Saco

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2/10/2024, 6:22:47 AM

花束

リーン ゴーンと厳かに チャペルの鐘が鳴る。

白いタキシードを着た男性と腕を組んで
純白の白いドレスで着飾り 紗のベールで
長い髪の毛を 纏め 隠し
ゆっくりと二人して
チャペルの階段を降りて行く

周りは、最高の笑顔で祝福する様に
花びらをひらひらと撒いては、
道に 花びらのロードが出来上がる。

最後にドレスを着た女性が後ろを
向いて 花束のブーケを空に高く
放り投げた。

ハッピーウェディング
末永くお幸せに!!

2/9/2024, 2:36:58 AM

スマイル

「いらっしゃいませ!」お客様が来店して
営業スマイルを浮かべる俺

「ご注文は、お決まりでしょうか!」
お客様のご注文を取りにテーブルに向かい
電子の機械で注文を入力する。

それが終わるとまた次のテーブルへ
お水のお代わりを取りに向かい
また違うお客様に注文を聞きに行く

帰るお客様のレジの精算を済ませ
食べ終わったお皿を片付け 流しに
持って行きお皿を洗う

テーブルを台拭きで拭き また真新しい席を作り また新しいお客様にメニュー表を
持って行く

そのサイクルを繰り返し俺の一日は、
終わりを迎える。


「ふぅー」俺は、ため息を吐く
看板のプレートをオープンから
クローズに変更してやっと一息入れる。


「お疲れ!」お店の先輩が缶コーヒーを
渡して労ってくれる。

俺は、「ありがとうございます」と缶コーヒーを受け取る。

先輩が俺の隣に来て 悪戯を考え付いた
子供の様に笑い

俺の眉間に指を付けて 優しく揉む

「また 此処に皺出来てるよ!」

俺は、先輩の指摘を受けて
気まずそうに顔を逸らす。

「これが通常運転なんです もう表情筋
疲れた~ぁ」

先輩は、そんな俺を見てクスクスと笑う

「君の営業スマイルは、レアだから
有料にしたいね!!」

「その分のお金は、俺にも入るんすかねっ!」

先輩は、面白そうにまた笑い
「プライベートで そのスマイルを
発揮する気は無いの?」

「ないっすね!」先輩は、俺の答えに
また笑う

そんなくだらない事を喋り
今日も俺の一日は、過ぎて行く。

2/8/2024, 6:15:39 AM

どこにも書けないこと

どこにも書けないことを抱えてると
苦しくなる。
だってどこにも書けないのだから
こうやって呟いている事すら許されない
間違った事だと思えて来る。

でも じゃあ私は、どうしたらいいの?
いつも いつも皆の前で微笑んで
元気いっぱいにテンション上げて


好きな物は、苺の乗ったショートケーキ
可愛い物が好き
ミニチュアダックスフントを飼っていて
溺愛してる。

好きな異性のタイプは、優しい人
そうやって どんどん どんどん
自分の個人情報を晒して

私の好きな物を皆が真似して
流行の最先端を行くカリスマなんて
勝手にキャッチコピーを貼られて
私は、自分の事そんな風に思ってないのに

私の イメージが一人歩きして、
分かった風に分析される...

こんなはずじゃ無かった
最初は、純粋に綺麗な物に憧れただけだった けどそれが間違いだった

綺麗な物には、必ず棘がある
光がある所には、闇がある。
勝者の中には、必ず敗者が居る
そんな簡単な事に私は、気付かなかったんだ....


「ぐすっ...うっうっ...わあああっん!」
私は、獣の咆哮の様に泣き叫んだ。
もう死んじゃおう 誰も私が居なくなっても気付かない....

私は、睡眠薬の錠剤が入っている
瓶を振る 何度も 何度も
手の平が薬でいっぱいになるまで
振り続ける。

そして 限界まで もう持てないと思った所で振るのを止め 錠剤を口元に持ってった。
大きく 口を開け飲み込もうとした時

ピンポーンと家のチャイムが鳴った。
私が反射で振り返ると....

