『あいまいな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
――あいまいな空――
晴れでも曇りでも雨でも雪でもあるような
不思議を体現する空さえ
分類の餌食となるほど
人間は異質を嫌う
それでも過去は
異質が受け入れられたかな
あいまいな空
最近天気が不安定すぎる
晴れていた数分後にはゲリラ豪雨
竜巻が発生し、雷も落ち、バケツをひっくり返した様な土砂降り
数十分後にはまた晴れている
だけど土砂崩れや浸水、川の増水など爪痕は残っている
来週には梅雨明けして本格的な夏が来るらしいがまだまだ油断は出来ない
あいまいな空
あいまいな空の時、地を這う影もぼんやりしている。
空も白く、ひなたとひかげの境目があいまいで。
あいまいな優しさに包まれて、街路樹の下を歩く。
軽くなる足取りが、昔の記憶を呼び起こす。
ああ、あの日。
こんな足取りであなたの隣を歩いていたね。
あなたとの距離はあいまいで。
私とあなたの陰影もぼんやりとしていて、限りなく心地良かった。
あの頃に戻れたら。
あいまいな空にどこかほっとするのは、あの日のあなたを思い出すから…なのかもね。
お題「あいまいな空」
どこまでも続く薄墨色の雲
本来の青色はことごとく塗り潰され
あたかもそれが空だと言うように広がっている
色をなくした空には
同じように色をなくした地上があり
空と地の境界線が滲んでぼやけ
梅雨時にはこんな不思議な風景を作り出す
私にとって、空はいつも美しかった。
空を見るだけで
まるで
ずっと見たかった映画を観ているような、
大好きな人と一緒にいられてるような、
いいことばかりが起きているときのような、
そんな、言葉で表すのは難しいくらい、
いろんな感情が忙しくまわる。
まわりすぎて、もはや静かになるくらい。
嫌なことがあった今日。
どうしようもなくて、
ひとりで泣いてた。
慰めてくれる人も、
そばにいてくれる人も、
誰もいなくて。
私は何もなくて、
何もできないのだと、
改めて感じた。
涙で濡れた瞼を開き、
窓から空を見る。
あぁ、やっぱり
そらってきれいだ。
題名「あいまいな空」
〜詩〜
#あいまいな空#
空は曖昧だ、
だって、気持ちがわからないから
たまに思う、空になりたい。
笑顔の似合う人になりたい…
だけど、私の好きな人は他校、、、
冗談で「ブス」と言われたけど、
会いたいと言われた
髪の長い女性が好きらしい…
私はそれに答えられない。
空は曖昧だ、
空にないたい
空は嫌われないからだ
色んな色があり、綺麗だからだ
そんな綺麗な空みたいな女性になれるといいなと、
毎日思っている…。
#96 短歌
あいまいな
気持ちが滲む
今朝の空
心にさせる
雨傘を持つ
お題「あいまいな空」
【あいまいな空】
意識は明瞭、コックピット内の酸素も安定している。バイタル問題なし。
加速度圏を抜け、水平にしていたシートを起こす。
モニターで後方の映像を確認する。真っ黒な宇宙空間の中、灰色の雲をまとった地球がくっきりと浮かび上がっている。
地球からの脱出成功、これで晴れて自由の身だ!
シートベルトを外しざま、飛び上がってガッツポーズをとった。
そんな自分の姿が、コックピットのスクリーンに反射で映り込む。
おろしたてのパイロット服はぶかぶかで、不自然なほどに似合っていない。
(あれ、ヒゲも三日ぐらい剃ってないし、髪もボサボサじゃん。俺、こんな感じだっけ……)
首をかしげたそのとき、船内に警報が鳴り響いた。
正面モニターいっぱいに映し出された、巨大な隕石の陰。
避けきれない、ぶつかる!
