暖かい日がまだある中で、一気に寒くなる日が繰り返される。
こんなに寒暖の差が激しくなると体調を崩し安くなってしまう。
年末年始の病院は毎年人手が足りなくなるから、休みを取るのは難しい。
だから忙しい時期を過ぎてから恋人と癒し旅行にら行くことを計画していた。
ぼんやりと空を仰ぐ。
白い吐息が立ち、俺の視界をぼかしてはクリアになる。
都会だと雪原を見ることもないから、そういうところに行きたいかも。
運動もできるからスキーやスノボを楽しみに行ってもいいな。
でも雪が降るところで温泉に浸かるのもいいな。
今日、帰ったら恋人に相談しよう。
おわり
五七一、雪原の先へ
「見てくださいー!」
前を歩いている恋人が振り向く。
寒空の中、寒さで頬を赤らめつつ息を吐いた。
「息が白くなってますー!」
目を輝かせて無邪気に笑っている彼女が愛らしくて自然と表情が緩んでしまう。
本当に可愛くて愛しいね。
おわり
五七〇、白い吐息
きらめく街並みの中には、大好きな恋人が命懸けで人を助けに行っている。
彼は優しくて太陽のような笑顔をくれる救急隊員さん。
この都市は眠らない街だから、昼夜問わずに誰かが助けを求めている。そんな人たちを助けたいって手を振ってくれた。
彼の背中はとても頼もしい。
危険なことはして欲しくない気持ちはあるけれど、それでも彼の背中に誇りを感じて。
やっぱり好きだな。
って思ってしまう。
だからこそ、一緒にいる時はめいっぱい甘やかすんだ。
きらめく街並みのどこかに、彼がいる。
おわり
五六九、消えない灯り
夜勤の中、一段落ついて廊下を歩いていた。
疲労も出てきたから、目を覚まそうと飲みものを買おう。
窓から外を見ると、夜景の中にたくさんの照明がキラキラ輝いている。
ここは都会のど真ん中にある大きな病院だから、この都市を見下ろしていた。
と、言っても高層ビルが近くにあるものだから、この病院も見下ろされているんだけどね。
もっと高いところから見える景色であれば、ジュエリーボックスのような夜景ってやつになるのにな。
このキラキラとした都市の中には、気になる彼女もいる。
俺の手で届く限り手を差し伸べていきたい。
そんなことを思いながら、自販機で買った飲みものを口に含んだ。
おわり
五六八、きらめく街並み
明日、愛しい人と家族になります。
その人との出会いも、今までの時間も、これからの時間。その全てが宝物だ。
だいすき、という気持ちと一緒に感謝の気持ちを精一杯込めて水色の便箋につづっていく。
大したことはないけれど、それでもありがとうを込めてペンを走らせた。
書き終わって同じ水色の封筒にいれて、引き出しの中にしまう。
ちゃんと言葉にはするけど、今の気持ちを形にしたかった。
この手紙は、いつか……ね。
おわり
五六七、秘密の手紙