とある恋人たちの日常。

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 ダメだな。
 クリスマスプレゼントに貰った薬指の指輪。
 それを彼が居ないところで見ては、嬉しくてニヤニヤしちゃっていたんだけど、それを彼に見られていたみたい。
 
 緩みきった顔を見られたのはさすがに恥ずかしかった。
 
 でも仕方がないでしょ?
 嬉しいんだもん。
 
 その喜びにとどめを刺してきた。
 
『ちゃんと、そういう意味で渡しているからね』
 
 昨日の夜、伝えてくれた言葉が心で何度も反芻してしまう。
 だって、それってさ。それって……プロポーズと同じだよ!
 
 そうだったらいいなと思って期待して……全力で期待して嬉しくてニヤニヤしていたけれど、肯定する言葉を貰えたのは本当に心から喜びがあふれそうだった。
 
 もらった指輪を光に当てながら、キラキラする指輪を見て頬が緩んだ。
 
 うん。
 私も、家族になりたいって、お嫁さんになりたいって、思っているよ。
 
 世界一大好きな、あなたのもとへ。

 
 
おわり
 
 
 
二四四、あなたのもとへ

1/15/2025, 1:12:44 PM