永遠の花束
世界線はa21(世界線は気にしないでください)
先月家に帰るととても綺麗な花束が机に置かれていたの。多分ストーカーさんが置いていったものだと思うんだけど、この花束とっても不思議なの。
見た事ないの、じゃあ何だろうって思ってネットで検索してみたんだけど該当無し。
「··不思議なお花·····まぁ綺麗だからいっか」
そのまま花束をベットサイドの机に飾ったの。
そして今日も変わらず咲いてるのよ。
一切枯れずに。
水やりは定期的にしてはいるけどお花ってそんなに長持ちするかしらと思ってもう1回ネットで調べてみたら、この花束にあるお花が富貴蘭と月下美人と言う花に酷似してたの。それに枯れないのものプリザーブドフラワーと言うものみたい。やっと謎が解けて頭がスッキリしたわ。
「ストーカーさん··私の為にこんな綺麗なお花を花束で私にくれるなんて···今度は直接渡してくれたら嬉しいわ」そう言ってストーカーさんがくれたぬいぐるみに目を向ける。
きっと今頃びっくりして椅子からひっくり返ってるかも。少しクスッとしながら花束を見る。
「····でもこのお花って何で真っ赤なのかしら?」
________
つい彼女から話し掛けられて椅子からひっくり返ってしまった。
「···うぅ、そんな可愛い顔で言われたら」
きっと僕の顔は今とてもだらしなくなってると思う。でも良かった、喜んでくれていて。最初、富貴蘭か月下美人かで悩んだんだけど、やっぱりどっちも入れようと思ってこの2輪で花束を作ったんだ。
「あぁ、でも嬉しいなぁ···僕の血を染み込ませた花が君の傍にあるなんて···」
少し血を染み込ませすぎて真っ赤になり過ぎたけど···まぁ綺麗に出来たから良かった
次はどんな赤い花を贈ろうかなぁ·····えへへ楽しみ
やさしくしないで
世界線はt72(世界線というのは気にしないでください。)
「僕と結婚してください」
彼は何時もの様に花束をもってプロポーズしてきた。私の答えは決まっているに。
「······ご、ごめ··ん··なさ··い」
いつもの様に断ると彼は花束を私に渡して「分かった。じゃあ一緒にデートしよう」と次はデートのお誘いをしてきた。
「···わ、わたし···には··も、·もう··かか··わらないで···ほ··しい」
彼にそう言うと彼は私の頬を撫でながら「どうして?僕は君が好きなのに。僕は君の全てを愛せるよ、君が戦争罪人だとしても。」
「····わ··わからな··い···ど··うして···」
どうして私なんかを··私は···
「あぁ、まだ気にしてるの?僕の腕を引きちぎった事?別に怒ってる訳じゃ無いんだよ?寧ろ僕はあの時、あの戦争の時、君が僕の左腕を引きちぎった瞬間、君に恋をしたんだ。」
彼は愛おしそうに左腕の義手を撫でる。理解が出来ない。私のせいで左腕を無くしたのに。
「それに、僕だって君の首を切りつけたでしょ?お互い様なんじゃない?寧ろ僕たちお似合いだと思うんだけど」
彼はそう言って私腰に手を回してくる。
「僕は君が好きなんだ。いや、愛してる。君は何も気にしなくていいんだ。君の苦しみも葛藤も僕は全て理解してあげられる。」
彼はさらに私に密着してくる。私は抜け出そうと藻掻くが私と同じ人間兵器の彼は尋常じゃないくらい力が強くて抜け出せない。
「ねぇ、君は僕が嫌い?嫌いじゃないよね?それなら結婚しようよ。僕は君を恨んでも憎んでもない。ただ愛してるんだ。」
「···そ、···そんな··こと···いわれて··も」
「···今日はここまでにしとくよ。また花束を用意してプロポーズするね。」
彼は私から離れて、次は私の手を握って「義兄さんの所まで送るよ」そう言って私の手を引っ張る。
彼の手はとても優しく、歩くのが遅い私に歩幅を合わせてくれている。彼の顔はいつもの様に無表情だが私を気遣って何歩か歩く度に私の方を見る。
なんで私なんかを優しくするの?
