『お祭り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夕食を食べ始めると聞こえてくる、ドーン、パラパラパラという音。
うちの地区は7月〜8月、毎年夜の7時に十五分だけ花火が打ち上がる。
だから夏は、丁度居間のベランダから見える位置で夕食を食べながら花火鑑賞が出来るのだ。
お祭りじゃない花火も、なかなかオツなモノ。
早く
3月3日の
ひな祭り
こーいー
ひーなー祭りーを
うぉーーーーーーーーーーーーーー
3月のーーーーー
早くこいー(3月3日)
うぉーーーーーーーーーーーーーー
そう俺の(貴方の)目的はーーー
そうさ
君と君の間でただただひな祭りをままーーーーつだけっ
今年も楽しみにしていた夏祭り。
今年も大切な彼と一緒に行くことができる。
すごく楽しみだな〜。これからも彼との時間を大切に過ごしていきたい。
お祭りの雰囲気が、音が、空気感が好き。
お囃子を昔からやっていて、太鼓の音が合わさるのが好き。
暑いけど、汗だくになるけど、みんなで笑い合えてるのが楽しい。
今年はコロナのこともあって、お酒が飲める年になってから初めて迎えたお祭りだった。
みんなと、憧れの人と、一緒に飲みながら太鼓を叩きながら、お喋りしながら過ごす夜はキラキラ輝いていた。
この輝きがいつまでも続いてほしいと、後もう少しだけでも続いてほしいと終わる前から願うほどにはキラキラしていた。
私の憧れの人は、一緒に太鼓を叩く時に「私が1番相性いい」なんて言ってくれる人。私も一緒に叩いてて1番安心できると思っていたから、それが共有できて嬉しい気持ちでいっぱいだった。
今年は一緒に叩けた。来年も一緒に叩けたらいいな。
他の人の成長ももちろん嬉しいけれど、機会を失うのは悲しいから、ここまではどうか来ないでほしいと思ってしまう。
お祭り
葵祭
祇園祭
山笠
阿波踊り
花火大会
ずらっと並んだ屋台
笑いながら話す声
いろんな早さの足音
舞い上がる土埃
強い日差し
夜の気配
ふと漂ってくる花の香り
遠くで誰かが歌う声
すぐ近くで始まる喧嘩
走り回る小さな子ども
いろんな人のいろんなエネルギーが集まって、ひとつになり
商店街を
参道を
河川敷を
勢いよく流れて行く
そこに滞っていた黒くて重い、
鈍い形の様々なものたちも一緒に
綺麗さっぱり
一つも残すことなく
全て浄化されていくのが見える
さよなら!
祭りのあとはいつも
スッキリさっぱり
気分爽快
何もない
祭りは祀り
話してて楽しい人がいるけど友達としては本当に大好き!たくさん心配かけてごめんって言いたい でも私の事心配してくれたの嬉しかった。
お祭り
遠くから聞こえてくる祭囃子。
お祭りが開催されている神社から、少し離れた公園のベンチに座っている少女が一人。
浴衣を着ているが、どこか楽しそうな雰囲気ではない。地面を見つめて、小さくため息をついていた。
「……遅い」
巾着からスマホを取り出し、画面を見つめる。何も連絡がなく、時刻だけが過ぎていく。
またため息をついた。幸せがドンドン逃げていっているような気がすると思った少女は首を左右に振った。
「……まぁ、どうせ、遅い原因はアイツだろうけど」
ベンチから立ちあがろうとした時だった――
「ごめん、待った?」
「わりぃ、腹痛くてさぁー」
走る様子もなく、のろのろとゆっくり歩いて登場した二人の青年。
一人は黒髪で黒縁メガネをかけていて、もう一人は銀髪で両耳にピアスをつけていた。
「やっぱり、原因はアンタか……連絡しろ、バカ兄弟」
「あ?わざわざ、来てやったのに」
銀髪の青年は少女を睨みつけた。
それを制するように、黒髪の青年が銀髪の青年の頭を軽くこづいた。
「こーら、睨まない。ごめんね、真白(ましろ)は腹の調子悪くてイライラしているんだ」
「してねぇーし、もう平気だし、清澄(きよすみ)」
銀髪の青年、真白はお腹をさすりながら答えた。
だが、黒髪の青年、清澄はそれを無視して、少女の髪に触れる。
「浴衣に似合っているね、この髪型」
「流石、清澄わかっているね、ありがとう」
「ふふっ、杏樹(あんじゅ) は、いつもかわいいから」
「さらりとそう言うこと言えるの、素晴らしいと思う」
少女、杏樹は少し背伸びをして、清澄の頭を撫でた。
耳を赤らめる清澄を横目に頬を膨らませて拗ねている真白の姿。
「なぁー、さっさと祭りに行こうぜ」
「アンタが、それを言う?私、かなり待っていたんだけど?」
「へーへー、わるぅーござんした」
べーっと舌を出して、一人スタスタと公園の出口に向かう真白。
「ごめんね、真白が。行こっか、杏樹」
「うん、いいよ、気にしてないから。どうせ真白だもの」
苦笑いをする杏樹。真白の性格をわかっているので気にしても、仕方がないと心の中で思っていた。
