティラ光る髪。おれは文字通り、「開いた口が塞がらない」という状態になった。
「あの、大好きです……」という言葉が出てしまったが、すかさず「パスタ」を付け足して誤魔化した。
「あぁ!私も大好きですよ!パスタ!美味しいですよね」
ニコッと笑う彼女の笑顔は、無邪気な子供みたいでした。
「はい、ではまた縁がありましたら……」
「はい!またお会い出来たら!」
おれは、パスタを食べたあと、店を後にし帰宅した。
友人に、「なんか恋したか?」と聞かれた。
「いや、別に何も無かった。ただ、パスタが美味かった。」
澄まし顔で嘘をついた。
「なんじゃそりゃ。でもまぁ、お前らしいな!」
そう、何も無かった……おれは、そう思い込むしか無かったのだ。おれには、彼女に釣り合う程の何かを持っていないのだから、忘れよう。
これは失恋の物語。はじまりは、星が輝くレストランにて。
不在着信。不在着信。不在着信。
履歴には沢山の私が居る。
電話に出るまで
掛け続けた、私が居る。
不安で仕方がないの、眠れないの、
常に貴方の声を聞いていたいの。
最初は、毎日でも通話しよ、って
言ってくれたのに…… 今では他の
グル通に上がってばかりだね。
で、貴方は言うんだよ、グル通で話してる
んだからいいじゃんって、違うよ、良くないよ。
2人きりで話したい事だってあるじゃん。ばか。
by恋愛の迷い子
ここのレストランは彼女と出逢い、別れを告げられた場所だ。
当時俺はここのバイトの店員で彼女はお客さんとして来ていた。このレストランの最大の魅力は、夜になると星空が輝くというロマンティックな場所にある。
彼女がお会計をする時になにか書いてあるメモ紙をくれた。そこには連絡先が書いてった。俺もレシートの裏に自分の連絡先を書いた。
そこから付き合うことになり、お互い仕事が忙しいので会う回数が減っていき、別れることになった。
「また友達に戻るんじゃなくて大親友だからね?あたしたち笑」とどこまでもポジティブな彼女。
「当たり前じゃん!笑」と言う。
「またあなたが好きっていう感情になったらまた告白するかも笑」と彼女
「いいよ。俺もなると思うし笑待ってる告白されるの笑」と返すと顔が赤くなってしまう彼女がやっぱ可愛いと思った。
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theme これは失恋の物語。はじまりは、星が輝くレストランにて。 2022.6.4
本当に前に
星が綺麗なとこで
大好きな人と
のんびりと
したなぁ。
私の矢印は
片思いの彼で
彼の矢印は
私の女友達で
私の女友達は
私の好きな彼の友達って。
→ → → →
こんな感じだけどわかるかな?
あの時は
好きな人の事が
いろいろとわかりすぎて
大変だったよ。
でも4人で見た田舎の星空は
本当に綺麗だったなぁ。
友達同士のまま
まだLINEが繋がってるのは
本当に嬉しかった。
一番大好きな人と
結婚して
その人を嫌いになりたくないよね。
また逢いたいなぁ。
あの日輝いてた星はもう僕には見えなくて。
滲んで何も見えなくなった。
これは失恋の物語。 はじまりは、星が輝くレストランにて。
星を見る度に
初恋を思い出して泣いているんだ。
貴方を探す度に
どうしようもなく惹かれている自分がバカバカしくなるんだ。
「僕の恋人はあの夏の夜空に大きく見える一等星のアルタイルなんだ。とても神秘的で強く美しいだろう」
そう嬉しそうにレストランで頬杖をつきながらうっとりと星座を魅入る貴方を横目で見て私は重たいため息をついた。
つまらない。
私に関心がない貴方がつまらない。
せっかく夜空の星が綺麗と噂のロマンチックなレストランに連れてきたのに貴方がそんな様子じゃつまらない。
貴方の気を引きたくて必死な私がつまらない。
気に入らないわ。
私の片思いしている幼なじみには同性の恋人がいる
あの子は栗色のふわふわしたくせっ毛に黒曜石のように真っ黒でアンニュイな瞳、化粧してないはずなのに頬はうっすらピンクで形の良い唇は薔薇色、まるで神話に出できそうな美人さんだった。
それで性格も優しくて穏やかで非の打ち所のないからとても憎めなかった。
誰もがあの子に魅入った
私の幼なじみも例外ではなかった。
