『いつまでも捨てられないもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつまでも捨てられないもの
貴方から貰ったネックレス
自分でもお気に入りだった大好きなもの
今でも箱に入ってねむっているよ
売ってしまおうかとも思ったけれど
あまりにも素敵だから
あの時の綺麗な貴方の想いと一緒に
静かにねむっているよ
「自分の執筆スタイルは、そうそう簡単に変えられねぇし、こだわりも捨てられねぇわな」
◯◯をいつまでも捨てられない者、△△の物語、
△△がいつまでも捨てられない物、◯◯の背景、
処分手続きが複雑・順番待ちゆえに部屋に置きっ放しになっている◯◯に対して「だって、いつまで経っても捨てられないんだもの」。
他は何があるだろう。某所在住物書きは己の腹をつんつんしながら言った――要は少しの贅肉だ。
「昔っから日常ネタが比較的得意だったし。書き終わったら音読で誤字脱字等々チェックするし。
文章は会話文が多くて、たまに過去投稿分のどこかと繋がるカンジのハナシを書くし。なによりその『昔書いたもの』を女々しく後生大事に保存してるし」
捨てられねぇものを捨てる方法って、何だろな。心を鬼にでもすんのかな。
たぷたぷ。物書きは文章の話題とも己の腹を凹ませる努力のとも知れぬ呟きを吐き、スマホをいじる。
――――――
期間限定のお菓子のパッケージ、興味が薄れてもなお保管し続けて捨てられないこと、ありませんか。
昔懐かしい昭和レトロに詰められた金平糖の、絵柄を3種類ほど買い集めてそれっきりの物書きが、こんなおはなしをご用意しました。
最近最近のおはなしです。都内某所のおはなしです。
某稲荷神社敷地内の一軒家に、人に化ける妙技を持つ化け狐の末裔が、家族で仲良く暮らしておりまして、
そのうち末っ子の子狐は、美味しいもの、綺麗なもの、お星様の形のお花が大好き。
それこそ星みたいでコロっとしてて、甘くておいしい金平糖なんて、子狐の大好物のひとつなのです。
特に子狐、友達の化け狸の実家であるところの、京都にルーツを持つ和菓子屋さんで売っている、美しい小袋入りと可愛らしい小瓶入りがお気に入り。
父狐に連れられておやつを買いに和菓子屋へ行けば、10色キレイに並ぶ小袋を見たり、小袋3個分のカラフルが詰まった小瓶を見たり、
こやこやコンコン、忙しくしております。
だいたいピンポイントに1色2色買ってもらうのですが、特別な日には小瓶をおねだり。
で、ここでお題回収。
小ちゃい小ちゃい小瓶ながら、その美しい小瓶がどうしても、いつまでも、子狐捨てられないのです。
「1個だけ残して、捨てても大丈夫じゃないかい?」
父狐、10個くらい溜まってしまった金平糖の空の小瓶を見ながら、コンコン子狐に聞きました。
子狐が化け狸の金平糖にハマったのは、こやこや58週間前、つまり去年の春の頃。
1年ちょっとで小瓶が10個なら、来年にはもっとたくさん空の小瓶が、処分されず溜まるでしょう。
「やだ!」
子狐ギャンギャン!捨てられない宝物を両前あんよで抱え込み、いっちょまえに父狐に威嚇します。
子狐にとってはどの瓶も、思い出に紐づいて大事な大事な「1個」なのです――それを捨てるなんて!
「捨てない!ととさん、宝物にさわらないで!」
そうか捨てたくないのか。 父狐は子狐の、宝物への執着に対して、とっても理解がありました。
捨てる処分より、有効活用する方が良さそうだ。
コンコン父狐は子狐の、これからも増えていくだろう小瓶の活用方法を、ひとつ思いついたのでした。
いつまでも捨てられない物は、今は捨てられないんだから、とっとと諦めてしまいましょう。
いつまでも捨てられない者には、捨てる以外の道を、何かひとつ提案しましょう。
「全部、捨てられないのかい?」
捨てない!ダメ!ギャンギャン!
「空っぽの小瓶のまま、残しておきたいのかい?」
何言っても、ダメったらダメ!ギャンギャン!!