そこには、悲しそうな顔をした母
厳しい顔つきの父
何かを堪える様に顔を歪める兄の姿が
あった。

兄が急いで 私の手の中にある錠剤を
捨てさせる。

その時兄がもう片方の手で持っている
スマホの画面が光った。

そこには、某アイドル炎上
終わったアイドルと書かれていた。

私は、泣きながら...
「っ....お兄っちゃ....」と呟いた。
兄は、泣いている私を黙って抱き締め
父と母も何も言わず私の両肩に手を置いた。


母が優しく私の耳元で
「帰っておいで...!」と囁いた。
私は、その言葉に涙腺が刺激され
さっきとは、違う温かい涙が流れた。

私は、家族の温もりの中でまた
思いっきり泣いた。

まるで小さい子供が安心して泣き出すかの
様に....

こうして 某アイドルは、皆の憧れの
象徴である ステージから降り
普通の女の子に戻ったのだった。....。

2/7/2024, 6:13:32 AM

時計の針

時計の針が12時を指すと魔法が解ける
有名な某おとぎ話 ○○姫

あの話しに少し注釈を加える事を許される
なら 12時を過ぎても何故ガラスの靴だけは、魔法が解けなかったのだろう....

物語を繋げる都合上そうせざるを得なかったと言えばそれまでだが....
私は、その話しのその部分だけが
子供の頃から疑問だった為
此処にあえて、載せてもらう

グリム童話だか アンデルセン童話だか
イソップ童話だかには
本当は怖い○○姫という本もあるらしい
私は、ホラーの類が苦手な為
そう言う人達向けにマイルドにする為に
ロマンスの要素を加えたのかもしれない


そうして、今回の題材はロマンス要素の
強い○○姫 ハッピーエンド感の強い○○姫の方にスポットを当てたいと思う
いや 単に私がそっちの話ししか
良く知らないと言うだけの話しだが....

また最初の疑問を注釈を掘り下げようと
思うのだが....

○○姫 12時に魔法が解ける。
だけどガラスの靴だけは、残る。
この疑問を私なりに解釈したいと思う

まず一つ 12時は、12時でも
午前0時 真夜中の12時の事を指して
いる。

時計の針が真夜中の12時を指したら
魔法が解ける。

この事から一夜の夢の様な出来事
だと私は、思う

王子様とのダンスパーティー
魔法で着飾ったドレス アクセサリー
ティアラ 元々の整った眉目麗しい
姿に加え メイクも施されている。

おまけに舞踏会に 遅れて登場と言うシーンが 王子様の目を惹き付ける要因に
なっている。

○○姫にとって夢の様な一時だろう...
しかし12時の鐘の音が全てを引き裂く
魔法が解ける前に家に戻ろうとする
○○姫 しかし長い階段を降りきった所に
靴が片方脱げてしまう
呼び止める王子様の声も聞こえ○○姫は
靴を拾わず そのまま去ってしまう

時計の鐘が鳴り終わり ○○姫が外に出て
幾許も立たない内に 魔法は解けてしまう

城までの道のりで乗って来た馬車もかぼちゃに馬や御者もねずみや小鳥に
綺麗なドレスも古ぼけて汚れた
小間使いの服に戻ってしまう

けれど王子様が拾い上げた
ガラスの靴の片方は、何故か
戻らなかった。

魔法を掛けた魔法使いなりの気遣いと言う
事もあり得るかもしれない
そもそも お城で開かれる舞踏会なんて
明らかに 王子様の花嫁候補を見つけるのが目的だろう....

魔法使いは、もしかしてそれを知っていたのかもしれない

もしかしたら魔法使いは、王子様と
繋がっていて 王子様に相応しいと思う
花嫁を探していたのかもしれない
これは、最初から 魔法使い あるいは
王族の誰かに仕組まれていたのかもしれない あくまで物語なので詳細は、定かでは
ない

もう一つ ガラスの靴 自体が○○姫の
欲望の象徴の様な物だったのかもしれない

義姉や義母に小間使いの様に家事仕事を
言い渡され ○○姫は全く何も思わなかったのだろうか....

