とある恋人たちの日常。

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12/5/2024, 12:03:15 PM

 
 彼のお仕事はお医者さんだから、時々ひとりの夜がある。
 そういう時ほど、眠れない。
 
 部屋を暗くしているけれど、ベッドの上で何度も寝返りをうってしまう。
 
 こんなこと、何度も繰り返しているのに、ただ彼が居ないと言うだけで、こんなに眠れない。
 
「はあ……」
 
 こんなに眠れないくらい、彼が好きなんだ。
 
 
 
おわり
 
 
 
二〇三、眠れないほど

12/4/2024, 11:34:10 AM

 
「はぁ……素敵だったぁ……」
 
 先程まで、尊敬している社長と彼氏さんのご自宅にお呼ばれした。
 
「豪邸だったねぇ」
「凄かったです」
「さすが敏腕女社長」
「うんうん!」
 
 私にとって大好きで尊敬する会社の社長。自分でさらに別の会社を興して、都市で色々な人から一目置かれる、そんな女性だ。
 そんな社長のご自宅に恋人と行ってきた。
 
「あんな家に住みたい?」
 
 彼は運転しているから、私に視線を向けるわけでもなく、そう聞いてくる。
 
「夢見たいですけれど、私はあんなに広くなくていいかなぁ」
 
 その言葉を聞いた彼は車を端っこに停めた。
 そして私の手に自分の手を乗せてくれると、しっかりと私を見つめてくれる。
 
「うちが良い?」
 
 顔を傾けて微笑み、優しい瞳が私をとらえる。
 
「はい。うちが良いです」
 
 夢のような家じゃなくて、狭くても彼が居てくれる私たちの家が一番いい。
 
 満足そうに微笑むと、頬にキスをくれた。
 
 
 
おわり
 
 
 
二〇二、夢と現実

12/3/2024, 12:13:20 PM

 
 気になる彼と会話をしていると、心がふわふわしてくる。他愛のない会話かもしれないけれど、私には大切な時間。
 
 少し、長く話してしまったな……とは思っていたけれど、そろそろお互いにタイムリミットだった。
 
「あ、じゃあそろそろ俺行くね」
「うん」
「さ……」
 
 私はその言葉を聞きたくなくて、咄嗟に彼の唇の前に人差し指を差し出す。
 
 目を丸くしている彼。驚いて当然だと思う。
 でも、さよならは言わないで欲しいの。
 彼からその言葉を聞きたくなかった。
 
 彼の口元から指を離し、戸惑う彼に向けて微笑んだ。
 
「また……ね」
 
 私が小さく言うと、なぜ指を向けたのか分かってくれたみたい。そして、眩いほどの笑顔で、こくんと頷く。
 
「うん、またね!」
 
 その表情に、とくんと胸が高鳴るのを抑えられない。
 
 やっぱり……彼のことが好き……かも。
 
 
 
おわり
 
 
 
二〇一、さよならは言わないで

12/2/2024, 12:58:45 PM

 
 アラームより早く目を覚ますと、閉め忘れたカーテンからうっすらと光が差し込んで眩しい。
 
 スマホに手を伸ばして時計を確認すると起きる時間より30分くらい早くて力を落とした。
 
「ん〜……」
 
 背後から気の抜けた愛しい彼の声が聞こえる。
 
 スマホの光で起こしちゃったかな。
 
 すぐにスマホのライトを消して彼のそばに近づくと彼の手が私を抱き寄せる。
 
 彼の腕の中は、その体温と彼のすっきりとしつつも優しい香りに包まれた。
 
 あったかい……。
 
 背中に当たる日差しと、彼の安心感に包まれて、また眠くなってしまう。
 彼の腕の中で光が届かないから、より睡魔に襲われた。
 
 
 
 
おわり
 
 
 
二〇〇、光と闇の狭間で

12/1/2024, 12:12:01 PM

 
 カフェに行くと、気になっている彼女が普段仲良くしてくれる男友達と楽しそうに話していた。
 
 俺はテイクアウトで買い物に来ていたのに、ついつい聞き耳を立ててしまう。
 
 話している言葉使いも砕けていて、距離が近いように感じる。俺と話す時は丁寧に話してくれるもんな。
 
 それはそれで、可愛いと思っているんだけれど……。
 
 でも、友達を少しだけ……羨ましく思ってしまった……。
 それと、俺も仲良くしているとはいえ、相手は異性だからモヤモヤしてしまう。
 
 注文を終えて、出てくるのを待っていると、友達が席を外した。
 
 声……かけちゃおうかな。
 
 俺はほんの少し迷いつつも、今見つけましたと言う笑顔で声をかけた。
 
「こんにちは!」
「あ、こんにちはー!」
 
 柔らかい笑みを浮かべて、返事をしてくれる彼女にどうしても胸が高鳴る。
 
 本当に……気になる……だけなのかな。
 
 そんなことを心の奥底にしまいつつ、彼女の隣に立った。
 
「どうしたの、一人?」
「ううん、同期の友達と一緒にいたの。トイレ行っちゃった」
 
 同期……?
 同期!?
 
 確かに一緒にいた友達は、俺とも仲が良くしてくれる人で、正直彼女との接点が浮かばなかったから少し不安があったけれど。そうか、同期だったんだ。
 
「そうなんだ」
 
 そう答えた時、カウンターから俺の注文した番号が呼ばれる。俺は彼女に目配せをして、注文したものを受け取った。
 
 振り返ると、友達も戻ってきていて俺に気がつく。
 
「おー!! どうしたんすかー!?」
「え、これ買いにきたの」
 
 そう、手元にあるものを軽く見せた。
 
「なんか、久しぶりっすねー!」
 
 友達が当たり前のように屈託のない笑顔で俺をテーブルに促す。彼女も〝座って座って〟と目をキラキラさせているのが分かる。特にこの後に用事がある訳でもないのと……ほんの少し、関係が気になるからお誘いにのった。
 
 他愛ない会話が続く。
 彼女の肩の抜けた会話に驚きつつも、三人で楽しい時間を過ごせた。
 
 けれど。
 
 そうか、同期とはいえ、あんな話し方するんだな……。
 
 俺ももう少し距離を近くなるように頑張ろう。
 
 
 
おわり
 
 
一九九、距離

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