清澄と一緒にゆっくりと歩き出し、祭りを開催している神社へと向かう。
――
神社に着くと人が結構集まっている。焼きそばやたこ焼き、唐揚げなどの匂いが漂っていた。
清澄と杏樹は何をするかを話しながら歩いているのに対し、真白は二人より先々と歩いてい離れていく。時々、振り返り二人の様子を伺っていた。
「ねぇ、杏樹、たこせん食べようよ」
「いいね、清澄、食べよう食べよう」
「んじゃぁ、俺が買ってくるから、あそこの石段で待っていて」
清澄に言われて、指定された石段へと向かい、そして座る。
少し硬くて冷たいと思った杏樹だが、時期に慣れると。
しばらく行き交う人を眺めていると、真白が右手に何か持っていた。
真白は杏樹の隣にどかっと座った。数秒沈黙が続いていたが、杏樹にりんご飴を差し出す。
「私に?」
「……好きだろ、りんご飴」
「好きだけど、何も言っていないのに、わざわざ買って来てくれたの?」
「……いらねぇーの……?」
少し不安そうな表情をする真白。
きゅっと口を結び、杏樹の出方を伺う。
「ううん、いるよ。嬉しい、ありがとう」
真白はその言葉を聞いて、安堵した。
口が少し悪いが優しい一面を持っている真白を知っている杏樹。
りんご飴をぺろっと舐めると甘い味が口の中に広がっていった。
「……清澄は?」
「たこせん買ってくるって言って、帰ってこない」
「……そっか」
すると、花火が打ち上がった。大きな音が神社に鳴り響く。
「始まったね、花火」
「……そだな」
二人揃って、夜空を見つめる。
綺麗に咲き乱れる花火たち。そして、儚く美しくて散っていく。
「……清澄と付き合うのか?」
ドーンっとまた音が鳴り響いた。
杏樹は真白にどう答えようか悩んでいた。
確かにこの祭りがある日までに告白はされたが、返事を保留にしている。
「お似合いだ思う、二人は。幼い時から清澄はお前のこと好きだったからなぁ。付き合えば、絶対大事にしてくれると思う」
ちくりと杏樹の心に何かが刺さる。何故か、真白にはそう言って欲しくなかったと思っていた。
夜空に連続に花火が打ち上がると歓声が沸いた。
「おぉー、綺麗だな、花火」
寂しそうに笑う真白。瞳は、花火を映している。
「……んじゃ、俺帰るわ」
静かに石段から立ち上がる。そして、人混みへ向かおうとするのを引き止めた杏樹。
するりとりんご飴が地面へと落ちていった。
「な、なんで帰るの?まだ……まだ花火上がっているじゃん‼︎」
「おいっ、りんご飴落ち――」
「りんご飴、今はどうでもいい。なんで帰るの?」
「もう見たし、いいかなと。あと、暑いから帰る」
大きな花火が打ち上がった。ドーンと鳴り響く。
「最後もっと花火は綺麗だと思うし、暑いならかき氷食べよう‼︎」
「何必死になってんだよ」
「なってないなってない」
杏樹は焦っていたて。離れていきそうで。消えてしまいそうで。
「いや、なってんじゃん。……清澄、そろそろ帰ってくると思うし」
「いいじゃん、三人で花火見ようよ」
真白は首を左右に振る。そして、へにゃっと笑って見せた。
「今年の祭りで最後。いつまでも一緒にはいられない」
その言葉を言うと同時に清澄が戻って来た。
「ごめん、遅くなって。結構並んでいてさぁ。しかも花火も始まったからなかなか、動かなくて」
「清澄、俺帰るわ。腹いてぇーし」
「え、そうなの、大丈夫?」
「んー、わからん。まぁ、帰るわ」
ひらひらと手を振って去る真白。そして、人混みの中に消えていった。
「大丈夫かなぁ、真白。あ、そうだ、お待たせ杏樹。たこせん――」
清澄が言い終わる前に、杏樹は駆け出した。
人混みの中、真白を探す。しかし、見当たらない。
本当に消えてしまったようだ。急に息が苦しくなった杏樹。
どうやって自分が呼吸していたか、わからなくなったようだ。
胸もぎゅうっと締め付けられ、足も慣れない下駄で痛くなってきていた。
「いない、いない、どこにもいない、なんで?」
神社の階段を降りても、真白の姿はどこにもなかった。
「ましろ、ましろ」
杏樹の目には涙が。ポロポロとこぼれ落ちた。
清澄よりも真白のことが好きだと今、わかったと。
だから、杏樹は清澄に告白されても即答ができなかった。
「杏樹?」
声がする方を振り返ると、神社の階段から真白が降りて来ていた。
「あれ、清澄は?」
「……バカ‼︎真白のバカ‼︎どこ行っていたのよ‼︎」
ばちんと両手で真白の頬を叩いた。突然のことに目を丸くする真白。
「えっ、トイレに行っていました……」
「なんでトイレなのよ‼︎」
「えっ、腹いてぇーから」
叩かれた両頬がヒリヒリするのと腹を交互にさする真白。
すると、真白に抱きつく杏樹。ミシッと音がした。
「いででででで、こんのゴリラ怪力女、離せって」
「いやだ、真白から離れない‼︎」
「いやいやいやいや、離れないと俺の骨がミシミシ言っているって、いででででで‼︎」
