「はぁ……素敵だったぁ……」
先程まで、尊敬している社長と彼氏さんのご自宅にお呼ばれした。
「豪邸だったねぇ」
「凄かったです」
「さすが敏腕女社長」
「うんうん!」
私にとって大好きで尊敬する会社の社長。自分でさらに別の会社を興して、都市で色々な人から一目置かれる、そんな女性だ。
そんな社長のご自宅に恋人と行ってきた。
「あんな家に住みたい?」
彼は運転しているから、私に視線を向けるわけでもなく、そう聞いてくる。
「夢見たいですけれど、私はあんなに広くなくていいかなぁ」
その言葉を聞いた彼は車を端っこに停めた。
そして私の手に自分の手を乗せてくれると、しっかりと私を見つめてくれる。
「うちが良い?」
顔を傾けて微笑み、優しい瞳が私をとらえる。
「はい。うちが良いです」
夢のような家じゃなくて、狭くても彼が居てくれる私たちの家が一番いい。
満足そうに微笑むと、頬にキスをくれた。
おわり
二〇二、夢と現実
12/4/2024, 11:34:10 AM