作品12 夫婦
両親はいつも喧嘩している。
やれ、飯はまだか。やれ、ちゃんと洗濯かごに入れて。いつもいつもそんな会話ばっかしている。
どうして結婚したのか気になって、聞いてみた。
母曰く、
『昔は優しかったのよ。そこに惹かれて結婚したのにね……。こんなはずじゃなかったのに……。』
父曰く、
『母さん、アレでも昔はべっぴんだったんだぞ。いろんな男と取合いになった末に結婚したんだが……。時の流れは残酷だな。』
そんなことを言っていた。
でも自分は知っている。
結婚記念日などの特別な日は、二人ともこっそりプレゼントとケーキを用意しているのを。ついでに言えば、交際記念日でもやってる。
もっと知ってる。
二人の写真フォルダの中身は、互いの写真でいっぱいのことを。
どうやら私にバレるのが恥ずかしくて、仲の悪いふりをしているらしい。全く、似た者夫婦だ。
邪魔者はさっさと、この家から出ていってやるか。
⸺⸺⸺
作品9 キャンドルの成長した子供目線の話のつもりです。もっと、ちゃんした話にさせたかった。そして、バッドエンドにもしたかった……。そこで気づいてしまったかも肉。今日いい夫婦の日じゃん。バッドエンドは似合わないじゃん。
お題がちと難しかったです。
作品11 どうすればいいの?
あのね
「うん」
聞いて?
「どうしたの?」
好きな人できたの
「どんな人?」
ちょっと暗いけど、喋ると元気をくれる人
「どうして好きになったの?」
優しくて、自分なんかにも話しかけてくれるから
「どんなところが好きなの?」
誰一人おいていこうとしないところ
「付き合いたいの?」
……わかんない
「……どうしたいの?」
わかんないの
「そっか、そうだよね」
きいて?
「聞くよ」
あの子を、
「うん」
わたし、彼女を好きになっちゃったの
「知ってる」
どうすればいいの?
一人、鏡の前でひたすら自問自答を繰り返す。鏡にうつっているのは、どこにでもいるような普通の女の子だ。
その顔は、今にも泣きそうな表情をしている。
唇から、また言葉が零れ落ちる。
『どうすればいいの?』
鏡がぼやけて見えた。
⸺⸺⸺
基本的には、文章作るとき、実体験を交えてます。流石にアレンジはするけど。
作品10 宝物
『あなたは、私の宝物!』
昔、そう私に言ってくれた彼女は、窓から空に向かって、飛び立ってしまった。
目の前にいたのに、私には何もできなかった。私が陶器でできた人形じゃなかったら、止められたのに。
彼女は、ずっと、私を大切にしてくれたのに。
夜空に輝く星が、彼女が気に入ってくれていた私の髪飾りに似ていて、何故か、目が割れたように感じた。
彼女は、空の宝物のほうが、よっぽど好きだったみたい。
胸のあたりから、何かが割れた音がした。
⸺⸺⸺
作品数2桁目いったのに!
なのに勉強が忙しすぎて、短いのしか書けない!
適当すぎる!
自分の頭の中身
…宝物っていったら、何故だか宝石が思い浮かんだので、誰かに愛されていた宝石が、全く関係ない星に、その誰かを奪われたら、なんか良くね?でも、そういう設定は誰でも思いつくから、+α的な感じで宝石がついてる何かを登場させて、そいつに感情を付け足すか。なら、人型のほうが伝わりやすいし人形?宝石ついてる人形はあまり思い浮かばないけど、割れ物系なら、感情入れられるんじゃね?おっしゃ、それでいこう!
と、言う感じでやりました。
作品9 キャンドル
ゆらゆら揺れるきれいな炎。
それを楽しそうに眺めていたあなたの横顔。
私はずっと、愛おしく思っています。
燃え尽きてしまうその日まで、あなたの炎が風に吹かれることのないように。
いつまでも、そう願います。
⸺⸺⸺
テスト勉強が本当にやばいので、詩みたいになりましたすみません。文章を作る練習のためにやってるのに……。
一応設定としては、親が我が子に言ってる感じです。炎はバースデーケーキにさしてあるロウソクです。アルバム見て懐かしんでる的な?
作品8 たくさんの想い出
楽しかった思い出なんて、一つもない。死ぬ間際になるまで、ずっとそう思っていた。
僕は小さい頃から体が弱くて、成人してから一瞬良くなったけど、またすぐ悪くなった。それでもやっぱり長生きしたかったし、健康でいたかった。
そのために、出来る限りのことはした。食べるものも、触るものも、部屋の空気も、何もかも、嘘臭いものでも、全部試して、健康に良いものにしていた。
だけど、無駄だった。
そんな無駄の一つに、散歩があった。
あれは、秋風が強い日。いつもみたいに散歩をしていた。なんとなく、いつもと違う道を歩こうと思い、見知らぬ公園に行った。そこには、大きな木と、たくさんの落ち葉があった。あと何回見れるかわからないから、ちゃんと記憶に残そうと、目に焼き付けているとき。
あの人に出会った。
あの人は、凛としていてすごく美しかった。
僕と初めてあったときの印象を聞くと、『秋風』と答えられたのは、すごい面白かったな。お返しに、想いも込めて『リンドウ』と言ったっけ。
あの人のおかげで僕の記憶は、一気に鮮やかに色づいていった。
ありがとう、人生に色を与えてくれて。
ごめんね、イチョウの約束守れなくて。
僕のことを教えなかったのは、呪いになりたくなかったんだ。
死ぬ間際になって、あの人に送る手紙を書いていると、そんな思いがたくさん溢れてきた。こんなの、だめだ。こんなの、余計あの人を苦しませるだけだ。
もっと別な言い方で、もっと遠回しに、直接この気持ちを伝えたい。
あの人は僕にたくさんの想い出をくれた。走馬灯が豪華になるほど色鮮やかで、それでいて、両手から溢れてしまうほどの、たくさんの想い出を。僕の一生の中で、一番濃厚な時間だった。
ありがとうね。全部を伝えるには言葉だけじゃ足りないから、紙にも工夫した。きっと気づいてくれるはず。
『いつまでも、君を想うよ。』
そう手紙に綴った。
⸺⸺⸺
作品4 秋風より
「あなた」(「彼」)目線