とある恋人たちの日常。

Open App
1/15/2025, 1:12:44 PM

 
 ダメだな。
 クリスマスプレゼントに貰った薬指の指輪。
 それを彼が居ないところで見ては、嬉しくてニヤニヤしちゃっていたんだけど、それを彼に見られていたみたい。
 
 緩みきった顔を見られたのはさすがに恥ずかしかった。
 
 でも仕方がないでしょ?
 嬉しいんだもん。
 
 その喜びにとどめを刺してきた。
 
『ちゃんと、そういう意味で渡しているからね』
 
 昨日の夜、伝えてくれた言葉が心で何度も反芻してしまう。
 だって、それってさ。それって……プロポーズと同じだよ!
 
 そうだったらいいなと思って期待して……全力で期待して嬉しくてニヤニヤしていたけれど、肯定する言葉を貰えたのは本当に心から喜びがあふれそうだった。
 
 もらった指輪を光に当てながら、キラキラする指輪を見て頬が緩んだ。
 
 うん。
 私も、家族になりたいって、お嫁さんになりたいって、思っているよ。
 
 世界一大好きな、あなたのもとへ。

 
 
おわり
 
 
 
二四四、あなたのもとへ

1/14/2025, 2:06:46 PM

 
 少し前から、彼女は俺が近くに居ないところで、よく左手を見てはにこにこしている。
 
 俺が近くに居なくても視界に入ることはよくあることで。
 だから、光が入るところに手を差し出して、ふふっと笑っているのは知っていた。
 
 その様子は……とても、とても嬉しい!!
 
 というのも、彼女がみている左手には俺が去年クリスマスに贈った指輪がはめられているからだ。
 以前にも薬指に収まる指輪を贈ったことがあったので、サプライズとしてプレゼントできた。
 
 一粒のアイスブルーダイヤモンドにプラチナリング。薬指に付けられるように調整したのだから、まあ……そういうことである。
 
 その指輪を見てにこにこしているのは彼女が喜んでいる証拠だった。
 
 俺の前でやってくれてもいいんだけれど、きっと我慢しているんだろうな。
 
 自然と俺も顔が緩んでしまう。
 だって可愛いでしょ。
 
 彼女のそばに戻ってソファの定位置に座る。いつものようにしているけれど、来る直前も指輪を見て笑っていたのは見ているんだからね。
 
 俺は彼女の左手に優しく触れた。
 
 彼女がいつも以上に身体をビクリと震わせる。少し照れたような、焦ったような顔で俺を見つめた。
 
「指輪……嬉しい?」
「はい! めっちゃ嬉しいです!! 私の好きな色だし、可愛いし、なにより……あなたがくれたから!」
 
 大輪の花が咲く。そんな表現をしたくなるような眩い笑顔に、目を細めてしまう。
 
「喜んでくれて嬉しいけど」
「けど?」
「ちゃんと、そういう意味で渡しているからね」
 
 少しだけ驚いたような顔をしたけれど、はじける笑顔を向けて俺の胸に飛びついてきた。
 
「だから、嬉しいんです!」
 
 内側から嬉しい気持ちが溢れてきそう。それを鎮めるためにも飛びついた彼女をそっと、でも強く抱きしめ返した。
 
 
 
おわり
 
 
 
二四三、そっと

1/13/2025, 2:10:53 PM

 
 恋人と暮らし始めて、それなりに時間が経った。まだ一年経っていないけれど、当たり前の日常がたくさん積み重なっている。
 
 それでも新しいことが起こることが嬉しいし、楽しい。
 
 これからの想像はできるところと、できないところがある。
 想像できるのは……〝家族になれたらいいな〟とか、〝家族が増えたらいいな〟とか。
 
 先走り過ぎかもしれないけど、それぐらい彼が大好きだから仕方がない。
 
 夕飯の支度でテーブルを拭いていると、クリスマスプレゼントにもらった指輪が優しく光った。
 左手を少し掲げて薬指にはまっている指輪を見る。
 
 私の気持ちの先走りじゃないよね。
 
 先の未来は分からないけど、これからの新しい景色を彼と見れたらいいな。
 
 
 
おわり
 
 
 
二四二、まだ見ぬ景色 

1/12/2025, 2:31:48 PM

 
 ソファに座って眠っている恋人。
 疲れているのか、隣に座っても起きる気配は無かった。
 そんな彼女の頬を撫でると、こそばゆいようで眉間が少し動いてから、ふにゃりと緩んだ笑顔で眠りについた。
 
「ふふっ」
 
 なんとも気の抜けた笑顔に思わず俺も笑ってしまう。
 
 今朝。
 彼女が楽しい夢を見ていたと言っていた。
 
 今もその夢の続きを見ているのかな?
 
 このままここで眠らせるのも気が引けたから、彼女を横抱きにしてゆっくりと持ち上げる。
 
 寝室に向かい、ベッドに降ろした。
 
「夢のつづきを楽しんでね」
 
 
 
おわり
 
 
 
二四一、あの夢のつづきを

1/11/2025, 1:58:17 PM

 
 目を覚まして身体を起こすと、腰の辺りに重さを感じた。
 冷たい空気が肌に触れて、一瞬震えてしまう。
 
「ん〜……さむいぃぃ……」
 
 起き上がったことでベッドに隙間ができて、冷気が毛布の中に入ったことで、隣で眠っていた恋人が抗議の声をあげた。
 
 年末年始が忙しくしていた彼と合わせて遅めの冬休みを過ごしていたから、急いで起きる必要はない。
 
 時計をちらりと見つめると起きるにはまだ早い時間だったから、もう一度彼の横に寝転がった。
 
「かくほぉ〜」
 
 なんとも気の抜けた声を出しながら、私を抱きしめてくる。
 彼の腕の中に収まると、その上から毛布が掛けられて寒さが和らいでくる。
 
「あたたかいね」
「はい、あったかいです」
 
 くすくすと笑い合いながら、温もりが浸透してきて眠りを誘ってくれた。
 
 せっかくの休みなのだから、誘いにのってふたり共に意識を手放した。
 
 
 
おわり
 
 
 
二四〇、あたたかいね

Next