初心者太郎

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1/9/2026, 4:37:50 AM

—文房具の罠—

授業の中で、ノートをかく時間が好きだ。
最近は色とりどりのボールペンやマーカーが売っているから、楽しくて仕方ない。

「えっと、テスト範囲は……」

もうすぐ定期テストがある。
テスト勉強のために、範囲を確認して教科書とノートを開いた。

「……何書いてるかわからない」

色鮮やかすぎる私のノートは見づらい。
ボールペン、マーカー、落書き。
自分でかいたはずなのに、目が迷う。

これじゃあ『書く』というより『描く』だ。
一種のアート作品のよう。

「もう一回まとめよう」

私はノートを閉じ、別のノートを開いた。

お題:色とりどり

1/8/2026, 9:27:20 AM

—雪だるま—

ある男の子が僕を作ってくれた。

「お昼だから帰るよ」
「お母さん、待ってー!」

その子供はいなくなってしまった。そのままじっと待っていると、声が聞こえた。

「これじゃ惜しいわね」

新しくきた女の子は木の実と枝を使って、目と鼻と腕を付け足してくれた。

「よし、いい感じ」

目と鼻と腕を作ってくれたその子もいなくなってしまった。またしばらく待っていると、今度はおじいさんがきた。

「これじゃ寒いじゃろ」

そのおじいさんは手袋をくれた。

「ほっほっほ、さらばじゃ」

夜、辺りが真っ暗になった頃、酔っ払った若い男がやってきた。

「おお、立派な雪だるまじゃねぇか。あと足りねぇのはこれだけか」

その人はマフラーをかけてくれた。

「あぁ、また帰りが遅くなると女房にキレられちまう。早く帰るか」

その男はしゃっくりを上げながら、ふらふらとした足取りで帰っていった。

(みんな優しいな……)

心が温かくなった僕は、溶けてしまった。

お題:雪

1/7/2026, 3:17:57 AM

—ひだまり—

喫茶『ひだまり』が見えた。
私が小さい頃からよく通っているお店だ。

「おいしい」
「でしょ。ここ私のお気に入りのお店なんだ」

コーヒーを啜ってそう言う彼に、私はよく自慢した。別に私の喫茶店ではないのに、なんだか誇らしかったのを覚えている。

「ごめん、他に好きな人ができた」
「そう……」

その彼とは別れた。
引き止める気力もなく、あっさりと終わってしまった。
あとからわかったことだけれど、私と付き合っていた時にはもう別の恋人がいたらしい。

「いらっしゃい。いつものでいいかい?」
「はい……」

マスターの声は相変わらず穏やかだった。
彼と一緒にきたお店だから、嫌でも彼との記憶が呼び起こされる。
それでもまた来たいと思って、入店した。

「ミルクティーだよ」

一口飲むと心地良い甘さが口の中いっぱいにに広がった。
気づけば涙が落ちてくる。
マスターは何も言わずに、ただ側にいてくれた。

それだけで私の心は救われていた。

お題:君と一緒に

1/6/2026, 2:12:13 AM

—青天の霹靂—

透き通るような青色が空一面に広がり、冷たい空気がおいしい。まさに冬晴れ。
川の水が流れる音が心地良く耳に入り、常緑の木々が目を潤してくれる。

橋から見えるこの景色は、絶景だ。

「心の準備はできましたか?」
「……はい」

ただこの景色を眺めているだけなら、どれほど良かっただろう。まさかジャン負けでバンジージャンプをやることになるなんて。
高所恐怖症の人にやらせることじゃない。

「じゃあ、カウントダウンを始めますよ」
「……」

遠くを見れば、男女五人が手を振って見ている。何をしても良い世界なら、奴らをぶん殴ってやりたい。

「三……、二、今だ!」
「え?」

カウントダウンの途中で押された。上を見ると、スタッフもにっこりと笑いながら手を振っていた。

そういえば今年のおみくじは大凶だったな、と思い出した。
途中で気絶できたのは、不幸中の幸いだった。

お題:冬晴れ

1/5/2026, 3:07:44 AM

—幸せってなんだろう—

「お母さん、幸せって何?」

息子が訊いてきた。
子供はたまに難しい質問を、突拍子もなくしてくるから困ってしまう。

「そうだなぁ……、ご飯を食べられて、誰かと楽しい時間を過ごすことができる『今』が幸せなんじゃないかなぁ」

コンビニで買ったパピコを、半分にして渡した。

「ふうん、よくわかんない」

彼はそう言って、固いアイスと戦い始めた。

夜、ベッドに入って小さい頃の自分はどんなことを考えていただろう、とふと思った。
好き放題にお金を使えること、一日中遊び続けること、好きな人とずっと一緒にいられること。

多分、現実とは違う幸せも混じっていた。

隣を見ると、息子が眠っている。私は彼の頬にキスをした。

頭の中で考えるものとは別に、きっと幸せは日常に幾つも潜んでいる。
私たちは気が付かないうちに、それを掴んでいる。
幸せとはそういうものだと私は思う。

私はふかふかのベッドの中で眠りについた。

お題:幸せとは

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