作品52 あなたのもとへ
足を一歩、前に踏み出す。しばらくして体中が熱く、痛くなった。
あなたもあのとき、これを感じたんだね。
一目惚れだった。
冬の寒さに凍えながら、バスを待っていたあの日。ふと、スマホから目を離して周りを見ると、あなたが横で立っていた。何故か分からないけど、あなたの顔から目が離せなくて、僕はただ、あなたに見惚れていた。
すると、あなたの前に雪が一粒落ちてきた。あなたもそれに気づいて、ぼーっとした目で雪を見る。
その瞳とあなたの吐いた息の白さが、眩しくて、儚くて、美しかった。
視線に気づいたのか、こちらを向いたあなたと目があう。さっきまで感じていた寒さが嘘のように、耳まで一気に熱くなった。
思わず目をそらしてしまう。そしてすぐ、もったいないことをしたと思い、もう一度あなたを見る。
さっきまでいたところにあなたはいなくて、もしやと思い前を見ると、あなたは真っ赤に輝いた雪の上で眠っていた。
一生残る初恋と、数秒だけの片想い。
その数秒に、僕の人生は心ごと奪われてしまった。君の白さに見惚れて、君の赤に恋をしたあの日からずっと。
ここまで準備をするのに時間がかかったけど、もう少しであなたのもとへ行ける。
最期にあった僕のこと、覚えてくれてるかな。
⸺⸺⸺
以下色々かも肉が喋ってます(統一性一切なし)
足を一歩踏み出してする死に方って、ぱっと思いつくものだけでも三つ出てくるから、どれを当てはめるかによって“僕”が“あなた”へ抱いてる気持ちが微妙にずれてしまう。それが曖昧な感じして、個人的にはこの表現結構好き。これからもたくさん使っていく予定。
何かに見惚れてるときって、時間がどんなに流れても、本当に一瞬に感じるんだよな。
見惚れすぎてることを表すために、スマホを落としてしまったっていう文章入れようとしたけどできなかった。わざわざ書いたのに( ´・ω・` )。
自身が書くのって結構死ネタが多いんだけど、それには多分理由がある。話せば長くなるから、いつか書こうと思う。その時はちゃんと説明載っける。
自分のことを題材にして、フィクションは最低限で、お話を書いてみたい。平凡すぎてつまらないか。
それでは最後に。
_人人人人人人人人人人人_
>段落の付け方わからない<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
ご視聴あざした。
作品51 そっと
愛がほしい。
何でもいい。誰でもいい。愛を下さい。
いくら願ったって、そんなの叶わない。
自分が幸せになることなんて、一生ない。
そんなの分かってる。分かってるからさ。
こんな気持ちを抱いてしまった罪は償うから。
だからお願い。少しでいいから。
今だけどうか、そっと抱きしめて。
⸺⸺⸺
作品11 どうすればいいの?
のその後。
作品50 あの夢のつづきを
ただ、信号を待っていただけなのに。なのになんで人が死んでるんだ?
