初心者太郎

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1/30/2026, 8:06:03 AM

—狂愛—

幼馴染の海斗から、恋愛相談を持ち込まれた。

「初美にしか頼めないんだ……!」

隣のクラスの山崎という女が好きらしい。
一目惚れだということも聞かされた。

「いいよ。私はプロだからね、任せてよ」私は胸を張り、笑顔でいった。
「ありがとう、本当に助かる」

海斗は両手を合わせた。

「連絡先は持ってるの?」
「いや、まだなんだ」
「わかった。なんとかしてあげるから待っときな」

彼は赤い顔を見せながら頷いた。

「じゃあ、また連絡するね」
「うん、また明日」

彼と別れた後、私はある友人に電話した。


週明けの月曜日、海斗が駆け寄ってきた。

「山崎さんの連絡先くれてありがとうな」
「全然いいよ。で、何か話してみた?」

海斗は浮かない顔をしている。

「それが、既読無視されるんだよ……」
「え?嘘でしょ?」
「本当だよ。ほら」

画面を見る。確かに返信は来てない。

「だから、今日直接会って話してみる」
「ごめんね、力になれなくて……」
「全然そんなことないよ。むしろめっちゃ助かってる。じゃあ行くね」

彼は走って教室へ向かった。
だが、私は知っている。今日、山崎が学校に来ることはない。

私はある友人に電話した。

「奈々、助かったよ。ありがとう」
『うん、いいよー。私もあいつ気に食わなかったからね』

私たちはくすくすと笑った。

「今度、学食奢るよ」
『サンキュー。じゃあまた』
「うん」

あとは、失恋した海斗を私が慰めるだけだ。
そうすれば、やっと敵はいなくなる。
長い道のりだったな、と私はしみじみ思う。

私はスキップしながら、教室へ向かった。

お題:I LOVE…

1/29/2026, 5:45:19 AM

—気分だけでも—

私には、二歳年上の姉がいる。

「あ、お姉ちゃん」
「お土産、買ってきたよ」

姉の手には『横濱ハーバー』の手提げがぶら下がっている。彼女の明るい茶色に染まった髪を見て、私はため息を吐いた。

「いいなぁ。お姉ちゃんは……」
「どうしたの」
「別に」そっぽを向いていった。

姉は田舎から離れて、神奈川県にある大学に通っている。
一人暮らし、都会。
私の憧れるものだった。

「大変なことも多いのよ」姉はいった。

私は、窓の外を見た。
落葉した木々が立ち並び、深い緑色の山々が見える。
ここにきて三年間、景色はほとんど変わっていない。

「それでも、一回は行ってみたいな」
「あなたが元気になったら、どこへでも連れて行ってあげる」
「本当⁈」

姉は頷き、白いベッドに腰を下ろした。

「この前ね、東京にある、神田神社に行ってきたの」

姉は、茶色い封筒を渡してきた。
中には『平癒守』という金文字が刻まれたお守りが入っていた。

「そこには、医学の神様がいるらしいわ。だから大切に持っていなさい」
「うん!」

姉は伸びをして、立ち上がった。
微かに花のような香水の香りが残っている。

「じゃあ、また来るね」
「お姉ちゃん、いつもありがとう」

手を振って見送った。
姉が持ってきてくれたお土産を手に取る。袋を開け、一口かじった。

「おいしい……!」

外に出られない代わり、いつも姉のお土産で街へ行った気分になれる。
窓の外を見ると、涙が落ちてきた。

お題:街へ

1/28/2026, 5:08:54 AM

—祝福—

タキシードに身を包んだ新郎と、ウェディングドレスを纏う新婦。
祭壇の上を、俺はペューから真っ直ぐに見ていた。

今日は友人の結婚式だ。彼女とは、大学で同じ水泳部だった。

「では、新郎は新婦に誓いのキスを」

牧師の声が、会場内によく響く。
二人は、唇を合わせた。それが終わると、祝福の拍手が起きた。
俺は、誰にも負けないように強く叩いた。

その後の儀式も、しっかり目に焼き付ける。二人が退場するまで、笑顔を作りながら見ていた。

「はい、撮ります——」

教会の外で写真撮影は行われた。雲一つない青空だった。
それが終わると、彼女の元へ歩み寄った。

「結婚おめでとう」
「ありがとう。二次会、来てほしかったな」
「ごめん。本当は行きたかったんだけど、どうしても外せない仕事があって……」

俺は、顔の前で両手を合わせた。

「そっか……。でも、また水泳部のみんなでご飯とか行こうね」
「そうだね。今日は本当におめでとう。そして、お幸せに」

今の自分にできる最高の笑顔を見せた。

帰り道、俺はずっと堪えてた涙を流した。
それは、しばらく止まらなかった。

お題:優しさ

1/27/2026, 12:17:52 AM

—今日は今日。明日は明日—

喉が痛い。お酒のせいもあるのだろうが、間違いなく歌いすぎだ。

カラオケボックスに入ってから、かなりの時間が経っていた。コンパの時にいた、俺を含む男子三人、女子三人がここにいる。

明日はヤバいな、と心の中でそう思った。

「はい、どうぞ」

隣からデンモクが回ってきた。だんだんと疲れてきたせいか、思考は回らない。

『恋するフォーチュンクッキー』が止み、俺の番がきた。
曲名が表示された途端、場が一気に盛り上がった。

Adoの『新時代』だ。

気になっているカオリちゃんの熱い視線を受け止める。
今日はもうどうにでもなれ、と思いながら限界まで声を張り上げた。

お題:ミッドナイト

1/25/2026, 2:23:32 PM

—こころの内—

私には、彼氏がいる。

彼は誠実で優しい。
シュッとした顔と柔らかい目が、印象的だ。

周りの友達は、みんな揃ってかっこいいって言う。もちろん、私もそう思う。

「昨日は、何してたの?」

彼とは位置情報を共有しているから、昨日はずっと家にいたことは知っている。

「ミステリ小説を読んでたんだ。夢中になっちゃって、気づいたら一日が終わってた」

彼は笑みを浮かべて言った。
その表情に、また心を奪われる。

「ふうん、そんなに面白いんだ」
「そういえば、前に観たいって言ってた映画を借りてきたんだ。一緒にみようよ」
「本当⁈ みよみよ!」

彼のそういう気遣いできるところも好きだ。
私は、隣に座る彼に肩を寄せた。

そのあたたかさが、安心する。

——

僕には、彼女がいる。

彼女は、容姿端麗。その姿は、学校内で多くの人気を集める。
だが、第一印象に騙された僕は愚かだ。
彼女は重すぎる。

周りの男子たちは敵のように鋭い視線を向けてくるけれど、一緒にいると疲れてしまう。

「昨日は何してたの?」彼女が訊いてきた。

彼女には、位置情報のせいでどこにいるかバレてしまう。だからそのスマホは置いて、もう一台のスマホを持って出かけた。

新しい彼女と会うために。

「ミステリ小説を読んでたんだ。夢中になっちゃって、気づいたら一日が終わってた」

僕は作り笑いを浮かべて咄嗟に嘘をついた。

「ふうん、そんなに面白いんだ」

小説の内容を聞かれたらまずいと思い、話題を変える。

「そういえば、前に観たいって言ってた映画を借りてきたんだ。一緒にみようよ」
「本当⁈ みよみよ!」

隣に座る彼女がくっついてきた。

彼女に別れ話をする時のことを想像すると、不安になる。

お題:安心と不安

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