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どこにも書けないこと

どこにも書けないことを抱えてると
苦しくなる。
だってどこにも書けないのだから
こうやって呟いている事すら許されない
間違った事だと思えて来る。

でも じゃあ私は、どうしたらいいの?
いつも いつも皆の前で微笑んで
元気いっぱいにテンション上げて


好きな物は、苺の乗ったショートケーキ
可愛い物が好き
ミニチュアダックスフントを飼っていて
溺愛してる。

好きな異性のタイプは、優しい人
そうやって どんどん どんどん
自分の個人情報を晒して

私の好きな物を皆が真似して
流行の最先端を行くカリスマなんて
勝手にキャッチコピーを貼られて
私は、自分の事そんな風に思ってないのに

私の イメージが一人歩きして、
分かった風に分析される...

こんなはずじゃ無かった
最初は、純粋に綺麗な物に憧れただけだった けどそれが間違いだった

綺麗な物には、必ず棘がある
光がある所には、闇がある。
勝者の中には、必ず敗者が居る
そんな簡単な事に私は、気付かなかったんだ....


「ぐすっ...うっうっ...わあああっん!」
私は、獣の咆哮の様に泣き叫んだ。
もう死んじゃおう 誰も私が居なくなっても気付かない....

私は、睡眠薬の錠剤が入っている
瓶を振る 何度も 何度も
手の平が薬でいっぱいになるまで
振り続ける。

そして 限界まで もう持てないと思った所で振るのを止め 錠剤を口元に持ってった。
大きく 口を開け飲み込もうとした時

ピンポーンと家のチャイムが鳴った。
私が反射で振り返ると....

そこには、悲しそうな顔をした母
厳しい顔つきの父
何かを堪える様に顔を歪める兄の姿が
あった。

兄が急いで 私の手の中にある錠剤を
捨てさせる。

その時兄がもう片方の手で持っている
スマホの画面が光った。

そこには、某アイドル炎上
終わったアイドルと書かれていた。

私は、泣きながら...
「っ....お兄っちゃ....」と呟いた。
兄は、泣いている私を黙って抱き締め
父と母も何も言わず私の両肩に手を置いた。


母が優しく私の耳元で
「帰っておいで...!」と囁いた。
私は、その言葉に涙腺が刺激され
さっきとは、違う温かい涙が流れた。

私は、家族の温もりの中でまた
思いっきり泣いた。

まるで小さい子供が安心して泣き出すかの
様に....

こうして 某アイドルは、皆の憧れの
象徴である ステージから降り
普通の女の子に戻ったのだった。....。

2/8/2024, 6:15:39 AM