「この小瓶にお水を入れて、一輪ざしの花瓶にして、お花を咲かせて飾るのはどうかな」
「おはな……!」
コンコンこやこや父狐、子狐が1年かけて集めた金平糖の空き瓶抱えて神社の手水に行きまして、
小瓶にたっぷり、稲荷神社のお水を入れます。
「小さなお花を摘んでおいで」
おめめをキラキラ輝かせる子狐に、父狐言いました。
「参拝客がお前の宝物の小瓶と、お前が選んだキレイなお花を同時に楽しめるように」
「つんでくる! おはな、小瓶にかざる!」
子狐は尻尾ぶんぶん大喜び!神社の敷地を駆け回り、タンポポやらセンニンソウやらツリガネニンジンなんかをプチリ噛み切って、色とりどりに集めます。
たちまち稲荷神社の売店もとい授与所の窓際は、お花を挿した小瓶でいっぱい。
コンコン子狐、これにはこやこや大満足。
当分だいたい数週間、授与所の一輪ざし小瓶を見て満足して、小瓶を買わずにおりましたが、
数週間後「一輪ざしを増やしたくなって」、和菓子屋にお小遣い持って1匹行っちゃいましたとさ。
いつまでも捨てられないもの
割と捨てるのに
かなり考えてから行動に移すので
そういうものはないかも
働いて、自立しなさい。と言われる。
私は真面目なため、言われたとおりに、ほどほどに働いて、働いて、ほどよく一生が終わった。
つらかったら休んでもいい。と言われる。
私は真面目なため、今度は厳しいが給料の多い仕事で限界まで働いた結果、体を壊してようやく休む。そして、どんな歩み方をすればいいのか悩み続ける。いつかなにかを成せるはず、と思いながら、でもなにを成したいのかわからないままに一生が終わった。
もういちどあそびますか。
何を求めてあそんでいるのかわからない。
前回できなかったことをやろうとし、やって、迷って。
明確なゴールもなければボスもいない。
でも、何度も何度も繰り返してしまう。これが、執着なのだろうか?
ぼんやり思いながら、わたしはまたリプレイを押す。
【いつまでも捨てられないもの】
小学校の頃、卒業制作でオルゴールの入った木箱を彫刻したことがある。
一番見える上部分には、修学旅行で見た綺麗なものをずっと覚えていたいと紅葉の葉を彫った。
修学旅行でお城を見にクラス全員で階段を登っている時に、なんとなしにちらりと横見たら紅葉があった。
上から柔らかに陽光が掛かっていて、薄く輝いたようなあの紅い葉は衝撃だった。綺麗だな、なんて陳腐な言葉も出てこずに、後ろの人に気も遣えずに立ち止まってしまった。それだけ綺麗で、この記憶を一生忘れないでいようと脳裏に焼き付ける気概でまじまじと見た光景は、無事に今でもくっきりと思い出すことができる。
特によく思い出すのは、卒業制作の木箱の彫刻を見た時だ。
少し不格好な、それでも当時は一番いい出来だと思った紅葉の彫刻を見た時、ぱあっと鮮明にあのときを思い出すことができる。
木箱の中には、小学生から今までで貰ってきた手紙が詰まっている。
友達から、先輩から、後輩から。全部大切な宝物だ。
オルゴールは木箱を開けた時に鳴るようになっていて、オルゴールが小学校の校歌なもんだから、懐かしさが編み込まれたような箱になっている。
掃除のときにでも偶々見つけて紅葉の光景思い出して、開けて校歌を思い出して。
中には小学校から上の手紙が全部入っている。掃除機なんてそこら辺に置いておいてオルゴール優しい音と共に手紙を覗くと、当時の背格好にでもなった気分だ。
いつまでも捨てられないもの。
小さい頃を思い出す、いっぱいに記憶が詰まったあの木箱。
部屋の中に物が溢れてる。
いつか使うかも。
何かに使えるかも。
又流行るかも。
以前の趣味の物。
人から貰った、趣味に合わない物。
読み終わった本。
可愛いと思ったキャラクターグッズ。
沢山のぬいぐるみ。
卒業式に貰った第二ボタン。
捨てられない物がどんどん溜まっていく。
心の中にも、物が溢れてる。
小さい頃の思い出。
発表会。
人を傷つけてしまった事。
人に傷つけられた事。
嬉しかった事。
悲しかった事。
楽しかった事。
辛かった事。
人を裏切った事。
人に裏切られた事。
何一捨てられず、どんどん、どんどん溜まっていく。
いつか、捨てられるのかな。
過去を振り返らず、前だけ見て思い切りよく捨てられるのかな。
過去は過去、と割り切れる日が来るのかな。
跡形もなく、全てを処分できるのかな。
そんな日が来たら、一歩踏み出せる。
新しい私になって、全てやり直せる。
動かなくなった貴方の体を、キチンと処分出来たら······
ぴんくのくまのぬいぐるみ.
すうねんまえから お友だち.