幼なじみの貴方はすぐあの子に一目惚れして懸命にアタック
私はあの子と仲が良かったから仲介役を頼まれたり食事や遊びのセッティングをお願いされたりで正直きつかった。
でも断れなかったのは貴方との関係が崩れるのが嫌だったしなにより頼られてる感じで少し嬉しかったから…
貴方とあの子はだんだん距離が近くなって私はそれを眺めているだけでとうとう2人は付き合ってしまった。
別れてしまえばいいって私が居て幸せを心から願えない私が居て
吹っ切れたいのに長年の片思いは切れなくて
そんなモヤモヤした気持ちを胸にしまい込んで、忘れてしまいたくて目を閉じていたら通知が1件来ていた
___どこか星が綺麗な所知らないかい?良かったら一緒に行こう。
私は少し時間を置いて
いい所があるよ、一緒行こう。
と返信した。
ちょっとした期待だった。
上手くいってないんじゃないかとか自分にもしかしたら気持ちが行ったんじゃないかとか
そしたらなんだ惚気かよ…
あの子の事を貴方は1番好きな星座の一等星のアルタイルに例えて惚気けだす
聞きたくない、逃げ出したい
本当は
本当は私がその位置にいるはずだったのに
私があなたのアルタイルだったはずなのに
なぜ私は貴方の一等星になれないのでしょうか
なぜあの子なのでしょうか
もうそう願っても遅い
仕事終わりのある夜、私はとても落ち込んでいた。
気分転換に美味しい食事を、と思い探していたら不思議な雰囲気のレストランを見つけた。
名前はレストラン−輝星ー
気になって扉を開けたら、そこは壁一面に星が輝く美しいお店だった。
『いらっしゃいませ、こちらの席へどうぞ』
案内されたのは2人席のテーブルだった。
店内は4人席のテーブル4つ、2人席のテーブルが4つ。
ほかのお客さんも何人か居た。
『失礼致します、当店へお越しいただきありがとうございます。それでは店内の食事と出会いをご堪能ください。』
店員はそう言ってメニューを置いていくことなく立ち去った。
どうしたらいいのか分からず困惑している私のの元へ1人の男性客が近づいてきた。
『こんばんは、向かいの席に座っていいですか?』
疑心暗鬼の目を向けつつ私は頷くと、彼は私の向かいの席に座った。
男性はスーツ姿で、鼻が高く、顔立ちも綺麗だった。
私はこの人とどこかで会ったことがある気がする…そんな懐かしさを感じていた。
『ここ、不思議なレストランなんだよ。1人客はペアが見つかると食事が出てくる。食べ終わったら店を出ないといけないんだよ。』
とても楽しそうに話していた彼の姿が可愛くてクスッと笑ってしまった。
『良かった、笑ってくれた。ねぇ、君は星は好きかい?僕はすごく好きなんだ。星のかけら一つ一つが美しくて、懐かしいと思えるんだ。君はどう?』
彼と色々話していることがあまりにも楽しくて、食事が出るまでの時間があっという間だった。
『食事はね、なるべく静かに食べるのがここのルールなんだ。食事と星両方をお腹と心いっぱい堪能できるようにってことらしい。いただきます。』
食事はこれまで食べたことのないとても美味しいものだった。星を見ながら美味しい食事、心も体も満たされる感覚があった。
そして目の前に彼がいることにも、満たされている感覚があってとても不思議だった。
『美味しかったね。さて、お店を出よう。お店から出た後もまたこうして君と会えたらいいな。』
嫌、まだ離れたくない。
どうして、貴方といるとこんなに心が温かく懐かしい気持ちになるんだろう。どうして、こんなに満たされてるの?知りたいの。
私は彼に手を伸ばしたところで、目が覚めた。
『逢いに来てくれてありがとう、輝星。うぅっ…』
貴方から1番最後に呼ばれた私の名前で全てが繋がった。
『ありがとう、薙』
八神 輝星、私の好きな人。
もう一生、彼に会うことも気持ちを伝えることも触れることすらできない。
彼はもう、この世にいないのだから。
これは失恋の物語。はじまりは、星が輝くレストランにて。
もし私が優しい男の人と付き合っててもし悪いとだったら振っちゃう
顔は別にいい
私は悪い人付き合うくらいだったら優しい人と付き合いたい
でも人間は見た目では分からない
レストランに行ってもそこで振るか付き合うから自分次第
本当に見た目は分からないから会って付き合うか今は付き合わないかちゃんと決めとこう
yui