とある恋人たちの日常。

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 職場の同期であり、同僚であり、友達の彼女。
 彼女には仲の良い人がいて、彼女はその人、救急隊の先生を〝気になる人〟だと言っていた。
 
 二人の会話は柔らかくて、暖かくて、愛らしい。
 どちらの見た目も可愛いタイプだから、見ているとほっこりする二人だ。
 
 なんか、会社の裏に呼ばれたぞ。
 
 前も遊びに行く約束をしていたから、変に詮索しない方がいいかな……。
 
 
 しばらくして、二人が戻ってきた。どことなく、ぎこちなさと顔が赤い気がする。
 
 お互いに手を振って、先生は帰った。
 
 彼女の耳が真っ赤だ。いつもと違ってギクシャクしている。
 
「どうしたの?」
 
 私が声をかけると、彼女は勢いを付けて振り返った。そして、何か言おうとしつつも、視線を逸らす。
 どうしようか悩んでいるみたいだ。
 
「えっと……」
 
 彼女は私の腕を取り、裏の事務所に連れていく。
 
「お、おつきあいすることに……なりました」
 
 頬を赤らめつつ、今まで見た中で一番可愛らしい笑顔を見た。
 
 
 
おわり
 
 
 
お題:友だちの思い出

7/6/2024, 12:33:09 PM