「これ、離したら、真白は帰るでしょ、消えるでしょ‼︎」
ギリギリと締める力を強める杏樹。絶対に離すまいと。
「わかった、わかったから‼︎帰らない、消えない‼︎だから、離せって」
「真白は嘘つくから信じない」
「いや、マジでやばいって、複雑骨折になるから、祭り来て複雑骨折とかありえないから‼︎」
「そんなに力強くないっ‼︎」
最後の花火が打ち上がった。夜空に繚乱の花火がキラキラ輝く。
「花火、終わっちゃったじゃんかっ‼︎」
「俺のせいじゃないつぅーの‼︎離せって‼︎」
渋々だが、真白を解放した杏樹。
やっと解放された真白は、ぜーはーと息をついた、
「……来年もお祭り来るから、ずっと、真白と一緒だから‼︎」
涙をポロポロ溢しながら言い放った。
真白はギョッと驚いたが、すぐに表情を戻し、杏樹の頭を撫でる。
「わかった、わかったから、泣くなって。来年も三人で祭り来よう。な、これでいいだろ?」
「よくない、全然、よくない‼︎」
「んでだよっ‼︎」
「真白のわからずや、もう知らない‼︎」
杏樹はそのまま走って帰って行った。
ぽかーんと一人残された真白。しばらく、その場で立ち尽くしていると、清澄に声をかけられた。
「やっと見つけた、連絡しても出ないし……あれ、杏樹は?」
「なんか帰った」
「はぁ?また何かいらないことでも言ったの?」
清澄の言葉に首を左右に振ろうとしたが、やめた真白。
「ゴリラ怪力女って言った」
「いや、なんでそれを言った?はぁー、謝りに帰るよ」
やれやれとした表情で真白の横を通り過ぎる清澄。
少し距離をあけてから、清澄の後ろを歩く真白。
「……わからずやか……そっくりそのまま返すし」
頬をさすりながら、小さく呟いた――
題:お祭り 主人公は妹です。「私」と書きます。
中3妹の名前…さゆり
高2姉の名前…やよい
母の名前…ともえ
父の名前…ゆうすけ
姉)ねぇ今日お祭りあるらしい。友達に誘われてるから行ってくる。
母)え??そういう事は昨日とかに言っといてよ。まぁ行ってらっしゃーい。あ、ご飯どーするの?
姉)屋台に売ってるの適当に食べて済ませるから要らない。
母)はーい。気をつけてねー!
姉)うん。
最近お姉ちゃんは反抗期で家族みんなに冷たいんだ。
もう少し柔らかい言い方できないのかなぁ。
私)ねぇお母さん!私もお祭り行きたい!!
母)友達と行ってきなさーい(*^^*)
私)……友達…うん、わかった(˶' ᵕ ' )
母)ご飯は屋台で売ってるの食べるのよね!お金あげる!お姉ちゃんには内緒よー!
私)…うん!ありがとう!行ってくるね!
母)行ってらっしゃい!
私は外に出た。。。
父)ともえー
母)あら、どーしたのよゆうすけさん
父)さゆり、なんか元気なかったと思ったけど気のせいなのかな。。
母)きっと私たちと行けなかったのが寂しかったのよー!
さっ!私たちは私たちで楽しくご飯食べたり映画見たりしましょ!
父)そーだなぁ!楽しむか!
その頃私は……
私)友達か、
私は学校でいじめにあっている。親には言ってない。
友達すらいない。いつも独りなんだ。
私)一応ちらっと見ていこうかな。
お祭りは賑やかだった。私の見る限り一人の人なんて見当たらなかった。
私)うわぁ。めっちゃいる…とてもじゃないけど私1人で入るなんて出来ないよ。。どうしようかな…お母さんは友達とお祭り行ってるって思ってるもんねー。コンビニでご飯買って公園にでも行こうかな。
そう思った瞬間近くにお姉ちゃんが居ることに気が付いた。私はとっさに木の影に隠れた。
姉)えー!まじか!
姉友)まじまじwてかお祭り混みすぎじゃね?ww
姉)それな?wあ、親にお金もらった?
姉友)え貰ってないわ。貰った?
姉)いや貰ってないw
姉友)なんだ一緒じゃーん!あー絶対金欠になるw
………………………
私)……いいな…楽しそう。私にも友達いたらしょうもない事で笑ったりして、すごく楽しいだろうな…
私の目から涙が溢れ出てきた。
私)え?なに。。なんで?なんで私泣いてるの?
私は涙が止まらなくて焦りだした。
ご飯を買いにコンビニに行きたいけどこんな顔じゃ行けないからとりあえず少し離れた公園に行った。
私)……私、今すごく哀れだな。周りから見た私ってどんな感じなんだろう。
私は中学一年生から振り返ってみた。
そしたらなんだか心が苦しくなった。
締め付けられる感じで目からはまた涙が溢れだしていた。
私)もうやだよ。何も楽しくない。ただただ苦しいだけじゃん。疲れたよ。
その時。急に体が操られているかのような感覚になった。
そして目が見えなくなった。何が起こったのか分からなかった。気がつくと私は人のいない神社のお祭りでポツンと立っていた。
私)え?…ここどこ?お祭りだよね。ここ。屋台あるけど。え、人がいない。何?どういうこと?え??