正夢。
人が息絶えてくのを見て、真っ先にその言葉を思い出した。昨晩なんの夢を見た?人が死ぬ夢。死んだ人は誰?今目の前で倒れている人。死に方は?全く同じ。
情報量が多すぎる。冷静になれない。電話。通報しなくちゃ。救急車。
そう思っているのに、夢のことばかり考えてしまって、体が動かない。
夢だったらここで、私より死体に近いあの人が吐き、私の後ろに立っている人の子供が泣き出す。それに気づいた周りの人が動けなくなっている私を押しのけて、どこかへ電話している。
まさか流石に起こらないでしょと思った次の瞬間、前の人が吐いた。子供の泣き声。腕に感じる大人の力強さ。
夢が今、目の前で起きている。嘘でしょ。
何かが出てきそうになった口をおさえる。どうすればいいのかわからない。トイレに行かなくちゃ。ここから逃げなくちゃ。そう思ったその瞬間、気を失った。
そしてまた夢を見てしまう。見知らぬ誰かが死ぬ夢。真夜中の飛び降り自殺。幸いにも場所は知らないところだ。所詮は夢だし、仮に正夢になるとしても、見ることはなさそうだ。安堵したところで目が覚めた。
ベンチの上。気絶してしまった私を騒ぎを聞いて駆けつけてくれたこの人が、近くにあった公園で介抱してくれていたらしい。
体調はどうかと聞かれ、もう平気ですと返す。
正夢なんてもの存在しない。さっきのは偶然だ。そう思えば幾分か、気が楽になった。白いワンピースがよく似合うその人に、一言お礼をしようと顔を見た。
その瞬間、消えたはずの気持ちの悪さがぶり返す。
さっき夢で見た人と、同じ人だった。
何も気づかれないよう、悟られないよう、顔を隠してお礼を言う。
そこから何があったのか、しばらく話した。内容は記憶にない。話しの終盤、すぐそこが家なのと言って、その人は住宅街にあるマンションを指差していた。嫌な予感がしつつも、その先を見る。
そこは、私が夢で見たところと同じ場所だった。
数週間後、先日会ったあの女の人が、自宅のマンションから飛び降りた。なぜ知っているのかというと、見てしまったからだ。
わかっていたのに。だから行かないようにしてたのに。外に出ないようにしてたのに。
あの日、部屋にこもりきっていた私に、たまには散歩しなさいと親が怒った。人の死に際なんて見たくないからと当然拒んだが、力づくで外に出されてしまい、あのマンションの前を通ってしまった。
どうか今日じゃありませんようにと、息を止めながら前を通り過ぎたあの瞬間。
……人が潰れる音。何とも言い表せない、音がした。今でも鮮明に思い出してしまう。
あれ以降、外には出ていない。知っている場所を増やさないためだ。極力寝ないようにもしている。最後に見た夢は、よくあるただの夢だった。
そうだ。所詮はただの夢だ。なんの根拠もない。それを正夢というだなんて、馬鹿げている。
けれど。
私が最後に見た、人が死ぬ夢。そこで死んでいたのは私の親だった。
ロープが首に巻き付いてあって、足がブラブラ浮いていた。顔は怖くて見れていない。
それでもわかる。あれは、私の親だ。
気のせいだろうか。数日前から部屋の外が妙に静かだ。まるで人がいないかのように。たしかに親と暮らしているはずだ。
なのになぜ?
もうこれ以上は考えたくない。もう見たくない。これ以上、あの夢の続きなんて。人にも会いたくない。
寝ちゃだめだ。そうだとわかっているのに、睡魔が私を襲う。
これ以上は、もう嫌だ。苦しすぎる。どうすれば、見ないで済むのか。
そう考えていると、何かが目に止まる。その視線の先には、先端が輪っかになっているロープがあった。
何も考えられず、考えたくなくて、そのロープを手に取る。輪っかに頭を通した。ロープが置かれていたこの机を踏み台にしよう。机を勢い良く蹴った。
親が死んだあの夢。あの夢には実は、秘密と続きがある。
その一。秘密とは何か。
今まで見た人の死には、必ず視線のどこかに私の手が写っていた。そこから私がどこに立っているかなどを想像できていた。
けれど、親が死んだあの夢。あれに手は写っていなかった。つまり、私は死んだ瞬間にはいなかったのだ。
だから、親が死ぬ夢ではなく、死んだ夢だった。
その二。続きとは。
あのあと、私が死ぬ夢も見ていた。けれど死因は見えていない。場所もわからない。分かったのは。いや、正しく言おう。
私が夢で感じたのは、息苦しさと、頭が膨れあがる感覚と、体の腫れるような重さと、どんなに足掻いても空振る足の感覚。
一度、それに似たのを体験したことがある。気づかないようにしていたけど、やはりそうだった。
私の死因は首吊りによる窒息死、首吊り自殺だ。今、それと全く同じ苦しみを感じている。
ここまで言って、気づいてしまった。
ロープがおいてあった場所。あそこは普段、親が私にご飯を渡すときに、食事を置いている場所だ。最後にあった日も、ここに置いていくねと言っていた。思えばあのあと、食器が持って行かれたときには既にロープはあった。
なぜロープを置いた?
