目を覚まして身体を起こすと、腰の辺りに重さを感じた。
冷たい空気が肌に触れて、一瞬震えてしまう。
「ん〜……さむいぃぃ……」
起き上がったことでベッドに隙間ができて、冷気が毛布の中に入ったことで、隣で眠っていた恋人が抗議の声をあげた。
年末年始が忙しくしていた彼と合わせて遅めの冬休みを過ごしていたから、急いで起きる必要はない。
時計をちらりと見つめると起きるにはまだ早い時間だったから、もう一度彼の横に寝転がった。
「かくほぉ〜」
なんとも気の抜けた声を出しながら、私を抱きしめてくる。
彼の腕の中に収まると、その上から毛布が掛けられて寒さが和らいでくる。
「あたたかいね」
「はい、あったかいです」
くすくすと笑い合いながら、温もりが浸透してきて眠りを誘ってくれた。
せっかくの休みなのだから、誘いにのってふたり共に意識を手放した。
おわり
二四〇、あたたかいね
1/11/2025, 1:58:17 PM