暖かい風が私を包み込んでいる感じがする。
なんだか力が抜けていく。足の力が抜けて膝から崩れ落ちた。
私)痛い!!!うわ!血だ…ちょ、まって1回たった方が良いよね。
私は立とうとした。でも立てない。
私)え?なんで…?なんでなんでなんで!!!ねぇなんなのコレ。やめてやめてやめて!誰かいるの?何してるの?私に何してるの!!
私は必死になって見えない誰かに話しかけた。
すると、どこからか声がした。
謎の声)ねぇあなた。もしかして自分は不幸だとか思ってる?もうやだって思ってる?
私)え?だ、だれなの。だれ…だれ!
謎の声)私の質問に答えなさい。
私)っ……思ってるよ。だってそーなんだもん。辛いんだもん。
謎の声)へぇ。あなた、自分のした事記憶の中から上手く消せた訳ね。
私)は?何言ってるの??私は何もしてない。
謎の声)そーかそーか、でもあなたの記憶の中に無いものを私は持っている。もう一度あなたに戻してあげるよ。
私)え?なにいって……ッア゙頭が痛い。。ねぇ何したの。やめて!あなた誰なの!
謎の声)……私?私はここの神社の守り神。
私)え?
守り神)まぁとにかく。思い出した?あの時の事を。
私)あの時?あの時っていったi…え。
守り神)思い出したのね。あの時あなたがしたこと。
私)まって、この神社…私が…私…が…
息が荒くなっているのがわかる。暖かかった空気が冷たくなり鳥肌が立った。
私)あぁ。そーだ。そーだった。私は…あぁそーだ。私は…わた、わ、わたしは…
上手く話せない。。。あぁそうだ。
私は一昨年の今日クラスのみんなでこの神社に集まって仲良く遊んでたんだ。私はクラスの中心だったんだ。私の言ったことを聞かなかった男子が居たからムカついて仲間はずれにしたんだ。そしたらその子が泣いちゃって…でも私はそんなの気にしないでみんなと遊んでたんだ。その子が
私に謝ってきたからしょうがなく許してやった。それで、その子を色んな事に使ってた。私はその子に無理な命令をしたんだ。崖の上にある綺麗な花を取って来いって。その子は本当に取りに行ってしまった。女王様気分で大きな岩に座って登っているのを見ていたらその子がいなくなった。みんなの叫び声が聞こえる。私は視線を下にしたくなかった。分かっていたから。その子は…落っこちて死んだんだ。あぁそーだ。私はある意味人を殺したんだ。私が命令したからその子が死んだ。私は必死に記憶の中から消したんだ。みんなが私にいじめをする理由はこれだったんだ。
私)あ、あぁ、あぁごめんなさい。。
手と足が震えている。
私)ッア゙……
痛い。なんだ?何があったの。
ポタ…ポタ…
え?
私)なに。頭が痛い。
私は頭を押さえた。
手が濡れた。そして独特な匂いがした。
血だ。
私)やだ、なに、なんで。え、??
守り神)私はあの時お前たちのことを見ていた。お前は自分のした事から逃げた。あの少年の気持ちも考えないで…
私)だ、だからってなんで血が…え、。。
私は分かった。今から何が起こるのか。
守り神)お前は今から少年と同じようになってもらう。
だが崖には登らなくていい。勝手にお前の頭が潰れるだけだ。
私)まって!おねがい!まっ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
姉)ただいまー
母)おかえりー!
父)あれ、さゆりは?
母)やよいー!さゆりと会った?
姉)さゆり?今日来てたの?
母)え?…やだ心配……もうこんな遅いのよ?
父)スマホは?
姉)は?机にさゆりのスマホあるじゃん。
父)え、じゃ、え警察に言うか?
母)ええ、そーしましょ。。
母)あの、私の娘が……帰ってこなくて。
(詳しく説明した。)
警察)分かりました。すぐに見回りにいきます。また後で連絡します。
母)はい。あ、写真を渡しに行きます。
警察)はい。
後日連絡があった。
警察)○○神社で遺体が発見されました。
お題:鳥かご
お題:誰かのためになるならば
お題:神様が舞い降りてきて、こう言った。
※通信が死んでいたため
過去お題を遡って書いています
◆◆◆
息が苦しくなる
酸素を求めて、吸えば吸うほどにそれは酷くなる
ああ、もっと話したかった
歌いたかった
何でこんな狭くて暗い場所で死ぬんだ
お題:鳥かご
◆◇◆
私を利用するな!!!!
