『いつまでも捨てられないもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日のお題。いつまでも捨てられないもの。
捨てようと思った事は何度もあった。
捨ててしまえってはよく言われる。
だけど増えるばかりの居住区。
「いい加減ぬいぐるみは少しでも捨てなさい!もうあなた21でしょうがっ!」
「やだ!仕方がないじゃんかわいいし!」
いつまでも捨てられないもの
息子が可愛い♡と言う思い込み…いつまでも捨てられない…
もう成人過ぎたオッサンなのに…
いつまでも捨てられないのは
それには想い出が詰まってるから
それを無くしたら
まるで自分の一部が欠けてしまうように感じるから
だから捨てられない
捨てたくないんだ
時が来たら手放せると信じて
もう少しだけ側にいて欲しい
【お題:いつまでも捨てられないもの 20240817】
八歳の誕生日の少し前、家族で出掛けた先で見つけた綺麗な石。
紫色で、その石だけは全体が凄く輝いて見えた。
理由はわからないけど凄く欲しくて堪らなくて、両親にお願いして、誕生日プレゼントとして買ってもらった。
その石はアメシストの『水入り』と呼ばれる物で少々値が張ったらしいが、俺は只々嬉しくて、ずっとお守り代わりに、母さんが作ってくれた小さな巾着袋に入れて首から下げていた。
暇があれば、袋から取り出して石を眺める、ちょっとおかしな奴だったかも知れない。
でも、3cmにも満たない大きさの石だったけれど、俺にとっては大事な大事な宝物だった。
そう、過去形なのだ。
その石とは、半年程でサヨナラとなったから。
じいちゃん家、つまり母親の実家のある地域で行われた秋祭りで出会った女の子に、御守りとして渡してしまったんだ。
もちろん、後悔はしていない。
俺と同じで、地元の子ではなかったその女の子は、両親とはぐれて一人神社の裏で泣いていた。
俺はと言うと、屋台を見ているうちにいつの間にか皆とはぐれてしまった。
まぁ、はぐれたら神社の社務所の傍にある大きな楠の下に居ること、って約束だったんだけど、そこは元気な男の子なもので、ちょっとばかり探検がしたくなった。
で、大人の目を盗んで、色々と普段は入れない場所に入ってみたりしていたわけだけど、そんな中で誰かの声が微かに聞こえ、辿ってみるとそこに女の子が居た、という訳だ。
初めは幽霊じゃないかと、ドキドキしていたんだけど、普通に女の子だった。
んで、どうにか泣き止ませようとして、いつも持ち歩いてる石を見せた。
女の子は予想以上に石に興味を持ってくれて、涙もすぐに止まった。
後は、親を探すだけだけど、また泣かれるのも嫌だなと思って、それになんだかそうするのが一番良い気がして石を女の子にあげた、巾着ごと。
その後、女の子の両親はすぐに見つかって、お別れをして、俺は約束の楠の下へ。
母さんに怒られはしたけれど、まぁ、楽しいお祭りだった。
その年以降も、何度か秋祭りには行ったけれど、結局あの女の子には一度も会えなかった。
そして今、あの時の石が目の前にある。
わかるだろうか、あるはずがない物が目の前にある驚きを。
前日にしこたま酒を飲んで起きた朝、水を飲もうと開けた冷蔵庫に、何故か冷え冷えのテレビのリモコンがあった、そんな驚きだ。
まぁ、わからないか⋯⋯。
似た石じゃないか、そう思うだろう?俺だって初めはそう思ったさ。
でも母さんが縫ってくれた巾着袋まで、結構ボロボロになっているけど丁寧に並べられているとなったら疑う余地は無いだろう。
「お待たせ、コーヒー淹れたよ?」
「あ、あぁ、ありがと」
昨日からバタバタと、部屋の掃除に荷物の整理と忙しくしていたから気が付かなかった。
飾り棚の一角に丁寧に並べられた、所謂、鉱石と呼ばれる石たち。
水晶を初め色々な石がある中、俺の目に止まったのは、そう、かつて御守りにしていた水入りアメシストのポイント。
「これ」
「うん?あぁ、それね。凄いボロボロになっちゃったんだけど、『いつまでも捨てられないもの』ってやつで」
「こんなにボロボロなのに?」
多分、石のせいで擦れて穴が空いたんだろうな、あて布をして縫われたり、刺繍で穴を塞いだりしていたようだ。
それも一回や二回どころの話じゃない、まぁ、紐は替えられてるけど。
「貰ったものだったし、その子もすごく大事にしていたみたいだから、捨てられなくて」
「⋯⋯誰に貰ったの?」