頭を抱えて縮こまった。耳をつんざく轟音とともに、意識は黒い影に覆われた。
はっと目が覚める。――なんだ、夢か。
全身の緊張を解いて息をつき、警報、もとい枕元のアラームを叩いて止める。
上半身を起こして、もう一度深く息をつく。夢の記憶は、ひと呼吸ごとにあいまいになっていく。ばくばくと波打つ鼓動や、肌に張り付く冷や汗の感触は残っているのに、どんなシチュエーションの夢だったか、もう思い出せない。
ベッド脇のカーテンを開ければ、あいも変わらずどんよりとした曇り空だ。きっと雨が降るだろう。今日も行き帰りに防護服が必要だ。クリーニング済みのもの、まだ残ってたっけな。
ヒゲを剃って身支度を整え、防護服を着込み、寮を出る。職場はここから徒歩五分、宇宙船の発着ベースだ。
ベース内に入り、整備士用のロッカールームに向かう途中で、白い制服をきりりと着こなしたパイロットたちとすれ違う。ふっと、夢の記憶が回帰する。あの制服を、自分は不格好に着ていたような気がする。
(パイロット、憧れだもんな……)
本当の職業は、しがない整備士だ。同じ宇宙船に関わる業務でも、花形のパイロットと裏方の整備士では、給料にも待遇にもイメージにも権威にも、雲泥の差がある。
(俺も乗りてぇなぁ……)
パイロットたちのように宇宙船に乗って、どこかに行けたらいいのに。どこに行きたいかは、わからないけれど。
ただ漠然とした「行きたい」という思いだけが、胸をきゅっと締め付ける。
(あれ、俺、泣いてる……?)
頬を濡らす冷たい感触に驚き、慌てて顔を袖で拭った。
顔を上げると、いつの間にか同僚と肩を並べて立っていた。整備を終えた宇宙船がブースから出て行くのを、二人で見送っている。
あれは火星行きの新しい船だ。もう完成していたのか。
「火星の空って、どんなだろうな」
同僚がつぶやく。
「赤いらしいな」
「へぇ、イメージ通りだ」
「それで、夕焼けは青いんだってさ」
「へぇ、見てみたいな。地球でも、もう青い空は見られないもんな」
それなら、こんど自分が宇宙船に乗るときに誘ってやろう――でも、こいつ、誰だっけ。同僚の名前と顔を思い出そうとしていたら、ベース内に警報が鳴り響いた。同時に、周囲の明かりがふつりと消える。
「なんだ!?」
「巨大隕石が落ちてくるぞ!」
同僚はそう叫んで、どこかに駆けだしてしまった。一人、電源の落ちた真っ暗な整備ブースに、警報音とともに残される。
ふいに、今朝見た夢の記憶が蘇る。隕石、あれは正夢だったのか――
身がすくんで立ち尽くしたところで、上から迫る大轟音に、意識が呑まれた。
はっと目が覚める。――なんだ、夢か。
全身の緊張を解いて息をつき、警報、もといアラームを叩いて止める。
上半身を起こして、もう一度深く息をつく。夢の記憶は、ひと呼吸ごとにあいまいになっていく。ばくばくと波打つ鼓動や、肌に張り付く冷や汗の感触は残っているのに、どんなシチュエーションの夢だったか、もう思い出せない。
カーテンを開ければ、昨日と同じ、あいまいな空模様だ。そのうち雨が降るだろう。今日も傘が必要だ。昨日使ったやつ、ちゃんと乾かしておいたっけ。
アパートを出ると、コンクリートの湿った匂いが鼻をついた。
匂いのせいか、ふっと夢の記憶が回帰する。永久に晴れない灰色の空、蒸し暑い防護服、頬を濡らした涙。
ぽつりと、頬に雨の気配を感じた。慌てて傘を広げる。
安いビニール傘は、なんだか頼りない。雨が触れた頬を、ゴシゴシと拭う。防護服を着なくて大丈夫だっただろうか――防護服って、なんだっけ。
……そもそも自分はいま、どこに向かおうとしてたっけ?
ふいに、街中にけたたましい警報の音が響いた。近くのスピーカーが「隕石です!」と叫ぶ。ビニール傘を透かして頭上に目を向けると、黒い影がすぐそこに迫っていた。
思わず頭を抱えて縮こまった。耳をつんざく轟音とともに、意識は黒い影に覆われた。
はっと目が覚める。――なんだ、夢か。
緊張を解いて息をつき、警報、もといアラームを叩いて止める。
「…………」
上半身を起こし、額を押さえる。頭がくらくらしている。
長い夢を見ていた気がする。夢と現実の境界があいまいで、どこからどこまでが本当の記憶かわからない。いまはちゃんと現実だろうか?
起き上がってベッド脇のカーテンを開ければ、あいも変わらず憂鬱そうな灰色の空だ。きっと雨が降るだろう。
外出の予定はないから、自分には関係ないけれど。
……本当に?