「???」
褒め称える言葉の中、似つかわしくない遠吠えが聞こえた。
まあ、間違いだろう。
だって私は正しいことをした。
為になることをした。
責められる理由などないのだから。
お題:誰かのためになるならば
◆◆◆
「あ、やばっ。設計ミスってるわ」
お題:神様が舞い降りてきて、こう言った。
「コレが最後の祭りのようですなぁ」
隣に立つ黒服にしか聞こえない声でいう。
『そうですね』
花火は上がらないけれど、出店のように並ぶ受付。
どデカい祭壇。
菊の花は目についた物を全部買い取って全て並べたようで、気品なんかあらしまへん。恥ずかしい。
気高く生きてきた私への冒涜か。
私、遺言にも密葬とは言わへんけど、うちうちにしてなるだけ小さいもんを。と書いたんに。
「こら、あきまへんな。子供達が大変やわ」
『そうでしょうね。』
私の家は古い古い家柄で、だから何だと言われたら、しがない印鑑屋。
別に判子売って生計をたてとるわけやない。
古いからこそ。博物館やら展示会なんかで昔の判子をお貸しして展示していただいてお金をいただく商いの家。
長く続いた家系の末、長男だった父から生まれたんは私1人。一人娘として、箱入りで育てて貰いながら、あくまで経営者として学も学ばせていただきました。
ありがたい事に、私は経営の手腕はあったようで、20代のうちに父の右腕になれました。
そんな私を見初めてくださったんが、とあるデパートの次男さん。
デパートの展示会の時に、私の仕事ぶりを見て惚れてくれはったらしい。
次男ということで、我が家の養子になってくれはるならと、結婚の話はとんとん進んで、気がついた時には一棟のマンションを持参金に我が家の婿さんになりはった夫。
この夫がボンクラで、金持ちボンボンのお坊ちゃん。
作法も何もあらしまへん。
商売のイロハもわからしまへん。
ただただ家長の座におるだけのお飾り。
私に子供ができた頃には、夫の持参金のマンションに住む私の階より上の階に愛人囲っておりました。
仕事で主人を出さんとならぬ時は仕方なしに出てもろうても恥晒しもええとこで、なんの役にも立たぬ。腹もたちましたが、建前もありましたし、我慢の妻として株も上がりましたし、よしとしましょう。
私の父が天に旅立ち、母も後を追うように亡くなって、夫は阿保に磨きをかけて傍若無人な行動で、社員さんや業者さんを困らせよって、頭を下げ続け胃の痛い日々でした。しかしながら、夫ボンクラでしたさかい、夫の持参金のマンション以外の財産を管理する会社を作って、子供と私だけの会社にしました。夫はソレと知らずに私の財産はいずれ自分のものになると信じてはったようですね。
元ある会社の名前での私の葬式。
ゆかりのある会社もたくさんいらしてくださいまして。ありがたい事にたくさんの香典や花をいただいている私の葬式。
ここらで一番の大きな葬儀場に何人もの坊さん呼んで、立派な葬儀をしてくれてはります。
どこから葬儀代を出す算段をつけとるかわからしまへん。
夫の愛人さんも、何を考えてか喪服で親族席に座って、図々しい。
綺麗なイミテーションの真珠の耳飾りがお似合いだこと。
ガラス玉の数珠もこの業界の人ならわかるような安物で。
私の最後の祭りの葬儀の見所は、この後だろうとは思うけれど、抜かりなく財産は子供に。
後継は子供だけ。
死後離婚の手筈は済ませているけれど、遺留分すら惜しいと思う私は鬼でしょうか?
夫の不甲斐なさは皆様の知る所に多分にございますよって、商売の分かれ道は我が子に託しました。
印鑑なんて、見せるだけの価値しかないものばかりの装飾品。売ればひと財産にはなるでしょうが、使うも売るも子供しだい。
アホな夫にその権利だけはやりません。
その信念だけで、闘病生活、死期の先延ばし。
コレを恨みと言う人もおりますが、それでも先祖が残してくれたもんを無様に阿呆に使わせたくなかったのです。
あの、阿保のやった最後の祭りは私の葬儀。
夫のこさえた借金は夫の持参金のマンション売ればなんとかなるでしょうて。
子をくれたあの人へのささやかな、温情。
あとは悔いて生きなはれ。
子に頼っても断れなはれ。
阿保な夫は、阿保のままで、私の葬儀代すら稼ぐ事は叶わんでしょう。
夫がどう生きて、どう死ぬか興味はありまへん。
ただ、私の最後の祭りとなった葬式の喪主として、あの阿保が立っておるのが悔しいが、これが夫の最後の花舞台やと思えば我慢もしてやりましょう。
『終始、恋愛物語(しゅうし、れんあいものがたり)』
夏、千変万化の影送り。
只今の時刻は午後六時十分。
七月も下旬に差し掛かり、僕の町「夏ノ斗町」では夏祭りが開催される時期になった。
僕、近衛凛太(このえりんた)も、その夏祭りに行く最中だ。
夏祭りと言えばよくみるあれ、
告白しようと思ったらちょうど花火がばーんってなるやつ
本当に見たことある人いるのかなぁ。
そんな凡な考えを空中に浮かばせ、夕暮れの川沿いにてゆっくりと歩いている。
そう、ゆっくり、ゆっくり歩いているのだ。
…うん。正直言っちゃえば行きたくない。
実は、今から僕が行こうとしている夏祭りに誘ってきたのって学校でも有名な
「撫楽子(ならしこ)さん」なんだよなぁ。
何がいけないかって、、、その、ね、ふくよかなお方…なんだよね。
うん…ごめんなさい。なんか、うん…
残念ながらスレンダー体型が好みな僕は、
今からのことを考え少し途方に暮れそうだった。
まだ、夏祭りに誘われたところまでならギリギリOKなんだけども
あろうことか撫楽子さんの口からでたのは
「告白するから覚悟しといてね」
っていう…覚悟もなにもってなっている状態なのです。
人を見た目で判断しちゃいけないっていうのは正論だけれど、
残念ながら正論とはちょっぴりズレた位置にいる僕。
しかしまぁ、そういう奴らが大抵なこの世では…
「可哀想」やら「終わったな」って同情の目が夏祭りに誘われた僕に向けらた。
うぅん…どうしよう、、
一応浴衣で行っているけれど、もしかしてこの浴衣はあれか?