唯一、私が人が死ぬ夢を見るということを話したのは誰だ?
そもそもあの女の人が死んだ日、わざわざ夜中に散歩をさせたのは誰だ?
部屋の外に人がいないように感じではなく、本当に人はいなかったのでは?
私を殺したのは、追い詰めたのは誰だ?
あの人はどこに?
消えゆく意識の中で、どこからかあの人の声が聞こえた気がした。
⸺⸺⸺
あの、物騒なこといっぱい書いてるけど、違うんです。やめて。通報?とかああいうのしないで。ほらあれ。人が魅了されるのは死だってよく言うから、それで書いているだけで。ごめんなさい本当に許してください。
いや本当に、後半消されるんじゃないかって怯えながら書いて、投稿しました。
何年くらいか前に殺戮にいたる病を読んでしまってから、どこからがアウトなのかわからなくなっているんですよ。
一応言っときますけど、自身が文を書くとき、死を美化しているつもりでも貶しているつもりでも、どちらでもないです。
あくまでこれは作り物なんで。
死の神聖化を仄めかすつもりなんて一切ないです。ほんとに。
毎度のことながら字のミスはお許しを。
作品49 星のかけら
いつからこうしているんだろう。どれくらいの時間、あなたを待っているのだろう。あお向きに寝転がりながら、私はあなたを待っていた。
早く夢を見て。
一度、まぶたを閉じる。次開いたらあなたが隣にいることを願って。そういうことを、何度も何度もしている。どうか次こそは。
恐る恐る目を開けると、あなたは腕組みをしながら私の枕元に座っていた。嗚呼やっと。やっと会えた。愛しいあなたに。
これでやっと、別れを告げられる。
この気持ちを悟られないよう静かな声で、もう死にますと言った。あなたは驚いたように私の顔を眺めた。
とうてい死にそうには見えない、とでも思っているのでしょうね。けれど、死んでしまうのですよ。
そこで、もう死にますと、今度ははっきり言った。そしたらあなたはどこか納得したような表情になり、そして真上から覗き込むように、もう死ぬのかねときいた。
あなたの瞳をまっすぐと見つめ返し、死にますともと返す。あなたの顔がよく見えた。
あなたは枕のそばに口を近づけ、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまたたき返してきた。でも、死ぬんですもの、しかたがないわ。静かな声でそう返した。少し眠くなってきてしまった。
もっとあなたと話したい。まだ、話していたい。あなたの顔をずっと近くで見ていたい。けれどそれはもう、叶わない。
あなたとずっと一緒にいたいのに。
しばらくして、あなたにこう言った。
「死んだら埋めてください。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちてくる星の破片を墓標に置いてください。」
そうして墓のそばで待っていて。いつかきっと会いに行くから。そう伝えた。
あなたは、いつ会いに来るかねと尋ねた。あなたは果たして、日が何度も何度も沈むのと落ちるのを繰り返すような、そんな長い時間、ずっと待っていてくれるのだろうか。
そう問うと、黙って頷いてくれた。嬉しくて、静かな声の調子を一段張り上げる。
「百年、私の墓のそばに座って待っていてください。」
きっと会いに来ますから。どうか、お願いと。祈りを込めた。
あなたはただ待っていると答えた。
あなたの顔をじっと見る。ちゃんと見てるはずなのに、なぜだかぼやけて見える。これは嬉しいからなのか別れが悲しいからなのか。涙が止まらなかった。
唯一ちゃんとわかるのは、死んでもずっと一緒にいると、そう誓ってくれるのが嬉しいということ。
何も悔いは無い。目を閉じる。涙が頬へ垂れた。
ぼんやりと、湿った土の匂いがした。そして柔らかい土を、そっとかけられる。かけられるたび、どこかがキラキラ光っているように感じた。
私の上に土。そして土の上に何か暖かいものが置かれたように感じる。きっと、星の破片だ。
きっとあの人がしているのね。あの人が、私との約束を守ろうとしている。
それだけで、どんな罪も許せそうだ。
ねえ?