窓ガラスに淡く映る自分が、首をかしげた。
本当に、外出の予定はなかったっけ?
どこかに、行こうとしてなかったっけ?
なにか大切なことを忘れているような気持ち悪さが、吐き気となって込みあげてきた。
遠くで、警報のようなベルがジリリと鳴った。
はっと目が覚める。――夢、だった……?
音を止めようとして枕元を探るが、ベルの本体はベッド脇に立つ者の手にあった。細長い指先が、優雅な動きでベルを止める。ベッド脇のテーブルにベルを置く。
「おはよう。目が覚めたな」
彼女が顔を覗き込んでくる。
「お、おはようございます……」
彼女の整った顔の向こうに、無機質な白い天井が見える。
ベッドから身を起こそうとして、頭にごちゃごちゃとコードがついていることに気づく。白衣を着た彼女が、丁寧な手つきでコードを外していく。
「さて、君の夢をいくつか見せてもらったよ」
彼女はそう言って淡く微笑むと、近くの椅子に腰掛けた。手元のタブレットを操作しはじめる。
その姿を見て、これまでの記憶がどっと押し寄せてきた。
(あ、こんどこそ現実だ……)
身を起こし、はだけた診察衣の前を合わせ、ベッドの端に腰掛けて居ずまいを正す。
ここは、夢を使ったカウセリングを謳う医療機関だ。白衣の女性は、担当の精神科医。二十代の若造だと言っていたから、自分と同年代かもしれない。普段の真顔はなんとなく怖いが、笑うと顔全体がふんわり柔らかくなる。
この病院に来たきっかけは、彼女だ。通勤途中、横断歩道の待ち時間、ふと灰色の空を見上げたら、急に涙が溢れて止まらなくなった。防護服越しでは、目を拭えない。どうしようかと慌てていたら、後ろから肩を叩かれた。「君、顔色悪いね。なるべく早めにここに来てくれ」そう言って名刺を渡してきたのが、同じ防護服に身を包んだ彼女だった。
名刺には病院名だけが書かれていた。住所を見たら、職場のすぐ近くだった。さらにネットで調べたら、診察の予約は一カ月先まで埋まっていた。直近で予約をとって、あり余っている有給で都合をつけ、ここに来た。複数いる医師の中で彼女が担当になってくれたのは、幸運な偶然だった。
ちなみに職場は宇宙船の発着ベースではない。そもそも整備士なんかじゃなかった。それよりもっと手前の製造業――宇宙船の部品を製造する工場の、しがない作業員だ。整備ブースどころか、発着ベースの敷地にも、入ったことはない。
住んでいる場所は、職場から徒歩五分の独身寮。たった五分の距離を、毎日のように、蒸し暑い防護服で通っている。雨の降りそうな日は、汚染物質から身を守る防護服が欠かせない。
夢の中で広げたビニール傘は、まだ地球が汚染されていなかった日の記憶だ。あのころの雨は、ただの水で、無害だった。
夢の終わりに毎回襲ってくる隕石は、子供時代のトラウマ。あの日以来、地球も生活も、なにもかもが変わってしまったから。
隕石災害は父と母を奪い、自分を天涯孤独にした。
「君は現状にずいぶん閉塞感を抱いているようだな」
タブレットから顔を上げ、女医が言った。
「はい……」
わかりきったことだ。
どんなにパイロットに憧れようとも、憧れを掴めるような技能や頭脳は持ち合わせていない。高校一年で両親と祖父母を亡くし、勉学を諦めて就労した。あれ以来、工場の部品を生産するための部品、という立場から、抜け出すことができない。
「それで、私からの提案なんだが」
ふいに、肩に手を置かれた。
「私と一緒に、火星に行ってみないか」
「……は?」
「私も見たいんだ。青い夕焼けを」
「はぁ……」
まじまじと見つめ返してしまう。女医は怖いぐらいの真顔だった。
「ん、青かったら焼けてないな。いや、高温のガスバーナーの火という可能性も」
「いや、あの……」
「自分でもわかってるんだろう? 君は地球から抜け出さない限り、病む」
「……そ、そうですね……」
そうだ、すべてはあの空のせいだ。あのあいまいな色の空が、どこにも行けない、何者にもなれない自分の現実を突きつけてくるから――
「まあ、実際多いんだよ、君のような人は。そろそろ『地球閉塞症候群』とか病名がついてもおかしくないぐらいにね。あんなふうに、四六時中空を覆われてちゃあね」
ばん、と、大きく肩を叩かれた。
「それなら、突き抜けてみようじゃないか、あの空を! 火星に向かって!」
診察室の上部、小さな明かり取りの窓を指さして、女医は朗らかに笑った。
「……い、いや、火星っていっても、次の宇宙船はまだ製造中ですよ……。部品だって、まだ納品しきれてないのに……」