「あーれー」ってくるくるさせられるやつか。
撫楽子さんってそういうのが趣味なのか…?
くだらない空想も「おーい」という撫楽子さんの声にかき消された。
「なっななっな、な、撫楽子サン…」
「ごめんね。遅いから少し心配になって迎えに」
「あっ、もしかして六時合流だったのか…?」
「うん」
僕は浴衣とは不釣り合いな腕時計で時刻を確認し、無事六時を過ぎていたことに
あちゃーという顔をする。
「でも、花火が始まる時間はまだまだ先だから落ち着いて会場に行こうね」
「そっ、ソウダネ……」
色々な意味で緊張しすぎている。
一つは告白ってどんなことをされるのかが心配なこと。
もう一つは
「撫楽子サン、その、、浴衣キツくない?大丈夫?」
「うん?大丈夫だよ。お母さんに調節してもらったから」
撫楽子さんの浴衣が少しキツそうで心配なこと。
浴衣に変えたら可愛くってこともなく、いつも通りの撫楽子さん。
ものすごく失礼なことを言っているけれど、不細工なわけではない。
あくまでも平均顔だ。
「あ、ついたよ」
「ひゃ、つ、ついた……」
特に何か喋るでもなく、平和的に会場までついた僕たち。
会場には、恒例であろう屋台が沢山並んでいた。
りんご飴、わたがし、ベビーカステラ、いちごあめ
子供が好きであろうあっまいお菓子が大量にキラキラと輝いていた。
「んー…あ!近衛くん!あれ食べたい!」
「おっ、おぉう!いいよ!何々?…って牛串?」
「うん!物凄く美味しそうだよ!」
撫楽子さんが楽しそうに指差していたのは
「牛串ッ!」と看板に書かれている牛串屋さん。
りんご飴でもなく、わたがしでもなく、なんならとうもろこしでもなく…
牛串ッ!…まぁ、撫楽子さんらしいしいいかな…
「まだ空いてるし今のうちにならんどこうか?撫楽子さん?」
「うん」
「注文…何本にしようか?」
「んー…じゃあ五本で!」
「五本ッ!」
うん。予想はしてたけどね。本当にこられるとね…ハハ。
「だ、大丈夫?お腹壊したりしない?」
「大丈夫だよ。お気遣いありがとう」
そう言ってヘラっと笑う撫楽子さんはまるで無邪気な子供のようだった。
牛串以外にも色々と買い物を済ませ、近くの花火が見えるであろうベンチに座った。
りんご飴、水飴、いちご飴、とうもろこし、牛串、かき氷…いや飴多いな!
心の中でツッコミをいれつつも、それをぺろり食べる撫楽子さんに圧倒される。
もくもくと食べる撫楽子さん。少し気まずい。
「…ねぇ、近衛くん」
「っひゃ!ッハイィ!」
急に名前を呼ばれ肩をはねさせる僕を気にも止めずに撫楽子さんは話を続ける。
「私ね、この体型実は病気だからなの」
「え」
そんなことを伝えられるだなんて思いもしなかった僕は、驚きのあまり目を見張る。
「病気だからね、治すにも治せなくてね…」
「…」
「学校でも沢山いじめられたし、陰口も…物凄く辛かった。でもね、」
「近衛くんが言ってくれたんだ。''笑顔が素敵じゃん''って」
…あっれぇ僕そんなこと言ったかな…?もしかしてそれで僕を好きに?
うっわぁ。我ながら罪な男じゃん…最低。
「ねぇ、近衛くん」
「好きだよ。私、すっごい君が好き」
運よく花火が上がり、言葉がかき消されるなんてことはなく
すんなりと伝えられた、少し重みのある言葉。
「でもきっと、近衛くんはこの体型だと振り向いてくれないよね」
「…私、こうやって近衛くんに好きを伝えられて、少しでも隣にいれて嬉しい」
「これから関わることはないだろうし、もうバラバラで帰っt」
「待って!!!」
自分でも驚いた。こんな声量が出ることに。いや、それ以前に
「僕、撫楽子さんが好きだ」
「えっ」
「僕は、撫楽子さんが好きだ」
「えっと、それってどういう…」
僕は、思い出したんだ。
昔、いじめられていた頃にいじめっ子達に歯向かうたった一人の存在を。
綺麗な名前で、まるで撫子のような。
「…こういうことだよ。撫楽子さん」
ちゅっ
瞬間、花火が上がりまるでキスしたことを内緒にするように大きく、大きく咲いた。
僕の人生という名のお祭りにも、同時に特大サイズの花火が咲き誇った。
お題『お祭り』
あとがき
書くの楽しくてついつい長編ストーリーになってしまいました。
撫楽子さん、近衛くん、どちらも可愛らしいですね。最近暗い感じのが多かったのでいきなり恋愛ぶちこんでみました。味の違いでお腹が胃もたれしちゃいますね。
いいですねぇ、好きな人と夏祭り。皆様は好きな人とお祭りいったことありますか?
