とある恋人たちの日常。

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4/30/2025, 1:40:19 PM

 
 一緒に暮らすようになって、スマホの画像フォルダには彼との写真が沢山ある。
 
 彼への気持ちを自覚した時にイベントで彼が写っていた写真。こっちを向いているわけじゃないけれど、私にとって数少ない彼の写真。
 
 そこから一緒に遊びに行くようになって、写真が増えていく。今ではデートする度に写真を撮っていた。
 
 そんな写真をデジタルフォトフレームに格納してある。
 
 たくさんの笑顔、たくさんの大好きな彼。
 
「なに見てるの!?」
 
 後ろから私の手元にあるデジタルフレームを覗き込んだ。そこには、まだ彼とは知り合いくらいの頃のイベントの写真。
 
「え、こんな頃の写真?」
「はい! 私の宝物です」
 
 胸を張って彼にそう言い返すと、くすっと笑ってくれる。
 
「ねえ、いつから俺のこと好きだったの?」
 
 彼が何気なく聞いてくれる質問に私は満面の笑みでデジタルフレームを彼の前に突き出す。
 
「もちろん、最初からです!!」
 
 驚く彼。
 だけど、嬉しそうな顔で私を抱きしめてくれた。
 
 このデジタルフレームには私たちの想いの軌跡がつまっているんだから!
 
 
 
おわり
 
 
 
三四九、軌跡

4/29/2025, 1:03:30 PM

 
 好きな彼女に想いを告げたんだけど……鳩が豆鉄砲を食らったような顔で俺を見つめ返してくる。
 
 だめ……かな。
 
 沈黙が続けば続くほど恐怖で背中に冷や汗が滝のように流れてた。
 
「えっと……俺のこと、好きになれない?」
「いえ……嫌いになれません」
 
 それだけ言って、俺の胸に飛び込む。俺は嬉しくなって口角が上がった。
 俺の肩を掴んだかと思うと、背伸びして俺の耳元から小さく囁いてくれる。
 
「わたしもだいすきです」
 
 彼女の言葉に今度は俺の方が驚いて彼女を見つめ返した。
 してやったり。と言わんばかりの彼女の微笑みが更に俺の心をときめかせる。
 
「だから嫌いになんてなれません」
 
 
 
おわり
 
 
 
三四八、好きになれない、嫌いになれない

4/28/2025, 11:34:32 AM

 
 明日が休みだから恋人と徹夜で映画を見るぞー!と息巻いて色々準備して映画を見ていた。ふたりが気になる映画をチョイスして見ていくうちに夜が明け、ふたり揃って寝落ちしていた。
 
 いや、この映画は面白くてエンドロールまで辿り着いた記憶がある。
 その時は彼女も起きていた……のに、ふたりともエンドロール中に寝落ちとか。
 
 仲良いにも程がある。
 
 なんて思いながら、俺に寄りかかって眠っている彼女を見つめた。
 このまま寝かせよう。
 俺は彼女を傾けて立ち上がろうとした。するときゅっと腕が絡まる。
 
「ごめん、起こした?」
「ん……」
 
 目は開かない。うつらうつらしながら俺によりかかって元の体勢に戻される。
 
「ベッド行こ。それとも起きる?」
 
 すると、やっぱりむにゃむにゃしながら俺の耳元に小さく囁いた。
 
「んーん、そばにいる」
 
 俺の欲しい回答ではなかったのだけど……ハートを鷲掴みにした言葉をもらってしまい、俺は諦めて彼女に寄りかかり眠る体勢をとる。
 
 夜は明けたけれど……おやすみなさい。
 
 
 
おわり
 
 
 
三四七、夜が明けた。

4/27/2025, 1:57:02 PM

 
 ぼんやりと彼女と一緒にいると、彼女がとても綺麗で目が離せない時がある。
 
 色素の薄い髪色が光を透き通らせる。
 
 ふとした瞬間に見せる笑顔を見ていると、いつだって胸がときめくんだ。
 
「どうしましたか?」
 
 無垢な笑顔が俺を捕えた。俺は手を伸ばして彼女の頬に手を添える。
 
「好きだよ」
 
 それだけ伝えると、徐々に彼女の頬が紅くなって俺から視線を逸らした。あわあわと慌てていたけれど、一息ついてから俺を見つめ直して笑顔をくれた。
 
「私も……です」
 
 
 
おわり
 
 
 
三四六、ふとした瞬間

4/26/2025, 2:44:14 PM

 
 部屋がいつも以上に広く感じる。
 というのも、今日は恋人が会社の友人たちと旅行に行ってしまった。
 
 元々決まっていた予定だから特に何か思うことじゃないのだけれど……。
 
「さみしいー……」
 
 俺は小さく呟きながらソファにゴロンと寝転がる。
 
 俺が出張している時にも寂しさはあったんだけど、普段ふたりで過ごす家に独りで居るのは寂しさを加速させた。
 
 それどころか、彼女の体温を欲してしまい、人恋しさ極まってる。
 
 彼女は彼女で楽しい時間を過ごしているのは分かっているけど……。
 
「あー、会いたいー……」
 
 毎日会ってる。
 毎日抱きしめあってる。
 
 それだけに会えないことが、こんなに心が冷えるとは思わなかった。
 
 俺は身体を起こして立ち上がって外を見つめると夜空が広がる。星がきらきらと煌めいて、その輝きが彼女の嬉しそうに笑う時の瞳を思い出した。やっぱりきらきらしていて……それが愛おしい。
 
 きらきらきらきら。
 
 ポコン。
 
 スマホから音が鳴る。そのままスマホを覗くと彼女からのメッセージが届いていた。
 
『今夜は星がきれいですよ!』
 
 そのメッセージを見て笑ってしまった。
 どんなに離れていても同じ星空を見ているんだな。
 
 俺はスマホのメッセージを返す。
 
「奇遇だね、俺も見てたよ。会いたいねっと」
 
 送信した後、もう一度ソファに座って瞳を閉じた。
 
 帰ってきたら離れていた分の補給をさせてもらおう。
 
 
 
おわり
 
 
 
三四五、どんなに離れていても

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