部屋がいつも以上に広く感じる。
というのも、今日は恋人が会社の友人たちと旅行に行ってしまった。
元々決まっていた予定だから特に何か思うことじゃないのだけれど……。
「さみしいー……」
俺は小さく呟きながらソファにゴロンと寝転がる。
俺が出張している時にも寂しさはあったんだけど、普段ふたりで過ごす家に独りで居るのは寂しさを加速させた。
それどころか、彼女の体温を欲してしまい、人恋しさ極まってる。
彼女は彼女で楽しい時間を過ごしているのは分かっているけど……。
「あー、会いたいー……」
毎日会ってる。
毎日抱きしめあってる。
それだけに会えないことが、こんなに心が冷えるとは思わなかった。
俺は身体を起こして立ち上がって外を見つめると夜空が広がる。星がきらきらと煌めいて、その輝きが彼女の嬉しそうに笑う時の瞳を思い出した。やっぱりきらきらしていて……それが愛おしい。
きらきらきらきら。
ポコン。
スマホから音が鳴る。そのままスマホを覗くと彼女からのメッセージが届いていた。
『今夜は星がきれいですよ!』
そのメッセージを見て笑ってしまった。
どんなに離れていても同じ星空を見ているんだな。
俺はスマホのメッセージを返す。
「奇遇だね、俺も見てたよ。会いたいねっと」
送信した後、もう一度ソファに座って瞳を閉じた。
帰ってきたら離れていた分の補給をさせてもらおう。
おわり
三四五、どんなに離れていても
4/26/2025, 2:44:14 PM