私はお祭りは大好きですけれど、好きな人とは、それ以前に好きな人が出来たことがありませんね。お祭り、青春、大好きです。夏は暑い分のエモさがいいですね。
ちなみに撫楽子さんは本当に平均顔ですよ。近衛くんはちょいモテ程度のイケメンです。
これからの二人が楽しみですね。どっちも奥手そうで、応援したくなるようなカップルになりそうっていうか近衛くんが過保護になってバカップルになりそう。
お祭りの日は取り残されたようでさみしくもある。
たこ焼きを食べたい
たぶん君のことが好きだ
「たぶん」って言って今の関係が壊れないように保険をかけてる
伝えたいけど伝えたくない。
この人混みの中で溢れてしまってもどうか拾わないで
普段は見れない君の姿が素敵で思わず出てしまっただけなんだ。
だから、お願いだから気づかないで…
『お祭り』
少しずつ声が聞こえて
夏を感じてきた
次第に声が強くなって
合わさって
重なって
賑やかさが増していき
盛大に声をあげて
ジージー
ミンミン
シャーシャー
チージー
ツクツク
セミ達の祭囃子
夏の間
聞こえる自然の祭りの音──
(2023.07.28/お祭り)
「ね、お兄ちゃんまってよ!」
私の兄、斎藤叶は極度の自由人。信じられないくらい。今日のお祭りだって「なんか急に祭り行きたくなってきたんだけど。」とかぬかしやがって、わざわざ私が近場の祭り探してあげた。その後ようやく見つけたお祭りの開催地まで電車を何本か乗り継いでここまで来た。生憎うちには余り愛情を感じられない母と仕事人間の父しかいないが、お金だけはあるので自分たちの足でなら来ることが出来る。
兄には何故か謎の自信というものがあり、先程の言葉もあの後に、「俺が行きたいんだから凛乃も行きたいだろ?」とか言ってきて。本当に頭にくる。私の兄ながらいい性格してると思う。それでも私が断固拒否する訳もなくなあなあでついてきたのはなんだかんだいって、兄の言うことが図星であるからだ。血には抗えないということだろうか。
そんなことを考えているうちにあのスーパー自由人はもう見つけられないところまで行っていた。これだからうちの兄は。こういうところがめんどくさいんだよ。
そのまませっかく来たお祭りを楽しもうと目に入った屋台に手当り次第挑戦した。射的は兄への恨みを込めてクマのぬいぐるみを落としたし、くじ引きは兄への怨念からか分からないが、兄が好きなキャラクターが当たった。ふふん、どうだ、すごいだろ。家に帰ったら絶対自慢してやろうとにこにこしながら屋台から屋台へと渡り歩いていると、一人の男性に声をかけられた。何やら私の写真を撮りたいらしく、これから打ち上がる花火をバックに撮れるベストスポットへと一緒に移動してくれないか、との事らしい。正直私は顔が良い。というか私の家族は顔がいい。あの私の苦手な両親だって顔は素晴らしく良い。そこだけ……いや、やっぱりお金の面とそこは感謝してる。まぁ、つまりどういうことかと言うと、こういった声掛けは結構よくあるということだ。この人は私に一言理ってから撮影しようとしてくれたし、全然いい人だと思う。──そう油断した私はついその人の方へとついて行ってしまった。
ついてからわかった。これ良くないことだ。もうなんで道中で気づかなかったの私。いくら土地勘がないからって木々の中なんて花火見えないだろ。段々息を荒くし始めた男が私の左手首を右手で掴む。汗でねっとりしていて気持ち悪い、やめてください。と主張して引き剥がそうと思ったら右手の上に左手も乗せてきた。何だか気持ち悪い愛を囁かれてる気がする。段々気味が悪くなってきてさっきまでは出そうと思ったら出ていたはずの声が、出なくなってしまった。何を言ってるのかちょっと意味が分からない呪詛のようなそれを終わらせたかと思うと、右手の上にあったはずの手が私の胸元まで伸びてきていた。思わずヒッと声を出した瞬間、さっきまであった不快感が一掃された。キュッと瞑っていた目を恐る恐る開くと、目の前に誰かの背中があった。
「俺の妹に何してるんすか。警察突き出しますよ。」
兄だった。
あの兄にしては切羽詰まってそうな、余裕のないそんな声で。私を守ろうと間に割って入ってくれたのだ。いつからか見ていなかった背中は随分と逞しくなっていて、その"お兄ちゃん"の存在に安心した。そのままお祭りの関係者さんに男の人を連れていってもらうまで、お兄ちゃんはそばに居てくれた。あんなことがあった後だと言うのに、あのスーパー自由人らしくない優しさについつい頬が綻んでしまう。
「めっちゃビビったじゃん、絶対今後は知らない人について行くなよ。」
「私そんな子供じゃないんだけど。」
「現に危ない目に遭ったのはどいつだよ。」
「……はーい。気をつけます。」
全く凛乃は本当に危なっかしくて……といつまでも続きそうなあんまり好きじゃないはずのお説教が、急に愛しいものに見えてきて戸惑った。
辺りを見渡せば、狐の面や兎の面、ひょっとこなどの面をつけた人が行き交っていた。
「今年も賑やかねえ」
「そーやね。ところで君はなんでお面3つも付けてんの?」
隣を見れば、着物姿の4つ顔、お面3つに顔1つの友人がいた。
「初めて会った時を再現しようかなと思いましてね」
「そんなら着物なんはなんでなん?」
これは君の気を惹くためさっ!と元気よく言う友人から、今すぐにでも離れたい。
とても目立っているのだ。お面を3つも付けて、女物の着物を着たイケメン。これはとても目立つ。
友人は一応、生物学上は女なのだがあまりにも顔がイケメン過ぎる故に、こういう服を着ると女装のように見えてしまう。
「僕、目立つの苦手なんだケド」
「目立ちたくないなら一人称変えたら?その一人称も結構目立つよ。」
彼女が指摘する。
一応僕も、生物学上は女だ。しかし、僕は私、と言うよりも僕と言っている方が落ち着く。仕方ないよね?