いっその事罵ってくれれば良かったのに。
隠された手紙
世界線はa21(世界線というのは気にしないでください。単品でも読めるようにはしています。)
僕は今日、愛おしい人に手紙を書いています。
内容は僕の気持ちを書こうと思っているんだけど、全く完成しないんだ。
僕の気持ちを書いているといつの間にか何十枚も書いちゃって、こんなに大量の手紙を渡す訳にはいかないから短く書いてみたんだけど···次はなんか足りないような気がして···それで何回もやり直してたら1000枚入りのレターセットが全て無くなってしまった。
手紙1つ満足に書けない自分が情けなくて、机に突っ伏す。
あぁ、なんてダメなやつなんだ。僕はノミ以外だ。
でも僕は諦める訳にはいかない。
すぐに百均で1000枚入りレターセットを6個購入して家に帰る。そして1週間かけてようやく、完成した。レターセットは殆ど使い切ってしまったが、満足いく物が出来上がった事が嬉しい。
僕はその手紙を見つめる。
本当はこの気持ちを伝えられたらどんなにいいか
でも僕なんかが彼女に想いを伝えるなんておこがましいのだ。この手紙は大事に保管する。気持ちを書いたということが重要なんだ。手紙は大事に保管する。鍵付きの棚の中にしまい、鍵を閉める。
そして前を見る。一面にある彼女の写真を見ながら彼女の家に仕掛けた盗聴器から彼女の寝息を聞く。
「···ふふ、よく寝れてるね。···僕が君を守るからね」
こんな気持ちは鍵を掛けてしまえばいいのだ。
あんな気持ちを書いた手紙なんて隠してしまえ。
そう思うでしょ?
バイバイ
世界線はt72(世界線というのは気にしないでください。ちゃんと読めます)
俺には妹がいる。
血は繋がってないけど、大事な妹だ。
今日も孤児院の隅で妹と遊んでいる。妹は少し大人し性格だから他の奴らに目をつけられるんだ。
だから他の奴らと遊ばせちゃダメなんだ。
妹も素直に俺の言う事を聞いて俺としか遊ばないいい子だ。
可愛い可愛い妹。
早く大人になって孤児院から出るんだ。
そして妹を連れて旅をするんだ。
妹が行きたいところに連れていく。
妹が住みたいところに住む。
俺の未来は華やかなものだったのに
貴族が来てから一変した。
貴族は俺の養子と頭脳を気に入ったと言った。
俺を引き取ろうとしたんだ。
妹と俺を引き離すなんて
こんな事は許されてはいけない。
でも貴族が俺が養子になれば妹に援助してくれると言ったんだ。
俺は渋々頷いた。妹の幸せの為なら多少の事は我慢できる。
そして俺は貴族を信じて養子になった。
そこからの日々は地獄だ。
貴族はまるでハイエナの様に金に貪欲で俺に当たり散らす。
貴族の妻も俺にベタベタ触ってきて気持ちが悪い。
でも我慢だ。
我慢すれば妹は援助を受けれて幸せになれるんだ。
ひたすら勉強詰めの日々が辛くても、貴族の妻に体をベタベタ触られても、俺は妹の為なら全て我慢できる。
待っててくれ、大人になったらお前を迎えに行くからな。
嘘だった。妹を援助していなかった。あろうことか妹を奴隷として売っていた。
嘘つき。俺は妹が幸せになると思ったのに。
嘘つき。金に貪欲な豚が。
嘘つき。
殺してやる
俺は手にナイフを持って貴族と貴族の妻を殺した。
豚の様な貴族が死ぬのは以外と気分がいいものなんだな。けれどそんな事よりも妹を探さなければ。
きっと妹は怖い目にあってるはずだ。
大丈夫だ、お兄ちゃんがお前を助けてやるからな。
俺はそれから色々な奴隷市場を襲って妹の情報を聞き出した。何件も何件も襲ってやっと妹を買った奴隷商に辿り着いた。でも妹は既に他の奴に売られてしまってた。しかも売った所は研究所?
