いつか……なんて、ちょっと考えている。
仕事の関係で、時々通るこの建物が視界に入ると、ついそんなことが脳裏に過ぎってしまうんだ。
仕事が直帰になって通ったその場所に、なんとなしにバイクを停めて、そこに足を向けた。
扉は開いていないけれど、一歩一歩近づく。
そこは、小さな教会。
彼女と暮らし始めて、まあ時間は経つ。
喧嘩もする。
怒ったり、注意されたりもする。
それでも居心地の良さを日々感じていた。
いつか。
家族になる時に、ここでお世話になるのもいいかもしれない。
この扉が開いて、この道の先に俺が彼女を待っていたい。
そんなふうに思った。
おわり
お題:この道の先に
7/3/2024, 11:44:29 AM