とある恋人たちの日常。

Open App
1/24/2026, 12:07:04 PM

 
 ようやく、ようやく彼女に想いを伝えた。
 
 けど失敗した。
 ちょうど彼女の背中から太陽の光が差し込んでいて、彼女の表情が見えない。
 
 彼女の反応が分からないから不安が募る。
 
 視線を逸らして、うつむいてから俺の方を見ている、と思う。
 
 うう……何か言って欲しい。
 怖くて喉が乾いて痛い。
 
 ゴクリと喉を鳴らしてしまうとそれが聞こえたのか、身体をびくりと震わせてから俺に向かって一歩、また一歩と近づいた。
 
 そして見えるのは彼女の笑顔だった。
 
「私もです!」
 
 その声と一緒に俺の手に彼女の温かい手が添えられた。
 
 
 
おわり
 
 
 
六一八、逆光
 
 
 

1/23/2026, 1:05:54 PM

 
 可愛い天使を抱き上げて、満面の笑みを俺に向けてくれる愛しい人。
 
 抱き上げられた赤ちゃんも彼女によく似た笑顔で本当に天使だ。
 
 愛しい人も少しだけ大人びていて、胸のときめきが止まらない。
 
 ああ、なんて幸せだろう。
 
 そんな夢を見たんだ。
 数年前にね。
 
 ガシッと俺の足を両手でつかみながら俺を見上げていた。
 
「ママから逃げてきたな〜」
 
 天使を抱き上げると、楽しそうにキャッキャと笑っていた。
 無邪気過ぎて怒れないなー。
 
「あ、捕まえてくれたんてすね。ありがとうございます」
「大丈夫だよ。むしろいつも見てくれてありがと」
 
 彼女は天使のほっぺをつんつんとつつくと、天使は楽しそうにニコニコしていた。
 
 ああ、本当に幸せだ。
 
 
 
おわり
 
 
 
六一七、こんな夢を見た
 
 
 

1/22/2026, 1:35:03 PM

 
 タイムマシーンがあったら、どこへ行きたい?
 
 そんな雑談に耳を傾けていた。
 
 俺の行きたい場所を考えると、俺は少しだけ前に行きたい。
 
 恋人の過去を知りたい……かなって。
 彼女がこの都市に来る前の話を、ね。
 
 それとなく聞いたことがあったけど、はぐらかされちゃうんだよね。
 
 その時に見せた彼女の表情を思い出すと、胸が締め付けられる。
 
 代わりに今朝家を出る時に見た顔を思い出す。
 彼女の眩しい笑顔が愛おしくて胸が暖かくなった。
 
 もし。
 俺が彼女の過去を知ったら、彼女の表情はどうなるんだろう。
 
 そう思ったらもっと胸が苦しくなった。
 
 彼女にそんな顔させたい?
 過去を知ったら、あの笑顔をまた見せてくれるかな?
 
 なにより彼女を傷つけたら、俺は愛想尽かされちゃう。
 
 そんなの嫌だ!!
 
 タイムマシーンなんていらないや。
 俺には彼女がそばに居てくれるなら、それでいい。
 ううん、それがいい!!
 
 
 
おわり
 
 
 
六一六、タイムマシーン
 
 
 

1/21/2026, 2:12:08 PM

 
 家に帰ってテーブルに座るとワンプレートに色とりどりのお料理が乗っていた。
 小さいサイズのチキンライスにオムレツが添えてあって、ハンバーグ、サラダ、唐揚げ、オムレツ……これは!!
 
「お子様ランチ!?」
「違いますー、あなた用の大人様ランチです!」
 
 そう、俺は子供舌だからお子様ランチに乗る食べ物が好きだと付き合う前に話したことがある。
 
「ふふ。この後はクリームソーダもありますよー」
 
 ニコニコと楽しそうに笑う彼女を見ていると、首を横に傾げてしまった。
 
「今日、なにかあったっけ?」
 
 彼女はきょとんとしたけれど、柔らかい微笑みに戻って自分の分を用意していた。
 
「なんにもないですよー」
 
 いつも以上にテンションが高い彼女を見ていると、本当になにもなかったっかと不安になる。
 
 でも思いつかないなー。
 こういう日付は忘れないようにしているんだけどなー。
 
 あまたの中で考えがぐるぐる回るけど、答えにたどり着きそうになかった。
 
 それでも彼女の瞳は優しい瞳で俺を見つめてくれる。
 
「本当に特別な日じゃないですよー」
 
 くすくすと笑うから、彼女が可愛くて考えるのをヤメた。
 ただ、目の前にある美味しそうな大人様ランチにスプーンでチキンライスをすくった。
 
「んーーーーー、おいしいー!!!」
 
 ほっぺが落ちそうとは、こういうことを言うんだろうな。
 
 
 
おわり
 
 
 
六一五、特別な夜
 
 
 

1/20/2026, 1:24:23 PM

 
「もうおひさまが高いとこにいますよ〜」
 
 甘い声に導かれて目を開けると、恋人が俺を見つめてくれていた。
 
「おはようございます。凄くよく眠っていましたね」
 
 彼女から朗らかに言われて気がつく。
 
 そう言えば、ひとりの時は夢を見て深く眠ることが少なくて、それが悩みのひとつだったな。
 
「おはよ。よく、眠れたみたい」
「うふふ、それなら良かったです」
 
 まるで猫がゴロゴロと喉を鳴らして擦り寄るみたいに彼女が俺に寄りかかる。
 
 ああ、この温もりが心地いい。
 彼女を抱きしめながらもう一度瞳を閉じる。
 
「また寝ちゃうんですか〜?」
 
 彼女の声が遠くなる。
 甘やかな香りと体温に幸せを感じながら意識を手放した。
 
 
 
おわり
 
 
 
六一四、海の底
 
 
 

Next