俺は必死になってその研究所の事を調べた。
その研究所は人間を兵器にする為の研究所だった。
しかも兵器にする為に変な薬を打ち込んだり、無理矢理訓練をさせられると言うでは無いか。
血の気が引く。あぁ、どうしよう。妹はきっと酷い事をされている。助けなければ。
でも遅かった。
妹が戦争罪人として報道された。
妹は兵器にされて戦争で何百人も殺しをしたから処刑だと···
助けてやるからな
俺はその処刑場を襲撃する。
流石に数が多かったがそんな事で足を止める訳にはいかない。何人もの処刑人共を殺していった。
そしてようやく妹がいる部屋に着いた。
妹は手足を鎖で拘束され、目隠しをされている。そして妹の体もボロボロだ。首はパックリ切りつけられたのか大きな傷跡があるし、頬には銃弾を受けた跡がある。
俺が恐る恐る近寄ったら妹はか細い声で「ご、··ごめん、なさい···ごめん、なさい」そう呟いているのが聞こえた。
俺は妹の目隠しを外してやる。
妹は俺を見た途端に口を開けて驚く。
俺は妹を抱き締めると妹はボロボロと泣き出した。
「ご··めんな···さい···」
あぁ可哀想な妹よ。お前を置いて行ったお兄ちゃんが悪いだ。でも大丈夫だ、お前をもう1人にしない。
妹の拘束を外して妹の手を引く。
妹は人を殺した罪からか立ち止まろうとする。
妹は優しいから自分から処刑されようとしているんだな。だから俺は妹の不安を無くすために言ってやる。
「安心しろ。お兄ちゃんも人殺しだ。だからこれからは俺と一緒に逃亡生活でも送ろう。昔の弱い自分とはバイバイしたから安心しろ」
妹は今にも泣き出したそうな顔でまた謝ってきた
旅の途中
世界線はt72「⚠世界線というのは気にせず読んでください」
私は人殺しです。
処刑されるはずだった所を兄に助けて貰いました。
兄は私の手を繋いで色んなところに行きます。
活気溢れる砂漠の村、静かだけど優しい人いっぱいの漁村、栄えているがどこか皆忙しそうな都市、悪い王様が圧政をしく辺境の国、色んな所に行きました。けれど兄がどこかで止まることはありません。
今日は果物がいっぱい生えている森で野宿です。
兄は私を抱きしめて、葉っぱで作ったベットに横になります。私が寝れるように背中をトントンと叩いてくれます。私が眠っても兄は眠らないのに。
結局私は寝てしまいます。そしていつもの夢を見ます。
真っ白な博士に変な薬を打ち込まれる
理性が効かない
私の手には銃
私の目の前には親子が
私の目の前には肉塊になったモノが
私の目の前には肉塊達が
私の目の前には同じ様に兵器にされた男の子が
私の目の前には左腕を無くした男の子が
私の首はぱっくりと血が流れる
意識を失う
処刑、処刑、処刑、処刑、
私は処刑さ
そこで目が覚める。兄は私の頭を撫でながら大丈夫だと言ってくれる。私がいつもの様に夢を見て泣いてたからだろう。目がとてもあつい。
もう夜明けだ。兄とまた手を繋いで旅をする。
この旅に終わりはあるのかまだ分からないが、けれどこの旅はまだ途中だ。まだまだこの世界は広いのだ。
けれど思うのは兄の手を離せば、兄だけは……
いや、全てが遅い。
「なあ!知ってるか?戦争罪人誘拐事件の話」
「おっ、知ってるぜ。確か処刑される筈だった、罪人を血塗れの男が連れ去ったって話だろ?周りにいた処刑人や関係者達はその男に全員殺されたって噂だぜ」
「きっと恐ろしくて、傲慢なやつなんだろうな。罪人を助けるなんて」
「違いねぇ」