「だから、さっさと完成させて行くんだよ。君が部品を作った宇宙船で」
「俺が、部品を作った、船で……」
すっと胸が開けたような気がした。
そうか、そんな可能性もあるのか。
この船、俺の作った部品が使われてるんだぜ、なんて誇らしげに言いながら、火星までの船旅を楽しむこともできるのか。
火星移住は、特殊な訓練や健康診断をくぐり抜けてライセンスを獲得した者だけの狭き門だ。しかし、ただの観光旅行なら、門戸は一般人にも開かれている。
火星旅行ぶんの有給ならいつでもあり余っている。趣味もなく彼女もいない自分には、休む理由なんてなかったから。
火星旅行ぶんの貯金もある。趣味もなく彼女もいない自分には、生活費以外の余計な出費なんてなかったから。
しかし、工場作業員のしょぼくれた給料では、スペースパスポートの許可が下りるかわからない。
火星行きのチケットだって、毎回とんでもない競争率だ。抽選に当たる勝算はほぼゼロ。
行きたい、とはやる気持ちが、行けそうにもない現実に、押し負けそうになる。
だいたい、彼女が「一緒に行こう」と言ってくれたのだって、患者を元気づけるための冗談だろう。出会ったばかりの美人女医と冴えないいち患者の旅行なんて、夢物語にもほどがある。
だけど。閉塞していた思考に一度でも可能性の風穴を穿たれてしまったら――夢を見ずにはいられない。
一人旅でも充分。可能性が限りなくゼロに近くてもいい。自分が部品を造った船に乗って宇宙に出られるかもしれない、そう考えるだけで、なんだかわくわくしてくる。
「お、血色が戻ったな。その調子」
女医がニヤリと、悪友のような笑みを見せる。
「……おかげさまで……明日から、ちょっと頑張れそうです」
「ああ。チケットが取れたらぜひ教えてくれ」
「……本当に、先生もいらっしゃるとは……」
その後、火星行き宇宙船の乗客エリアで、自分が呆然と立ち尽くすことになろうとは、夢にも思わなかった。
「医師特権というやつだ」
二年ぶりに再会した女医は、涼しげな顔で乗客席に座り、長い足を組んでいる。
「しかも、俺が先生の隣の席なんて……」
「運がよかったな」
女医は意味ありげにニヤリと笑った。
「……同行者、俺でいいんですか?」
「そもそも、私は最初のときから君をナンパしたつもりだったが?」
「へ?」
「いいから、さっさと座れ」
女医は男友達のような仕草で、肩に腕を回してきた。
「さあ、出発だ! 人生のバカンスを楽しもうじゃないか!」
二人の手にはいつの間にか、乾杯用のビールジョッキが握られていた。
※ ※ ※
「悪夢のループを抜け出して、幸せな夢に移行したようだな」
タブレットで患者の夢の映像記録を確認し、担当の女医は微笑んだ。
「予定時間超過してますよ、そろそろ起こさないと……」
看護師の青年が覚醒用のベルを手に取る。女医はそれを片手で制した。
「もうちょっとだけ寝かせてやれ」
「先生の昼食時間、なくなりますよ?」
「ここで摂るよ。適当なデリバリーを寄越してくれ」
「まったく、いつも患者優先なんですから。少しはご自身も大切にしてくださいね」
看護師は呆れ顔を隠さずに、診察室を出て行った。
女医はふっと笑った。目の前に横たわる患者の眦から、そっと涙を拭う。
「優先したくもなるさ。彼の中の私が、幸せそうだからな」
明かり取りの小さな窓に目を向ける。今日も地球の空は塞ぎ込んだ灰色だ。だが、いつかは抜け出せるだろう。その夢を支える者たちの一人が、いまここで、新しい夢を見ているから。
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明日と土日は、書く習慣おやすみします。
なんか今日の天気ははっきりしないなぁ。
今6月、、梅雨の時期だし
わかるけども、
雨も降りそうだし、
曇ってて、かと思えば急に太陽が顔を出す。
なんとも、、、
てか、私の気持ちみたいだ。
私もはっきりさせなくてはいけないことがある。
ずっと、、ずっと昔からそばにいてくれる私の幼馴染が
この前
好きだ。
と言ってきた。
考えたことがなかった。いや、好きだけど、そういうふうに見たことがなくて、、
すぐに応えられなくて、
よくわからなくて
モヤモヤしてる。
考えては考えてはああああってなってる。
今日の空、最近の空は私のようだ。
「今日もダメだったかぁ。」
ポツリと、誰に向ける訳でもなく呟く。
その声は人並みの喧騒に紛れていった。
