彼の言葉に震えが止まらない。
それに胸がうるさいくらいドキドキ言って、その後の彼の言葉が上手く聞き取れなかった。
緊張した顔で私を見てくる彼は何かを待っているようだった。
「えっと、聞こえてた?」
「え?」
彼が何を言ってくれたのか頭が真っ白で入ってきてなくて、首を傾げてしまった。
私の顔でどんな状況か察した彼は、いつも以上に困った顔をしてから深呼吸をする。
「も、もう一回言うね」
彼は私の手を両手で包んでくれた後、しっかりと見つめ直してくれた。
「大好きだよ」
聞き間違いじゃない?
夢じゃない?
でも彼の表情も目も強さが込められていて、そこに真剣さを感じられる。
ドキドキするの。
だって私も彼のこと、大好きだから。
ずっと抑えていた想いだから。
内側から熱いものが込み上げて、それが涙になってぽろぽろとこぼれ落ちる。それを見た彼は驚いたけれど、私は笑顔で伝えた。
「私も、大好き」
おわり
四四九、夢じゃない
8/8/2025, 12:58:27 PM