「うん?⋯⋯名前知らなくて。六歳の時だったかな、母方の祖母の家に行った時に近所でお祭りがあって、私迷子になっちゃったんだよね。で、暗いし周りは知らない人ばっかりだしで泣いてたら、男の子が声を掛けてきてくれて、自分の宝物見せてやるって、見せてくれたのがこのアメシスト。夜で暗かったんだけど、屋台や提灯の光とか篝火とか、そういうものを全部キラキラ跳ね返していて、すごく綺麗だったんだ。そしたらその子、くれたの。石と巾着を。御守りだから持ってるといいって。『きっと君を幸せにしてくれるよ』って言って」
えっ、待って、それは記憶にないぞ、俺。
「またお祭りで会おうねって約束したんだけど、そのあと私父の仕事の関係でオーストラリア、アメリカ、イギリスと海外回っていて、日本に戻ったのは六年前で、今会ってもお互い分からないと思うな」
あ、そりゃ会えるはずも無いよね、日本に居なかったなら。
でも、祭りじゃないけど、こうして再会して夫婦になれた。
これは、運命ってやつだ。
「これさ、水が入ってるの、知ってる?」
「えっ?」
「ほら、ここ。気泡が動くんだけど、これが水が入っている証拠ね。光に当てて、この気泡が動くのを見るのが好きでさ、暇があればずーっと見てて、よく母さんに怒られたよ」
「えぇ?」
「捨てられてなくて良かった。大事にしてくれてありがとう」
「ふぇ?」
「え、ちょっと待って、何で泣いてるの?」
「だ、だってぇ、うぅ」
泣きやんだ君が、初恋だったと教えてくれた時は、すごく嬉しかった。
だから俺も、と思ったけれど、やっぱり恥ずかしいから教えない。
あの後、君の来ないお祭りでいつも一人あの場所で、君を思いながら待っていた事は。
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(´-ι_-`) 水入りはロマンです。
『いつまでも捨てられないもの』
捨てたいと思いつつも捨てられなかった指輪。暗い夜の海辺に向かって腕を振りかぶったことがあるし、山裾に広がる樹海の茂みに紛れて落としてみようと思ったこともある。どちらもなぜか寸でのところで躊躇う気持ちが強く出て、結局今も手元に残っている。
指輪を贈ってくれた人はもういない。けれど自分の伴侶であったというわけでもない。交通事故であっけなくこの世を去ってしまった彼にはプロポーズの用意があったのだろうか。それともただの気まぐれだったのだろうか。何を思って私にこれを贈ってくれたのか、知りたいと思うけれど知りようがない。
彼がいなくなってからは何も手につかなくなり、あちらこちらを彷徨っては死に場所を求めていた。けれどどこへ行ってもなぜか人に見つかって保護されてしまう。気をしっかり持って。つらいことがあればここに電話しなさい。そう言ってもらったカードは溜まりに溜まり、手元の指輪と同じように捨てられないでいる。
今日もまた、手元にあるのは指輪と新たに貰った番号が書かれたカード。目の前に広がる硫黄の山からは水蒸気の煙があちらこちらから上がっており、観光客の姿もちらほらとある。異界の景色とはこういうものなのだろうかとぼんやり眺めていると隣に誰かが立つ気配があった。
「旅行ですか?」
「……えぇまぁ。そんなところです」
視線を上げる気になれず、景色を眺めたままで答える。
「僕も旅行なんです。連れにあちらこちらへ付き合わされてヘトヘトですよ」
ヘトヘトなのに付いて回るのは随分と惚れ込んでいるのだなと答えはせずに思う。返事も相槌も返さないのにその人はいろいろとよく話した。連れと呼ぶ人が常日頃から危なっかしいので目を離せないとか、行く先々でも危ないところへ行ったり物を落としかけたりするので気が抜けないとか、自分ひとりでは手が回らないから助けの人を探すのも大変だとか。
「……大変ですね」
「えぇ、それはもう」
つい返してしまった言葉にその人は万感こもった溜息を吐いた。
「だから今日はガツンと言おうと思ってるんです」
異界のような景色の中でいつの間にかその人と私は対峙していた。目の前にいるのは指輪をくれた彼だった。
「僕がいなくてもちゃんとしなさい!」
ハッと意識が立ち返ったときには目の前にも隣にも人の気配は無く、手元にある指輪からやけに重みを感じた。今までのすべてを理解した私は、言い逃げのような形になった彼に向かってありとあらゆる暴言を吐いた。その後には涙がこぼれて止まらなくなる。縋る先の指輪は何も答えず、けれどどこか温かみを感じられる気がした。