時刻は夕方17時過ぎ。営業として派遣されて数ヶ月。私はまだ、ろくに仕事ができていない。
契約ひとつとる事も出来ず、今に至っている。
最初の二、三ヶ月は先輩が一緒に回ってくれていたが、研修期間も終え、独り立ちをした途端にこれだ。
向いてないのではないかと、心が折れつつある。
最初は「ドンマイ」と声をかけてくれていた上司も、最近は報告の電話の度に渋い顔をするようになった。
さすがに、看過できなくなって来たのであろう。
この前、会議の後に先輩に呼び出された。
「わかってると思うけどさ、あなた一個も契約取れてないのよ。」
「はい。」
「もう入って数ヶ月経つんだからさ、新入社員気分でいられても困るんだよね。」
「……すみません。」
言葉が出なかった。なにか言おうとも考えたが、言い返せるほどの気力も湧かず、ただただ先輩の言葉を聞いていた。
私だって頑張っている。毎度毎度試行錯誤して仕事に臨んでる。でもそれは私に限った話でもなく、この会社の営業部、そして営業という仕事についてるひと誰もがやっている事だ。私だけがこんなに頑張っている訳では無い。
皆、他者と競いながら思考を凝らして日々頑張っているのだ。だから、ここでへこたれる訳にはいかないんだ。
それなのに……。
コツコツとヒールを鳴らしていた私の足が止まる。
動けない。今日まで気合いで乗り切ってきた。
これだけ頑張れば、きっとどこかいい会社が、いい取引先と巡り会えるはずって。
でも、現実は厳しかった。
「もう他と契約しちゃったからさ。」
「これだと、前に来たところの方が安いなぁ。」
いつもかけられる言葉は、どれも冷たかった。
どこも本気なのだから、そう簡単に認めて貰えないものだとはわかっているものの、私にはしんどかった。
今日の取引先も反応はイマイチで、案の定ほぼ追い返されてしまった。
ずっと営業スマイルを維持してた私を誰か褒めて欲しい。
毎日この繰り返し。
だんだん朝起きるのすら苦痛になってきた。
このまま起き上がれなくなればいいのにとすら思ってしまう。
「日々頑張りなさい。その努力を見てくれる人はいるから。」
配属してすぐの上司の言葉。失敗する度に、私に語りかけてくれる優しい声を思い出す。
いつもなら、この言葉を糧に頑張れるのに。
それなのに。
口をギュッと結び、手を固く握る。
「誰も……見てくれないじゃない……」
ぽたぽたと、アスファルトに水滴が落ちる。
数滴落ちたところで、自分が泣いてるのだと自覚した。
流石に外で涙でぐしゃぐしゃな姿を晒せるほど、私は幼くない。
涙を誤魔化すために、空を見上げる。
晴れとも曇りとも言えない空。
とても、あいまいな空。
ふっ。と息が漏れた。
「今の私みたいだね。」
#あいまいな空
あの人を失ってからというもの、私の世界は全てが曖昧になってしまった。空も、海も、山も、建物も、時折部屋に入ってくる見知らぬ男も、全て灰色。私にとってはどうでもいい。
灰色の空虚な世界から逃げ出したくて眠りのなかに身を投げても、あの人の思い出は遠く霞んで二度と鮮やかには戻らない。あの人と見た空も、海も、山も、建物も、全てが混ざり合って一つになってしまう。
私は、これが夢か現か、それすらも曖昧な世界で、今日も魂を失ったまま彷徨い続ける。
(あいまいな空)
#あいまいな空…
曖昧な色の空
曖昧な私の心を映すよう
曖昧とはね…
あやふや…
物事がはっきりしない様
どっちつかずの私は
いつも曖昧に頷いて…
ダメだね
こんな私のままじゃ
本当に大切な人を失ってしまうね
かわいそうな少女
コンビニから帰っていると
かわいそうな少女がいた。
雨なのに傘をさしていない
ずぶ濡れ少女。
ぼくは「お入り」と傘を差し出す。
彼女はぼくを見つめるなり逃げていった。
「何もしないよ…」
降りしきる雨の中呟いた。
私は空が好き
その時の空は自分の心が映し出されてるのかなって思う
あいまいな空、それは、自分の心もあいまいということ
ゆっくり自分と向き合いたいと思う。
不思議。
君が居ないだけで、家がこんなにも暗い。
たった半日だけなのに、何もやる気が起きなくて、ソファに寝っ転がって時間が経つのを待っている。
お腹がグゥと鳴るが、食欲は無い。
早く帰ってこないかな、とソファの上。
丸まって目を閉じた。
テーマ「あいまいな空」
なぜ、泣くんだ
うたれても何も感じないが身体中の熱を集めるように掻き抱く
おもむろに上を向いても灰は晴れず伝う雫が頬の汚れを落としていく
なぁ…なんで泣くんだ?
