春の季節が通り過ぎていく。
今年は花見に行けなかったなぁ……なんて恋人と話していると、彼女は立ち上がった。
「行きましょう、花見!」
「え、今から!?」
もう日が落ちてきているというのに、彼女は片手をピシッと上げながら言ってくる。
「桜、まだ残ってる?」
「ありますよー、うちの会社の近くはギリ残ってます!」
彼女は両手の親指を立てる。
「少し散り始めていますが、私は散る桜もキレイだなって」
ダメですか?
と、言うように首を傾げて俺を見上げてくるんだから、ズルイよ。
君のその表情には敵わないんだからね。
俺は車の鍵を取って立ち上がる。
「案内してくれるんでしょ?」
俺の言葉に、パッと花が咲いたように微笑んでくれた。
「モチロンです。桜を見に行きましょう!」
おわり
七〇一、桜散る
気になる彼女は俺と一緒でクリームソーダが好きで。
新しくクリームソーダが発売されるから、彼女を誘った。
喜んで一緒に行くことになったんだけど……そのまま遊びに行けたらいいな。
なぁんて、夢みたいなことを考えてみたり。
おわり
七〇〇、夢見る心
もう、なんで分かってくれないんだよ。
君自身が大切だって言っているのに!
もう、どうして気がついてくれないんだろ。
彼自身を大切にすることが、私の幸せなのに。
おわり
六九九、届かぬ想い
私はお腹をさする。
ほんの少しだけふっくらしてきて、思わず頬が緩んだ。
ここには彼との愛し子がいる。
小さな命がすくすくと育ってきている。
色々と大変な時はあるけど、ようやく宿った命だ。
私はまたお腹を撫でる。
神様へ。
愛しい彼との子供を授けてくれて、ありがとう!
おわり
六九八、神様へ
恋人が不機嫌だ。
そう見せないように笑顔でいてくれるんだけど、どこか引きつったように見えて不安がよぎった。
んー。
遠慮しているわけじゃないのも分かるんだけどね。俺としては頼って欲しい……かも。
「ねえ。ドライブしない?」
彼女は首を傾げるけれど、俺は車のキーを片手にしながら彼女の手を掴んだ。
俺が凹んだ時に見に行く空を見に行こう。
彼女が同じように心が晴れるとは限らないんだけどさ。空を見ながら彼女の話を聞こう。
話しにくいなら空を一緒に見ればいいんだ。今日みたいな雲ひとつない空はるだけでも心地いいしね。
ただ、ずっと一緒にいるよってだけ伝えれば。
おわり
六九七、快晴