あなたへ。
私の無理な申し出に、否定もせず受け入れてくれて、とても嬉しかったです。
約束通りの方法で私を埋めてくれて。とても優しく扱ってくれて。何も見えなくても、あなただとわかりましたよ。
もし、あなたがもう一つの約束通り百年待っていてくれるなら、それは私達の愛が証明されたということになります。
いつになるか、その時が本当にくるのか。それはまだ分かりませんが、来ると信じています。そしてその時には、百合となってあなたに会いにいきます。
私だと、気づいてくれますか?
接吻してくれますか?
変わらず愛してくれますか?
ずっとあいしていて、いいですか。
⸺⸺⸺
夏目漱石『夢十夜』 第一夜 女目線?
いいのかなこれで……。
星のかけらつったらこれか、スピッツの惑星のかけらしかない。
作品48 君と一緒に
《1》
とある日の放課後、私は彼女の家に遊びに行った。そのときにあったお話。覚えていることだけ話す。
「どうしたらあの人と一緒になれるかな」
「え、なになに?好きな人でもできたん?」
なんの前触れもなく発せられた、友人の恋愛相談としかとれないその発言に、思わずそう聞き返してしまった。
「別に好きってわけじゃないけど。いや好きなのかなこれ。……わかんない」
あやふやな言い方をする彼女を、問い詰める。
「相手は?部活は何してる?何組?てかそもそも何年?」
面白い噂が無く、日々退屈していた私にとって、彼女のその発言は、十分に興味をそそられた。
「多分知らない人だと思う」
「ならいいよ名前なんて。それでそれで?」
「えっとね。同じ学年だけど他組の人でね、部活は確か運動系って言ってた。バスケだっけな」
頭の中でイメージをたてていこうとしたが、情報が少なすぎて全くできなかった。
「どんな人?」
「背が高くて、力があって、好きなことには真っ直ぐな人。とっても優しいの」
ベタ褒めだ。
「どういうところを好きになったの?」
「だから好きかどうかわからないって……」
「強いて言うなら!」
「えー。……秘密」
いたずらっぽく彼女は笑った。そんなこと言われたら、もっと気になってしまう。さらに聞こうとしたけど、流石にここまでにしといてやろう。
「えっと何だっけ?どうしたら一緒になれるかだっけ?」
「うん」
「それは付き合いたいってこと?」
「……まあ、そういうことかな」
「そりゃあ告るしかないじゃん!」
「そんな仲じゃないし……」
恥ずかしそうにして、手に持っていたぬいぐるみを抱きしめる彼女。
ええい焦れったい。こうなったら私が君たちの恋のキューピッドになってやろう。
「よおし。私に任せなさい!」
「よろしくお願いします!」
急に元気になった彼女を見て、ますますやる気が出てきた。
「まず連絡先!」
「インスタ交換してます!」
「つぎに会話!」
「寝落ち通話するくらいまでならいけました!」
「え!?」
「え??」
「そ、それじゃ実際に遊びに行く!」
「映画館一緒に行きました!」
「もう付き合っちゃいなよ……」
秒でキューピッドの役目は消えてしまった。というより、そもそも必要なかったようだ。
やけくそに、彼女が用意してくれていたジュースを一気に飲み干す。なにこれ何味だ。
「私の出る幕はなかったようで」
「そんなこと言わないで……」
「私に何しろってんのよ……」
「教えてほしくて」
「何を」
「どうしたらあの人ともっと仲良くなれるかを」
「知らないよぉ」
「そこをどうか!お願い!」
「うーん……。何かしてくれるならいいよ」
「え……。そうだ!そのジュース何味か教えてあげる!」
なんと微妙な。いやでも、気になる……。
「……しゃーなしだ。教えたげる」
「ありがと!」
と言ったところで、特に何もないし、思いつかなかった。無理やり頭をフル回転させる。昔見た恋愛系の映画、小説、漫画、心理学。
うう。頭を使うとなんだか眠くなる。馬鹿の定めだ。それでも頑張って、思い出せるだけ思い出そうとする。