何が辛い?俺を作るほど追い詰められてるくせに
見せてはくれるのに共有してはくれない
代わるから、痛いも辛いも死にたいも
だから、泪の雨をとめてくれ
晴れた青空が恋しいよ
#あいまいな空
あいまいな空
今日の天気は曇り。
事務所の窓の向こうには、出荷前の真新しい車、お仕事中のカラーコーン、風になびかれた雑草がいつもと変わらずそこにいる。
配属されたとき、迷わず窓辺の席を選んだ。
自分自身に期待と足枷の意味を込めて。
外に出なけりゃ、霧雨が降っていることも気づけない。眼鏡をかけてなきゃ、水滴で視界が不良になることにも気づけない。
右耳からはラジオ、左耳にはパソコンの音声をのせて、1日は過ぎていく。
仕事をしているのかと言われれば、うーんと唸り、サボっているのかと言われれば、それもうーんと唸らざるを得ない。
とてもあいまいな1日だ。
そして明日は海に行く。
清掃だろうが、死ぬためだろうが、海に帰りたいとさえ思う。
海から出てきたわけでもないのに。
※ポケモン剣盾二次創作・マクワとセキタンザン
知っていますか?
空の青色は、残り物の色だそうですよ。同じように海の色は、その残り物を水が拾って映した色なんだそうです。
石炭と炎の色で出来ているセキタンザンには少しばかり遠い話かもしれませんね。
残り物と言うと少し言い方が悪いかもしれません。この世界は、太陽の日差しを浴びてたくさんの明かりを貰っています。日光を直接見ると……目にはよくないのでサングラスをしましょうね。
サングラスがあれば直射日光から眼を守ることができます。……もちろん人間じゃないきみだって例外じゃありません。
ええと、話が逸れてしまいましたが、
天気の良い日に青空の下で直接見るとほぼ白色に見えるかと思います。
……見えてますよね? ああよかった。基本的にはやはり人の眼もきみたちセキタンザンの眼も同じ機能をしているのでしょうか。
まあ、たとえ他の色をしていても構いません。今度は雨上がりの空を思い出してください。虹が掛かった所を見たことがあるでしょう? 6色のカラフルなアーチ状のもののことです。完全な弧を描くことは稀で、山裾辺りから伸びている姿を見ることが多いでしょうか。
そうそう、カントーやホウエンのひとたちは虹色を7色だと言うそうですよ。
少しばかり悔しいですが……ガラルに住むぼくたちよりも色に対する感性が鋭いのでしょうか。ぼくもカブさんから聞いて初めて驚きました。……ええとつまりですね、ぼくたち人間の間でも何を重視するか、あとはその人個人の見え方でいくらでも変わるので、ぼくときみが見えるものが違っていてもなにもおかしくないと……伝えたかったのです。
それで虹の話です。白い光は雨の水などで屈折した時、本来の色を見せます。6色ありますが、それぞれの色には一つずつ、実はぼくたち人間の目には見えない波長がありまして、赤が1番長く、反対の青色が1番短いのだそうです。
夕焼けが赤色なのは横から地平線に伸びる太陽の赤色が1番長く届きやすいからだそうです。そうしてひとつずつぼくらが受け取る長さにはズレが生じて……最終的には残り物の青が残ってしまうそうなのです。
ぼくにとって空の色は、白色……あるいは薄紫色でした。
薄曇りや雪が降る前の雲の色ばかりを見ていたからですね。セキタンザン、きみも知っての通り、寒冷地であり……すぐ近くに海辺もあるぼくらのキルクスの町は雪やあられが降りやすく、天気の良い日は少ないです。今朝見た天気予報では、また1週間近くあられが続くようです。