いつまでも捨てられないもの
まぁ無理に捨てることは無いよ
今の君にはまだ必要なものだ
心が動かなくなった時
何も感じなくなった時
役目を終えたそのときに
そっとお別れしたら良いよ
いつまでも捨てられないもの
ゴミ屋敷、あるいは汚部屋ってやつだな。俺の部屋は初心者レベルくらいには物であふれてる。
さすがにゴミとかはそこまでないけど、いや、ほとんどゴミみたいのが結構あるか。ゴミ結構あるな。
まあ今まで買ったものなんかが捨てられないってのもあるけど地味に捨てられないのが段ボールとかビニール袋だったりする。
段ボールは単に捨てるのがめんどくさくてずるずると部屋に置きっぱでビニール袋はゴミ袋としても使えるから捨てられずにたまっていく。
特にこのビニール袋がほんとたまっていくんだよな。毎日のように一枚また一枚と増えていくけどゴミ袋としての消費はそこまででもないからどんどん増えていく。
つまりまだ使えるものが俺は捨てられないわけだ。ほとんどタダみたいなものでもまだ使えるなら捨てるのに抵抗があるんだな。
それとこれは別の話題になるけど昨日買ったところてんがうますぎる。夏だからか疲れてて体が酢を求めるのか冷えたところてんがあまりにうまい。
今までところてんなんてほとんど食ったこともなかったのに昨日食ったらうますぎた。これは革命級のうまさだよ。
若い頃はこんなの金出して買うわけねーだろって食べ物が多かった。そんなの買うくらいなら酒とポテトでも買うわってやつ。ところてんもその一つだ。
でも年を取って酒をやめたことで今まで見向きもしなかったものに注目するようになった。それがところてんだ。
あと地味にところてんって満腹感すごくないか?これ食前に食べるだけで結構お腹が満たされるんだけど。
そういうわけで今のブームはところてん。これはダイエットとか関係なく一日三食食べたいやつだ。
いつまでも捨てられないもの
アラサーで独身の今でも
いつかは白馬に乗った素敵な王子様が
迎えにきてくれるんじゃないかという
甘い幻想
いつまでも捨てられないもの…
心の中の夢見がち乙女ちゃんとヤンチャ坊主
小さい頃、私は満たされていたのかそれとも逆に遠慮があったのか、欲しいものというのが特になかった。
だから誕生日プレゼントに何が欲しいかと聞かれても回答に迷ったし、好きなキャラクターを何か1つ持っておく事が私自身の個性になるだろうと思って、特に好きでもない『くまのプーさん』を好きだということにして、プーさんを好きな子どもを演じていた。
誕生日に貰ったのは、立派なプーさんのぬいぐるみと目覚まし時計。
ぬいぐるみはベッドサイドにいつも置いていた。目覚まし時計は壊れるまで使った。
大学生になって実家を離れ、ぬいぐるみの存在はすっかり忘れていた。
月日が経って、結婚して子どもが生まれ、実家に帰ると、懐かしいおもちゃがたくさん並べられていた。ぬいぐるみも大量にあり、その中に私の『くまのプーさん』のぬいぐるみも座っていた。20年以上経っているとは思えないほど状態がよかった。
3人姉妹だったので、親はどれが誰のぬいぐるみでどんなエピソードでそれを手に入れたんだったか、さっぱり忘れていた。「懐かしい」と私が言うと、「そうだったっけ」と照れくさそうに笑った。
3人の子どものうちの1人が、プーさんのぬいぐるみを気に入って、どうしても連れて帰ると言った。
大事に抱きしめて帰り、ままごとでお世話をして、毎日一緒に眠っている。
不思議な縁があるものだな。
大好きな人からもらったプレゼント。
どうしても捨てられないもの。
今は、大好きな人にあげることができた。
捨てられない性分も、悪くないと思った。
No.93『いつまでも捨てられないもの』
いつまでも捨てられないものなんて数え切れないほど持ってる。
だってそれは私にとって全てが大切で大好きなものだから。
だから「いつか」なんて永遠に来てほしくないんだ。
基本いらないものはすんなり
捨てられる方だと思う
でも捨てたくても捨てれないものがある…
「ねぇ!この前〇〇くんとLINE交換できた!!」
上手くいって良かったな
「うん!ありがとう!また相談するね(ニコ!)」
おう……
(こんな、酷いことあるかよ…)
(俺、お前のことさ……)
(好きなのに…)
(恋の相談相手って……笑える……)
………
はぁ……つら……
