初心者太郎

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1/9/2026, 3:25:42 PM

—焦げたクロワッサン—

私はパン屋でアルバイトをしている。

「クロワッサン焼きたてでーす!」

クロワッサンを棚に並べ、店内にいるお客さんに声をかけた。
すると、たくさんの人が集まってくる。

クロワッサンは、この店の看板商品。
このパンを求めて遠くからはるばるやってくるお客さんもいるほど、人気のパン。私もアルバイトを始めたきっかけはこのクロワッサンだった。

「あら、今日もおいしそうねぇ」

常連客のおばあちゃんがトングで三つ取っていった。うまくできていたらいいんだけど、と心の中で祈る。

最近になって、私の仕事ぶりが認められて、パンを焼き始めるようになった。
まだまだ経験不足のせいか、焦がしてしまうことがある。実はついさっきやってしまった。

「じゃあ、上がっていいよ」店長が言った。
「はい、お疲れ様でした」

あっという間に時間は過ぎてしまった。
今日焦がしてしまったクロワッサンは、売り場に出さず、裏に置いてある。それを持って帰ろう、と思ったらパンがない。
代わりにメモが置いてあった。

『おいしかったです』
『ミスしても気にしなくていいからね!』
『これからも一緒にがんばろう!』

ここで働いている人たちからのメッセージだった。メモを胸ポケットにしまって、手を握りしめた。

「よし、明日もがんばるぞ!」

お題:三日月

1/9/2026, 4:37:50 AM

—文房具の罠—

授業の中で、ノートをかく時間が好きだ。
最近は色とりどりのボールペンやマーカーが売っているから、楽しくて仕方ない。

「えっと、テスト範囲は……」

もうすぐ定期テストがある。
テスト勉強のために、範囲を確認して教科書とノートを開いた。

「……何書いてるかわからない」

色鮮やかすぎる私のノートは見づらい。
ボールペン、マーカー、落書き。
自分でかいたはずなのに、目が迷う。

これじゃあ『書く』というより『描く』だ。
一種のアート作品のよう。

「もう一回まとめよう」

私はノートを閉じ、別のノートを開いた。

お題:色とりどり

1/8/2026, 9:27:20 AM

—雪だるま—

ある男の子が僕を作ってくれた。

「お昼だから帰るよ」
「お母さん、待ってー!」

その子供はいなくなってしまった。そのままじっと待っていると、声が聞こえた。

「これじゃ惜しいわね」

新しくきた女の子は木の実と枝を使って、目と鼻と腕を付け足してくれた。

「よし、いい感じ」

目と鼻と腕を作ってくれたその子もいなくなってしまった。またしばらく待っていると、今度はおじいさんがきた。

「これじゃ寒いじゃろ」

そのおじいさんは手袋をくれた。

「ほっほっほ、さらばじゃ」

夜、辺りが真っ暗になった頃、酔っ払った若い男がやってきた。

「おお、立派な雪だるまじゃねぇか。あと足りねぇのはこれだけか」

その人はマフラーをかけてくれた。

「あぁ、また帰りが遅くなると女房にキレられちまう。早く帰るか」

その男はしゃっくりを上げながら、ふらふらとした足取りで帰っていった。

(みんな優しいな……)

心が温かくなった僕は、溶けてしまった。

お題:雪

1/7/2026, 3:17:57 AM

—ひだまり—

喫茶『ひだまり』が見えた。
私が小さい頃からよく通っているお店だ。

「おいしい」
「でしょ。ここ私のお気に入りのお店なんだ」

コーヒーを啜ってそう言う彼に、私はよく自慢した。別に私の喫茶店ではないのに、なんだか誇らしかったのを覚えている。

「ごめん、他に好きな人ができた」
「そう……」

その彼とは別れた。
引き止める気力もなく、あっさりと終わってしまった。
あとからわかったことだけれど、私と付き合っていた時にはもう別の恋人がいたらしい。

「いらっしゃい。いつものでいいかい?」
「はい……」

マスターの声は相変わらず穏やかだった。
彼と一緒にきたお店だから、嫌でも彼との記憶が呼び起こされる。
それでもまた来たいと思って、入店した。

「ミルクティーだよ」

一口飲むと心地良い甘さが口の中いっぱいにに広がった。
気づけば涙が落ちてくる。
マスターは何も言わずに、ただ側にいてくれた。

それだけで私の心は救われていた。

お題:君と一緒に

1/6/2026, 2:12:13 AM

—青天の霹靂—

透き通るような青色が空一面に広がり、冷たい空気がおいしい。まさに冬晴れ。
川の水が流れる音が心地良く耳に入り、常緑の木々が目を潤してくれる。

橋から見えるこの景色は、絶景だ。

「心の準備はできましたか?」
「……はい」

ただこの景色を眺めているだけなら、どれほど良かっただろう。まさかジャン負けでバンジージャンプをやることになるなんて。
高所恐怖症の人にやらせることじゃない。

「じゃあ、カウントダウンを始めますよ」
「……」

遠くを見れば、男女五人が手を振って見ている。何をしても良い世界なら、奴らをぶん殴ってやりたい。

「三……、二、今だ!」
「え?」

カウントダウンの途中で押された。上を見ると、スタッフもにっこりと笑いながら手を振っていた。

そういえば今年のおみくじは大凶だったな、と思い出した。
途中で気絶できたのは、不幸中の幸いだった。

お題:冬晴れ

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