「誰もそこは気にしないと思うよう。髪型だってほぼ男だし、気づかねえっしょ」
「……初めて会った時はもっと女子してて可愛かったのに」
頬を膨らませる友人はとてもじゃないが、可愛いとは言えない。どちらかと言えばやはり、格好いい。イケメン面にあわない表情をするものだ。
「今の僕は嫌い?」
「いーや!前よりも我を通していてすっごくキレイだよ!大好き!ファンサしてー!」
「そりゃ良かった。ほら、投げキッスだ受け取れ」
オチはない!仕方がない!だってオチは休暇中!
遠くに賑やかな明かりが見える
ぼんやり考えたあと思い出した
『あぁ、今日はお祭りだったっけ』
別に行こうとは思わない
行きたかったとも思わない
人混みは嫌いだしうるさいのも苦手だ
それに___
『…僕が行っても、邪魔になるだけか』
車椅子に乗っている僕は
どこにいてもきっとみんなの邪魔者だろう
『…はは、』
なんだか笑えてくる
昔…交通事故に遭う前までは
友達と祭りに繰り出してはバカ騒ぎして
きっと楽しかったはずなのに
この足になって
車椅子に乗り出してからは
やる前に諦めてしまうことが多い
白い目で見られたり変に気遣われたり
とてつもなく嫌だったことにも慣れてきた
恐らく僕はこのまま大人になっていく
そう、思っていたのに
『…?なんだ?』
電話がかかってきた
…お前か
『もしもし』
「あ、出た!おい、今暇か?暇だよな?」
『…………はぁ』
「なんだよ!ため息つくなよ!なぁ返事はー?」
『……要件は何』
「今日祭りあんだよ!お前の家から見えんじゃないか?それでさ…」
『嫌』
「早ぇよ…せめて聞けよ…」
『どうせ誘うつもりだったろ』
「…そーだけど」
『嫌、行かない』
「なんでだよー、一緒に行こうぜ!どうせ今家にいるだろ?」
『……いるけど』
「よっしゃ!決まりな!今から行くから!」
『いい、来んな、一人で行け』
「いや!俺は決めたぞ、絶対お前と行く!」
じゃあな、待ってろ、と言って電話は切られた
『……はぁ』
あいつはいつも勝手だ
こっちの意見も聞かずに突っ走る
『変わらないな』
僕が事故に遭う前もずっとそうだった
車椅子に乗り出して周りの態度が変わっても
あいつだけはずっと変わらない
聞いてみたことがある
お前は迷惑じゃないのか、と
面倒じゃないのか、と
あいつは間抜けな面して
本当になんのことか分からないというふうに
「何が?」と言った
……嬉しくて少し泣きそうになったことは
あいつには絶対に言わない
さて、そろそろあいつが来る頃かな
準備でも、始めようか
お祭り
今年四年ぶりの開催が多い
お祭り
行きたいと思うが
子供の人数増えたり
うろうろ困って行けなかった
でも以外にそこまで行きたいと思っていないっていない
前は行って色々食べたり飲んだりしたのにな
子供にも味あわせてあげたいのにな
うまく身体が動かない
『地元の盆踊り』
地元の盆踊り 有名な花火大会も同じ日だ 酔ったおじさんがやたらと踊る 昼にテントを準備していた人だ 少し並んで 焼きもろこしとソーダ水を買う それ以外は別段なにも 遠くで微かに聞こえる花火の音
花火はちっとも見えないけれど 確かに聞こえる花火の音 ソーダ水は飲みかけで すっかりぬるくなってしまった
狐の面に 誘われて
遠くに見ゆるは
揺らぐ提灯 灯りは弱く
祭り囃子に 呼吸を忘れ
目はまだ覚めず
火男面の男が 太鼓を鳴らし
老若男女の面達が
踊る 唄う 踊る
鳥居をくぐる
後ろで誰かの呼び声に
狐の面は嗤い 沈んだ夢の中
皆が手招く 輪の中へ
行きはよいよい 帰りは
お題【お祭り】
タイトル【危機を知らせる音】