いくら誰にでも分け隔てなく心から
優しいと言われて居る ○○姫でも
姫だって人間である。

口では、不平不満を言わなくても
心の中では、 意識 無意識に
関わらず 凝りとして溜まっていたのでは
無いだろうか....

義姉 義母に恨みつらみはなくとも
羨望 位は、あったのではなかろうか
舞踏会で遅れて登場して衆目の視線に
晒された時 ○○姫の中にいわゆる
優越感と言う物が僅かばかりであっても
生まれたのでは無いだろうか...

加えて王子様との夢の様な一時
手放したく無いと思っても何ら可笑しくはない
無意識に王子様との再会を願っても普通の事だと私は、思う。

よってガラスの靴とは、○○姫の欲望
または願いが魔法によって具現化した物
では、無いかと思われる。

と 以上で私の話しを終わる。

猶 あくまで私の解釈なので 苦情 批判は、お断りする。

私は、メンタルが弱いので バッシングは、受けたくないのだ。


では、私の取るに足らない話しを長々と
聞いて下さった 聴衆の皆さん

ありがとう またいつの日か 出会える日を願って .... さようなら 

2/6/2024, 1:37:36 AM

Kissの続き

溢れる気持ち

その姿を見て 身体が地面に縫い止められた。

シルクの様にさらさらとした長い髪
燃えるルビーの様な瞳
その瞳から流れる 真珠の様な涙 その流れる涙を見た時 その雫を舌で舐め取りたい衝動に駆られた。

追いかけて 追いかけて 何故こんなに
追いかけているんだろう....

食べたいから でも 妙な事に空腹感は
感じていない... なのに逃げられると
追いかけずには居られない...。

俺はそれを俺の内から溢れる本能だと
思っていた。

肉食獣は、草食獣に逃げられたら
追い掛けるものだと だからこれは
普通の事だと....

だけど他の草食獣に出会っても
空腹時以外は、何も感じない
追い掛ける気すら起きない....

なのにあのシロウサギだけは、違った
逃げられると腹が立ち捕まえずには
居られなくなる。

俺はその衝動が何なのか今まで分からなかった。

だけど あの時 彼女の唇の感触を
味わって気付いた。

この溢れる様な衝動が何なのかを....

「あっ ヒイロこんな所に居た
何 こんな所で一人で黄昏れてんの!」

仲間の声に俺は振り向く そしてふと
仲間に向かって言葉を零す。

「なあ・・・恋って何だろうな...」
仲間は、きょとんとして...
「何言ってんの あ~あもうすぐ
発情期だもんね!子孫を残す為に
男達は、花嫁候補を探すのに躍起に
なってるよ! まぁ生存本能だから
仕方ないけど ヒイロがそんな事聞くの
珍しいね 好みのメスのオオカミでも
居たの?」仲間は、首を傾げて居る。


「いや・・・何でも無い・・・」そう言って俺は立ち上がる 仲間はそれ以上何も
言わず俺の後に付いて行く



そう恋は、生存本能 子孫を増やし群れを
繋げて行く生き残る為の衝動だと思っていた 俺も成人になったら子孫をたくさん
増やしてくれそうなメスのオオカミを
見繕って そうして自分だけの群れを
作る。

それが俺達オオカミの生き方だ。


だが あの時の溢れる様な衝動は、
生存本能とは違う気がする...。


もしあの時の衝動が本当の恋だとしたら...
このぐちゃぐちゃで醜い欲望が恋だとしたら...
恋とは、何て残酷な物なのだろう....
こんな気持ちを知ってしまったら

(アリス...君が欲しい...)

彼女の顔が頭の中でループする。
アリス アリスと心の中で何度も呟く。
気付いてしまった溢れ出すこの気持ちを
止める事など今の俺には、不可能だった。....

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