とある恋人たちの日常。

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7/6/2024, 12:33:09 PM

 職場の同期であり、同僚であり、友達の彼女。
 彼女には仲の良い人がいて、彼女はその人、救急隊の先生を〝気になる人〟だと言っていた。
 
 二人の会話は柔らかくて、暖かくて、愛らしい。
 どちらの見た目も可愛いタイプだから、見ているとほっこりする二人だ。
 
 なんか、会社の裏に呼ばれたぞ。
 
 前も遊びに行く約束をしていたから、変に詮索しない方がいいかな……。
 
 
 しばらくして、二人が戻ってきた。どことなく、ぎこちなさと顔が赤い気がする。
 
 お互いに手を振って、先生は帰った。
 
 彼女の耳が真っ赤だ。いつもと違ってギクシャクしている。
 
「どうしたの?」
 
 私が声をかけると、彼女は勢いを付けて振り返った。そして、何か言おうとしつつも、視線を逸らす。
 どうしようか悩んでいるみたいだ。
 
「えっと……」
 
 彼女は私の腕を取り、裏の事務所に連れていく。
 
「お、おつきあいすることに……なりました」
 
 頬を赤らめつつ、今まで見た中で一番可愛らしい笑顔を見た。
 
 
 
おわり
 
 
 
お題:友だちの思い出

7/5/2024, 12:33:05 PM

 満天の星を見に行こう。
 
 車を走らせたら行けるには行けるけれど、俺たちは違う方法を選んだ。
 
 少し特別感のあるプラネタリウム。
 
 無機質な空間なのに、どことなく神聖な感じを覚えさせる。
 
 俺たちが座ったのは、円形の二人用の特別シート。
 座ると自然に天を見上げられて、気持ちが落ち着いた。
 
 始まると、清らかな空気、臨場感を高める音。優しく響く解説の声。
 そして、広がる満天の星。
 
 そっと彼女が俺の肩に頭を乗せる。その体温が心地好かった。
 
 没入感が高いストーリーだけれど、彼女の体温が独りじゃないと伝えてくれる。
 
 俺は自然と彼女の手を繋ぐと、彼女も応えるように手に力を入れてくれた。
 
 いつか、ふたりでこの星空を見に行こう。
 
 そして、今日のことを思い出して、沢山話したい。
 
 
 
おわり
 
 
 
 
お題:星空

7/4/2024, 11:16:11 AM

 さて、今日はどうしようか。
 
 そう言えば、先日可愛い出会いがあったな。
 とある救急隊員の青年と、不器用な女性の小さな出会い。
 
 よく怪我をする彼女。
 病院へ行く時に、青年が居るようにしてみようか。
 
 偶然よ、きっかけとして働いてくれるかい?
 
 ありがとう。
 ああ、二人が楽しそうに話しているよ。
 
 ほうら、やっぱりだ。
 紡がれている糸の色が濃くなった。
 
 良かった。
 偶然よ、ありがとう。
 お互いを知るきっかけになったよ。
 
 さて。
 あとは君たちで、その色をもっと濃く、もっと強くして。
 
 そして、未来を紡いでおくれ。
 
 
 
おわり
 
 
 
神様だけが知っている

7/3/2024, 11:44:29 AM

 いつか……なんて、ちょっと考えている。
 
 仕事の関係で、時々通るこの建物が視界に入ると、ついそんなことが脳裏に過ぎってしまうんだ。
 
 仕事が直帰になって通ったその場所に、なんとなしにバイクを停めて、そこに足を向けた。
 
 扉は開いていないけれど、一歩一歩近づく。
 
 そこは、小さな教会。
 
 
 彼女と暮らし始めて、まあ時間は経つ。
 
 喧嘩もする。
 怒ったり、注意されたりもする。
 それでも居心地の良さを日々感じていた。
 
 いつか。
 家族になる時に、ここでお世話になるのもいいかもしれない。
 
 この扉が開いて、この道の先に俺が彼女を待っていたい。
 
 そんなふうに思った。
 
 
 
おわり
 
 
 
お題:この道の先に

7/2/2024, 11:56:31 AM

 待ち合わせの喫茶店に、仕事の関係で遅刻してしまった。
 会社を出る前に、彼へ連絡はしていたものの、申し訳なさが先に出てしまう。
 
「遅れてごめんなさい」
 
 先に来ていた彼は窓際のテーブルに座っていた。
 陽射しを背負って、逆光に見える彼。
 それでも満面の笑みで迎えてくれた。
 
 ああ、彼は太陽みたいに笑う人だな。
 
〝好き〟の代わりに、胸に紡がれた。
 私の想い。
 
 
 
おわり
 
 
 
お題:日差し

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