好きな彼女に想いを告げたんだけど……鳩が豆鉄砲を食らったような顔で俺を見つめ返してくる。
だめ……かな。
沈黙が続けば続くほど恐怖で背中に冷や汗が滝のように流れてた。
「えっと……俺のこと、好きになれない?」
「いえ……嫌いになれません」
それだけ言って、俺の胸に飛び込む。俺は嬉しくなって口角が上がった。
俺の肩を掴んだかと思うと、背伸びして俺の耳元から小さく囁いてくれる。
「わたしもだいすきです」
彼女の言葉に今度は俺の方が驚いて彼女を見つめ返した。
してやったり。と言わんばかりの彼女の微笑みが更に俺の心をときめかせる。
「だから嫌いになんてなれません」
おわり
三四八、好きになれない、嫌いになれない
4/29/2025, 1:03:30 PM