「うーん。……秘密の共有とか?」
やっとこさで言葉を絞り出す。反応を見たくて顔を覗き込むと、彼女は嬉しそうな表情をしていた。
「いいねそれ!」
「よかったー」
次は役目を果たせた。
「どんな秘密にしようかな。何がいいと思う?」
「それはご自身で考えてくださいまし」
そう言いながら床に寝転ぶ。
「大丈夫?」
「だいじょぶー。馬鹿が頭を使いすぎると、眠くなっちゃうんだよね」
「そっか」
「あとで起こしてー」
「んー」
うとうとしていると、ふと、私が考える条件として彼女が出してきた物の答えが気になった。
「そういえばさ。あのジュースってなに味なの」
「普通のオレンジジュース」
なんだ。つまんないの。
「あと睡眠薬の味もしたかもね」
「へー。……え?」
「ねえねえ。私、いい事思いついた」
急にいやな予感がした。
「お願いがあるんだけど」
「まってこわいやだ」
「あの人とする秘密作りに協力してくれる?」
彼女が机の引き出しから何かを取り出し、それをこちらに見せる。予感が当たってしまった。
「ねえやだ。やだやだやだ」
「もちろんいいって言ってくれるよね!」
「ちょっとまってわた」
「本当に優しい!いつもありがと!」
私の話を聞け。そう言おうとしたはずなのに、眠くて舌が回らない。そもそもなにをいおうとしたっけ。あれ。ねむくておもいだせない。
「安心して!ここまでしてくれたんだから、私、あの人と付き合えるよう頑張るよ!」
なにかいってる。ききとれない。ねむい。やばいきがする。にげなきゃ。
「まだ起きてるー?」
やばい。
「はやく寝てね」
にげなきゃ。
「そろそろかな」
ねむけが。
「それじゃ」
こわい。
「さよなら。おやすみ」
あたまがまわらなくなった。
ここまでしか覚えていない。私はどうなったんだろう。それはもう、わからない。
どんなに知りたいと願っても。
《2》
目標を一度決めたらそれを達成しないと気がすまないという、悪い性格だった。それは恋愛でも同じ。目標達成のためならなんでもできる。法に触れることでも何でも。
こうやってあの子の行動パターンや性格などを考えて、それに沿った準備をするのは、むしろ楽しかった。
さあ、ラストスパートだ。
やること全てを無事済ませたのをもう一度確認し、あの人にメッセージを送る。
『どうしよう』
『わたし』
『ひところしちゃった』
すぐ既読がついた。メッセージを打ち込んでいるのが見える。返事が来る前に、もう一度メッセージを送る。
『たすけて』
こう言えばあの人が助けてくれるのはすぐわかる。
しばらくすると返信が来た。
『僕がどうにかする』
『どうにかって?』
期待を込めて、次にくる言葉を待つ。
『 』
笑みがこぼれてしまった。
証拠隠滅。死体破棄。共犯者。とびっきりの秘密の共有。
これであの人とずっと一緒になれるだろう。
あの子だったものに話しかける。
本当にありがとう。絶対あなたの死を無駄にはしないよ。
《3》
突然彼女から来たメッセージ。当然動揺した。犯罪者、死体、殺人、疑問、警察、法律。色んな言葉が、しばらく僕の頭の中を埋め尽くした。
でも待って。もし僕が彼女を助けたら、それって、一緒になれるんじゃない?
期待を込め、返信を送る。
『僕がどうにかする』
『どうにかって?』
罪を被るよと送ろうとして、指を止める。それじゃあ一緒にはなれない。なるには共犯になんなきゃ。そのためには?
死体遺棄。
指をもう一度動かした。
『隠そう』
取り返しのつかないことをした気がするのに、笑みがこぼれてしまう。なぜだろう。これで一生、君と一緒になれるからかな。
⸺⸺⸺
どこで人が変わってるかわかるように《》で番号書いてます。もっといい書き方あるかもだけどわからない。
薬どこで手に入れたんだよとか、そんなやばい思考なるわけないだろとか色々あるけど、創作物は粗だらけのほうがちょうどいいってことでご勘弁。