いつまでも捨てられないもの………恋心
題【いつまでも捨てられないもの】
「いつまでも捨てられないものですか?」
「はい。すみれ様はあるのかな?と気になってしまって。」
「娘の赤ちゃんのときの物とかですね。」
「すみれ様は赤ちゃんはいないですよね。」
「もう!いいではないですか!」
「妄想が気持ち悪いでございます。」
「うるさいわね!」
「いつまでも捨てられないものは、友情ですね。」
「かっこつけてます?」
「さっきからうるさいです!」
「いつまでも捨てられないものは、たくさんありそうですね。」
「そうね。」
人からもらったものは
なかなか捨てられない
わりと大きくなってから
父親がみんなに買ってきたお土産のキーホルダー
家族それぞれのイニシャルが入ってる
いつまでも捨てられないものには
選んだ人の想いが宿っているから
お別れのときにはありがとうを
「いつまでも捨てられないもの」
子どもの服や玩具は状態が良ければ人の手を巡り巡っていつまでも残り続ける
自分が子どもの頃使っていたものが自分の子どもに巡ってくることも。何事もご縁だ
毛羽だったぬいぐるみ。
わたしの最初のともだちだから。
塗装の剥げたブランドバック。
わたしの最初のお給料を使った贅沢だから。
お星さまになったあなたの記憶
わたしが初めて忘れたくないと思ったものだから。
修学旅行の時、長崎かな?
ぽっぺん って鳴るガラスのやつ買ったんだよね。
ビードロ?
お店で見た時はとてもきれいだったんだけど家にあるとその時ほどではぜんぜんなくて、掃除もどうしていいやらわからないし、そんなに使ったりもするものでもないし。
だけど捨てるのはなんか違うかなーって。
そういえば木刀買ってる男子がいたなー。
うらやましかった。
ビードロより有意義だったかなー。
振り回して遊べそうだし。
シャボン玉みたいなビードロも、木刀も、どっちもほしかったなー。
これがぽっぺんのあの透明のふくらみの中にある思い出かー。
「いつまでも捨てられないもの」
いつまでも捨てられないものについて
最近特にハッキリと認識したのは、私自身の、とても幼いプライドの高さだ。
私はアラフォーだが、内面が本当に幼い。
小学校低学年の子のほうが大人で優しいと感じるくらいだ。
(魅力的な幼さと、周囲に不快さを与える幼さがあると感じるが、私が持ち続けているのは後者だ。)
自分では隠しているつもりでも、恐らく周囲からは丸見えなんだと思う。
幼さの理由は単純明快で、「人生経験の少なさ」だと思う。
20代半ばで心に不調をきたし社会からドロップアウトして、そこからは「自分を大切にする」ことを決めて生きてきた、つもりだった。
けどそれは「過剰な逃避癖」をすくすく育んだだけだった。
逃げ続けているから、成長しない。
成長しないから、ずっと自信がないまま。
周囲はどんどん人生経験を重ね、ライフステージを進んでいく。
差は、どんどん開いていく。
昔から「天然」「宇宙人」(今はなんて言うんだろう)などと呼ばれがちで、話が噛み合わない所が面白がられるような性質だった。
そこに更に人生経験の圧倒的な違いが加わり、もはや表面的な(かつあまり噛み合ってない)コミュニケーションでしか関われない、謎の存在になり果てた。
自分よりかなり若い世代と関わる機会も増え、ジェネレーションギャップも加わり、もはや何がなんだか。(相手も私も)
彼らは、「…?」と感じつつ、気遣い優しくしてくれる。
優しさをありがたく思うと同時に、いたたまれなさもすごい。
この「いたたまれなさ」が、先に書いた
「とても幼いプライドの高さ」の表出なんだと思う。
情けない自分を受け入れきれてないから、そんな自分が悔しくて、いたたまれなくなっちゃうんだろう、きっと。
これ、どうやって捨てられるんだろう。
ここで本音を不特定多数にさらした事で、砂粒くらいは捨てられてるんだろうか。
『いつまでも 捨てられないもの』
人へ おせっかいをしてしまう心。
助けを求められてもないのについつい手を出してしまう。
くだらないプライド、ひねくれた性格、やめとけと言われる人付き合い
案外形あるものの方が思いきってお別れを切り出せるのかもしれない。
目に見えないけれど無い方がいい物って案外思ったより多くて、そいつを捨てるにはきっと物を捨てる以上に勇気と根性と気合とエトセトラが必要で。
私は断捨離という名の自分との戦いを、日々繰り広げているのであります。