—狂愛—
幼馴染の海斗から、恋愛相談を持ち込まれた。
「初美にしか頼めないんだ……!」
隣のクラスの山崎という女が好きらしい。
一目惚れだということも聞かされた。
「いいよ。私はプロだからね、任せてよ」私は胸を張り、笑顔でいった。
「ありがとう、本当に助かる」
海斗は両手を合わせた。
「連絡先は持ってるの?」
「いや、まだなんだ」
「わかった。なんとかしてあげるから待っときな」
彼は赤い顔を見せながら頷いた。
「じゃあ、また連絡するね」
「うん、また明日」
彼と別れた後、私はある友人に電話した。
週明けの月曜日、海斗が駆け寄ってきた。
「山崎さんの連絡先くれてありがとうな」
「全然いいよ。で、何か話してみた?」
海斗は浮かない顔をしている。
「それが、既読無視されるんだよ……」
「え?嘘でしょ?」
「本当だよ。ほら」
画面を見る。確かに返信は来てない。
「だから、今日直接会って話してみる」
「ごめんね、力になれなくて……」
「全然そんなことないよ。むしろめっちゃ助かってる。じゃあ行くね」
彼は走って教室へ向かった。
だが、私は知っている。今日、山崎が学校に来ることはない。
私はある友人に電話した。
「奈々、助かったよ。ありがとう」
『うん、いいよー。私もあいつ気に食わなかったからね』
私たちはくすくすと笑った。
「今度、学食奢るよ」
『サンキュー。じゃあまた』
「うん」
あとは、失恋した海斗を私が慰めるだけだ。
そうすれば、やっと敵はいなくなる。
長い道のりだったな、と私はしみじみ思う。
私はスキップしながら、教室へ向かった。
お題:I LOVE…
1/30/2026, 8:06:03 AM