雪でなくて……何よりでした。雪掻きもよい訓練にはなりますが、もっときちんと組んだメニューをジムトレーナーの方々と行いたいですし、ポケモンたちもいるとはいえ人手が必要で、ほぼ総出になってしまうのは頂けません。
……でも本当は昔からそうだったのです。実はぼく、恥ずかしながら家に……実家にいた頃は雪掻きをしたことがほとんどありませんでした。後を継ぐためにこおりポケモンの勉強か、訓練かのどちらかで……時間を割いている余裕がなかったのです。
本当は空の色なんてどうでも良いとさえ……こおりポケモンこそ天候に左右されるはずなのに。
あられがバラバラ落ちる中、ぼくらはいつも深くて暗い海に向かいました。母はぼくと母のラプラスが仲良くなれるようにしたかったのです。
学ぶことも、トレーニングも、ラプラスといることも苦ではありませんでした。
ひとつひとつがぼくの力になるのだから、こんなに良いことはありません。
でもそこで見る海の青さは、全て……残り物でした。前に進めない愚鈍なぼくという波長が残った色。ぼくの……目の色。
でもきみといるようになって、一つ気が付いたことがあります。その空の色は……きみの煙の色に少しだけ似ていました。高い湿度が生み出す雲と、きみの水蒸気……場所は違えど大本は同じです。ぼくはあの空を……あまり見たくありませんでした。
しかしきみの煙はじっと見ていてとても楽しい。もくもくとあがる噴煙は、一瞬たりとも同じ色になることはありません。水分量や火力の量、それが指し示すきみの体調で毎日毎秒色が変わっていきます。
きみがしっかりとほのおを作ってあげる煙は白に近い……そう、あの雲が覆う空にとても似ていることに気が付きました。
けれど、それだけではありません。キルクスの上空に広がる雲の中にも分厚い部分や薄い部分、その入り混じりがあって、いろんな色を作っていました。
あいまいな空は……たくさんの色彩に満ち溢れているのです。これはきみがみせてくれる輝きのひとつにすぎません。
こんな雑学に興味が向いたのも……きみと見る空の色がとてもカラフルに出来ていたからです。
例えばきみといつもトレーニングに行くヨロイ島。あそこは本当に素敵なところです。
日照りはきみのほのおに活力を、砂嵐の時はきみのいわのちからがきみを守ってくれます。
曇天の時は、きみの煙そっくりの雲が覆いますし、雨の時は足元が悪くなりますが、それもバランスを養う訓練です。ぼくも咄嗟の時にバク宙を行うデモンストレーションが出来ました。
霧の時は……サングラスがどうにもなりませんので、さすがにトレーニングは中止です。何かあった時が大変……危険は避けるべきですからね。
晴れた日は汗だくになりますが、より効率的に身体を追い詰められる。筋力は使って細胞を千切らなければつきませんからね。
なにより一緒に見るあの空と海……残り物なんて言わせない、輝くような青色がどこまでも広がります。ぼくはこの色を、これからきっと一生忘れることはありません。
ぼくは明日もまた、あの蒼色を見に行くでしょう。キルクスの雲が無数の色だったように、海の青も一色じゃない。明後日も、また違う色が放つ輝きを見たいと思っています。残り物だってかまいません。
いえ、残り物のぼくにはぼくの色があるのでしょう。
きみの煙の彩りがあれば、6色も7色も超えた、無限の色を見ることが出来るはずだから。
窓から見えるお空は、鉄納戸、鉛色、象牙色、白茶、白つるばみで、
今日の私の心模様は、煤竹色、砂色、錆浅葱、灰桜です。
<追記>
今日の、あなたは何色ですか?
あいまいな空と
あいまいな君と
あいまいな私
この並びなんか好き。