ポロニ

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バイバイ

世界線はt72(世界線というのは気にしないでください。ちゃんと読めます)







俺には妹がいる。
血は繋がってないけど、大事な妹だ。
今日も孤児院の隅で妹と遊んでいる。妹は少し大人し性格だから他の奴らに目をつけられるんだ。
だから他の奴らと遊ばせちゃダメなんだ。
妹も素直に俺の言う事を聞いて俺としか遊ばないいい子だ。
可愛い可愛い妹。
早く大人になって孤児院から出るんだ。
そして妹を連れて旅をするんだ。
妹が行きたいところに連れていく。
妹が住みたいところに住む。
俺の未来は華やかなものだったのに



貴族が来てから一変した。
貴族は俺の養子と頭脳を気に入ったと言った。
俺を引き取ろうとしたんだ。
妹と俺を引き離すなんて
こんな事は許されてはいけない。



でも貴族が俺が養子になれば妹に援助してくれると言ったんだ。

俺は渋々頷いた。妹の幸せの為なら多少の事は我慢できる。
そして俺は貴族を信じて養子になった。





そこからの日々は地獄だ。
貴族はまるでハイエナの様に金に貪欲で俺に当たり散らす。
貴族の妻も俺にベタベタ触ってきて気持ちが悪い。


でも我慢だ。
我慢すれば妹は援助を受けれて幸せになれるんだ。
ひたすら勉強詰めの日々が辛くても、貴族の妻に体をベタベタ触られても、俺は妹の為なら全て我慢できる。

待っててくれ、大人になったらお前を迎えに行くからな。











嘘だった。妹を援助していなかった。あろうことか妹を奴隷として売っていた。
嘘つき。俺は妹が幸せになると思ったのに。

嘘つき。金に貪欲な豚が。



嘘つき。












殺してやる




俺は手にナイフを持って貴族と貴族の妻を殺した。
豚の様な貴族が死ぬのは以外と気分がいいものなんだな。けれどそんな事よりも妹を探さなければ。
きっと妹は怖い目にあってるはずだ。
大丈夫だ、お兄ちゃんがお前を助けてやるからな。

俺はそれから色々な奴隷市場を襲って妹の情報を聞き出した。何件も何件も襲ってやっと妹を買った奴隷商に辿り着いた。でも妹は既に他の奴に売られてしまってた。しかも売った所は研究所?


俺は必死になってその研究所の事を調べた。
その研究所は人間を兵器にする為の研究所だった。
しかも兵器にする為に変な薬を打ち込んだり、無理矢理訓練をさせられると言うでは無いか。
血の気が引く。あぁ、どうしよう。妹はきっと酷い事をされている。助けなければ。















でも遅かった。
妹が戦争罪人として報道された。
妹は兵器にされて戦争で何百人も殺しをしたから処刑だと···







助けてやるからな




俺はその処刑場を襲撃する。
流石に数が多かったがそんな事で足を止める訳にはいかない。何人もの処刑人共を殺していった。
そしてようやく妹がいる部屋に着いた。
妹は手足を鎖で拘束され、目隠しをされている。そして妹の体もボロボロだ。首はパックリ切りつけられたのか大きな傷跡があるし、頬には銃弾を受けた跡がある。
俺が恐る恐る近寄ったら妹はか細い声で「ご、··ごめん、なさい···ごめん、なさい」そう呟いているのが聞こえた。

俺は妹の目隠しを外してやる。
妹は俺を見た途端に口を開けて驚く。
俺は妹を抱き締めると妹はボロボロと泣き出した。
「ご··めんな···さい···」
あぁ可哀想な妹よ。お前を置いて行ったお兄ちゃんが悪いだ。でも大丈夫だ、お前をもう1人にしない。
妹の拘束を外して妹の手を引く。
妹は人を殺した罪からか立ち止まろうとする。
妹は優しいから自分から処刑されようとしているんだな。だから俺は妹の不安を無くすために言ってやる。
「安心しろ。お兄ちゃんも人殺しだ。だからこれからは俺と一緒に逃亡生活でも送ろう。昔の弱い自分とはバイバイしたから安心しろ」




妹は今にも泣き出したそうな顔でまた謝ってきた

2/1/2025, 11:48:46 AM