かわいいくまのぬいぐるみちゃん.
まわりにばかにされても
ずっといっしょ.
泣いてるときも わらってるときも、
ずっとずっといっしょだった.
1さいのくりすますにもらったぬいぐるみ.
いつまでもいっしょだよ.
「いつまでも捨てられないもの」
──────────────────
ど-も-☆ましゅまろと申します..♪
まぁこっからはミナクテモイイデスガ...
この作品の工夫点としては..
なるべくひらがなで書いたことでしょ-か...☆
そこに気づいてくれたらLUCKYですわっ!!
By作者
#いつまでも捨てられないもの
色が変わってしまったお気に入りのぬいぐるみ
もう欲しくてももらえない両親からのプレゼント
そして何よりも
私が私で居られるための誇りと意地……
それから……
まだまだ自分に勢いがあった頃はあれも大事、これも大事と物への執着もかなりあった
ところが時を重ねるうちに次第に「どうしても捨てられない」と物に執着する気持ちは薄れてきている
それは多分その物の必要性が低くなったことももちろんだけれど、物事全般に対する執着心とか、何かを強く切望するような心のエネルギーも少しずつ減ってきているということなのかも知れない
(価値観は人それぞれなので、あくまで個人的な感想だけれど…)
そんな今でも「どうしても捨てられない」と心のエネルギーを燃やし続けていられものは、やはり私の中を貫いている「信念」や「生き方のこだわり」だ
もはやこれは「私」を形創る設計図のようなものであり、これに基づいて長年少しずつカスタマイズしながら「今の私」が成り立っている
今の私が良いか悪いかは別として、それを手放すことは「私」が「私」で失くなってしまう気がするのだ
人生もそこそこ長く生きていれば山もあれば谷もある
そんな時に常に支えになったのは、その「信念」であったし「生き方のこだわり」だった
それがあったからこそどんな時でも軌道修正しながら自分を立て直すことが出来たのだ
最近は「こだわりを持たず楽に生きることが幸せになる近道」という考え方も推奨されるようになってきてもいる
どんなにこだわりたくても、そのこだわりに自分のエンジンが保たない…という時が訪れるのもそれほど遠くはないのかも知れない
自分がこだわりを持って生きていたことさえ忘れてしまう時もいずれは訪れるのだろう
でもそれまでは、設計図に少しずつ手を加えながらでも、「どうしても捨てられない」信念やこだわりを持って今の自分を上手く乗りこなしていきたいと思う
『どうしても捨てられないもの』
《いつまでも捨てられないもの》
3年前に闇の眷属に蹂躙された帝都だけど、軍の施設は利用価値が高いからかその被害を受けずにそのまま残っている。
ここは、そんな帝国軍の中にある一般兵向けのエリア。
あちらこちらで、制服を着た人達がバタバタと動き回る。
手に持つのは、箒に塵取り、バケツに雑巾、モップにはたきに大きな袋。
何でもここの建物内に害虫…いわゆる黒光りするアノ虫が大量発生したらしく、今は大掛かりな駆除作戦に行く前の大掃除の途中なのだそう。
ここには、彼と一緒に責任者と害虫駆除に必要な期間と予算の話し合いの為。
今はその話し合いが終わって、一般兵の宿舎に入っている。
無関係の私がなぜ一緒にいるのか。それは、
「いい機会ですから、一般兵の生活ぶりを見学してみませんか?」
と誘われたから。
…少し前に、私が兵士さんに手紙で呼び出されてホイホイ応じちゃったのに関係してるのかな?
あの時は話のほぼ出だしで彼が来たから、何の用事か結局分からなかったけど。
廊下を歩く兵士達が、彼を見ると立ち止まって敬礼する。
彼が労いの言葉を返し、私は軽く会釈をする。
通りがてら、廊下に出されている不要物や掃除中の部屋のいくつかを軽く検分する。
一部の兵士さんは、私と彼の顔を交互に見て青ざめている。
その様子に、
「あの、これ私がいてもいいものなのですか?」
と聞けば、彼は
「女性に見られても問題無いくらいまで綺麗になれば、害虫騒ぎも収まるでしょうから。」
と。厳しいご意見、ありがとうございます。
兵士の皆様方にはご心労お掛けしますが、ご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
そして各部屋を見て回る。
ある部屋は。
「大量の薄汚れた肌着。」
「洗濯が億劫だったのでしょうか?」
「各自の洗濯の徹底を指示。」
彼は、手にしたメモに気付いた事を書き留めていく。
次の部屋は。
「袋詰めされたキノコ。」
「うわ、凄い。どこに生えていたのか…」
「…考えたくもないですね。」
寝具の天日干しを徹底、と彼のメモ書き。
そしてその次は。
扉の入口をバッチリ塞ぐくらいに、大量に積まれた本。
「! これは見ないように!」
彼の手に、急に両目を塞がれた。
「あ! ああ、なるほど。そういう本なんですね!」
突然触れられた驚きにどもりながら答えると、
「無理して平静を装わなくてもいいですから。」
と。平静を失ってるのは本のせいじゃないんですけど!
まあある意味お約束の展開を経て、また次の部屋に向かうと、一人の兵士が直方体の金物の箱を手に悩んでいた。
「お疲れさまです。どうしましたか?」
彼が声を掛けると、
「お疲れ様です! あの、冷蔵庫の奥にあったこれなのですけれど。」
と、敬礼をした兵士が、手にした包みを差し出してきた。
「かなり以前の物なので捨てるべきなのでしょうけど、異常も見られないし変な臭いもしないので、怖いもの見たさで食べてみたくなっていまして。」
「ふむ、これですか。」
と、彼は片手の平で支えられるくらいの箱を開けて中身を観察する。
箱の中身は、しっかりと油紙で包まれた、箱にピッタリと合うサイズの物だった。
私も覗かせてもらったけれど、微かに鼻を擽る洋酒の香り以外は感じない。包みを見る限り、カビとかもなさそうだけど。
「これの中身は何ですか?」
と、彼が当然の疑問を口にした。
それに、兵士が返事のお手本のような快活さで答えた。
「はい! 20年前のフルーツケーキです!」
「はあっ?!」
目を見開いて仰天した彼の声が、宿舎中に響き渡る。
まあ、普通はそうか。
でも…。
「…貴女は驚かないのですか?」
半ば呆れた様子の目で、彼は私に聞いてきた。
「はい。下拵えと保存状態がよければ100年以上は持ちますから。」
こちらの情報ではないけれど、私はそれを知っているから。
「軍用食の研究に使えると思いますよ?」
まっすぐに彼の目を見て答えると、彼は呆れていた目をきょとんとさせて、薄く口を開いて固まった。
ほんの少し眉間に寄せられた眉を見るに、今は入ってきた情報の整理をしてるところなんだろうな。
しばらくその様子を見つめていると、一瞬意識を私に向けた彼が、メモにペンを走らせていた。
「…そのフルーツケーキは、今すぐ軍の研究課に提出してきて下さい。」
そう言って、彼は自分のサインを入れたメモを兵士に手渡した。
「はい! 承知いたしました!」
その指示に従いフルーツケーキを急いで提出に走った兵士の背中を見ながら、彼は独り言ちた。
「…何でしょうか。なぜ不要物をいつまでも捨てられないものなのでしょうかね。」
うん。
真面目で規則正しくて、強い彼がその疑問を抱くのはよく分かる。
なので、私は自分の考えを口にしてみた。
「もちろん性格もあるのが大前提ですけど、精神的な疲労が溜まると捨てるかどうかの選択が既に辛いものになるのかな、と。」
これも、私が『持っている』知識。
それを聞いた彼は、驚きながらも思案を深めている目で私を見つめてきた。
その後、ふっと一つ息を吐いてまたメモを書いた。
「…兵士の精神状態に更に気を配るよう配慮しないといけませんね。」
よかった。
せっかく連れてきてもらったんだもの。この害虫騒ぎも、有意義なものになるといいな。
私は何かにホッとして、顔を緩ませた。
兵士の皆様、お疲れさまです。
これからも頑張ってくださいね。
いつまでも捨てられないもの
・元カレからのプレゼント
・元カレとのプリクラ
・お揃いで買ったぬいぐるみ
・LINEの内容
これはこれから捨てようと思ってるものだ
でも、なぜか捨てられないものがある
それが写真だ
「元カレの寝顔」
「初めて手を繋いだ時の照れた顔」
「初めてデートに行った時の写真」
早く忘れたい
早く消したいけど自分にはそれができない
しようとしても手が震えてできない
未練ないと思っていたけど
未練があったんだなぁって毎回思う
ごめんね、忘れられなくて
いつまでも捨てられないもの
私の中でいつまでも捨てられないものは…
恋人への嫉妬です。( ・᷅-・᷄ )
いつまでも捨てられないもの
子どもの頃の辛い記憶はどうして捨てられないのか
1番いらないものなのだが、どうにも捨てられない
そもそも捨てることが可能なのかということになるが、捨てて軽やかな人を見ると、自分はどうしてこのままなのかと苦々しく思う
いっそのこと丸ごと全てを忘れた方が幸せだとすら思う
そんなことを考えつつ、今日も捨てられずに抱えている
^_^^_^^_^^_^^_^^_^^_^^_^らら^_^^_^わ
いつまでも捨てられないもの
・休日にゴロゴロしている夫
・加齢臭が強くなってきた夫
・言われたことしかしない夫
仕事がらというのと、趣味でというのもあり、書斎にはそれなりの本がある。
整頓されているとはお世辞にもいえず、今取り掛かっているものに関連するものがそこらへん、少し前のがあそこらへん、という具合に、本人しか分からない分け方で積み置かれているものだから、当然本人しか片付けることもできない。そして、本人は片付ける必要性を感じていないものだから、つまりいつまでたっても片付くことはないのだ。
たまには掃除をしたらどうなの。
ほら、この本なんて、いつからここに積まれているんでしょう。うっすらほこりをかぶっているじゃないの。
書斎に立ち寄った妻があまりの汚れ具合に呆れ、
「わたしが掃除を手伝う」
と言うのをやっと追い出して(見られて困るものがあるわけではなく、体が丈夫と言い難い妻にほこりだらけの部屋に長居してほしくない)、書斎の主はひとつ息を吐く。
この本なんて、と指さされた本は、確かにほこりをかぶっている。これは確か、ここに越してきた頃に取り掛かっていた件だ。
懐かしいな、と思わず手に取り、ぱらぱらとページをめくると、その真ん中付近に紙が挟まっていた。
開いてみると、押し花だった。
なんてことはない、庭に咲いている花だ。
そう、確か、庭で遊んでいた娘が摘んできて、机の端に並べたのだ。
書斎の主は、押し花を紙に挟んで、元のように本に戻した。本のためを思えば不適切な行動かもしれないが、これはこのまま残しておきたいと思った。
表紙のほこりを払うと、書斎の主は、収めるべき本棚……の前の本の山を崩しにかかることにした。
『いつまでも捨てられないもの』
#27 いつまでも捨てられないもの
[愛用品に宿る心]
物は、
愛用品ほど勝手に捨てられる。
だから、
絶対にいつ無くしても
代用品で復元できる、
もしくは
綺麗さっぱり諦めるイメージで
品物を選ぶ。
捨てられないものは、
みえないものたち限定にしている。
例えば、みえない相手の優しさ。
知ってる人にしかわからないように、
それとなく会話する。
でも、何よりも大切にしているもの。
自分の中の優しさもこれに同じ。
みえないからこそ、価値がある。
物の中にも優しさが宿っている。
作り手の心意気が其処彼処に乗っているのだ。
壊されたとしても消えないもの。
今まで使わせてくれてありがとう。
感謝して置きたい。
夕方、いつも通り息子の亮を迎えに保育園に行く
ひょこと教室を覗くと亮と目が合った
「ママ!!」
教室から走って出てきた亮はニコニコと笑顔だ
「おかえり、亮」
「ただいま!
あのね、ママ」
モジモジと恥ずかしそうにする亮
亮の目線の高さに合わせてしゃがむ
そして「大丈夫だよ」って気持ちを込めて頭を撫でる
「これ、あげる!」
私の気持ちが通じたのか亮は後ろ手に隠していた手紙を差し出した
「ありがとう」とお礼を伝えて手紙を貰うと亮は嬉しそうに帰り支度をしに教室に戻って行った
そっと手紙を広げるとそこには「いつもありがとう」と書かれていた
「っ!」
泣きそうになっていると一連の流れを見ていた先生が教室から出てきた
「亮くんは優しい子ですね」
そう言いながらティッシュを渡してくれる
「そうですね…」
その一言を返すのが精一杯だった
なんの記念日でもない日にようやく平仮名が書けるようになった息子から貰った初めての手紙
それが私にとっていつまでも捨てられないもの
「いつまでも捨てられないもの」
smile
heart
violin…
私の一番大切なものは…。
あなたでは無いよ。
【#77】
【いつまでも捨てられないもの】*71*
もう何周かして流行りそうな服笑
可愛いけどちょっと脱いだり履いたりが面倒な靴
歴代のスケジュール帳
あーこれは捨てられないじゃなくて特に捨てる必要もないかぁって思ってたモノなんだけど…
元彼とかからもらったアクセ類笑
誰からもらったかも思い出せないのもあったり(汗
これはちょっとゴタったから反省笑
みんなに促され質に持ってったら
意外とお高かったというオチ
それで奢ったらなんとなーく解決笑
危なかったー